- インサートってなに?
- 3分と4分はどっちが太い?
- 打つ間隔は何mmが正解?
- 足りなかったらどうする?
- アンカーやスリーブとの違い?
- 色分けは誰が決める?
上記の様な悩みを解決します。
建築のインサートとは、結論「コンクリート打設前に仕込むめねじの金物」です。天井や壁から吊りボルトを垂らし、配管・ダクト・ケーブルラック・天井下地を支えるのが主な用途になります。
仕込む相手は合板型枠かデッキプレートで、コンクリートが硬化して型枠を外すと、躯体面にめねじの口だけが並んで見える状態になります。
躯体工事の段取りの中で、インサートは打設前しか触れない部材です。打った後に間違いが見つかっても位置は直せず、あと施工アンカーでの追加対応に振り替えることになるので、打つ前に何を確認しておくかがそのまま品質になります。
この記事では、インサートとは?といったところから、種類、サイズの呼び方、選び方、打設間隔の根拠、打設までの段取り、打った後の確認、足りなかったときの判断、アンカーやスリーブとの違い、色分けの決め方、メーカーまでを順番に解説していきます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめて行くので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
働き方や年収を見直したい方向けに、施工管理向けの転職サービスを状況別に比較しています。

インサートとは?

インサートとは、結論「配管やダクト、ケーブルラック、天井下地を天井や壁から吊るために、コンクリートへ埋め込んでおくめねじの金物」です。
形はめねじ(内側にねじが切られた穴)になっていて、コンクリートが硬化して型枠を外すと、天井面にねじ穴だけが並んで見える状態になります。そこへおねじである吊りボルトをねじ込み、ボルトの先に支持金物を付けて配管やラックを受けます。つまりインサートは、吊り物の荷重をコンクリート躯体に伝えるための「受け口」です。
使う工事は建築だけではありません。インサートを打つのは次のような職種です。
- 建築工事(天井下地の吊りボルト、軽量鉄骨下地の支持)
- 電気工事(ケーブルラック、電線管、照明器具)
- 空調工事(ダクト、冷媒配管、ドレン配管)
- 衛生工事(給水・給湯・排水配管)
- その他(防火区画材、機器の吊り、点検口まわりの補強)
ケーブルラックの支持間隔や施工方法はこちらが参考になります。

ここで押さえておきたいのが「誰の手間なのか」という点です。インサート打ちは、原則として吊る側の業者が自分の分を自分で打ちます。電気のラックを吊るインサートは電気屋、空調のダクト用は空調屋、天井下地用は建築の担当という分け方です。ただし現場によっては、型枠の上に人が何組も乗るのを避けるため、建築側が全業者分をまとめて打つ運用にすることもあります。どちらにするかは総合図を作る過程と着工前の打合せで決めるので、自分の現場のルールがどちらなのかは早い段階で確認しておく必要があります。
もうひとつの前提として、インサートはコンクリートに埋め込む部材なので、基本的に新築工事の躯体工事でしか登場しません。改修工事で既存のコンクリートに吊り物を追加する場合は、後述するあと施工アンカーの世界になります。また、打つ場所は天井(スラブ下)だけでなく、壁の型枠に打って壁面から支持を取るケースもあります。
僕の感覚だと、インサートは「打設前にしか仕込めない、吊り物の受け口」と押さえておけば大枠は外しません。部材そのものは数百円の小物ですが、これが1本足りないだけで配管ルートが決まらなくなるので、金額と重要度が釣り合っていない部材の代表格だと思っています。
インサートの種類

インサートは「何に打ち込むか」と「本体の材質」で分かれます。カタログを開くと品番が大量に並んでいて面倒に見えますが、分類の軸は多くありません。
型枠用インサートとデッキ用インサート
まず、打ち込む相手が合板型枠かデッキプレートかで別物になります。
型枠用は、合板型枠(や型枠の上に敷いた断熱材)に対して釘や樹脂の脚を打ち込んで固定するタイプです。RC造やSRC造のスラブ・壁が主戦場になります。合板は釘が入るので、そのまま打ち込めば固定できます。
デッキ用は、デッキプレートという薄い鋼板に取り付けるタイプです。S造やSRC造のスラブで使います。鋼板には釘が入らないので、ホルソーやドリルで先に穴をあけ、その穴へインサートを差し込んで裏側から固定する、または専用の金物で挟み込む形になります。つまりデッキ用は電動工具が前提で、その分だけ手間と段取り(電源、集塵、切粉の処理)が増えます。
型枠建て込みの流れとタイミングはこちらで整理しています。

