- 経験記述の例文を探しているんだけど、どれを見ればいいのか
- 工事概要って、そもそも何を書く欄なんだ
- 令和6年度から何か変わったと聞いたが、本当なのか
- 手元の参考書が古いままじゃないか、不安になってきた
- 二次検定は結局、何問答える試験なんだ
- 土木の経験記述の情報を見ていたが、管工事も同じでいいのか
上記の様な悩みを解決します。
1級管工事施工管理技士の第二次検定では、令和6年度から施工経験記述が出題されなくなりました。全国建設研修センターが令和6年2月26日に公表した見直しの通知で、受検者自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から、経験に基づく解答を求める設問をとりやめると示されています。ところが検索して上位に出てくるのは経験記述の例文集で、しかも試験問題の公表期間は1年間なので、令和5年度以前の問題冊子を取り寄せて新旧を自分で見比べることもできません。土木と建築の第二次検定には施工経験記述が残っている点も、種目をまたいだ取り違えが起きやすい理由です。今回は見直しの中身・令和7年度の出題構成・受検手数料や試験時間といった基本を押さえた上で、上位の解説記事がほとんど触れていない「なぜとりやめになったのか」と「古い対策情報の見分け方」まで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、これから令和8年度の受検を考えている方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
1級管工事の第二次検定に、施工経験記述はもう出題されない
結論を先に書きます。いまの1級管工事施工管理技術検定の第二次検定に、施工経験記述の設問はありません。「経験記述の例文を探しているんだけど、どれを見ればいいのか」という入口そのものが、これから受ける試験とつながっていない状態になっています。
根拠は、令和6年度からの試験問題の見直しです。一般財団法人 全国建設研修センター 管工事試験部が令和6年2月26日に公表した「令和6年度以降の管工事施工管理技術検定試験問題の見直しについて」には、第二次検定について「1級と2級の第二次検定において、工程管理、安全管理の設問を必須とする。また、受検者自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から、経験に基づく解答を求める設問をとりやめ、空調・衛生の施工に関する選択問題において、経験で得られた知識・知見を幅広い視点から確認するものとして見直しを行う。」と記されています。経験に基づく解答を求める設問をとりやめる、と正面から書かれているのがこの一文です。
通知の上だけの話ではなく、実際の問題冊子でも同じことが確認できます。令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第二次検定の試験問題は、表紙の【注意】2に「問題1、問題2、問題3は全問解答してください。 問題4と問題5のうちから1問を解答してください。(2問を解答すると減点)」と印刷されており、本文側のp.1にも「問題1、問題2、問題3は必須問題です。必ず解答してください。/解答は解答用紙に記述してください。」と書かれています。そして必須の先頭にあたる問題1は、同じくp.1で「次の設問1~設問3の答えを解答欄に記述しなさい。」から始まり、「〔設問1〕 次の⑴~⑸の記述について、適当な場合には○を、適当でない場合には✕を記入しなさい。」と続きます。選択側の問題4も、p.6で「鉄筋コンクリート造5階建ての新築事務所ビルの空気調和設備工事で、その設備概要が次のとおりである場合」と条件が指定される形です。
つまり、冊子のどこを開いても「あなたが経験した工事について書きなさい」という設問が出てこないということです。令和7年度の冊子に無いものを並べると、次の3つになります。
- 自分が担当した工事を1件選び出させる設問
- 工事名・発注者名・工期などを埋める工事概要の記入指示
- 品質管理や工程管理のテーマを指定して体験を書かせる設問
