1級土木施工管理技士は、監理技術者として必要な知識と能力があると判定された人が名乗れる国家資格で、土木一式工事のほか、とび・土工や舗装など土木系の業種で監理技術者になれます。第一次検定に受かると1級土木施工管理技士補、第二次検定に受かると1級土木施工管理技士です。令和8年度の第二次検定は10月4日です。このページでは、2級との違いと受けるまでの流れを順に整理します。
- 所長に「次の現場は監理技術者が要るから1級を取れ」と言われた。取ったら何が変わるんだろう
- 監理技術者って、1級を持っていないとなれないの?
- 2級土木は持ってる。1級に上がると、できる仕事はどこまで広がる?
- 監理技術者が要るのは、どのくらいの金額の工事から?
- 1級土木で監理技術者になれるのは土木一式だけ?舗装やしゅんせつは?
- 一次だけ受かったら、何か名乗れるの?現場で使い道はある?
- 技士補で監理技術者補佐になれるって本当?
- 令和6年度から受検資格が変わったらしい。俺は今年、二次を受けられるの?
- 一次は何問出て、何問取れば受かる?合格率はどれくらい?
- 1級建築と1級土木って、何が違うの?
上記の様な悩みを解決します。
1級土木施工管理技士は、元請として大きな土木工事を回す会社にとって、監理技術者を置けるかどうかを左右する資格です。ところが調べると、受検資格や合格率、勉強法の話ばかりが先に出てきて、肝心の「どの業種の工事で監理技術者として名前を出せるのか」「どの金額から監理技術者が要るのか」までは触れていないページも見かけます。今回は資格の位置づけ・2級との違い・一次と二次の流れ・合格率といった基本を押さえた上で、国土交通省の「配置技術者となり得る国家資格等一覧」から1級土木で監理技術者になれる9業種を表に起こし、監理技術者が要る線と専任が要る線を令和7年2月施行後の金額で分けるところまで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、2級を取って次は1級だと言われたばかりの方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
1級土木施工管理技士は、監理技術者を想定した土木の国家資格
1級土木施工管理技士は、監理技術者として現場を任せられる力があるかを国が検定し、合格した人に与えられる称号です。現場に置く技術者の要件とつながっているので、持っているかどうかで会社が受けられる工事の幅が変わります。
技術検定の種目と級は、建設業法施行令で決まっています。土木施工管理の検定は「土木一式工事の実施に当たり、その施工計画の作成及び当該工事の工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理を適確に行うために必要な技術」を対象にしています(建設業法施行令 第37条第1項の表)。そのうえで級の役割は次のように分けられています。
「一級の技術検定は、検定種目ごとに、法第二十七条第一項に規定する者が監理技術者として必要な知識及び能力を有するかどうかを判定するために行う。」(建設業法施行令 第37条第3項)
監理技術者を置く場面
現場に技術者を置く義務は、建設業法第26条にあります。まず「建設業者は、その請け負つた建設工事を施工するときは、」主任技術者を置かなければならない、と定めています(建設業法 第26条第1項)。そのうえで「発注者から直接建設工事を請け負つた特定建設業者」が、下請契約の請負代金の額(二以上あるときはその総額)が政令で定める金額以上になる場合には、主任技術者ではなく監理技術者を置く、というのが第2項です(建設業法 第26条第2項)。つまり監理技術者が要るのは、元請として下請に大きく出す現場です。
監理技術者は1級だけがなれるのか
ここは言い切らない方がいいところです。第26条第2項は監理技術者の要件を「第十五条第二号イ、ロ又はハに該当する者(当該建設工事に係る建設業が指定建設業である場合にあつては、同号イに該当する者又は同号ハの規定により国土交通大臣が同号イに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者)」としていて、区分は3つあります(建設業法 第26条第2項)。そのうちイが「第二十七条第一項の規定による技術検定その他の法令の規定による試験で許可を受けようとする建設業の種類に応じ国土交通大臣が定めるものに合格した者又は他の法令の規定による免許で許可を受けようとする建設業の種類に応じ国土交通大臣が定めるものを受けた者」で(建設業法 第15条第2号イ)、技術検定の1級はこのイの入口の1つという位置づけです。技術検定の中で見れば監理技術者を想定しているのは1級ですが、監理技術者になる道そのものが技術検定だけに限られているわけではありません。