釘タイプと樹脂タイプ
合板型枠用は、脚の材質で釘(鋼)タイプと樹脂タイプに分かれます。違いは次のとおりです。
- 釘タイプ…脚が鋼。保持力が高く、断熱材を貫いて型枠に効かせやすい。重い
- 樹脂タイプ…脚が樹脂。錆びない。軽く、大量に持ち歩きやすい。保持力は釘タイプより穏やか
- 脱型後の見え方…どちらも脚の先が数mm躯体面に残ることがあり、打放し仕上げでは目立ち方が問題になる
- 釘を別打ちするタイプ…本体と釘が分かれていて、釘打ち機で一気に留められる品番もある
錆びるか錆びないかという違いは、コンクリートに埋まってしまえば実害としては小さくなります。判断が効いてくるのは打放しや直天井のように躯体面が見えるところと、大量に打つ現場での持ち運びの軽さです。
用途別のバリエーション
もう一軸あるのが用途別の品番です。断熱材の厚みに合わせて脚を長くしたもの、天井下地の吊りボルト用に軽荷重で数を打つもの、設備の重い吊り物用に埋設深さを深く取ったもの、両面テープや接着で型枠に貼るもの、防振支持と組み合わせるものなどが並びます。メーカーのカタログでも「軽設備用」「重設備用」といった区分で整理されています(出典:株式会社アカギ 製品カタログ「インサート関連」)。
実務だと、種類の話は「型枠かデッキか」「断熱材が入るか入らないか」「軽い吊り物か重い吊り物か」の3つを先に決めてしまえば、あとはカタログの該当ページの中から選ぶだけになります。品番から入ると迷子になるので、条件から入るのがおすすめです。
インサートのサイズ|3分・4分とW3/8・W1/2の対応
サイズはインサート選定でいちばん取り違えやすいところです。理由は単純で、施工図に書いてある表記と現場で口に出す呼び方が違うからです。
結論から書くと、対応は次のようになります。数字の大きい4分の方が太いです。
| 現場の呼び方 | 施工図・カタログ表記 | ねじの種類 | おねじ外径の基準寸法 |
|---|---|---|---|
| 3分(さんぶ) | W3/8 | ウィットワースねじ | 約9.5mm(25.4÷8×3=9.525mm) |
| 4分(よんぶ) | W1/2 | ウィットワースねじ | 約12.7mm(25.4÷8×4=12.7mm) |
| (M表記は別系統) | M10 | メートルねじ | 10mm |
| (M表記は別系統) | M12 | メートルねじ | 12mm |
「分(ぶ)」は1インチ(25.4mm)を8等分した単位です。3/8インチだから3分、1/2インチは4/8インチなので4分になります。文字は「部」ではなく「分」が正しい表記です。この数え方が分かってしまえば、W3/8とW1/2のどちらが太いかを毎回悩まなくて済みます(参考:ねじの呼び方の解説として、W3/8=3分・W1/2=4分の対応が示されている公開資料が複数あります)。
ここで注意したいのが、メートルねじとの混同です。M10とW3/8は寸法が近く見えますが、ねじ山の角度もピッチも違う別系統のねじで、基本的に互換性はありません。無理にねじ込むとねじ山を壊します。仕様書の表で「M10又は呼び径9」のように併記されることがあるのは、メートルねじとウィットワースねじの両方が使われているからで、この「呼び径9」はミリで丸めた言い方として、実務ではW3/8(3分)と同じものとして扱われます(参考:三喜工業株式会社 製品カタログのダクト吊り用ボルトの表記)。
施工図に「W3/8」と書かれているのに現場では「3分でよろしく」と言われる、というのはこの対応表がないから起きるすれ違いです。逆に言えば、この表を頭に入れておけば、図面を見ながら電話で発注するときも数字を読み替えずに済みます。
ボルト側の規格や首下長さの読み方はこちらで深掘りしています。

施工図の役割と設計図との違いはこちらが参考になります。

個人的には、サイズの確認は「施工図に書かれた表記のまま拾って、発注書にも表記のまま書く」のが事故が少ないと思っています。現場の呼び方に一度変換してから発注書に戻す工程を入れると、そこで3分と4分が入れ替わります。垂らすボルトが4分なのに3分のインサートを打ってしまえば、脱型してからボルトが入らないことに気づくことになります。
インサートの選び方

