- 電気通信の品質管理の例文って、探してもほとんど出てこない
- 絶縁抵抗や接地の例文は、通信工事にはそのまま使えない
- 「要求された品質」って、誰に要求されたものを書けばいいの?
- 「機器又は装置や材料等」と対象が限られているのが気になる
- 光ケーブルの接続や、機器の保管の話は品質管理に入る?
- 例文の数字をそのまま使うと危ないって本当?
上記の様な悩みを解決します。
2級電気通信の問題1で品質管理が指定されたのは令和元・2・4・5・6年度の5回です(令和3・7年度は工程管理と安全管理)。電気工事の絶縁・接地の例文は通信工事の題材にそのまま置き換えにくく、令和6年度はさらに品質の対象が「機器又は装置や材料等」に絞られました。通信工事の題材で、令和6年度の形2本と令和5年度までの形1本を作りました。
品質管理の例文は、電気工事の題材を流用したものが多く、通信工事の材料や機器に置き換えたものはなかなか見当たりません。さらに、令和6年度に品質の対象が「機器又は装置や材料等」と名指しで絞られた点に触れた解説も少ないんですよね。今回は、この限定語と「要求された品質」という2語を例文の組み立ての軸に据え、品質の対象は3本で材料・機器・据付調整と変えています。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、通信工事の現場で品質の答案に何を書くか決めかねている方でも、読み進めやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
品質管理が出たのは令和元〜6年度のうち5回。令和6年度だけ対象が絞られた
問題1で指定された管理項目を年度順に並べると、品質管理が外れたのは令和3年度と令和7年度だけです。各年度の問題冊子(令和元・2年度は2級電気通信工事施工管理技術検定 実地試験問題、令和3〜5年度は同 第二次検定試験問題、令和6・7年度は同 後期 第二次検定試験問題の問題1)から写すと、次のとおりです。
| 年度 | 問題1で問われた管理項目 | 品質管理の問い方 |
|---|---|---|
| 令和元年度 | 安全管理・品質管理 | 〔設問3〕事項+措置又は対策 |
| 令和2年度 | 工程管理・品質管理 | 〔設問3〕事項+措置又は対策 |
| 令和3年度 | 工程管理・安全管理 | 出題なし |
| 令和4年度 | 工程管理・品質管理 | 〔設問3〕事項+措置又は対策 |
| 令和5年度 | 安全管理・品質管理 | 〔設問3〕事項+措置又は対策 |
| 令和6年度後期 | 工程管理・品質管理 | 〔設問2〕(1)課題+(2)対策内容とその結果 |
| 令和7年度後期 | 工程管理・安全管理 | 出題なし |
- 令和元・2・4・5年度:〔設問3〕で「品質管理」上特に重要と考えた事項と、とった措置又は対策を書く形
- 令和3・7年度:品質管理は指定されず、工程管理と安全管理の組
- 令和6年度:〔設問2〕の(1)課題と(2)対策内容とその結果の2段になり、対象が「機器又は装置や材料等」に絞られた
令和元〜5年度の品質管理は、工事概要を〔設問1〕、管理項目を〔設問2〕〔設問3〕に置く3設問の形で、品質管理はどの年も〔設問3〕でした。品質管理が出た4回とも問い方は同じで、「上記工事を施工することにあたり「品質管理」上,あなたが特に重要と考えた事項をあげ,それについてとった措置又は対策を簡潔に記述しなさい。」です(令和元年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 実地試験問題 問題1〔設問3〕/令和5年度 同 第二次検定試験問題 問題1〔設問3〕)。