1級土木を持つと何が変わるかを、立場ごとに並べるとこうなります。
- 監理技術者:元請として下請に一定額以上を出す現場に置ける(なれる業種は次の章の表)
- 主任技術者:監理技術者になれる業種では、主任技術者にもなれる
- 営業所の技術者:特定建設業の営業所専任技術者にもなれる業種がある
- 3年の実務を足せば主任技術者になれる業種:監理技術者の対象外でも、取得後の実務経験で広がる
1級建築施工管理技士との違いは、施行令第37条の表で「土木施工管理」と「建築施工管理」が別の検定種目になっていることに尽きます。種目が違うので、監理技術者になれる業種も別々に決まっています。僕は、1級同士を難易度で比べるより、自分の会社が取っている許可業種にどちらが効くかで考えたほうが迷わないと考えています。
監理技術者になれる業種は、土木を含めて9つ
1級土木施工管理技士で監理技術者になれる業種は、土木だけではありません。国土交通省の一覧では、実務経験を足さずに監理技術者(特定建設業の営業所専任技術者)になれる業種が9つ並んでいます(解体は注1の条件つき)。
国土交通省の「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」(2025年12月18日施行)は、凡例で「特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)となり得る国家資格」と「一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)となり得る国家資格」を色で分け、「枠内の数字:資格取得後、必要な当該業種の実務経験年数」としています。この一覧の「1級土木施工管理技士」の行を、色と数字のまま書き起こしたのが次の表です。
| 一覧での区分 | 業種 | 資格取得後に要る実務経験 |
|---|---|---|
| 特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)となり得る | 土木/とび・土工/石/鋼構造物/舗装/しゅんせつ/塗装/水道施設/解体(注1) | 数字なし |
| 一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)となり得る | 左官/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/防水/熱絶縁/さく井/清掃施設 | 3年 |
出典:国土交通省「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」(2025年12月18日施行)の「1級土木施工管理技士」の行。表は色と数字の読み取りです。
解体には注がついています。「(注1)解体工事業について、技術検定に係る資格は平成27年度までの合格者について、技術士試験資格に係る資格は当面の間、資格とは別に、解体工事に関する1年以上の実務経験を有している又は登録解体工事講習を受講していることが必要です。」(国土交通省「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」)
指定建設業では1級の重みが変わる
もう1つ押さえておきたいのが指定建設業です。施行令は指定建設業として「一 土木工事業/二 建築工事業/三 電気工事業/四 管工事業/五 鋼構造物工事業/六 舗装工事業/七 造園工事業」を挙げています(建設業法施行令 第5条の2)。国土交通省の運用マニュアルは、これらに係る建設工事の監理技術者について「一級施工管理技士等の国家資格者又は建設業法第十五条第二号ハの規定に基づき国土交通大臣が認定した者…に限られる(法第二十六条第二項)。」としています(国土交通省 監理技術者制度運用マニュアル)。
上の表と見比べると、指定建設業7業種のうち土木・鋼構造物・舗装の3つが、1級土木の「数字なし」の欄に入っています。道路や橋の元請工事を回す会社で1級土木が重宝されるのは、ここが理由の1つだと僕は見ています。
会社の経営事項審査で資格がどう評価されるかは、点数の話になるのでここでは書きません。1級土木とほかの資格を組み合わせる考え方のほうで扱っています。
監理技術者が要る線と、専任が要る線は別物
