1級建築施工管理技士の第二次検定「経験記述」で品質管理が出たとき、①工種名②項目と理由③実施すべき内容の3段を型として押さえておけば、当日その場で答案を組み立てられます。令和7年度の問題1は品質管理そのものがテーマで、事務所ビル新築工事の工種から重点を置くべき項目を3つ挙げる形式でした。
項目が2つで止まってしまう、②の理由と③の内容が同じ話になってしまう。そうした迷いは、3段それぞれが何を求めているかを先に分けておけば防げます。自分の経験が住宅中心でも、型に沿って言い換えれば対応できます。
この記事は解答例を載せません。扱うのは設問文そのものの読み方です。手元の記述例が今の形式に合っているかどうかは、①②③に使われている語を年度どうしで並べれば判別がつきます。当サイトで原本PDFを3年分(令和5・6・7年度)突き合わせたところ、①と②の語はほぼ据え置きで、③の語だけが入れ替わっていました。記述例を配っている解説は多いのですが、その例がどの年度の①②③に対応しているかまで示したものは見当たりません。そこを本文で埋めます。
令和7年度の問題1は、テーマそのものが品質管理だった
品質管理の記述例を探しているが、どれが今の形式に合っているのか分からない。令和5年度の記述例が手元にあるが、そのまま使えるのか。今年も品質管理が出ると思って準備していいのか。この3つの迷いは、まず出題された年度の設問文そのものを見れば切り分けが始まります。
令和7年度の第二次検定は「令和7年10月19日(日)」に実施され、問題1の柱書は「建築工事の施工者は,設計図書等により工事目的物に要求される品質を把握し,品質管理を的確に行うことが求められる。」という1文で始まります。続けて「建築工事の現場を管理していくうえでのあなたの考えについて,今日までの経験を踏まえ,次の 1.及び 2.の問いに答えなさい。」とあり、問題1が1.と2.の2問で構成されていることが柱書の段階で分かります(出典:一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」表紙および本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-20確認)。テーマを別のところから推測する必要はありません。柱書が品質管理と名指ししています。
建築設備工事を書いていいのか駄目なのかという疑問も、同じ柱書で片がつきます。令和7年度の問題1には「なお,建築工事には,建築設備工事は含まれないものとする。」と書かれています(出典:同 本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-20確認)。設備系の工種で品質管理項目を立てる準備をしていた方は、ここで対象から外れます。
当サイトが原本PDFで確認したのは令和5・6・7年度の3年分です。年度をまたいで比べている箇所は、すべてこの3年分の設問文に載っている語に限っています。原本に書かれていない採点の扱いや今後の出題には踏み込みません。
令和6年度からの出題形式の変更そのもの、問題1が6問のうちの1問であるという位置づけ、来年度の出題を当てにいかないという構え方、そしてA・B・Cの3段階評価については、1級建築施工管理技士の経験記述の記事が担当しています。この記事はそこには立ち入らず、品質管理が出た年度の設問文をどう読むかに絞ります。
①②③の語を令和5年度と並べると、③だけが入れ替わっている
3段が何を求めているのか掴めない、②の理由と③の内容が同じ話になってしまう。そう感じるときは、説明で理解しようとせず、原本の語をそのまま並べるのが早道です。テキストが古いかどうかの判断も、この並べ方でつきます。
令和7年度の1.は「右の工事概要に示す事務所ビル新築工事で行われる工種又は作業において,あなたが統括的な施工の技術上の管理を求められる立場として工事を担当するうえで,品質管理上特に重点を置くべきと考える項目を 3 つあげ,それぞれ次の①から③について具体的に記述しなさい。」という問いです。一方、令和5年度の1.は「工事概要であげた工事で,あなたが現場で重点的に品質管理を行った事例を 3 つあげ,それぞれの事例について,次の①から③を具体的に記述しなさい。」となっています(出典:建設業振興基金 令和7年度 第二次検定問題 本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf /令和5年度 第二次検定問題 本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r05_1kj_mondai.pdf ・いずれも2026-09-20確認)。
