ラップルコンクリートとは?設計の考え方、強度、施工の流れなど

ラップルコンクリートとは?

ラップルコンクリートとは、結論「地盤改良の為の四角いコンクリート」です。

建物を支えるのは基礎です。ザコな基礎だったら、建物の重さに耐えられず、建物が沈んで行ってしまいます(地盤沈下)。それでは困りますよね。

基礎の状態が悪い場合、基礎の状態を良くする工事が必要になります。(地盤改良)

そこで登場するのがラップルコンクリートです。

ラップルコンクリートは四角いコンクリートでして、これを基礎に埋め込むことで、地盤が建物を支える力を強めます。

簡単な話ぐちょぐちょの基礎よりコンクリートの方が、ちゃんと支えてくれますよね。

ちなみに、ラップルコンクリートは無筋です。

建物の柱などに使われるコンクリートには、鉄筋が入っています。対してラップルコンクリートに鉄筋はありません。ただ建物を支えたいだけですから、そもそも必要ないです。

土をコンクリートに変えていることから、置換工法とも言われています。

 

ラップルコンクリートの設計の考え方

結論「ラップルコンクリートに大した強度は必要ない」というのが超大枠の考え方です。

ラップルコンクリートが無いからといって、建物が倒壊したりすることはありません。まず建物を保つのは主要構造部ですからね。沈む可能性はありますけど。

主要構造部は、下記のようなものが挙げられます。

建物の主要構造部

  • 屋根
  • 階段

 

ラップルコンクリートの必要強度は大体FC18

ラップルコンクリートの必要強度は、大体FC18です。

「FC18とは?」と思う方もいると思うので、詳しく解説します。

FCに関する説明

  • FC=設計基準強度
  • 設計基準強度=コンクリートの圧縮強度
  • 圧縮強度=コンクリートが1平方メートルあたりの耐えられる力
  • FC=コンクリートが1平方メートルあたりの耐えられる力

要は「どれくらいの重さに耐えられるか?」という話ですね。

単位は「KN/m2」ですので、FC18というのは1平方メートルで18kN耐えられるということです。10平方メートルなら180kN、100平方メートルなら1800kN耐えられます。

設計基準強度は、FC24が標準です。

昔はもっと少なかったらしいのですが、最近は地震が多いので、基準の強度がFC24まで上がったみたいですね。

当然のことながら物件によって異なりますが、ラップルコンクリートに求められる設計基準強度はFC18程度です。基準であるFC24と比べると、大して強度が求められていないことが分かると思います。

 

ラップルコンクリート施工の流れ

その①掘削

ラップルコンクリートを施工するには、ラップルコンクリートが入る穴を掘らなければなりません。最初のステップは掘削です。

大前提としてラップルコンクリートの大きさは現場によって異なります。

その現場、その場所で必要な大きさを確認し、穴を掘っていく必要がある訳です。

 

その②型枠建て込み

掘削が終了したら、ラップルコンクリート用の型枠を建て込みます。

簡単な話、コンクリートを流し込む型を作っていくんです。正方形の型を作れば、正方形のコンクリートが出来上がりますからね。

躯体のコンクリート打設とは違って、型枠に大きな荷重がかかる訳でも、コンクリートが仕上げになる訳でもありません。誤差があっても誰も気付きません。

ただコンクリート打設当日までには必ず終わらせなければなりません。

スケジュール管理だけしっかりしておきましょう。

型枠建て込みに関しては下記記事で詳しく解説しているので、気になったらチェックしてみてください。

 

その③コンクリート打設

型枠建て込みが終わったら、コンクリート打設を行います。

完成した型枠にコンクリートを流し込んでいきます。

注意点としては、なるべく雨の日は避けましょう。雨が入ってくると、コンクリート内の水の割合が増えます。すると強度に問題がでてきてしまいます。

とはいえ、雨なんてコントロールできませんから、願うくらいしかできないんですけどね。

 

その④型枠解体

コンクリート打設が完了し、コンクリートが固まったら型枠を解体します。

型枠は再利用可能な材料ですので、捨ててしまうのは勿体無いです。型枠を解体、搬出したらラップルコンクリートの施工が完了します。

 

ラップルコンクリートに関する情報のまとめ

ラップルコンクリートに関する情報のまとめ

  • ラップルコンクリートとは:地盤改良の為の四角いコンクリート
  • ラップルコンクリートを設計するときの考え方:大した強度は求められない
  • ラップルコンクリートの必要強度:FC18
  • ラップルコンクリート施工の流れ:掘削→型枠建込→コンクリート打設→型枠解体

以上がラップルコンクリートに関する情報のまとめとなります。

ラップルコンクリートは地盤を支える工事で、やり直しが効かない重要な工事です。

ミスの許されない分野ですので抑えるべき知識を抑え、しっかりと仕事をこなしましょう。