監理技術者が要るかどうかは「下請に出す額の総額」で決まり、技術者を現場に専任で置くかどうかは「工事一件の請負代金」で決まります。2つは物差しが違うので、混ぜると判断を誤ります。
監理技術者の線:下請代金の総額
第26条第2項がいう政令の金額は、特定建設業の許可の線と同じです。「法第三条第一項第二号の政令で定める金額は、五千万円とする。ただし、同項の許可を受けようとする建設業が建築工事業である場合においては、八千万円とする。」(建設業法施行令 第2条)。土木の元請工事で見るのは前半の5,000万円です。
この金額は、令和7年2月1日施行の改正で引き上げられた後の値です。国土交通省の報道発表の表は、「特定建設業許可を要する下請代金額の下限」の行を「現行 4,500万円(7,000万円)※1|改正後 5,000万円(8,000万円)※1」とし、「※1 建築工事業の場合」と注記しています(国土交通省 報道発表・令和6年12月6日)。古い資料の4,500万円を見て判断しないようにしたいところです。
専任の線:工事一件の請負代金
専任が要る工事は、施行令第27条第1項で決まっています。「法第二十六条第三項の政令で定める重要な建設工事は、次の各号のいずれかに該当する建設工事で工事一件の請負代金の額が四千五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、九千万円)以上のものとする。」(建設業法施行令 第27条第1項)。各号の最初は「国又は地方公共団体が注文者である施設又は工作物に関する建設工事」なので、公共土木はまずここに当たるかを確かめることになります。
専任には例外も用意されています。第26条第3項のただし書は、請負代金の額が政令の金額未満であることなど3つの要件を全部満たす場合(第1号)と、監理技術者の職務を補佐する者を専任で置く場合(第2号)を挙げています(建設業法 第26条第3項)。第1号の金額は「一億円とする。ただし、当該建設工事が建築一式工事である場合においては、二億円とする。」です(建設業法施行令 第28条)。ただし、こうした例外を使える工事現場の数には上限があり、「政令で定める数を超えるときは、適用しない。」とされています(建設業法 第26条第4項)。
ここまでの金額を、物差しごとに整理するとこうなります。
- 監理技術者が要るか:元請の工事で、下請契約の請負代金の総額が5,000万円(建築工事業は8,000万円)以上か
- 専任が要るか:重要な建設工事で、工事一件の請負代金が4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上か
- 専任の例外(第1号):請負代金が1億円(建築一式工事は2億円)未満などの要件をすべて満たすとき
- 専任の例外(第2号):監理技術者補佐を専任で置くとき
特定建設業の許可そのものの考え方は、特定建設業の許可の仕組みで詳しく追えます。
2級との違いと、2級を持っている人が1級を受けるとき
2級は主任技術者を、1級は監理技術者を想定した検定です。2級を持っている人が1級を受けるときは、1級の第一次検定にも受かっていることを前提に、2級の第二次検定に受かった時点から実務年数を数えるルートが使えます。
級の役割は施行令の条文で対になっています。2級のほうは「二級の技術検定は、検定種目ごとに、法第二十七条第一項に規定する者が主任技術者として必要な知識及び能力を有するかどうかを判定するために行う。」です(建設業法施行令 第37条第4項)。もう1つの違いが種別で、施行令は土木施工管理などに係る二級の技術検定を「当該検定種目を国土交通省令で定める種別…に区分し、当該検定種別ごとに行う。」としています(建設業法施行令 第37条第5項)。種別に分かれるのは2級だけで、1級の土木施工管理に種別はありません。2級側の種別の話は2級土木施工管理技士の全体像にまとめています。
2級合格者の二次の受検資格
令和8年度の受検の手引は、2級土木の第二次検定に受かっていて、かつ1級の第一次検定に受かった人を「受検資格区分2」として、次の2つを挙げています(全国建設研修センター 令和8年度 受検の手引〈1級第二次検定のみ・新受検資格〉)。
- 「2級 第二次検定(旧実地試験含む)合格後の実務経験5年以上(令和8年度の該当者は令和2年度までの合格者)」
- 「2級 第二次検定(旧実地試験含む)合格後の特定実務経験(※1)1年以上を含む実務経験3年以上(令和8年度の該当者は令和4年度までの合格者)」