施工経験記述がどういう設問なのかは、いまも残っている種目の現物を見るのが早いです。令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定の試験問題 p.1 の問題1は「あなたが経験した土木工事を1つ選び,工事概要を具体的に記述したうえで」と始まり、〔工事概要〕として⑴工事名 ⑵工事現場における施工管理上のあなたの立場 ⑶工事の内容(①発注者名 ②工事場所 ③工期 ④主な工種 ⑤施工量)が並びます。管工事の冊子には、この形の設問も記入指示も見当たりません。例文集を暗記する準備も、工事概要の書き方を練習する準備も、いま受ける管工事の試験の得点には直結しない、ということです。
もう一段踏み込むと、管工事に限れば「経験記述」は現行の設問名ではなくなっています。検索窓に入れているキーワードが、その種目にはもう無い設問の名前だという状態です。検索結果の側は当時のまま残り続けるので、言葉が生きているうちは古い対策情報も一緒に生き残ります。キーワードが通じることと、その設問が自分の受ける種目の試験にあることは、まったく別の話だと考えたほうがいいです。
ややこしいのが種目の違いです。当サイトが2026年9月に確認した範囲では、土木や建築の第二次検定の対策記事は、今も施工経験記述の書き方が主題になっています。先ほどの見直し通知は管工事施工管理技術検定について管工事試験部が出したものなので、対象は管工事です。他の種目の解説を読んで「1級の二次といえば経験記述」という前提を持ち込むと、そこで噛み合わなくなります。検索して出てきた情報が、どの種目の話なのかを毎回確かめる。これは一次検定のときにも言えることですが、二次検定ではさらに効いてきます。
念のため補足すると、この記事で確認したのは1級の令和7年度の問題冊子です。2級管工事が現在どう出題されているかまでは確認していないので、ここでは触れません。それと、経験を問う設問が外れたことは「もう勉強しなくていい」という意味ではありません。第二次検定は記述式による筆記試験のままで、解答用紙に自分で書く試験であることは変わっていません。変わったのは、何をもとに書くかという部分です。
見直しの中身|工程管理と安全管理が必須になり、経験を問う設問が外れた
「令和6年度から何か変わったと聞いたが、本当なのか」という疑問には、公表資料が2つの段階で答えています。順番に見ていくと、この見直しの狙いがはっきりします。
先に動いたのは国土交通省です。不動産・建設経済局建設業課が令和5年11月9日に出した「令和6年度技術検定のスケジュール等を公表しました ~受検資格等の見直しを行います~」の「3.令和6年度以降の試験問題の見直し」には、「・第二次検定 : 受検者の経験に基づく解答を求める設問に関し、自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から、設問の見直しを行う。」と書かれています。同じ報道発表の本文には「令和6年度以降の技術検定の試験問題に関し、以下2点の見直しを行います。なお、受検の公平性の観点から、試験問題に関する問い合わせはお受けできません。」ともあり、見直しが2点セットで示されたこと、そして中身の問い合わせには応じない姿勢が明示されています。
この時点で分かるのは「設問の見直しを行う」というところまでで、どう変わるかは書かれていません。それが具体化したのが、先ほども引いた全国建設研修センター 管工事試験部の令和6年2月26日の通知です。第二次検定の部分は、次のとおりです。
「・第二次検定:1級と2級の第二次検定において、工程管理、安全管理の設問を必須とする。また、受検者自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から、経験に基づく解答を求める設問をとりやめ、空調・衛生の施工に関する選択問題において、経験で得られた知識・知見を幅広い視点から確認するものとして見直しを行う。」(一般財団法人 全国建設研修センター 管工事試験部「令和6年度以降の管工事施工管理技術検定試験問題の見直しについて」令和6年2月26日)
この2文には、性質の違う3つのことが同時に入っています。順に切り分けます。
1つ目が、工程管理と安全管理の設問を必須とする、という部分です。試験の中で必ず問われる領域として、この2つが名指しされました。選択で避けられる位置ではなく、必須側に置くという意思表示です。
