不陸とは?読み方は?
不陸とは、結論「デコボコしている状態のこと」です。
ちなみに「不陸」と書いて「ふろく」と読みます。
例えば鉄筋コンクリート(RC造)におけるコンクリート打設の時。型枠にコンクリートを流し込みますよね。型枠は基本的に真っ直ぐですので、そのままコンクリート打設が終了すれば問題ありません。
破裂することもありますが、型枠が変形することもあります。型枠が変形してしまうと、完成するコンクリートも変形してしまうんです。これが不陸です。
しかも柱に関しては、どんどん上に積み上がっていきます。不陸がどんどん大きくなっていってしまう訳です。コンクリート柱がそのまま仕上げになることなんてよくあることですからね。
普通の人は柱がデコボコしているか?なんて見ていません。
多少の不陸があったとしても、気にするのは施工業者くらいです。
ただ、お客様でうるさい人は柱も見る可能性があります。別に専門的な知識がなかったとしても「柱がデコボコしているか?」ということくらいは、誰だって分かります。
全クライアントから指摘が入る可能性があるのが、不陸です。不陸が発生してしまったら、お客様からの指摘が無いことを一生懸命願うことになります。
不陸調整・不陸整正とは?
不陸調整・不陸整正とは、結論「不陸を無くすこと」です。
言葉としては分けられていますが、不陸調整も不陸整正も同義ですからね。どっちの呼び方が正しいとかはありません。呼びたいように呼んでください。
本当にちょっとした不陸ならそのまま行くこともあります。不陸が発生したからといって、構造上は何の問題もありませんからね。
シンプルに見栄えが悪いってだけの話です。
コンクリート柱が仕上げにならないなら別に問題はありませんから、コンクリートが仕上げになるなら、極端な不陸が発生したら不陸調整(不陸整正)をしなければなりません。
また、お客様から指摘が入ってきてしまった場合も同様です。
ゼネコンからしたら「できれば不陸調整(不陸整正)はしたくない」というのが本音です。勿論、不陸調整(不陸整正)は予算には入っていません。自腹でやらなければなりませんし、手間もかかります。
不陸調整・不陸整正のやり方って?
凸を削るやり方
まず凸を削る方法は、結論「ハツリ」です。
ハツリとはコンクリートを削ることでして、低い方に高さを合わせます。簡単な話、ボコってなっている部分を削って平らにします。
コンクリートを削る訳ですから大きな音が出ます。工事を進める上での騒音問題もありますし、コンクリートの強度も落ちてしまいます。
凹を埋めるやり方
モルタルは簡単に言えば、コンクリートに似たようなものです。砂・セメント・水を混ぜたものでして、コンクリートに似ているので、不陸調整(不陸整正)には持ってこいですね。
コンクリート打設のように大掛かりな工事をする必要はなく、バケツ一つで施工が完了してしまうので、施工も楽です。
イメージとしてはモルタルと大きくは違いませんが、微妙に異なっている部分もあります。
例えば、モルタルよりもレベリング材の方が材料費は高めです。ただレベリング材の方が完成するスピードは早かったりします。(モルタルは固まるまでに時間がかかる)
不陸調整(不陸整正)の価格って?
不陸調整(不陸整正)の価格は、一概には言えません。
下記のような変数によって、価格は変動します。
不陸調整の価格に影響するもの
- 直す敷地面積
- 直し方(凸を削るか、凹を埋めるか)
- 床か?柱か?
- モルタルを使うか?レベリング材を使うか?
また、凸を削ると一言で言っても多数の工法がありますし、凹を埋めるにもやり方が色々あります。メーカーさんに連絡して見積もりをとるのが一番早いやり方かなと思います。
1社しか見積もりを取らないと、値段を高めに設定される可能性があります。複数社から見積もりをとって、安い値段で施工しましょう。手間はかかりますが、成果は大きいと思います。
不陸・不陸調整・不陸整正に関する情報のまとめ
不陸に関する情報のまとめ
- 不陸とは?:デコボコしている状態のこと
- 不陸調整・不陸整正とは?:不陸を調整すること
- 不陸調整と不陸整正の違いって?:違いはなく、同じもの
- 不陸調整(不陸整正)のやり方:凸を削るか、凹を埋めるか
- 不陸調整(不陸整正)の価格:メーカーに見積もりを取らないと分からない
以上が不陸・不陸調整・不陸整正に関する情報のまとめとなります。
不陸はあまりいい言葉として使われません。無ければない方がいいです。不陸が発生しないよう注意して躯体工事を進めましょう。
また、低層階で不陸が発生してしまうと、高層階にも影響が出ます。
超大型現場ともなると35階立てとかありますからね。初階から不陸が発生してしまったら、目も当てられません。