令和6年度は形が変わりました。柱書は「あなたが経験した電気通信工事のうち,「工期を遵守するための工程管理」及び「施工現場における工事対象物の機器又は装置や材料等の品質管理」について特に留意した工事を1つ選び,〔工事概要〕を記述した上で,次の〔設問1〕及び〔設問2〕についての答えを解答欄に記述しなさい。」で、品質管理の〔設問2〕は「前記の〔工事概要〕に記述した工事の「施工現場における工事対象物の機器又は装置や材料等の品質管理」について,次の(1),(2)について具体的に記述しなさい。」と続き、(1)が「要求された品質を実現するための品質管理上の課題」、(2)が「上記(1)の品質管理上の課題に対し実施した具体的な対策内容とその結果」でした(令和6年度後期 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1)。
令和元〜5年度の問い方には、品質の対象を限る言葉がありません。「施工現場における工事対象物の機器又は装置や材料等」という限定が付いたのは、7年分のうち令和6年度だけです(令和元〜7年度 同 問題1)。品質管理の答案を用意するなら、この限定の内側に収まる題材を選んでおくのが無難だと僕は考えていて、この記事の3本もそこから外れない工事にしました。
令和8年度の第二次検定の問題冊子は確かめていないため、次に品質管理が出るかどうかの予想はしません。ほかの年度の問題を通して解きたい方は、2級電気通信の過去問をまとめた記事から入れます。1級の品質管理の設問文と見比べたい方には、1級電気通信の品質管理の経験記述を扱った記事があります。
例文1|材料:光ケーブルを管路に通線して融着接続する工事(架空の作例)
1本目は、2つの庁舎の間の既設管路に光ケーブルを通し、両端で融着接続する工事です。以下は当サイトが作った架空の作例です。工事名・発注者・工期・金額・区間数・心数はすべて架空で、実在の工事とは関係がありません。品質の対象は「材料」、つまり光ケーブルそのものと、その接続点に置きました。
接続損失や曲げ半径の許容値は、工事ごとに設計図書やメーカーの施工要領書で決まるものなので、例文の中には数字を置いていません。答案に自分の工事の値を書くかどうかは、その値が書類で確かめられるかどうかで決めてください。
〔工事概要〕(架空)
- ⑴工事名:〇〇市 本庁舎・第二庁舎間 光ケーブル敷設工事
- ⑵工事の内容のうち、①発注者名:〇〇市/②工事場所:〇〇県〇〇市〇〇町地内/③工期:令和6年6月3日〜令和6年9月27日/④請負概算金額:8,400,000円
- 同じく⑤工事の概要:本庁舎と第二庁舎を結ぶ既設の地下管路(ハンドホール7か所・6区間)に24心の光ケーブルを通線し、両庁舎の機械室の成端箱で全心を融着接続。接続後に全心の損失を測定
- ⑶立場又は役割:元請の主任技術者(通線・接続・試験の品質と工程を管理)
〔設問2〕の解答例
(1) 特記仕様書では、通線時に光ケーブルへ加える引張と曲げをメーカーの施工要領書に示された範囲に収めること、接続後に全心の損失を測定し、設計図書で指定された値以内であることを試験成績表で示すことが求められていた。本工事の管路は6区間のうち2区間に曲がりがあり、ハンドホール内も狭く、ケーブルを引き出して余長を取る余地が限られていた。また、両端の接続は別々の機械室で2班に分かれて行うため、接続点ごとに仕上がりがばらつくおそれがあった。そこで、通線中にケーブルを要領書の範囲を超えて引っ張ったり曲げたりしないこと、2班の接続の仕上がりをそろえることを品質管理上の課題とした。
(2) 通線の前に全区間へ通線用ロープを試し通しし、引っかかる箇所がないことを区間ごとに確かめた。曲がりのある2区間は、途中のハンドホールに中間引きの作業員を置いて引く長さを分け、管口には案内のローラーを取り付けた。けん引には張力計を付け、施工要領書の値を超えそうになったら止める合図を事前に決めた。ハンドホール内の余長は、取る位置と巻き方を施工図に描いて通線前に確定した。接続は、被覆の除去から融着までの手順を1枚の作業手順書にまとめ、2班で読み合わせてから着手し、融着接続機の点検を毎日の作業開始前に行って記録した。接続の直後に接続機の表示を確かめ、指定値に届かない心はその場で切り直した。
その結果、張力計の記録では6区間とも施工要領書の範囲を超えた引張は無く、試験成績表には24心×両端の全心の測定値が設計図書の指定値以内で記載された。切り直した心は2班で合わせて3心あり、心番号と切り直しの理由を施工記録に残した。
