KY活動とは?流れ、具体例、一人KY、TBM-KYとの違いなど

  • KY活動ってなに?
  • どんな流れで進行するの?
  • 具体例について知りたい
  • 一人KYって?
  • TBM-KYとは違うの?

上記の様な悩みを解決します。

KY活動はどの現場でも必ず行われます。いかに現場から事故を起こさないか?は全ての施工業者が気にしていることであり、その根幹となるのがKY活動です。必須の知識ですので抑えておきましょう。

この記事ではKY活動とは?といったところから、流れ、具体例、一人KY、TBM-KYとの違いについて解説していきます。

なるべく専門用語は使わずに分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも分かりやすい内容になっているかなと思います。

それでは行ってみましょう!

 

KY活動とは?

KY活動とは、結論「作業の危険ポイントを把握し、事故を予防する活動のこと」です。

建設現場には多くの危険ポイントが潜んでいます。

もしかしたら脚立を使っている時に転倒してしまうかもしれませんし、足場の上から落ちてしまうかもしれません。危険ポイントを避ける為のミーティングをKY活動と呼びます。

作業内容や作業環境によって、危険なポイントは変化します。

  • 今日はどこで作業をするのか?
  • 今日はどんな作業をするのか?
  • 危険なポイントはどこにあるのか?
  • 危険なポイントを避ける為にはどうすればいいのか?

上記のことを監督者・作業員さんで確認するのがKY活動です。

建設業において「安全」というのは非常に重要視されています。どの会社でも安全率が見られ、事故が発生しない様に様々な策を講じます。

お客様の立場になれば分かると思いますが「工事途中に人が亡くなった建物」に住みたいと思いますでしょうか?嫌ですよね。要するに事故物件で、土地の値段は急激に下がります。勿論、理由はそれだけではありません。監督者や作業員さんの安全を守るのが企業の義務であるからです。

なんにせよ、建設業においては安全が重要であり、安全を守る為に必要なのがKY活動であると言えます。

 

KY活動の流れ

KY活動の流れ

  • 作業内容の確認
  • 作業箇所の確認
  • 危険ポイントの抽出
  • 危険を避ける為に必要な策を発表
  • 重点目標の発表
  • 指差呼称
  • 各業者でKYを行う
KY活動の進め方は会社によって異なります。当記事にて解説するのはあくまで一例と考えてください。

 

作業内容の確認・作業箇所の確認

  • どこで何の作業を行うのか?
  • 作業員さんは何人か?
  • 役割分担はどうなっているのか?
  • 他職との絡みはあるのか?
  • 入っていけないエリアはあるのか?

等々、その日の作業内容について詳細に確認していきます。

照明器具の更新工事なら何台の照明器具を更新するのか?感知器の更新工事なら何台の感知器を更新するのか?より具体的に説明していくのが大切です。

作業内容だけでなく、作業場所についても説明します。

特に新築の場合は立ち入り禁止エリアが日々変化します。昨日は大丈夫だったのが今日は入れない。。。なんてザラです。この辺りに関しても確認を行います。

 

危険ポイントの抽出

作業内容の確認が終わったら、危険ポイントの抽出を行います。その作業エリアその作業内容において、危険なポイントがどこにあるのか?について発表していきます。

注意点としては「安全」だけでなく「品質」における危険ポイントについても発表していくことです。

例えば、足場の組立について考えてみましょう。

「足場を組み立てている際に高所から落下してしまう」というのは安全の注意事項です。対して「単管を運んでいるときに壁に単管をぶつけて傷付けてしまう」というのは品質の注意事項と言えます。

「壁に単管をぶつけてしまう」という行為で、誰かが怪我をする訳ではありません。ですがこれは確実に事故になります。

建設業における事故には「安全関係の事故」だけでなく「品質関係の事故」もあります。

よって、危険ポイントの抽出は安全だけでなく、品質についても行う必要があります。

 

危険を避ける為に必要な策を発表

先ほど抽出した危険ポイントを防止する策を発表します。

例えば、足場の組立作業で「高所から落下してしまう可能性がある」という危険を避ける為には「安全帯の使用」が策として適切です。

危険ポイントは複数挙げたと思いますが、それぞれに対する策を発表します。

要するに作業員さんはどうすればいいのか?という具体的な行動を示すところです。

もし指示が具体的でなければ、作業員さんは危険ポイントが分かったとしても、実際の行動が変化しません。具体的にどう行動を変化させれば危険を避けられるのか?を示します。

 

重点目標の発表

危険を避ける為に複数の策を発表したら、その中で最も重点的に守るべき部分について発表します。

危険なポイントが多すぎると「あれもこれも」という形になってしまい、実際の効果が薄れてしまう可能性がありますよね。そこで一つ「これは絶対に守ってください」というポイントを提示することで、作業員さんの行動を変化させます。

 

指差呼称

一通りの発表が終わったら、指差呼称です。要するに最後の締めといった感じですね。

安全帯の例で見てみましょう。

  • 安全帯の使用は良いか?
  • 安全帯の使用ヨシ!!
  • 本日も安全作業で頑張ろう!!
  • オウ!!
  • ご安全に!!