そのうえで、6つの解答項目を横に並べます。
| 段 | 令和7年度の語(逐語) | 令和5年度の語(逐語) |
|---|---|---|
| ① | 工種名又は作業名等 | 工種名又は作業名等 |
| ② | 特に重点を置くべきと考える品質管理項目及びその品質管理項目について重点を置くべきと考える理由 | 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由 |
| ③ | ②の品質管理項目を管理していくうえで実施すべき内容 | ②の品質管理項目について実施した内容及びその確認方法又は検査方法 |
①は両年度とも同じ語です。②は「重点を置くべきと考える」か「設定した」かの違いで、項目と理由の2点を書く構造は変わっていません。差が出ているのは③です。令和5年度の③には「確認方法又は検査方法」という語がありますが、令和7年度の③にはこの語がありません(出典:前掲の令和7年度 本文P―2 /令和5年度 本文P―2 ・2026-09-20確認)。
ここが、古い記述例をそのまま写したときに起きる不整合の正体です。令和5年度向けに仕上げた③には、実施した内容に加えて検査方法や確認方法が書き込まれています。それを令和7年度の③に移すと、設問が求めていない検査方法の話が余り、逆に管理していくうえで実施すべき内容が薄いまま検査方法だけが並ぶと、問いに答えていない答案になります。手元の記述例が今の形式に合っているかは、この語の対応で判断するのが確実です。
②と③が同じ話になってしまう問題も、語を分けて読めば整理できます。②が求めているのは項目とその理由、つまりなぜそこに重点を置くのかという判断の根拠です。③が求めているのは、その項目を管理していくうえで実施すべき内容、つまり現場で何をやるかです。判断の根拠を③に書くと②の繰り返しになり、やることを②に書くと③が空になります。②は理由の欄、③は行為の欄と割り切っておくだけで重複は減ります。
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①工種名②項目と理由③実施すべき内容の型は分かっても、次のような不安が残ることがあります。
- 品質管理項目を、②と③がすべて異なる内容になる形で3つ用意しきれない
- 自分が書いた答案を、他人の目で確かめる相手がいない
- 示された工事概要が事務所ビルで、自分の経験をどう当てはめればよいか判断できない
経験記述の添削と、作文作成の代行を出しているのが独学サポート事務局です。3つの項目が②と③で重なっていないかを、書いた本人以外の目で見てもらう手があります。
変わったのは1.だけで、2.の骨格は令和5年度とほぼ同じ
2.の「組織的な品質管理活動」は自分の工事の話をすればいいのか。「協力会社等に伝達する手段又は方法」に何を書けばいいのか。1.の③と2.の①が同じ内容になってしまう。2.はこの3つで手が止まりやすい設問ですが、年度をまたいで最も変化が小さい部分です。
令和7年度の2.は「右に示す工事概要の建築工事に係わらず,現場で行う組織的な品質管理活動について,次の①及び②を具体的に記述しなさい。」、令和5年度の2.は「工事概要であげた工事に係わらず,あなたの今日までの建築工事の経験を踏まえて,次の①及び②を具体的に記述しなさい。」です(出典:建設業振興基金 令和7年度 第二次検定問題 本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf /令和5年度 第二次検定問題 本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r05_1kj_mondai.pdf ・いずれも2026-09-20確認)。両年度とも「係わらず」という語が入っています。1.で扱った工事に縛られないという条件が、設問文の側から明示されているわけです。
解答項目の4つも並べてみます。
| 段 | 令和7年度の語(逐語) | 令和5年度の語(逐語) |
|---|---|---|
| ① | 品質管理活動の内容及びそれを協力会社等に伝達する手段又は方法 | 品質管理を適確に行うための作業所における組織的な取組 |
| ② | ①の品質管理活動によってもたらされる良い影響 | ①の取組によって得られる良い効果 |
①はどちらも作業所や現場で行う組織的な取組・活動を問い、②はどちらもその取組がもたらす良い効果・良い影響を問うものです。令和7年度の①にだけ「協力会社等に伝達する手段又は方法」が足されている点を除けば、骨格は同じと言ってよい並びです(出典:前掲の令和7年度 本文P―2 /令和5年度 本文P―2 ・2026-09-20確認)。