2つ目が、経験に基づく解答を求める設問をとりやめる、という部分です。とりやめの理由も同じ文の中に書かれていて、受検者自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点、とされています。ここが今回いちばん重要なところです。当サイトが2026年9月に上位10サイトを確認した範囲では、とりやめになったという結果に触れているページはあっても、その理由まで書いていたのは1サイトだけでした。国土交通省の側でも「自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から」と同じ表現が使われているので、令和5年11月の予告から令和6年2月の具体化まで、狙いは一貫していたことが読み取れます。
3つ目が、空調・衛生の施工に関する選択問題において、経験で得られた知識・知見を幅広い視点から確認する、という部分です。ここを読み落とすと解釈を間違えます。経験そのものが試験から消えたのではなく、経験で得られた知識・知見を確認する場所が、経験を書かせる設問から選択問題に移った、という書き方になっているからです。「経験が要らなくなった」ではなく「経験の問われ方が変わった」と受け取るのが、通知の文面に沿った読み方だと考えています。
もう1つ注意しておきたいのが、この見直しは種目ごとに具体化の中身が違うということです。国土交通省の報道発表は技術検定全体に向けた方針で、それを管工事としてどう落とし込むかを書いたのが管工事試験部の通知です。したがって「経験に基づく解答を求める設問をとりやめ」たのは、ここで確認できる範囲では管工事の話であって、他の種目も同じ形になったという意味ではありません。実際、令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定の試験問題 p.1 には「あなたが経験した土木工事を1つ選び」という設問が残っています。
もう1つ、この2つの資料から見えてくるのが時系列です。国土交通省が令和5年11月9日に方向性を示し、試験機関である全国建設研修センターが令和6年2月26日に管工事としての具体像を出す。受検する年度の前年秋から冬にかけて、この順番で情報が出てくるということです。しかも報道発表には試験問題に関する問い合わせは受けられないと書かれているので、公表された文面以上の説明を個別に得る道はありません。制度の変わり目に受検する場合、公表資料そのものを読みに行く以外の手段が無い、というのがこの試験の構造です。
なお、ここで新旧の設問を並べて比較したい気持ちになりますが、それはやりません。理由は後述しますが、見直し前の問題冊子は公式からすでに入手できないためです。通知に書かれていない部分を推測で埋めると、それ自体が新たな誤情報になります。この記事では、通知に書かれていることと、令和7年度の問題冊子に実際に印刷されていることだけで話を進めます。
令和7年度に実際に出たのは、必須3問と選択1問の計4問
「二次検定は結局、何問答える試験なんだ」という問いには、令和7年度の問題冊子が答えを出しています。表紙の【注意】と本文の指示をそのまま構成に直すと、次のようになります。
| 区分 | 問題番号 | 解答の仕方 |
|---|---|---|
| 必須問題 | 問題1 | 全問解答 |
| 必須問題 | 問題2 | 全問解答 |
| 必須問題 | 問題3 | 全問解答 |
| 選択問題 | 問題4・問題5 | 2問のうちから1問を選んで解答 |
※出典:令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第二次検定 試験問題 表紙【注意】2、p.1、p.6
答えるのは、必須3問と選択1問の合計4問です。表紙の【注意】2には「問題1、問題2、問題3は全問解答してください。 問題4と問題5のうちから1問を解答してください。(2問を解答すると減点)」とあり、選択側で2問とも書くと減点になる点まで明示されています。選択の手続きも決まっていて、p.6には「問題4と問題5の2問題のうちから1問題を選択し、解答してください。/選択した問題は、解答用紙の選択欄に○印を記入し、解答は解答用紙に記述してください。」と書かれています。解答欄を埋めるだけでなく、選択欄に○印を入れるところまでが解答の作業です。