解答例の組み立て
(1)の最初の1文は、現場の様子ではなく「特記仕様書では〜が求められていた」から書き始めています。(1)の問いが「要求された品質を実現するための」課題なので、何が要求されていたかを先に置くと、そのあとの現場条件(曲がりのある管路、狭いハンドホール、2班に分かれる接続)が「要求を満たしにくい理由」として読めるようになります。順番は、要求(書類名)→現場の条件→課題、の3段です。
課題の文には、引張・曲げと、接続の仕上がりの2つを入れました。(2)の対策も、通線の段取り(試し通し・中間引き・ローラー・張力計・余長の施工図)と、接続の段取り(手順書・接続機の点検・その場の切り直し)の2つに分かれていて、(1)と(2)の対応がずれないようにしてあります。
結果は「品質を確保できた」で閉じず、張力計の記録、試験成績表、施工記録という3つの書類の名前で閉じました。切り直した3心のように、途中で手を入れた箇所があれば、それも記録に残った事実として書いてかまわないと考えています。
例文2|機器:庁舎の監視カメラと録画装置を更新する工事(架空の作例)
2本目は、町役場の庁舎で監視カメラと録画装置を新しくする工事です。以下も当サイトが作った架空の作例で、工事名・発注者・工期・金額・台数はすべて架空です。品質の対象は「機器又は装置」で、二次下請として施工した想定にしました。
〔工事概要〕(架空)
- ⑴工事名:〇〇町役場 庁舎 監視カメラ設備更新工事
- ⑵工事の内容のうち、①発注者名:D社(一次下請業者)/②工事場所:〇〇県〇〇郡〇〇町/③工期:令和6年10月1日〜令和6年12月20日/④請負概算金額:3,200,000円
- 同じく⑤工事の概要:庁舎の屋外カメラ8台・屋内カメラ12台と録画装置1台を更新。屋外カメラは駐車場と通用口に面した外壁に取り付け、既設の配線を使って接続し、録画装置の設定と各カメラの画角調整を行う
- ⑶立場又は役割:二次下請の現場責任者(機器の受入れから引渡し前の確認までを管理)
〔設問2〕の解答例
(1) 一次下請から受け取った機器の納入仕様書では、各カメラが写す範囲を平面図で指定し、屋外カメラのケーブル接続部に防水の処置をすること、引渡し前に全カメラの映像を録画装置で再生して確かめることが求められていた。本工事では、機器を搬入してから据え付けるまでの約3週間、庁舎の倉庫で保管する必要があり、その倉庫は湿気がこもりやすかった。また、屋外カメラの接続部は外壁の高い位置で雨が掛かる場所にあった。そこで、受け入れから引渡しまでの間に機器を傷めたり湿気にさらしたりせず、据え付けた後に仕様書どおりの撮影範囲と防水の処置を確保することを品質管理上の課題とした。
(2) 搬入時は納入仕様書と照らして型式・数量・外観を確かめる受入検査を行い、チェックシートに記録した。保管は床に直置きせず棚に載せ、梱包のまま除湿剤を入れて置き、開梱はその日に据え付ける分だけとした。屋外カメラの接続部は、防水の処置の手順を作業手順書にまとめ、処置の後に1台ずつ写真を撮ってから次へ進んだ。画角は、撮影範囲の平面図を持って録画装置の画面で合わせ、一次下請の担当者に立ち会ってもらった。引渡しの前には、全20台の映像を録画装置で再生し、屋外カメラは日没後の映像も確かめた。
その結果、受入検査のチェックシートで屋内カメラ1台の外箱に凹みが見つかり、交換品を取り寄せて据え付けた。防水の処置は屋外8台すべてについて写真付きでチェックシートに残り、画角の立会記録では20台のうち2台の向きを直したうえで、全台が撮影範囲の平面図どおりであることを確かめた。引渡し前の再生確認は、20台分を確認記録にまとめて一次下請へ提出した。
解答例の組み立て
機器を題材にするときは、品質を押さえる時点を「受け入れる前」「据え付けるとき」「引き渡す前」の3つに分けておくと、(2)が書きやすくなります。例文2では、受け入れる前が受入検査と保管、据え付けるときが防水の処置と画角合わせ、引き渡す前が全台の再生確認です。機器の搬入や保管の話は品質管理に入るのか、と迷う方もいると思いますが、令和6年度の限定語が「工事対象物の機器又は装置や材料等」なので、据え付ける機器そのものを傷めない工夫は、この範囲の中の話として読める、というのが当サイトの考え方です。
