- 避雷針設備ってなに?
- どんな構成になってるの?
- 種類について知りたい
- 施工する上での注意点は?
上記の様な悩みを解決します。
落雷は電気であり、何の対策もしないと電気設備に多大な悪影響を及ぼしてしまいます。よって避雷針設備は非常に重要であると言えます。
この記事では避雷針設備とは?といったところから、構成、種類、施工する上での注意点などについて解説していきます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
避雷針設備とは?
避雷針設備とは「落雷による被害を無くす為の設備」です。
落雷が何ボルトかご存知でしょうか?
諸説ありますが、5000万から2億ボルトくらいあります。もし屋上にいる人が食らったら、一溜まりもありませんよね。
また、人でなくても重要な機器が落雷を食らったら大変なことになります。
例えば、落雷がキュービクルや室外機に直撃したら大変なことになりますよね。建物全体が停電するかもしれませんし、エアコンが止まってしまうかもしれません。
避雷針設備は「避ける雷」と書いて避雷針ですが、実際には避けません。
避雷針が他の代わりに雷を受けてくれるんです。
要は「雷さんこっちおいで」という感じで、雷を受け、適切なルートで大地に流すのが雷設備ということです。
避雷針設備の構成
避雷針設備の構成
- 突針が落雷を受ける
- 突針から棟上げ導体に電気が流れる
- 棟上げ導体から引き下げ導体に電気が流れる
- 接地極から地面に電気を流す
避雷針設備の構成①屋上部分(突針と棟上げ導体)
まず突針というのは、屋上から縦に伸びている針のことで、棟上げ導体というのは屋上全体に張り巡らされている導体のことです。
素材は銅かアルミニウム製でできています。
突針は針ですから、一点で落雷を受けます。それを面に分けて行く感じです。
具体的にどれくらいの高さか?というのは、その建物が採用している決まりによって変わります。新JISなのか旧JISなのか。保護角法なのか、回転球体法なのかによって変わります。
避雷針設備の構成②屋上から地下に流す(引き下げ導体)
屋上で受けた落雷は地面に流します。
棟上げ導体から引き下げ導体を伝って、屋上から地下に電気を流す必要があります。
少なくとも2箇所以上の引き下げが必要です。IV線使う場合もありますし、構造体接地といって、鉄骨や鉄筋を引き下げ導体の変わりとして採用することもあります。
避雷針設備の構成③大地に電気を流す(接地極)
建物が感電する代わりに、大地に感電してもらいます。
そこで必要なのが接地極です。接地に関しては別記事で詳しくまとめていますが、ざっくり言うと下記のような感じです。
- 引き下げ導体と接地極が接続されている
- 接地極と大地が接続されている
避雷針設備の施工の注意点
- 接地極打設
- 接地極と引き下げ導体を接続する
- 引き下げ導体を屋上に伸ばす
- 棟上げ導体、突針の施工
一番注意すべきは「接地極と引き下げ導体の接続」です。
まず基礎工事が始まった段階で接地極を打設しますよね。この段階だと工事もそこまで忙しくないので、忘れることもありません。
打設した接地極を上に伸ばしていかなければならない訳ですが、コンクリート打設の段階でしっかり立ち上げておかないとコンクリートの中に埋まってしまいます。
また、自分ではしっかり立ち上げておいたつもりでも、コンクリート打設している間に踏まれてしまう可能性もあります。合番の人に注意して見てもらうよう注意が必要です。
ちなみにこのタイミングは、建物の中身を決めるからそこそこ忙しくなります。必ず忘れないようにしましょう。
避雷針設備の種類
避雷針設備の種類
- 旧JIS(保護角法)
- 新JIS(回転球体法)
「旧だから使わない」といった話ではなく、どちらも未だに使われているやり方です。どちらが正しいというのはありません。
一番賢い施工の進め方は「旧JISでも新JISでも対応できるように工事を進める」ということです。
工事はどこで変更が起こるか分かりません。最初の段階で「旧JISでいく!」とか「新JISでいく!」とか決めるよりも、両方に対応できるよう進めておいた方が後々楽です。
避雷針設備に関する情報まとめ
避雷針設備に関する情報まとめ
- 避雷針設備とは:落雷による被害を無くす為の設備
- 構成:上章参照
- 種類:旧JIS(保護角法)、新JIS(回転球体法)
- 施工での注意点:接地極と引き下げ導体の接続
以上が避雷針設備に関する情報まとめです。
一通り基礎知識は網羅できたと思います。
避雷針設備の概念は接地と同様です。接地とは?といったところを理解しておくことは電気工事の様々な場面で役立ちます。
下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。