ここでの特定実務経験は、手引で「建設業法の適用を受ける請負金額 4,500 万円(税込)以上の建設工事における、以下のいずれかの実務経験をいいます。」とされ、監理技術者や主任技術者(いずれも請け負った建設工事の種類に係る監理技術者資格者証を有する者)の指導の下で行った土木施工管理の実務経験か、自ら監理技術者・主任技術者として行った土木施工管理の実務経験のどちらかです(全国建設研修センター 令和8年度 受検の手引〈新受検資格〉)。
数字で見ると、2級から上がってくる人は少なくありません。令和7年度の第二次検定の発表では「1級土木施工管理技術検定合格者のうち、2級土木施工管理技術検定合格者が占める割合:51.1%」とされています(全国建設研修センター 令和7年度 第二次検定 合格者の発表・令和8年1月9日)。
1級と2級の違いを土木以外の種目も含めて見たいときは施工管理技士の1級と2級の違い、受検資格の区分を全部確かめたいときは1級土木の受検資格の記事が早いです。
合格までの道筋:第一次検定で技士補、第二次検定で技士になる(令和8年度の日程つき)
1級土木は、第一次検定に合格すると「1級土木施工管理技士補」、第二次検定に合格すると「1級土木施工管理技士」と名乗れます。一次だけでも称号が付き、監理技術者補佐の要件にもつながります。
第一次検定と第二次検定の役割
技術検定は「これを分けて第一次検定及び第二次検定とする。」とされ、第一次検定は「施工技術の基礎となる知識及び能力」、第二次検定は「施工技術のうち第二十六条の四第一項に規定する技術上の管理及び指導監督に係る知識及び能力」を判定するものです(建設業法 第27条第2項〜第4項)。合格した人は「それぞれ政令で定める称号を称することができる。」とされ(建設業法 第27条第7項)、その称号は「第一次検定に合格した者にあつては級及び検定種目の名称を冠する技士補とし、第二次検定に合格した者にあつては級及び検定種目の名称を冠する技士とする。」と決まっています(建設業法施行令 第40条第1項)。国土交通省のよくある問合せによれば、技士補の仕組みは「令和3年4月 1 日から。」です。
一次合格の技士補は、監理技術者補佐の要件の入口になる
一次に受かったあと、現場で役に立つ場面として挙げられるのが監理技術者補佐です。運用マニュアルは補佐の要件の1つを「請け負った建設工事の種類にかかる主任技術者の資格を有する者(法第七条第二号イ、ロ又はハ に該当する者)のうち、一級の技術検定の第一次検定に合格した者。(一級施工管理技士補、当該建設工事の種類に応じて指定された検定種別に限る。)」としています。あわせて「ただし、建設工事の種類が、機械器具設置工事、さく井工事、消防施設工事又は清掃施設工事の場合は、2)に限る。(令第二十九条)」という限定もついています(国土交通省 監理技術者制度運用マニュアル)。技士補になっただけで補佐になれるわけではなく、その工事の種類の主任技術者の資格と組み合わさって初めて要件になります。
補佐を置く意味は、国土交通省のよくある問合せにある専任特例2号の説明で分かります。「監理技術者の専任を要する建設工事において、当該工事現場ごとに監理技術者補佐を専任で配置することで、監理技術者の兼務が可能となる特例です。」とされ、金額の要件は「ありません。」、専任特例1号との併用は「不可です。」と答えています(国土交通省 よくある問合せ〈技術者制度〉令和8年2月26日時点)。技士補は監理技術者そのものにはなれません。主任技術者の資格と組み合わさって補佐の要件を満たせば、補佐として監理技術者の兼務を支える立場に立てる、というのが一次合格の現場での使い道です。
なお、配置技術者の一覧で「1級土木施工管理技士補」の行には、監理技術者になれる業種(数字なしの欄)はありません(国土交通省「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」)。
受検資格
第一次検定は「当該第一次検定が行われる日の属する年度の末日における年齢が十九歳以上の者とする。」です(施工技術検定規則 第4条第1項)。令和8年度でいえば「令和8年度中における年齢が19歳以上の者(平成20年4月1日に生まれた者も含む)」です(全国建設研修センター 1級土木施工管理技術検定)。
第二次検定は、令和6年度からの新受検資格では、1級の第一次検定に合格した後の実務経験で受けるのが基本です。規則には「一級の第一次検定に合格した後同検定種目に関し五年以上実務の経験を有する者」のほか、特定実務経験1年以上を含む3年以上、監理技術者補佐として1年以上の実務経験などが並んでいます(施工技術検定規則 第5条第1項)。旧受検資格は経過措置として残っていて、「第二次検定は、令和6年度から令和10年度までの5年間は制度改正に伴う経過措置として、【令和6年度からの新受検資格】と【令和5年度までの旧受検資格】のどちらの受検資格でも受検が可能です。」とされています(全国建設研修センター 1級土木施工管理技術検定)。