必須の中身のうち、問題1については設問の形まで公表資料から追えます。p.1に「【問題1】 次の設問1~設問3の答えを解答欄に記述しなさい。」とあり、その最初の設問が「〔設問1〕 次の⑴~⑸の記述について、適当な場合には○を、適当でない場合には✕を記入しなさい。」です。記述式の試験と聞くと全問が長文の作文だと身構えますが、少なくとも問題1の設問1は正誤を記号で答える形式でした。問題2と問題3がどういうテーマだったかは、この記事では触れません。冊子から確認できた範囲を超えて書くと、結局それも不確かな情報になるからです。
試験の運用面で押さえておきたいのが、持ち帰りの扱いです。表紙の【注意】5には「解答用紙は、試験監督者に直接提出してから退室してください。いかなる場合でも持ち帰りできません。」とあり、【注意】6には「試験問題は、試験終了時刻(16時00分)まで在席した方で、希望者に限り持ち帰りを認めます。途中退室者は、持ち帰りできません。」とあります。解答用紙は例外なく回収され、問題冊子は最後まで残った希望者だけが持ち帰れる、という書き分けです。自分の解答を手元に残せないので、自己採点で再現しようとしても限界があります。受検した年度の問題を後から見返したいなら、途中で退室しないという選択が必要になります。
前提として、この検定は「次の検定科目の範囲とし、記述式による筆記試験を行います。」と令和8年度 1級管工事施工管理技術検定 第二次検定 新受検資格 受検の手引 p.22 に書かれているとおり記述式です。合格基準は同じ p.22 に「以下の基準以上の者を合格とします。ただし、試験の実施状況等を踏まえ変更する可能性があります。」と留保を付けたうえで「・第二次検定 得点が60%以上」と示されています。60%は固定値として約束されたものではない、という書き方になっている点まで含めて押さえておいてください。マークシートではないので、書き方そのものが得点に関わる試験であることは変わっていません。
なお、令和8年度が同じ構成になるとは限りません。ここで書いたのは令和7年度に実際に配られた冊子の話で、必須と選択の区切りが今後も同じである保証はどこにもありません。受検する年度の受検の手引と、当日の冊子の【注意】を必ず自分で読んでください。第一次検定の側は合格基準が2つある独特の作りになっているので、そちらの構造はこちらで整理しています。

選択問題は、自分の現場ではなく問題文が与える設備概要に答える
経験記述が外れたあと、経験に近い領域はどこへ行ったのか。その答えが分かるのが、令和7年度の選択問題です。ここが、この記事でいちばん伝えたいところになります。
令和7年度の第二次検定 p.6 の問題4は、次の文で始まります。「【問題4】 鉄筋コンクリート造5階建ての新築事務所ビルの空気調和設備工事で、その設備概要が次のとおりである場合、設問1~設問3の答えを解答欄に記述しなさい。/ただし、工程管理及び安全管理に関する事項は除く。」。そしてこの文に続いて「【設備概要】」という見出しが置かれ、対象となる設備の条件が問題文の側から与えられます。
この数行に、変化の全部が入っています。読み解いていきます。
工事の中身を決めているのは受検者ではなく問題文です。鉄筋コンクリート造5階建ての新築事務所ビル、空気調和設備工事という条件が、あらかじめ指定されています。自分が担当した工事の中から書きやすいものを1件選ぶ、という作業がそもそも発生しません。問題4は設問1から設問3までで構成されていますが、そのいずれも工事概要の記入を求めていません(令和7年度 第二次検定 試験問題 p.6)。解答用紙そのものは今回確認していないので欄の有無までは断定しませんが、問題文の側が工事概要を求めていない以上、工事概要の書き方を練習しても解答の中身にはつながらない、という読み取りになります。
条件が全員に共通している以上、有利不利の出方も変わります。以前の形式であれば、書きやすい現場を経験しているかどうかが準備の質を左右しました。いまは全員が同じ設備概要を読むところから始まります。ただし、設備概要を読み取る力がそのまま効くのは設問の一部で、問題4の中には設備概要をほとんど使わずに設備の知識そのものを問う設問も含まれています。準備の方向としては、自分の現場のネタを掘り起こす作業から、条件を読んで判断を書く練習と、設備の知識を言葉で説明する練習の両方へ移る、と考えるのが素直です。
