【施工者向け】内装工事とは?流れや注意点、期間などを解説

内装工事とは?

内装工事とは、結論「建物の壁・床・天井を仕上げる工事」です。

まず建物を作る流れは「基礎工事躯体工事→内装工事」というのが超大枠の考え方になります。建物が立つ地盤を整え、骨組みを作ったら、最後に仕上げをするという訳です。

躯体工事が終わった段階ではまだコンクリートの骨組みしかできていません。ドアも付いていませんし、窓も付いていませんし、コンセントも付いていません。

コンクリートだけの状態から、完成まで持っていくのが内装工事です。

具体的には下記のような工事を行う必要があります。

内装工事の具体例

  • ドアを施工
  • 窓を施工
  • 軽量を施工(後程詳しく解説)
  • ボードを施工
  • 床(フローリング)を施工
  • 電気設備を施工
  • 空調設備を施工
  • 衛生設備を施工

 

内装工事の流れ

内装工事の流れその①配線工事・配管工事

まずはサブコンが配線工事・配管工事を行います。

サブコンとは「電気設備・衛生設備・空調設備を施工する業者のこと」です。

電気設備を利用するには配線が必要ですし、空調設備を利用するには配管が必要になりますよね。壁や天井を作る前に先行してサブコンが配線工事・配管工事を行います。

工事に遅延が発生すれば、配線工事・配管工事は後ろ倒しになることもあります。ただ、基本的には先行して行われます。

 

内装工事の流れその②墨出し

先行の配線・配管が終わったら、天井や壁の墨出しを行います。

要はどこに壁を作るのか?どこに天井を作るのか?の目印を付けるんです。

建設現場はmm単位の仕事をしています。「なんとなくこれくらい」というのは通用しません。他設備や法規の兼ね合いもあるので、正確な施工をしなければなりません。

施工図を元に「天井から何mm」「壁からmm」といった印をつけ、次に行う工事の準備を行います。

 

内装工事の流れその③軽量工事

軽量工事はLGSのことであり、壁や天井の下地のことです。

例えば、壁を作るには部屋と部屋の間にボードを置かなければなりませんよね。ただ、当たり前のことながらボードは自立しません。

そこで、壁や天井のボードを固定する下地が必要になってきます。これが軽量(LGS)です。

LGSは「Light Gauge Steel」でして、直訳すると「軽い規格の鉄」という意味になります。要は鉄骨の軽いバージョンをイメージしましょう。

軽量(LGS)に関する情報は下記の記事で詳しく解説しているので、よかったら読んでみてください。

 

内装工事の流れその④ボード工事

軽量が終わったら、ボードを施工します。

簡単な話、壁の下地に壁を貼り付けていく作業です。天井に関しても同様でして、天井から軽量を流して、そこにボードを貼り付けることによって天井が完成します。

壁が躯体(コンクリートの場合)や、天井が躯体で完成の場合は軽量工事・ボード工事は不要です。

ちなみに壁が躯体の場合は、スラブtoスラブと呼ばれます。

 

内装工事の流れその⑤塗装

ボードを張ったら完成ではなく、最後に仕上げである塗装をします。

その空間の目的に合った色や材質で仕上げが必要です。

例えば、暖かい雰囲気を演出したい場合には暖色が用いられ、会議室のようにピシッとした空気感を演出したい場合は寒色が用いられます。

 

内装工事の流れその⑥床

壁と天井が完成したら、最後は床の仕上げになります。

基本的に壁や天井を工事していくうちに、床は汚くなります。ボードを切ったらカスが落ちますし、資材置き場にしたら普通に汚れます。

よって床の仕上げは最後になるという訳です。

このような流れで内装工事は進んでいきます。

 

内装工事の注意点

内装工事の注意点その①工期に間に合わせる

内装工事の注意点その①は「工期に間に合わせる」です。

基礎工事や躯体工事は工事の前半で行われ、内装工事は工事の後半に行われます。竣工というケツが決まっているので、絶対に間に合わせなければなりません。

着工するときに工事計画を練りますが、多くの場合、工事は遅延します。

躯体工事が終わった段階で2ヵ月遅れとかありますからね。この遅れば内装工事で取り返さないといけないので、意味不明なくらい忙しくなります。

内装工事の後半になれば200時間残業する人とか普通にいるくらい、工期はパツパツです。とはいえ間に合わせなければならないので、工期に間に合うよう頑張りましょう。

 

内装工事の注意点その②業者間の打合せ

内装工事の注意点その②は「業者間の打ち合わせ」です。

「内装工事は戦争だ。」と僕は上司に教わりました。それくらい人間的摩擦が激しくなります。業者間の打ち合わせをうまく行うことが重要です。

基礎工事や躯体工事とは違い、内装工事では各所で別の工事が進みます。

1階では電気屋が工事して、4階では軽量屋さんが工事をする。5階6階7階でボード屋さんが工事をしていて、3階で空調屋が工事をする。。。といった感じです。

もし複数業者の作業エリアがバッティングしてしまったら「どっちが工事をするんだ」とまた揉めますよね。業者間での打ち合わせを行い、作業が効率良く進むようにしなければなりません。

 

内装工事の注意点その③検査に間に合わせる

検査の具体例

  • 消防検査
  • 施主検査
  • 竣工検査

竣工が近くなると、建物の検査が多くなります。

検査の期日までに検査される部分が終わるよう注意しましょう。

例えば、消防検査では消火設備や誘導灯設備が見られたりします。もし消防検査までに消火設備や誘導灯設備が終わっていなければ、消防の人もチェックできませんよね。

最近では消防さんも忙しく、数年前から検査日程が組まれたりしています。

もし検査当日までに間に合わなければ、次にいつ消防さんが来れるか分かりません。当然のことながら、竣工までに消防検査は終わらせなければなりませんから、ミスったら大変なことになります。

 

内装工事の期間って?

内装工事の期間は、結論「工期の35%くらい」です。

少し分かりにくい表現でごめんなさい。例えば、1年の現場があったとしたら、4.5ヵ月くらいです。2年の現場なら9ヵ月くらい。。。といった形です。

とはいえ「工期の35%くらい」というのは、あくまで工程表上の話になります。

現場によっては躯体工事終了段階で2ヵ月遅れとかになったりします。2年の現場だとしたら9ヵ月のところを7ヵ月とかでやらなければならないんです。

あと、簡単な一戸建てなら2週間から1ヵ月程度で内装を仕上げなければならなかったりします。何れにせよパツパツなのは変わりありませんね。

内装工事の期間を決める変数

  • 内装の複雑さ
  • 敷地面積
  • 工事の遅延状況
  • 業者のスキル
上記のような変数によって異なるというのは大前提です。

 

内装工事に関する情報のまとめ

内装工事に関する情報のまとめ

  • 内装工事とは:建物の壁・床・天井を仕上げる工事
  • 内装工事の流れ:配線・配管→墨出し→軽量→ボード→床
  • 内装工事の注意点:工期・検査に間に合わせる、業者間の打合せ
  • 内装工事の期間:工期の35%

以上が内装工事に関する情報のまとめです。

一通り内装工事の基礎情報は理解できたと思います。

建物はざっくり「基礎工事→躯体工事→内装工事」の流れで進んでいきます。工事の全体像を理解すれば、今やっている仕事の意味も理解することができるんです。

基礎工事や躯体工事に関する理解に自身がない方は、下に記事のリンクを張っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!