令和7年度は、一次と二次を同じ年度に受けた人もいました。同年度の第二次検定の受検者24,667人の内訳は「今年度の第一次検定合格の受検者数7,176人と、第二次検定のみの受検者数17,491人」でした(全国建設研修センター 令和7年度 第二次検定 合格者の発表)。自分がどの区分で申し込めるかは、受検資格の区分の整理で確かめてください。
令和8年度の日程
令和8年度の1級土木の日程は、国土交通省の実施公告で次のとおりです(国土交通省「令和8年度土木施工管理技術検定の実施について」令和7年12月18日)。
- 申込受付:第一次検定・第二次検定とも「令和8年 3月 23 日(月)~4月 6日(月)」
- 第一次検定:「令和8年 7月 5日(日)」、合格発表「令和8年 8月 13 日(木)」
- 第二次検定:「令和8年 10 月 4日(日)」、合格発表「令和9年 1月 8日(金)」
- 受検手数料:「第一次検定 12,000円(非課税) / 第二次検定 12,000円(非課税)」(全国建設研修センター)
日程の細かい読み方は1級土木の試験日程、申込の手順は1級土木の申込方法にまとめています。
試験の中身と合格率
第一次検定はマークシートの択一式で、全体の6割と「施工管理法(応用能力)」の6割以上を両方取ると合格です。第二次検定は記述式で、得点6割以上が合格です。
第一次検定
第一次検定は「問題は択一式で解答はマークシート方式で行います。」とされ(全国建設研修センター 令和8年度 受検の手引)、午前が「10時00分~12時30分」、午後が「13時45分~15時45分」です。「午前のみの受検者は欠席扱いとなります。また、午後のみの受検はできません。」という点も手引に書かれています。検定科目は「土木工学等」「施工管理法」「法規」の3つです(施工技術検定規則 別表第一)。
令和8年度の合格基準は次のとおりでした。「解答する必須問題40問、選択問題30問の合計70問につき、1問1点としてその合計の得点が60%以上(42問以上正解)かつ施工管理法(応用能力)の15問の内、得点が60%以上(9問以上正解)を合格とする。」(全国建設研修センター 令和8年度 第一次検定の合格者の発表について)。施工管理法の検定基準には「監理技術者補佐として、土木一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な応用能力を有すること。」とあり(施工技術検定規則 別表第一)、一次の段階から補佐の目線で問われていることが分かります。
第二次検定
第二次検定は「記述式による筆記試験を行います。」で、試験時間は「13時15分~16時00分」です(全国建設研修センター 令和8年度 受検の手引)。検定基準は、監理技術者として施工の管理に必要な知識を持つこと、土質試験及び土木材料の強度等の試験を正確に行い、その結果に基づいて所要の強度を得る等の措置ができる応用能力、設計図書に基づいて施工計画を作成・実施できる応用能力の3つです(施工技術検定規則 別表第一)。合格基準は「得点が60%以上を合格とする。」です(全国建設研修センター 令和7年度 第二次検定の合格者の発表)。成績は「A:合格(合格基準以上) B:得点が40%以上合格基準未満 C:得点が40%未満」の3段階で通知されます(全国建設研修センター 令和8年度 受検の手引)。
合格率
直近の数字を、公表資料のまま並べます。
| 回 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 第一次検定 | 50,012 | 24,927 | 49.8% |
| 令和7年度 第一次検定 | 47,715 | 20,547 | 43.1% |
| 令和7年度 第二次検定 | 24,667 | 9,603 | 38.9% |
| 令和6年度 第二次検定 | 27,220 | 11,224 | 41.2% |
出典:全国建設研修センター 令和8年度 第一次検定の合格者の発表(令和8年8月13日。令和7年度の第一次検定の値は同資料の比較値)/令和7年度 第二次検定の合格者の発表(令和8年1月9日。令和6年度の値は同資料の参考値)。
令和8年度の第二次検定は10月4日に実施予定で、合格発表は令和9年1月8日の予定です。一次と二次では合格基準の作りが違うので、僕は「一次は基準点に達する試験、二次は書いた中身で6割を取りにいく試験」と分けて準備を考えるのが現実的だと思っています。