「ただし、工程管理及び安全管理に関する事項は除く。」という一文も見逃せません。選択問題の側で工程管理と安全管理が除外されているということは、その2つは別のところで問われているという読み方ができます。ここで先ほどの見直し通知に戻ると、工程管理、安全管理の設問を必須とする、と書かれていました。必須側に工程管理と安全管理を置き、選択側ではそれを除く。2つの資料を突き合わせると、役割分担がきれいに対応しているのが分かります。あくまで通知の文面と冊子の文面を並べたときの読み取りなので、そう明記された資料があるわけではありませんが、対応関係としてはかなり素直です。
同じく通知には、空調・衛生の施工に関する選択問題において、経験で得られた知識・知見を幅広い視点から確認する、とありました。令和7年度の問題4は空気調和設備工事を題材にしていて、この位置づけと一致しています。ここが「経験が不要になった」と言い切れない理由でもあります。問われているのは、現場で積み上げた知識や判断を、与えられた条件に当てはめて説明できるかどうかです。経験そのものを書かせるのをやめて、経験から得たものを別の形で確認する。通知の言葉づかいをそのまま受け取れば、そういう設計です。
対策の組み立て方も、この違いから逆算できます。書きためた体験談を再利用する形ではなく、問題文の設備概要を読んで必要な情報を拾い、施工上の留意点として言葉にする形になります。設備概要には対象の建物や設備の条件が並ぶので、それを読み飛ばすと解答が条件から外れます。過去の問題を使って練習するなら、いきなり書き始めるのではなく、まず設備概要から読み取れることを書き出してみる。そこから解答を組み立てる順番のほうが、この形式には合っているはずです。
なお、選択のもう片方である問題5については、この記事では中身を書きません。逐語で確認できているのが問題4だけだからです。どちらを選ぶ前提で準備するかは、受検する年度の問題を自分で見て決めることになります。選んだ側の選択欄に○印を入れる手続きも忘れないでください。
例文集と過去問をどう扱うか|古い教材が見分けにくい理由
「手元の参考書が古いままじゃないか、不安になってきた」という感覚は、正しい警戒だと思います。そして、この分野で古い情報が見分けにくいのには、はっきりした構造的な理由があります。
理由は、試験問題の公表期間です。全国建設研修センターが令和8年3月4日に公表した資料には、試験問題の公表期間について「公表期間:令和7年12月8日(月)から1年間。」と記されています。1年で入れ替わるということは、いま公式サイトで見られるのは直近の1年分だけで、令和5年度以前の問題冊子はすでに公開が終わっているということです。
ここから何が起きるか。読者の側で新旧を見比べる手段が無くなります。「昔はこういう設問だった。いまはこう変わった」という確認を、公式の一次資料でやろうとしても、比較対象の片方が手に入りません。この記事で新旧の設問を並べていないのも同じ理由です。手元に残っている旧年度の教材が、どこまで現行と食い違っているかを、公式の資料だけで検証する道が閉じている状態だと考えてください。
そのうえで、検索結果の側は動きが鈍いままです。当サイトが2026年9月に「1級管工事施工管理技士 経験記述」の上位10サイトを実地で調べたところ、10サイト中6サイトが経験記述の例文を、5サイトが経験記述の書き方のコツを主題にしていました。一方で、令和6年度の見直しがなぜ行われたのかという理由まで書いていたのは1サイトだけです。これは公式の統計ではなく当サイトの調査結果ですが、検索して最初に目に入る情報の多くが、制度が変わる前の前提で作られているという状況は、数字としてこの通りでした。
判断の材料として、次の3点を手元の教材に当ててみるのが早いと思います。
- 対象年度が令和6年度以降の出題を前提に書かれているか
- 目次に施工経験記述や工事概要の章が主役として残っていないか
- 必須3問と選択1問という構成に触れているか
添削サービスについても同じ見方でいいはずです。経験記述の添削を掲げているものが今もありますが、その添削の対象が、いま出題される設問と一致しているかどうかは、申し込む前に自分で確かめる必要があります。特定のサービスがどうという話ではなく、制度が変わったあとに掲載内容が更新されているかを見るだけの話です。ここは名前で選ぶより、扱っている出題形式で選ぶほうが確実です。
過去問そのものは、公表期間の中にあるものなら公式から入手できます。入手経路と使い方の組み立ては2級のほうで詳しくまとめてあるので、手順の部分はそちらが参考になります。

令和8年度の第二次検定の枠|日程・時間・手数料・合格基準