サイズが決まったら、次は品番を絞る作業です。押さえる軸は4つです。
選び方① 埋設深さ(断熱材の厚みが起点)
いちばん間違えると痛いのが埋設深さ、つまり脚の長さです。
型枠スラブでは、型枠合板の上に断熱材を敷き、その断熱材の上からインサートを打ち込む納まりになることがあります。このとき、インサートの脚が断熱材を貫通して型枠まで届かないと、打設中に位置がずれたり浮いたりします。さらにやっかいなのが、めねじ本体の高さより断熱材が厚いと、脱型して断熱材を残す納まりの場合にめねじの口が断熱材の中に埋もれてしまい、ボルトを入れられなくなることです。
だから長さは「断熱材の厚み」を起点に決めます。断熱材が25mmなのか30mmなのか50mmなのかで選ぶ品番が変わり、メーカーのカタログも合板型枠用の中に断熱材用の区分を別に立てています(出典:丸井産業株式会社「マルイ・インサート」カタログの品目区分)。逆に長すぎると、脚の先がコンクリートの中で無駄に伸びるだけでなく、上端筋やスラブ配筋に当たって浮くことがあります。
そして、そもそも断熱材が入らない納まりもあります。断熱材の有無と厚みは意匠図・断面詳細図で決まる情報なので、インサートを拾う前に図面で確認するか、型枠が組まれた現地で実測して押さえるのが先です。
選び方② 吊り荷重(許容引抜荷重は設計と特記が先)
インサートには、引き抜く方向に耐えられる荷重の上限があります。ここは「自分で計算しなくていいのか」と気になるところですが、公共工事の考え方は明確です。
公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)には「インサートの許容引抜荷重は、特記がなければ表2.10.1による」という規定があり、許容引抜荷重の値が表で定められています(表の単位はN)。つまり、性能の下限は仕様書か特記仕様書で決まっていて、施工側が独自に決める話ではありません。
その上で、実際の製品の強度はメーカーごと・品番ごとに違います。カタログには埋設深さやコンクリート強度と組み合わせた引抜強度が載っていて、たとえば株式会社三門のPC用インサートのカタログには「一般にスラブ下で吊り下げ用に使用するときは、スラブの許容荷重から、最大の長期引抜き力8.0kN(800kgf)とする」という記載があります。丸井産業のカタログにも「コンクリート埋込みインサート引抜強度一覧表・インサートの許容引抜荷重について」というページが立っています。数値は製品ごとに違うので、この記事で一律の耐荷重を示すことはできません。使う品番のカタログ値を見るのが唯一の正解です。
施工管理として気をつけるのは、荷重の計算をすることではなく、設計図・施工図で指定された品番と違うものを打たないことです。指定より弱いものを打てば性能不足になり、指定より強いものを打っても埋設深さが変わって別の問題が出ます。
選び方③ 母材(型枠かデッキか)
前のH2で書いたとおり、型枠用とデッキ用は互換がありません。ここを間違えた場合の怖さは、単に「使えない」ことではなく、気づくのが遅いことです。納品されたときは箱を見ても分かりにくく、打つ直前になって職人さんが「これは型枠用だ」と気づく流れになりがちです。
選び方④ ねじ径(垂らすボルトに合わせる)
最後に、垂らす吊りボルトの径に合わせます。ここで前のH2の対応表が効きます。判断の材料をまとめると次の4つです。
- 断熱材の厚み(0mmか、25mmか、それ以上か)
- 吊る物と荷重(軽設備か重設備か、機器か配管か)
- 打ち込む母材(合板型枠かデッキプレートか)
- 吊りボルトの径(3分=W3/8か、4分=W1/2か)
現場目線で言えば、この4つを1枚のメモにして拾い出しに入るのがいちばん早いです。逆にこの4つが埋まっていない状態でカタログを開くと、似た品番の間で延々と迷います。拾い出しの前に図面を読む時間を取る方が、結果的に短く終わります。
インサートの間隔(ピッチ)はどう決めるのか
「うちの現場は何mmで打てばいいのか」は、インサートでいちばん質問が多いところだと思います。そして元請の若手が答えに詰まりやすいところでもあります。
結論としては、間隔は吊る物ごとに基準が別にあり、最終的には施工図の指定に従います。順に見ていきます。
天井下地の吊りボルト用
公共建築工事標準仕様書(建築工事編)の第14章 金属工事、軽量鉄骨天井下地の節に、次の規定があります。
野縁受、吊りボルト及びインサートの間隔は900mm程度とし、周辺部は端から150mm以内とする。ただし、屋外の場合は、特記による。
(出典:国土交通省 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第14章 金属工事 軽量鉄骨天井下地)
ここで大事なのは、900mmという数字と同時に「周辺部は端から150mm以内」が書かれていることです。中間部だけ900mmで割り付けて壁際が空いていると、天井の端が垂れます。壁際を先に押さえて、残りを900mm程度で割るのが正しい順番です。屋外は特記によるとされているので、外部天井は勝手に900mmで割ってはいけません。
配管の吊り用
配管は管種と呼び径で支持間隔が変わります。たとえば公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)に準拠した自治体の機械設備工事特記仕様書では、横走り管の吊り間隔を鋼管の100A以下で2m以下、125A以上で3m以下と示しています(出典:亀山市 機械設備工事特記仕様書)。太い管ほど間隔を詰める方向ではなく、太い管は剛性があるので間隔を広げられる、という関係になります。