この事実は準備のしかたに直接効きます。形式の変更に驚いて全部を作り直そうとする方がいますが、原本を並べる限り、令和5年度から令和7年度で大きく入れ替わったのは1.の側です。2.に向けて用意していた組織的な取組の材料は、今の形式でもそのまま使える見込みが高いと僕は考えています。ただし令和7年度は伝達の手段又は方法を①の中で求めているので、取組の中身だけで止めず、それを誰にどう伝えるかまで一続きで書けるようにしておく必要があります。
1.の③と2.の①が同じ内容になってしまうという悩みについては、設問文の側に条件が付いています。次の見出しでまとめて扱います。第二次検定全体の進め方を先に固めたい方は、1級建築施工管理技士 二次検定対策もあわせて確認してください。
示された事務所ビルの仕様から、品質管理項目を立てられる工種を拾う
品質管理項目を3つ挙げろと言われても2つで止まってしまう。示された工事概要が事務所ビルで、自分は住宅しかやったことがない。工事概要に無い工種を書いたら駄目なのか。工種を3つ選ぶとき、躯体だけや仕上げだけに寄せていいのか。この4つは、工事概要の読み方を変えると見通しがよくなります。
まず位置の確認です。令和6・7年度の工事概要は、受検者が記入する欄ではなく、問題のうしろのページ(本文P―3)に1ページを使って印刷されています。設問文が「右の工事概要」と書いているのは見開きの位置関係を指した表現です。令和7年度の工事概要は、工事名「事務所ビル新築工事」、主要構造「鉄骨構造 地上7階建て 塔屋1階」、主要用途「事務所」、工期「2025年2月から2026年9月」、用途地域「商業地域 15 m 道路隣接」、敷地面積「1,110.0 m²」、建築面積「800.0 m²」、延べ面積「5,720.0 m²」、最高高さ「30.5 m」、階高「3.8 m」と示されています(出典:一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」本文P―3〔工事概要〕 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-20確認)。
工種を拾う手がかりは、その下に並ぶ仕様の記載です。令和7年度の主な構造仕様は、根切深さ「設計 GL‑3.0 m」、地下水位深さ「設計 GL‑3.6 m」、山留め「鋼矢板(シートパイル)壁工法」、基礎「既製コンクリート杭(PHC 杭)」、構造部材「柱:角形鋼管,梁:H 形鋼」「床:合成デッキスラブ」、耐火被覆「耐火材巻付け工法」です。主な外部仕上げは、陸屋根「アスファルト保護断熱防水」「アルミ製笠木,ステンレス製丸環」、主な外壁「押出成形セメント板+フッ素樹脂塗装」と示されています(出典:同 本文P―3〔工事概要〕 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-20確認)。
地業から躯体、耐火被覆、防水、外壁仕上げまでが一続きで並んでいます。つまり、選べる工種の範囲は工事概要の仕様欄が決めているわけです。当日は次の順で拾うと3つ目で止まりにくくなります。
- 工事概要の仕様欄から、そのまま工種名または作業名として書ける語を書き出す(山留め、杭、鉄骨、デッキスラブ、耐火被覆、防水、外壁など)
- 書き出した語を、地業・躯体・仕上げのどこに属するかで仕分ける
- 仕分けた中から、自分が管理した経験のある工種を優先して3つ取る
- 取った3つそれぞれについて、②に書く理由と③に書く実施内容が別々に立つかを確認する
- 立たない工種があれば、同じ仕分けの中から代わりの語に差し替える
躯体だけ、仕上げだけに寄せてよいかどうかは、原本の設問文に指定がありません。断定する材料が無いので判断は示しませんが、仕様欄が地業から外部仕上げまで並んでいる以上、拾える語が特定の部位に偏っていないことは確認できます。3つ目で手が止まるときは、同じ部位で粘らずに別の仕分けへ移るほうが早いはずです。
自分は住宅しかやったことがない、という場合の扱いも整理しておきます。令和7年度の形式には、受検者が自分の工事概要を記入する欄がありません。問われているのは、示された事務所ビル新築工事の工種において品質管理上特に重点を置くべき項目です。つまり経験は、工事概要の代わりに書くものではなく、②の理由と③の実施内容を具体的に書くための裏づけとして使う位置にあります。工種名は示された仕様から取り、その工種で自分が見てきた管理のしかたを理由と実施内容に落とす。この順番なら、経験の中心が住宅であっても書き進められます。学習の組み立て方から見直したい方は、1級建築施工管理技士の勉強方法で全体の流れを確認しておくと、経験記述に割ける時間の配分が決めやすくなります。