 

各業者でKYを行う

全体のKYが終わったら、各業者でKY活動を再度行います。

元請けのKY活動が終わったら、次は一次受けのKY活動を行います。一次受けのKY活動が終わったら、二次受けでKY活動を行っていくという流れです。

数が増えるにつれ、内容がラップすることがありますので、簡単に済ませることが多いです。

 

KY活動の具体例

具体例その①足場組立工事

考えられる危険ポイント

  • 高所から落下してしまう
  • 単管を運んでいる人にぶつかってしまう
  • 段差に躓いて転倒してしまう

危険を避ける為の策

  • 高所作業時は安全帯を使用する
  • 周囲確認を行いながら単管を運ぶ
  • 足元注意で歩行する

 

具体例その②照明器具更新工事

考えられる危険ポイント

  • 活線ケーブルに触れてしまう
  • 脚立から脚立から転倒してしまう
  • 配線を間違えてしまう

危険を避ける為の策

  • 作業前に検電確認を行う
  • 脚立を使用する際は無理な姿勢で作業しない
  • 送電前に絶縁抵抗測定を行う

 

具体例その③ダクト工事

考えられる危険ポイント

  • 高所から転落する
  • 施工高さを間違える
  • 電動工具で不具合が発生する

危険を避ける為の策

  • 高所作業時は安全帯を使用する
  • 作業前に施工図を確認する
  • 電動工具は使用前点検を行う

 

KY活動を上手く進めるコツ

KY活動を上手く進めるコツとしては「話を振る」というものが挙げられます。

基本的にKY活動には司会役がいて、司会役が一方的に話す構図です。それでは聞いている方も飽きてきますし、どうしても当事者意識が薄れます。

「この作業で危険なポイントはどんなものがありますか?〇〇さん」

といった様に会話を振ることで、全体のエンゲージメントを高め、より話を聞いてもらいやすくなります。間違いなくコチラの方が効果は高いです。

安全衛生協議会や周知会などにおいても同様にことが言えます。

一方的なコミュニケーションでは聞いてる側は必ず飽きます。周知会なら事故事例を見て「こんなことって実際あるんですか?」といった様に話を振ると、双方のコミュニケーションにすることができます。

参加型のKY活動にするのが、効果的なKY活動を行うコツです。

 

一人KY活動とは?

一人KY活動とは、結論「作業前に一人でKY活動を行うこと」です。

言ってみればセルフKY活動ですね。全体でのKYを受け、作業直前に自分の脳内で危険ポイントを予知する活動のことを指します。

外から見て分かりにくいKY活動ですが、作業の直前に再度考えることは大切なことです。

実際に朝礼で危険ポイントを口頭で言われるよりも、実際に現場に行って再度確認する方が、成果が上がりやすいのはいうまでもありません。

 

KY活動とTBM-KYとの違い

KY活動とTBM-KYの違いは、結論「監督社員も含めるか?職人のみか?」です。

まず一般的なKY活動は、監督社員と職人さんで行います。対してTBM-KYというのは「職人さんのみで行うKY活動のこと」を指します。

そもそもTBM-KYのTBMとは「ツールボックスミーティング」でして、直訳すると「工具箱を囲んだ会議」です。

TBM-KYまでやる場合はそこまで多くありません。

作業内容によりますが、職人同士で打ち合わせが必要な工事の場合は行われます。一般的なKY活動とは区別される部分ですので、頭の片隅にでも置いておきましょう。

 

KY活動に関する情報まとめ

KY活動に関する情報まとめ

  • KY活動とは:作業の危険ポイントを把握し、事故を予防する活動のこと
  • KY活動の流れ:作業内容確認→危険ポイント抽出→具体的な行動を提示→指差呼称
  • KY活動の具体例:上章参照
  • 一人KYとは:作業前に一人でKY活動を行うこと
  • TBM-KYとの違い:監督社員も含めるか?職人のみか?の違い

以上がKY活動に関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

繰り返しになりますが、建設業において安全は非常に重要しされます。建設業で働くなら安全に関する知識を押さえておくのは必須と言えるでしょう。

下に関連した記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!