吊りボルトの径も配管の呼び径に連動します。設備メーカーが公開している横走り管の支持間隔資料では、鋼管・ステンレス鋼管の横走り管の吊り用ボルト径を、配管の呼び径100以下でM10または呼び径9、呼び径125以上200以下でM12または呼び径12としています(出典:株式会社TOZEN「横走り管の吊り及び振れ止め支持間隔」)。呼び径9が3分、呼び径12が4分にあたるので、配管の太さが決まればインサートのねじ径も決まる、という流れになります。
ダクトの吊り用
ダクトはダクトの形状で決まります。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では、吊り間隔をスパイラルダクトは4,000mm以下、円形ダクトは3,640mm以下としています(出典:国土交通省 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版 ダクト設備の節)。天井下地の900mmと比べると桁が違うので、「インサートは900mmで打つもの」と一律に覚えていると設備分を打ちすぎることになります。
特定天井に当たる場合
吊り天井のうち、条件に当てはまるものは特定天井として扱われ、告示の仕様に沿った設計が必要になります。定義は平成25年国土交通省告示第771号の第2で、吊り天井であって次のいずれにも該当するものとされています。
居室、廊下その他の人が日常立ち入る場所に設けられるもの/高さが6メートルを超える天井の部分で、その水平投影面積が200平方メートルを超えるものを含むもの/天井面構成部材等の単位面積質量が2キログラムを超えるもの
(出典:平成25年国土交通省告示第771号 第2)
体育館やホール、大きなエントランスホールがこの条件に当たりやすい形です。特定天井に該当すると、天井の割付・下地の組み方・クリアランスまで告示の仕様や計算で決まってくるので、インサートの割付も施工側で決める話ではなくなります。設計側から出てくる指定にそのまま従うのが正解です。
基準を並べて比べる
| 吊るもの | 間隔の目安 | 根拠になる文書 |
|---|---|---|
| 天井下地(吊りボルト・野縁受) | 900mm程度/周辺部は端から150mm以内(屋外は特記) | 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第14章 金属工事 |
| 鋼管の横走り管 | 100A以下は2m以下/125A以上は3m以下(仕様書準拠の特記例) | 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)/自治体特記仕様書 |
| スパイラルダクト | 4,000mm以下 | 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編) |
| 円形ダクト | 3,640mm以下 | 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編) |
| 特定天井に該当する天井 | 告示の仕様または計算による(施工側で決めない) | 平成25年国土交通省告示第771号 |
そして、これらはあくまで標準仕様書と告示の側の基準です。実際に打つ位置は施工図の割付図で決まり、特記仕様書があればそちらが優先します。基準の数字は「施工図がその数字から外れていたら理由を確認する」ための物差しとして使うのが正しい距離感です。
僕の整理では、間隔の質問に答えられるかどうかは、数字を暗記しているかではなく「どの文書を見れば書いてあるか」を知っているかで決まります。天井下地なら建築工事編、配管とダクトなら機械設備工事編、天井が大きければ告示771号、という当たりが付けば、その場で調べて答えられます。
インサート打設までの流れと他業種との調整
「配筋の前に打つのか後に打つのか、鉄筋屋との段取りが分からない」という悩みは、工程を一度並べてしまうと解けます。
スラブでの標準的な流れは次のようになります。
- 施工図(総合図)で吊り物のルートと支持位置を決め、業者ごとの色分けも決める
- 各業者がインサート割付図を出し、元請が重なりと取り合いを調整する
- 型枠を組む(デッキを敷く)。断熱材が入る納まりなら断熱材を敷く
- 墨出しをして、インサートとスリーブを打つ
- スラブ配筋を行う
- 打設前の合番でインサートの数・位置・色・浮きを確認する
- コンクリート打設
つまり、インサートは配筋の前です。理由は単純で、鉄筋が組まれてしまうと断熱材や型枠面にまともに近づけなくなるからです。鉄筋の上を歩けば配筋を乱しますし、鉄筋の隙間から手を伸ばして打った位置は精度が落ちます。だからインサートとスリーブは「型枠が組めた直後、配筋が始まる前」という限られた窓の中で終わらせる仕事になります。
ここが他業種との調整が効くところです。この窓は数日しかなく、しかも同じ窓に電気・空調・衛生・建築が全員入ろうとします。型枠の上に何組も乗ると、お互いの墨を消し合ったり、断熱材を踏み抜いたりします。だから元請の施工管理としては、日ごとに入る業者を割り振るか、逆に建築側でまとめて打つかを先に決めておく必要があります。
コンクリート打設の手順や中止基準はこちらで整理しています。