工事概要に無い工種を書いてよいかどうかには、設問文の側に明確な条件が付いています。次で4つまとめて確認します。
令和7年度に付いている条件は4つ|参照先は年度でずれる
3つの②と③を全部違う内容にしろとあるが、どこまで違えばいいのか。工事概要に無い工種を書いたら駄目なのか。1.の③と2.の①が同じ内容になってしまう。建築設備工事は書いていいのか。これらはすべて、設問文に書かれた条件を拾えば答えが出ます。令和7年度の問題1に付いている条件は次の4つです(出典:一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-20確認)。
- 柱書「なお,建築工事には,建築設備工事は含まれないものとする。」
- 1.「ただし,3 つの項目の②及び③はすべて異なる内容を記述するものとする。」
- 1.「なお,工事概要に示す工事において,各作業は一般的な手順に従って施工されるものとし,施工上必要としない工事及び作業に関する内容についての記述は不可とする。」
- 2.「ただし,1.の③と同じ内容の記述は不可とする。」
2つ目の条件から、異なっていなければならないのは②と③だと読み取れます。①については令和7年度の条件文に言及がありません。3つ目は、示された工事で施工上必要としない工事や作業を書けないという内容で、工事概要に無い工種を持ち出せるかの判断はここに戻ります。4つ目は、1.の③に書いた内容を2.の解答で繰り返せないという意味です。重なりそうなときは先に1.の3つを固め、そこで使わなかった組織的な活動を2.に回すと衝突しません。
ここで注意したいのは、原本はいずれも「不可とする」と書いているだけだという点です。それが採点上どう扱われるかは、3年分の設問文のどこにも書かれていません。当サイトでも、この語を別の言葉に置き換えることはしません。条件は条件として、書かないという運用で守れば足ります。
そして年度をまたぐときに一番ずれやすいのが、この条件の参照先です。
| 年度 | 2.に付く除外条件(逐語) | ①の重複可否の明記 |
|---|---|---|
| 令和5年度 | ただし,1.の③と同じ内容の記述は不可とする。 | 3つの事例の①は同じものでもよいが,②及び③はそれぞれ異なる内容を記述するものとする。 |
| 令和6年度 | ただし,1.の②と同じ内容の記述は不可とする。 | 記載なし(3つの提案の②及び③はすべて異なる内容、とのみ) |
| 令和7年度 | ただし,1.の③と同じ内容の記述は不可とする。 | 記載なし(「3 つの項目の②及び③はすべて異なる内容」とのみ) |
参照先が令和6年度だけ「1.の②」で、令和5年度と令和7年度は「1.の③」になっています。また、①の重複が可能だと明記されているのは令和5年度だけで、令和6・7年度の条件文には①についての記載がありません(出典:令和5年度 第二次検定問題 本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r05_1kj_mondai.pdf /令和6年度 第二次検定問題 本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r06_1kj_mondai.pdf /令和7年度 第二次検定問題 本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・いずれも2026-09-20確認)。条件は年度ごとに書き直されています。過去問で身につけた条件の記憶をそのまま当日に持ち込まず、本番の紙に書いてある条件を読み直す。それだけで避けられるずれです。
なお、何行書けばよいのかという不安についても触れておきます。令和5・6・7年度の全ページを通して、問題1の配点、解答欄の行数、字数の指定は1件も見当たりません。解答量に関わる記載は、表紙の注意事項にある「5.問題 1 から問題 4 は,記述式です。解答は,解答用紙の定められた範囲内に,〔HB〕の黒鉛筆か黒シャープペンシルで記入してください。」の1行だけで、これは3年とも同文です(出典:令和7年度 第二次検定問題 表紙〔注意事項〕 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf ・2026-09-20確認)。解答用紙の範囲に収めること以外は、原本から言えることがありません。
「テーマは3つ」という整理が令和6年度を説明できない理由