出題の話が続いたので、受検の枠のほうも数字で押さえておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 第二次検定 試験日 | 令和8年12月6日(日) |
| 申込受付期間 | 令和8年5月7日(木)〜5月21日(木) |
| 合格発表 | 令和9年3月3日(水) |
| 受検手数料 | 12,700円(消費税非課税)+事務手続き手数料250円(税込) |
| 入室時間 | 13時00分まで |
| 受検に関する説明 | 13時00分〜13時15分 |
| 試験時間 | 13時15分〜16時00分 |
| 合格基準 | 得点が60%以上 |
| 成績通知の評定 | A:合格(合格基準以上)/B:得点が40%以上合格基準未満/C:得点が40%未満 |
※出典:国土交通省「令和8年度管工事施工管理技術検定の実施について」令和7年12月18日 p.1〜p.2、一般財団法人 全国建設研修センター「令和8年度 1級管工事施工管理技術検定 第二次検定 新受検資格 受検の手引」表紙・p.19・p.22
手数料でひとつ注意があります。受検の手引 p.19 には「8.受検手数料 12,700円 (消費税非課税)」と書かれていますが、同じページに「・上記のほか事務手続き手数料として 250 円(税込)が必要となります。」と続きます。12,700円だけを見込んでいると実費と食い違うので、250円を足した金額で用意しておくほうが安全です。
「通知に評定Bと書いてあったが何なのか」という疑問も、手引 p.22 の「(6) 個人の成績の通知」で解けます。第二次検定の評定はA・B・Cの3区分で、Aが合格、Bが得点40%以上で合格基準未満、Cが得点40%未満です。点数そのものは通知されず、この3区分でどのあたりにいたかが分かる形になっています。
直近の実績も見ておきます。全国建設研修センターが令和8年3月4日に公表した令和7年度の結果では、1級管工事の第二次検定は受検者数6,886人、合格者数4,360人、合格率63.3%でした。同じ資料の別紙には「6,886人が受検。令和6年度の受検者数8,736人よりも1,850人減少」「4,360人が合格。合格率は63.3%。令和6年度の合格者数6,661人よりも2,301人の減少」と記されており、受検者も合格者も前年度から減っています。実施しているのは、建設業法第27条及び第27条の2の規定に基づいて国土交通省から試験機関として指定を受けている一般財団法人 全国建設研修センターです。
年度をまたいだ合格率の並びと、合格発表の確認方法については、それぞれ単独で扱った記事があります。


経験記述が無くなっても、1級を取る理由は制度の側にある
設問の形が変わったと聞くと、資格そのものの価値まで揺れたように感じるかもしれません。ここは切り離して考えたほうがいいところです。出題形式は試験機関が決める運用の話で、1級を持っていることの意味は法令の側に書かれているからです。
まず、管工事業は指定建設業に含まれます。国土交通省 近畿地方整備局 建政部 建設産業第一課の資料(最終改訂 令和7年4月)p.41には「○指定建設業とは 土木、建築、管、鋼構造物、舗装、電気、造園工事業の7業種をいいます。(令第5条の2)」とあります。7業種のうちの1つが管工事業です。
次に、指定建設業の監理技術者に求められる資格です。同じ資料には「○資格内容(監理技術者)/1)指定建設業の場合/①一級国家資格者/②国土交通大臣が上記①と同等以上の能力を有すると認定した者」と記されています。指定建設業では、監理技術者になれるのが一級国家資格者か大臣認定者に限られる、という形です。
そして、その一級国家資格者が何を指すかは建設業法施行規則にあります。e-Gov法令検索で確認できる建設業法施行規則 第七条の三の表には、「管工事業 一 技術検定のうち管工事施工管理に係る一級又は二級の第二次検定に合格した者」と書かれています。この3つをつなぐと、1級管工事施工管理技士がどの位置にいるかが見えてきます。1つの資料に「1級管工事施工管理技士は監理技術者になれる」と書いた一文があるわけではなく、指定建設業の範囲・監理技術者の資格要件・施行規則の該当行という3つが重なった結果としてそうなっている、という理解の仕方が正確です。断定の根拠は条文の側にあります。