あわせて、打設前の確認に何を持っていくかも決めておきます。施工図の割付図、色分けの取り決め、各業者から出た数量です。施工図の作られ方と設計図との関係はこちらが参考になります。

僕としては、この工程で元請がやるべき仕事は「インサートを打つこと」ではなく「打つ窓を空けて、順番を決めること」だと考えています。打つ作業自体は各業者ができますが、窓の取り合いを整理できるのは全体を見ている人だけです。ここを段取れていない現場は、打設日が近づくにつれて型枠の上が渋滞します。
打設後の確認と、めねじが使えないときの対処
打設が終わって型枠を外したら、インサートが使える状態になっているかを確認します。「打設後に何を検査すればいいのか」という悩みに対しては、見る項目が決まっています。
- 数と位置…割付図どおりの数があるか、位置のずれが許容内か
- 色…色分けの取り決めどおりの色が、想定した業者のルート上に並んでいるか
- ねじ径…3分か4分か。混在している現場では特に見る
- めねじの通り…ノロやモルタルが入っていないか。ボルトを数山ねじ込んで確認する
- 浮き・傾き…打設中に押されて斜めになっていないか、周囲のコンクリートに空隙がないか
この中で実際にいちばん多いのが、めねじにノロが入って使えないというトラブルです。打設時のコンクリートののろ(セメントペースト)がめねじの中に入り込み、硬化してねじ山を埋めてしまう現象です。
いちばん効くのは予防です。打設前に養生キャップをはめる、テープで蓋をする、というひと手間でほぼ防げます。キャップは製品として用意されているので、インサートを拾うときに一緒に拾っておくのが確実です。
それでも詰まってしまった場合の対処は、軽い順に次のようになります。まず、硬化しきっていなければ水洗いと細い棒で掻き出します。硬化している場合は、そのねじ径に合ったタップ(ねじさらい)でねじ山をさらいます。ここでやってはいけないのは、吊りボルトを無理に回し込んでこじ開けようとすることです。ボルト側のねじ山が潰れるだけでなく、インサート側のめねじも一緒に壊れて、修復不能になります。タップでさらってもボルトが入らない、あるいはめねじ自体が変形しているときは、そのインサートは使わないと判断して、後述するあと施工アンカーでの復旧に振り替えます。
経験上、この確認は脱型直後にまとめてやっておくほど楽になります。天井を吊り始める段階で1本ずつ見つかると、そのたびに職人さんの手が止まり、対処の材料も現場にありません。脱型のタイミングで一巡してキャップを外し、ボルトを数山ねじ込んで通りを見ておけば、不良の本数が先に分かるので、あと施工アンカーの段取りも一度で済みます。
インサートが足りない・位置が違ったときの判断
「打ってしまった後に足りないと分かった」「位置が違っていた」というのは、避けたいけれど実際に起きることです。ここで知りたいのは対処方法そのものよりも、どこまで自分で決めてよくて、どこから上げるべきかという線引きだと思います。
まず前提として、インサートはやり直しができません。打設が終わった時点で位置は固定なので、選択肢は「既存のインサートで納める」か「あと施工アンカーで追加する」かの2つになります。
自分(施工管理・職長)の判断で進めていい範囲
吊り位置を数十mm動かして既存のインサートを使う、支持を1か所増やして1本あたりの荷重を下げる、振れ止めの位置を割り付け直す、といった調整は、配管ルートや天井懐の中で収まる話なので現場側で決めて構いません。あと施工アンカーを数本足すだけで済むケースも、指定された品番と施工方法どおりに施工できるなら現場判断の範囲です。
設計・監理に上げるべき範囲
次のような場合は、自分で決めずに上げます。あと施工アンカーの本数がまとまった数になる場合、吊る物が機器や重量物の場合、天井が特定天井に該当する場合、耐火被覆や防水層を貫くことになる場合、仕上げの見え方が変わる場合です。いずれも「性能や仕様の前提が変わる」ため、施工側の裁量を超えます。
構造まで確認が必要な範囲
穿孔で鉄筋を切る可能性がある位置、片持ちスラブや薄いスラブ、プレストレストコンクリート部材、必要な埋込み深さがスラブ厚に対して取れない場合は、構造側の確認が必要です。この場合は鉄筋探査で位置を確認してから穿孔位置を決めるのが前提になります。
あと施工アンカーの種類と施工方法はこちらで解説しています。