テキストが古いかどうかを何を見て判断すればいいのか。今年も品質管理が出ると思って準備していいのか。品質管理の記述例がどれも同じように見える。この3つに関わるのが、出題テーマの分類という考え方です。第二次検定の問題1を、品質管理・施工の合理化・建設副産物の3つで整理している解説は多くあります。ところが、この3分類では説明のつかない年度が現にあります。
令和6年度の問題1の柱書は「持続可能な建設業を目指して,働き方改革を推進すべく様々な取組が官民一体となって続けられている昨今,建築工事の現場を管理していく上でのあなたの考えについて,次の 1.及び 2.の問いに答えなさい。」です(出典:一般財団法人 建設業振興基金「令和6年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r06_1kj_mondai.pdf ・2026-09-20確認)。柱書に置かれているのは働き方改革であって、品質管理でも施工の合理化でも建設副産物でもありません。
中身を見ても同じです。令和6年度の1.は「有効と考える現場作業の軽減策を 3 つ提案し」と求めており、2.は「建設業における働き方改革の課題の 1 つとして,建設現場における時間外労働が挙げられる。」と切り出して、時間外労働を増長させていた要因とその対策を問うています(出典:同 本文P―2 https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r06_1kj_mondai.pdf ・2026-09-20確認)。1.が現場作業の軽減策、2.が時間外労働です。品質という語は、令和6年度の1.では「機能,性能等の要求された品質を確保しながら」「②の実施に当たって確保すべき品質」という形で、軽減策を考えるうえでの前提条件として現れます。テーマそのものが品質管理だった令和7年度とは、問いの立て方が違います。
したがって、3分類を覚えて出題を待ち構える準備のしかたは、令和6年度のような年に対応できません。個人的には、テーマ名で分類して備えるより、どの年度にも共通する読み方を身につけるほうが確実だと思います。共通しているのは、問題1が1.と2.の2問構成であること、1.が3つ挙げさせる形であること、それぞれに①から③(2.は①②)の解答項目が指定されていること、条件が「ただし」「なお」の形で付いていることです。この4点は令和5・6・7年度のすべてに当てはまります。
手元のテキストが古いかどうかの判断も、ここに戻ります。見る順番は2段です。まず工事概要の記入欄があるかどうかで形式の世代を見て、次に①②③の語が原本と一致しているかで年度を見る。前半の見方は経験記述そのものを扱った記事で扱っているので、この記事は後半だけを担当します。テーマ名が一致しているかで判断しないでください。テーマが何であれ、本番の紙に書かれた語をその場で読み分けられれば、答案の骨は組めます。
1級建築の経験記述で品質管理を書くときの要点まとめ
この記事で確認してきたことを、見出しの順に並べ直します。
- 令和7年度の問題1は柱書が品質管理を名指しし、1.と2.の2問構成で、建築設備工事は含まれない
- ①②③の語を令和5年度と並べると③だけが入れ替わっており、令和5年度にある「確認方法又は検査方法」が令和7年度には無い
- 2.は両年度とも「係わらず」+組織的な取組・活動+良い効果・良い影響で骨格が同じで、令和7年度は伝達の手段又は方法が①に足されている
- 工種は工事概要の仕様欄(本文P―3)から拾い、地業・躯体・仕上げで仕分けてから3つ取る
- 令和7年度の条件は4つ。参照先は年度でずれ、①の重複可を明記しているのは令和5年度だけ
- 令和6年度は柱書が働き方改革なので、出題テーマの3分類では説明がつかない
本番までに用意しておくものを1つに絞るなら、記述例の暗記ではなく、①②③の語を読み分ける手順だと考えます。②は理由の欄、③は行為の欄。1.の③で使った内容は2.の①に回さない。条件は当日の紙で読み直す。この3つを持って試験室に入れば、テーマが変わっても手は止まりにくくなります。
次に取る行動は、令和7年度の問題PDFを開いて、この記事で並べた①②③の語を自分の目で確かめるところからです。経験記述全体の位置づけや評価の見方は1級建築施工管理技士の経験記述、他の問題まで含めた進め方は1級建築施工管理技士 二次検定対策で確認してください。受検できる区分や実務経験の条件から整理したい場合は、1級建築施工管理技士の受検資格が入口になります。
以上が、1級建築施工管理技士の経験記述で品質管理が出たときの設問文の読み方のまとめです。