受検資格のほうも見ておきます。令和8年度の受検の手引の受検資格一覧には、「【受検資格区分1】 1級管工事施工管理技術検定第一次検定合格者/1-① 1級 第一次検定合格後の実務経験5年以上/1-② 1級 第一次検定合格後の特定実務経験(※1)1年以上を含む実務経験3年以上/1-③ 1級 第一次検定合格後の監理技術者補佐としての実務経験(※2)1年以上」と示されています。第一次検定に合格したあとの実務経験を、内容に応じて3つの区分から選ぶ形です。あわせて手引の「はじめに」には「なお、令和10年度までは、制度改正前の第二次検定の旧受検資格での受検も可能となる経過措置が設けられています。」とあり、旧受検資格での受検が令和10年度まで残されていることも書かれています。自分がどの区分に当たるかは条件の組み合わせで変わるので、年数の数え方や証明の取り方は個別に確認してください。

資格そのものの位置づけを、受験資格から年収まで通しで見たい場合は、総論のほうから入るのが早いです。

※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
【PR】いま手元にある教材は、令和6年度以降の出題に合っていますか
- 持っている対策本や過去問が、経験記述がとりやめになる前のものかどうか判断できない
- 試験問題の公表期間は1年間なので、令和5年度以前の問題冊子を取り寄せて見比べられない
- 問題1・2・3が必須で、問題4と問題5から1問を選ぶ形だが、どちらを選ぶ前提で準備するか決めていない
令和7年度の第二次検定は受検者6,886人に対して合格者4,360人、合格率63.3%。合格基準は得点60%以上で、通知されるのは評定A・B・Cの3区分です。令和8年度の申込は5月7日から5月21日までなので、教材を買い足す前に、独学の進め方ごと見直しておくと回り道を減らせます。
1級管工事施工管理技士の経験記述と第二次検定に関する情報まとめ
- 施工経験記述の扱い:令和6年度からの見直しで、経験に基づく解答を求める設問はとりやめになった。工事概要の記入欄も無い
- 見直しの中身:工程管理と安全管理の設問を必須とし、経験で得られた知識・知見は空調・衛生の選択問題で確認する形になった
- とりやめの理由:受検者自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から。国土交通省の令和5年11月9日の予告と表現が一致している
- 令和7年度の構成:問題1・2・3が必須で全問解答、問題4と問題5から1問を選択。2問答えると減点で、選択欄に○印が要る
- 選択問題の中身:問題4は鉄筋コンクリート造5階建ての新築事務所ビルという条件と【設備概要】が与えられ、工程管理及び安全管理に関する事項は除かれていた
- 古い教材の見分け方:試験問題の公表期間は1年間で、令和5年度以前の冊子は公式から入手できない。目次と対象年度で判断する
- 令和8年度の枠:試験日12月6日、申込5月7日〜5月21日、手数料12,700円+事務手続き手数料250円、合格基準は得点60%以上、評定はA・B・Cの3区分
- 資格の価値:管工事業は指定建設業7業種の1つで、指定建設業の監理技術者は一級国家資格者か大臣認定者に限られる
以上が1級管工事施工管理技士の経験記述と第二次検定に関する情報のまとめです。
この記事で伝えたかったことは、突き詰めると1つです。検索窓に入れている「経験記述」という言葉が、いま受ける試験の設問名ではなくなっている。ここさえ押さえておけば、上位に並ぶ例文集を前にしても手が止まりません。やることは、令和7年度の問題冊子を1年分読んで、必須3問と選択1問という構成を体で覚えるところからです。設備概要を読み取って施工上の判断を書く練習は、体験談を暗記する練習とは性質が違うので、早い段階で一度やってみたほうが感覚がつかめます。
制度の変わり目に受検するのは、正直なところ面倒です。情報の更新が追いついていない教材と、公式から消えた旧年度の問題に挟まれる形になるからです。ただ、公表されている資料そのものを読みに行けば、必要なことは全部そこに書いてあります。試験機関の通知と受検の手引と当年度の問題冊子。この3つを自分で開く習慣がつけば、次に何か変わったときも同じやり方で対応できると僕は考えています。
学習時間の見積もりと、いつから始めるかの逆算は、時間の側から掘り下げた記事にまとめています。