そして、どのルートで処理した場合も記録は残します。変更した位置を施工図に赤書きして反映し、写真を残し、追加したアンカーの品番と本数を控えます。竣工後に「なぜここだけアンカーなのか」を問われたときに答えられるかどうかは、この記録があるかどうかで決まります。
正直なところ、この線引きを自分の中に持っているかどうかで、報告の速さがかなり変わります。判断がつかないものを抱えたまま数日置いてしまうのがいちばん悪い形で、上げるべきものを早く上げれば、設計側も対応の時間が取れます。線引きを覚えておくのは、責任を分けるためではなく、報告を早くするためだと思っています。
インサートとアンカーの違いは「打設前か打設後か」
インサートと似た働きをするのがアンカーです。どちらもめねじで、ボルトを垂らして吊り物を支えるという役割は同じです。違いはコンクリートを打つ前か後かです。
| 項目 | インサート | あと施工アンカー |
|---|---|---|
| 取り付ける時期 | コンクリート打設前(型枠・デッキに仕込む) | コンクリート硬化後(穿孔して施工) |
| 躯体への影響 | コンクリートを削らない | 穿孔でコンクリートを削り、鉄筋を切る危険がある |
| 使う工事 | 新築の躯体工事 | 新築の追加対応・改修工事 |
| 性能を左右するもの | 品番と埋設深さ、打設時の保持 | 下穴径・穿孔深さ・孔内清掃・施工者の技能 |
| やり直し | できない(打設後は固定) | 位置を変えて打ち直せる(ただし孔が残る) |
「後からアンカーを打てるならインサートは適当でいいのでは」という発想が出てきますが、そうはいきません。あと施工アンカーはコンクリートに孔をあける工法なので、本数が増えれば躯体を削る量が増えます。構造設計は余裕を持って設計されているとはいえ、想定していない位置と本数で削られることを前提にはしていません。鉄筋に当たれば切断のリスクもあります。新築工事では「アンカーは使わない前提で段取りする」くらいの構えでいるのが妥当です。
もうひとつの違いは、性能が何で決まるかです。インサートは品番と埋設深さが正しければ、あとは打設中に動かさないことがほぼ全てです。あと施工アンカーは、下穴の径と深さ、孔の中の切粉を吹き飛ばして清掃したか、規定のトルクで締めたかといった施工の丁寧さが直接効きます。つまり、あと施工アンカーへの振り替えは「同じ性能を別の方法で出す」ではなく「品質のばらつく方法に乗り換える」ことでもあります。
施工管理の立場で言えば、この違いは打設前のチェックにかける時間を正当化する材料になります。打設前の30分で1本見つけて追加できれば、脱型後にアンカー施工と鉄筋探査と報告に費やす半日を消せます。この差を知っているかどうかが、打設前の合番をどれだけ本気でやるかを分けます。
インサートとスリーブの違い|吊るための穴と通すための穴
インサートとスリーブは混同されやすい部材です。理由がはっきりしていて、どちらも打設前に型枠へ仕込む部材で、同じ施工図から拾い、同じ墨出しのタイミングで、同じ業者が同じ日に取り付けるからです。頭の中で並んでしまうのは自然なことだと思います。
ただし目的は正反対です。インサートは「吊るための受け口」で、めねじが躯体面に現れます。スリーブは「通すための穴」で、躯体を貫通する筒が残ります。
| 項目 | インサート | スリーブ |
|---|---|---|
| 目的 | 吊り物を支える(吊る) | 配管・ダクトを躯体の反対側へ通す |
| できるもの | 躯体面のめねじ | 躯体を貫通する開口 |
| 仕込む時期 | 打設前 | 打設前 |
| 構造との関係 | 吊り金物として扱われる | 開口なので補強筋や位置の制限がある |
| 間違えたときの重さ | あと施工アンカーで復旧できる | コア抜きになり、構造の確認が必要になる |
この表でいちばん見てほしいのは最後の行です。インサートの入れ忘れはあと施工アンカーで復旧できますが、スリーブの入れ忘れは躯体に穴をあけ直す話になり、梁を貫通する位置や大きさによっては構造の検討からやり直しになります。同じ日に同じ人が取り付ける部材なのに、失敗したときの重さがまったく違います。
僕の考えでは、この2つは「同じ工程に並ぶが、失敗の重さが違う部材」として頭の中で分けて持っておくべきです。打設前の合番でも、インサートは数と色を数える作業、スリーブは1本ずつ位置と径を図面と照合する作業、と手のかけ方を変えるのが妥当だと思っています。同じ熱量で見ようとすると、どちらも中途半端になります。
インサートの色分けは誰がいつ決めるのか

