配筋検査とは?誰が参加するの?チェック項目や資格について解説

  • 配筋検査ってなに?
  • 誰が参加するの?
  • チェック項目はどのようなものがあるの?
  • 資格は必要?

上記のような悩みを解決します。

コンクリートを打設してしまったら、後に戻って鉄筋の手直しをすることはできません。

やり直しの効かない工事ですので、配筋検査は重要な検査です。抑えるべき知識は必ず抑えておきましょう。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

配筋検査とは?

配筋検査とは、結論「施工した鉄筋が品質的に問題が無いか確認する検査のこと」です。

S造では建物の骨組みが鉄骨でできています。鉄筋は使用されていませんので、配筋検査の必要はありません。対して、RC造もしくはSRC造では鉄筋が建物の骨組みに採用されています。

建物の骨組みに不備があったら、構造上マズイですよね。

そこで適切に鉄筋が施工されているのかを検査するのが配筋検査です。

鉄骨はメーカーが作った既製品を搬入して据付するだけですので、メーカー側で品質証明を出せば問題はありません。(ちなみに品質を証明する書類のことを「ミルシート」と呼びます。)

ただ鉄筋の場合、メーカーが品質証明するのはあくまで材料としての鉄筋に対してです。鉄筋の材料に品質を担保できていたとしても、組み立て方に問題があれば、完成品の品質は悪くなります。

他の材料とちがって、鉄筋の組み方は色々と注意しなければならない点が多いんですよ。だからこそ人を集めて複数人でチェックを行い、品質上問題が無いか確認するんです。

あとは躯体工事がやり直しの効かない工事だということも関係しています。

例えば、内装工事で天井の施工をミスったら、天井を張り替えるだけです。対して、コンクリート打設が行われる躯体工事では、やり直しが効かないんです。

後々マズイ点が発覚しても是正できません。

 

配筋検査のチェック項目

配筋検査のチェック項目

  • 開口補強はしっかりなされているか
  • 結束のスパンは適切か
  • 型枠と鉄筋の間にゴミが落ちていないか
  • かぶり厚は適切か
  • スペーサーの数は適切か
  • スターラップの施工に問題は無いか
  • 幅や高さは適切か

配筋検査では上記のような項目において、鉄筋に問題が無いかを検査します。

共通のチェックシートがある訳ではありませんから、あくまで一例と考えてください。

よく是正対象として挙げられるのは「ゴミ」とかですかね。

要は、ゴミがあったらコンクリートの強度が落ちるよねって話です。例えばサブコンインサートが鉄筋の下に落ちていたら、その分コンクリートの量は減りますからね。

鉄筋上は多くの業者が出入りしますから、ゴミも多かったりします。

開口補強とかスターラップとか、幅や高さなどは図面がありますから、是正として挙がることは少ないです。というかそもそも、鉄筋が組み終わったタイミングはコンクリート打設の直前ですので、あまり大規模な是正は上がらないような気がします。

一言で言えば、当たり前にやるべきことをしていれば是正は挙がりません。

 

配筋検査を行う人

配筋検査を行う人

  • 鉄筋工
  • 監理設計
  • ゼネコン
  • たまにサブコン

上記のような人が配筋検査に参加します。

まず鉄筋を施工した本人である鉄筋工職長が参加します。鉄筋工は必ず参加です。

あとゼネコンの担当者も必須になります。要は鉄筋を組む工事の担当者な訳ですから、ゼネコンがいなければお話になりません

配筋検査をしっかりやるなら監理設計の人に現場を運んでもらって、配筋検査を行います。自分が設計した通りに施工がなされているかチェックします。

ただ、全てのコンクリート打設前に、毎回毎回監理設計が来るのは大変ですよね。

1フロアに1回とか、重要な部分以外は参加しなかったりします。監理設計は来たり来なかったりといったイメージですね。

サブコンに関しては現場によります。

鉄筋の下にインサートが落ちていたりした場合、是正すべきはサブコンですよね。スラブ上という括りでサブコンが呼ばれる現場もあります。

ただ、サブコンは鉄筋屋ではありませんので、出席義務はありません。

『参加してよ』と言われたとして、配筋検査に参加しなくても文句を言われる筋合いはありません。

 

配筋検査に必要な資格

結論から言うと、配筋検査に必要な資格はありません。

理論上、新人の担当者だとしても参加することは可能です。ただ、鉄筋の品質に問題が無いか?を知っておかなければならないので、新人の担当者が参加することはほぼありませんね。

資格は不要ですが、知識は必要です。

チェックシートがあってその通りにやるくらいなら大丈夫かもしれませんが、やはり現場経験が多い方が良くないポイントを知っています。

実際、工事長や主任クラスの担当者が参加することが多いです。職人側からは職長クラスになります。

ちなみに配筋検査関係の資格でいくと「コンクリート構造物の配筋探査技術者試験」というものがあります。一般社団法人の日本非破壊検査工業会が提供している資格です。

>>>一般社団法人日本非破壊検査工業会のホームページ

必須資格ではありませんが、技術者の知識を証明する材料として持っておいて損はありません。

お客様からしても、有資格者の人にやってもらった方が安心ですからね。

 

配筋検査に関する情報まとめ

配筋検査に関する情報まとめ

  • 配筋検査とは:施工した鉄筋が品質的に問題が無いか確認する検査のこと
  • 配筋検査に参加する人:鉄筋工、監理設計、ゼネコン、たまにサブコン
  • 配筋検査のチェック項目:上章参照
  • 配筋検査のに必要な資格:特に資格は必要ない

以上が配筋検査に関する情報のまとめです。

一通り配筋検査の基礎知識は網羅できたと思います。

配筋検査は躯体工事で行われます。躯体工事全体の流れを理解しておけば、配筋に関する理解も深まりますので知識として抑えておきましょう。

下に躯体工事に関する記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!