年度ごとの推移は1級土木の合格率の推移、発表の見方は合格発表の確認方法、科目ごとの対策は第一次検定の対策と第二次検定の対策、記述の組み立ては経験記述の書き方で個別に掘り下げています。
合格したあとの手続きと、勉強の入口
合格しただけでは手続きは終わりません。合格証明書の交付を受け、専任の監理技術者として選任されるには資格者証と講習も要ります。勉強は、一次と二次で準備の中身が違うので、受ける区分を決めてから入るのが近道です。
第二次検定の合格者については、全国建設研修センターが「所定の手続きを行うことで国土交通大臣から第二次検定合格証明書が交付されます。」としています(令和7年度 第二次検定 合格者の発表)。現場で専任の監理技術者になる場合は、さらに条件があります。「第三項の規定により専任の者でなければならない監理技術者(同項各号に規定する監理技術者を含む。次項において同じ。)は、第二十七条の十八第一項の規定による監理技術者資格者証の交付を受けている者であつて、第二十六条の六から第二十六条の八までの規定により国土交通大臣の登録を受けた講習を受講したもののうちから、これを選任しなければならない。」(建設業法 第26条第5項)。選任された監理技術者は、発注者から求められたら資格者証を提示します(建設業法 第26条第6項)。
合格後から現場に出るまでにやることを、順に並べるとこうです。
- 合格証明書の交付を受ける手続きをする
- 専任の監理技術者になるなら、監理技術者資格者証の交付を受ける
- あわせて、国土交通大臣の登録を受けた講習を受講する
- 現場では、発注者から請求されたら資格者証を提示できるようにしておく
手続きの具体的な流れは1級土木の合格後の手続き、実務経験の数え方は1級土木の実務経験の考え方にまとめています。
勉強の入口は、まず自分が今年「一次から受けるのか、二次だけなのか」を決めることです。どこから手を付けるかは1級土木の勉強法、独学で進めるときの組み立ては1級土木の独学の進め方で整理しています。個人的には、現場を持ちながら二次の記述まで一人で仕上げるのは負担が大きいので、添削を受けられる手段を早めに検討しておくのも1つの手だと思います。
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【PR】独学で進めるのが不安なら、受験対策講座という選択肢もあります
現場の仕事と一次・二次の対策を並べて進めるのが難しいと感じたら、受験対策講座の内容を一度確かめてみるのも一つの方法です。
- 2級は持っているが、1級の勉強の進め方が分からない
- 現場が忙しく、独学だと勉強が後回しになっている
- 二次の経験記述をどう書けばよいか、まだ見えていない
1級土木施工管理技士に関する情報まとめ
- 監理技術者との関係:1級の検定は監理技術者として必要な知識と能力を判定するもの(施行令 第37条第3項)。監理技術者になる道は技術検定だけではない
- なれる業種:数字なしで監理技術者になれるのは土木・とび土工・石・鋼構造物・舗装・しゅんせつ・塗装・水道施設・解体(注1)の9業種。ほか8業種は取得後3年の実務で主任技術者
- 2本の線:監理技術者は下請代金の総額5,000万円以上、専任は重要な工事で一件4,500万円以上(令和7年2月施行後)
- 2級との違い:2級は主任技術者、1級は監理技術者を想定。2級合格者は1級一次合格を前提に、2級二次合格後の実務年数で1級二次を受けられる区分がある
- 合格までの道筋:第一次検定の合格で技士補、第二次検定の合格で技士。技士補は監理技術者補佐の要件の入口で、旧受検資格は令和10年度まで
- 試験と合格率:一次は70問で42問以上かつ応用能力9問以上、二次は記述式で6割。令和8年度一次は49.8%、令和7年度二次は38.9%
- 合格後:合格証明書の手続きに加え、専任の監理技術者には資格者証と登録講習が要る
以上が1級土木施工管理技士についての情報のまとめです。
まず手を付けたいのは、自社が持っている建設業許可の業種と、次に担当しそうな工事の請負代金・下請に出す額を所長に聞いておくことです。そこで監理技術者が要る現場かどうか、自分の業種が9つの中に入るかが見えれば、1級を取る理由がはっきりします。そのうえで2級の合格年度から自分の受検区分を決めれば、今年一次から受けるのか、二次から入れるのかも絞れるはずです。許可の種類から見直したいときは建設業許可の業種と区分から入ると話が早いかなと思います。