インサートには色のバリエーションがあります。全部同じ色だと、打設後に「どのインサートが誰の吊り物用か」が判別できなくなるからです。
では、その色は誰が決めるのか。結論は、元請の施工管理が仕切って、躯体着手前の業者間の打合せで取り決めます。総合図を作る過程で吊り物のルートが決まっていくので、その流れの中で「建築は何色、電気は何色」を確定させ、着工前会議や工程会議の議事に残す形です。各業者が自分で選ぶものではありません。
勝手に決めてはいけない理由は3つあります。
- 色は打設後の唯一の識別手段…めねじの外観だけでは業者を区別できないので、色を独自に変えられると照合できなくなる
- 誤使用が起きる…他業者が自分のインサートだと思ってボルトを入れる、あるいは使われずに残る
- 発注の前に決まっていないと拾えない…色で品番が変わるため、色が未確定だと数量を出せない(メーカーのカタログにも色の指定欄があります。出典:株式会社アカギ 製品カタログ「インサート関連」の色欄)
そして、色の割り当ては現場ごとに違います。前の現場のルールをそのまま持ち込むのがいちばん危ない行動で、「前は電気が赤だったから今回も赤だと思っていた」という思い込みが、赤いインサートを別の業者に使われる事故につながります。
ちなみに、筆者の現場では建築が緑、空調・衛生が青、電気が赤という割り当てでした。あくまで一例で、この配色が標準というわけではありません。自分の現場の議事録に書かれた配色が唯一の正解です。
自分としては、色分けは「取り決めの内容」よりも「取り決めが文字で残っているか」の方が大事だと思っています。口頭で決めた配色は、業者の担当者が変わった時点で消えます。議事録と施工図の凡例の両方に書いておけば、途中で人が入れ替わっても照合できます。
インサートを作っているメーカー
インサートを作っているメーカーで有名なのは未来工業です。名前が通っていて、現場で「未来のインサート」と言えば話が通じる場面が多いです。ほかにも次のようなメーカーがあります。
- 未来工業
- アカギ
- 三門
- 丸井産業
- ミツケンコーポレーション、エヌパットなど(型枠用・PC用の品揃えがある)
「メーカーはどこでもいいのか、指定があるのか」という疑問については、2段で考えると整理できます。
1段目は、設計図書に指定があるかどうかです。特記仕様書や設計図でメーカーや品番が指定されていれば、それに従います。指定がない場合でも、公共工事では性能側で縛られます。前に触れたとおり、公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)は「インサートの許容引抜荷重は、特記がなければ表2.10.1による」と定めているので、メーカーは自由に選べても、その品番が表の許容引抜荷重を満たしていなければ使えません。つまり「どこでもいい」ではなく「性能を満たすものならどこでもいい」が正確です。
2段目は、カタログの見方です。どのメーカーでも、品番を決めるのは同じ4項目です。許容引抜荷重(または引抜強度)、埋設深さ、対応する断熱材の厚み、色です。この4項目で並べ替えれば、メーカーが違っても同じ条件の品番を探し当てられます。株式会社三門のPC用インサートのカタログのように「一般にスラブ下で吊り下げ用に使用するときは、スラブの許容荷重から、最大の長期引抜き力8.0kN(800kgf)とする」という考え方の説明が載っているカタログもあるので、選ぶときは製品表だけでなくその前後の解説ページも読んでおくと外しにくくなります。
僕が意識しているのは、メーカーを比べる前に「自分の現場の条件でカタログのどの列を見るのか」を決めておくことです。条件が決まっていない状態でメーカー比較を始めると、良し悪しの話になって結論が出ません。条件が決まっていれば、どのメーカーのカタログでも同じ列を見るだけになります。
インサート打設はスライダーポンチを使うと効率的
断熱材が敷かれた型枠にインサートを打つ現場では、スライダーポンチという手工具が効きます。断熱材の上からインサートを打ち込むための道具で、型枠のみの納まりやデッキの納まりでは使いません。断熱材があるときだけの道具です。
効く理由は、穴の質が揃うことです。断熱材を貫いて型枠まで届く穴を、径と傾きを揃えてあけられるので、断熱材を余分に潰さずに済み、インサートが傾きにくくなります。人によって穴の大きさや傾きが変わらない、という点が大きいところで、扱いに慣れていない人でも仕上がりが揃います。
もうひとつ、動力工具と扱いが違うので、持込機械等使用届の対象外になる現場が多いという実務上の利点があります。ここは現場の運用によって扱いが変わるので、持ち込む前に安全担当に確認するのが前提です。重さもドリル類より軽く、型枠の上を移動しながら使うのに向いています。
長さの選び方は、断熱材の厚みが起点になります。断熱材を貫通して型枠に届く必要があるので、断熱材が25mmなのか50mmなのかで選ぶ寸法が変わります。使うインサートの品番が断熱材の厚み別に分かれているのと同じ考え方で、自分の現場の断熱材の厚みを先に押さえてから、その厚みに対応する寸法のものを選びます。厚みを確認せずに買うと、現場に届いてから断熱材を貫通できないことに気づく形になります。
買うのは、自社施工で躯体をやっている会社、一人親方、あるいは元請が職長に1本持たせておく、という位置づけの道具です。全員に配るものではなく、インサートを打つ人の手元に1本あればいい種類の工具です。
インサートは打設が終わってからではやり直しができず、あと施工アンカーでの追加対応になります。専用の道具を使わずにその場にあるもので断熱材に穴をあけると、人によって穴の大きさや傾きが変わり、天井を吊る段階になって芯のずれに気づくことがあります。仕上がりを揃える手当てとしては、道具側で解決するのがいちばん安い方法だと思います。
楽天市場でスライダーポンチを見る(断熱材の厚みに合う長さがあるか確認できます)
Amazonでスライダーポンチを見る(型や価格帯を並べて比べられます)
※上記はPR(アフィリエイト広告)を含みます。価格・仕様・在庫は各販売ページでご確認ください。
躯体工事全体の流れと各業者の仕事はこちらで解説しています。

僕の感覚だと、この道具は「腕の差を道具で埋める」タイプの工具です。躯体の段取りで人の入れ替わりが多い現場ほど効き方が大きくなります。
建築のインサートで現場から出やすい質問と回答
Q1:3分と4分はどちらが太いですか?
4分の方が太いです。3分はW3/8でおねじ外径の基準寸法が約9.5mm、4分はW1/2で約12.7mmになります。「分」は1インチ(25.4mm)を8等分した単位なので、3/8インチが3分、1/2インチ(=4/8インチ)が4分という数え方です。数字が大きい方が太い、と覚えれば逆になりません。表記は「部」ではなく「分」が正しい書き方です。
Q2:施工図の「W3/8」は現場の何にあたりますか?
3分(さんぶ)です。施工図やカタログではW3/8、現場では3分と呼ぶことが多く、同じものを指しています。仕様書の表で「M10又は呼び径9」のように併記されることがありますが、この呼び径9はミリで丸めた言い方で、実務ではW3/8と同じものとして扱われます。ただしM10はメートルねじで、W3/8とはねじ山の角度もピッチも違う別系統なので、互換品として使うことはできません。
Q3:インサートの間隔は何mmで打てばいいですか?
吊るものによって基準が違い、最終的には施工図の指定に従います。天井下地の吊りボルト用は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)の軽量鉄骨天井下地の節で「野縁受、吊りボルト及びインサートの間隔は900mm程度とし、周辺部は端から150mm以内とする。ただし、屋外の場合は、特記による」とされています。配管やダクトは公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)の支持間隔によるので、天井下地の900mmを設備にそのまま当てはめないよう注意します。
Q4:インサートは配筋の前と後、どちらで打ちますか?
配筋の前です。型枠を組み(またはデッキを敷き)、断熱材が入る納まりなら断熱材を敷いた直後、墨出しをしてインサートとスリーブを打ち、それから配筋に入ります。配筋が済んでしまうと型枠面に近づけず、鉄筋を踏んで配筋を乱すことになります。この窓は数日しかなく、電気・空調・衛生・建築が同じ窓に入るので、誰がいつ乗るかを元請が先に割り振っておく必要があります。
Q5:めねじにノロが入って使えないときはどうしますか?
硬化していなければ水洗いと細い棒で掻き出し、硬化していればそのねじ径に合ったタップでねじ山をさらいます。吊りボルトを無理に回し込んでこじ開けるのは避けてください。ボルト側とインサート側の両方のねじ山が壊れて修復できなくなります。タップでさらってもボルトが入らない場合は、そのインサートは使わず、あと施工アンカーでの復旧に振り替えます。いちばん効くのは予防で、打設前に養生キャップやテープで蓋をしておけばほぼ防げます。
Q6:インサートが足りなかったとき、自分で判断していいですか?
範囲で分かれます。吊り位置を数十mm動かして既存のインサートを使う、支持を1か所増やして荷重を分散する、指定された品番のあと施工アンカーを数本足すといった調整は現場判断で進められます。一方、アンカーの本数がまとまった数になる場合、機器や重量物を吊る場合、特定天井に該当する天井、耐火被覆や防水層を貫く場合は設計・監理に上げます。穿孔で鉄筋を切る可能性がある位置、薄いスラブ、プレストレストコンクリート部材は構造側の確認が必要です。どのルートでも、変更した位置は施工図に赤書きして記録を残します。
建築のインサートに関する情報まとめ

- インサートとは:打設前に型枠やデッキへ仕込み、硬化後にめねじとして現れる埋込み金物。吊り物の荷重を躯体に伝える受け口
- 種類:型枠用とデッキ用(互換なし)、釘タイプと樹脂タイプ、断熱材厚別・軽設備用・重設備用のバリエーション
- サイズ:3分=W3/8(約9.5mm)、4分=W1/2(約12.7mm)。4分の方が太い。M10・M12のメートルねじとは別系統で互換なし
- 選び方:断熱材の厚み、吊り荷重、母材(型枠かデッキか)、吊りボルトの径の4項目
- 間隔:天井下地は900mm程度・周辺部は端から150mm以内(建築工事編)、配管とダクトは機械設備工事編、特定天井は告示771号。最終は施工図の指定
- 段取り:型枠・デッキ→断熱材→墨出し→インサートとスリーブ→配筋→打設前確認→打設。配筋の前に打つ
- 打設後:数・位置・色・ねじ径・めねじの通りを確認。ノロ詰まりは養生キャップで予防、詰まったらタップでさらう
- 足りないとき:現場判断/設計・監理/構造確認の3段で線引きし、記録を残す。アンカーとの違いは打設前か後か、スリーブとの違いは吊るか通すか
- 色分け:元請が仕切り、躯体着手前の打合せで決めて議事録に残す。現場ごとに違うので前の現場の配色を持ち込まない
- メーカー:未来工業、アカギ、三門、丸井産業など。設計図書に指定があれば従い、指定がなくても許容引抜荷重は仕様書で縛られる
- 道具:断熱材が入る納まりではスライダーポンチが効く。長さは断熱材の厚みを起点に選ぶ
以上が建築のインサートに関する情報のまとめです。
インサートは打設前しか触れない部材なので、「打つ前に何を確認したか」がそのまま品質になります。逆に言えば、確認する項目は決まっていて、断熱材の厚み、吊る物と荷重、母材、ねじ径、割付の根拠、色の取り決めの6つを押さえれば、初めての現場でも同じ精度で段取れます。
実務だと、この6つを1枚の確認シートにしておくのがいちばん再現性が高い形です。現場が変わっても項目は変わらず、埋める値だけが変わるので、毎回ゼロから思い出す必要がなくなります。
あわせて読みたい記事はこちら。




この手の知識が身についているなら、それは会社の外でも通用する経験です。施工管理向けの転職サービスを、状況別に整理した記事があります。

次の一歩
インサートの配置ピッチや、型枠用とデッキ用の使い分けは、図面に書いてある範囲だけでは判断しきれず、そのたびに先輩に確認している人が少なくありません。こうした判断は躯体の段取り、設備や電気の吊り物との取り合い、打設までの工程の組み方とつながっていて、部材ごとにばらばらに覚えていくと毎回調べ直すことになります。施工管理技士の受験対策はこの範囲をまとめて扱うので、現場で断片的に拾ってきた知識を並べ直すきっかけになります。
独学サポート事務局の施工管理技士 受験対策を見る(独学に添削がつく形式。学習の進め方と費用は公式で確認できます)
※上記はPR(アフィリエイト広告)を含みます。講座の内容・費用は公式サイトでご確認ください。
![]()