(1)の要求は、例文1の特記仕様書に対して、例文2では一次下請から受け取った「納入仕様書」にしました。下請の立場だと、発注者の特記仕様書が手元に無いことも多いので、自分の会社が受け取った書類の中から、品質の条件が書かれているものを探すのが近道です。
発注者名を「D社(一次下請業者)」としたのは、〔注意〕に「従って,あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。」とあるためです(令和6年度後期 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1〔工事概要〕〔注意〕)。
令和6年度の形では、同じ工事で〔設問1〕の工程管理も書くことになります。例文2の工事なら、工程側は庁舎の開庁時間を避けたカメラの切替えの順番など、品質側と重ならない材料で組むことになるでしょう。工程管理の課題の立て方は、2級電気通信の工程管理の書き方を整理した記事で扱っています。
例文3|令和5年度までの形:無線設備の据付調整(架空の作例)
3本目は、令和元〜5年度の〔設問3〕の問い方で書いた例文です。題材は、業務用無線の基地局装置と空中線を更新し、据付後に調整する工事にしました。以下も当サイトが作った架空の作例で、工事名・発注者・工期・金額・台数はすべて架空です。
据付調整を題材にしたのは、令和元〜5年度の問題1の〔注意〕に「代表的な工事の工事名が工事以外でも,電気通信設備の据付調整が含まれている場合は,実務経験として認められます。」とあるからです(令和5年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1〔注意〕)。一方、令和2〜5年度には「ただし,撤去のみの工事は除きます。」の一文もあるので(令和2年度 同 実地試験問題 問題1/令和5年度 同 第二次検定試験問題 問題1)、例文3は古い設備の撤去と新しい設備の据付を1つの工事にまとめています。
〔設問1〕工事概要(架空)
- ⑴工事名:〇〇町 上下水道事業所 業務用無線 基地局設備更新工事
- ⑵工事の内容のうち、①発注者名:〇〇町/②工事場所:〇〇県〇〇郡〇〇町/③工期:令和4年11月1日〜令和5年3月17日/④請負概算金額:6,700,000円
- 同じく⑤工事概要:事業所の屋上の空中線1基と局舎内の基地局装置1台を撤去・更新し、据付後に調整を行い、車載の移動局12台との通話を確認
- ⑶立場又は役割:元請の現場代理人(据付と調整の段取り、品質の確認を担当)
〔設問3〕の解答例
特に重要と考えた事項は、屋上の空中線の取付けと給電線接続部の防水処置を、メーカーの据付要領書どおりに仕上げることである。
とった措置又は対策として、空中線の向きと固定の方法、接続部の防水処置の手順を据付要領書から抜き出して施工チェックシートにまとめ、取付けの各段階で記入と写真撮影を行った。据付後は、移動局12台のそれぞれと事業所の間で通話を確かめ、結果を調整記録に残した。
旧形式の措置に出てくる記録は、令和6年度の(2)で結果の材料になる
令和5年度までの形は「特に重要と考えた事項をあげ」なので、事項は名詞でまとまる短い1文にしました。「簡潔に」の指示に合わせて、措置又は対策も2文に収め、「結果」の欄は作っていません。旧形式の問い方には結果を求める言葉が無いからです。
例文3の措置又は対策には、施工チェックシート、写真、調整記録という3つの記録が出てきます。旧形式ではこれらは措置の中身を示すところで役目を終えますが、令和6年度の(2)は「上記(1)の品質管理上の課題に対し実施した具体的な対策内容とその結果」なので、同じ記録が今度は結果を書く材料になります(令和6年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1〔設問2〕)。旧形式で準備した答案を今の形に移すときは、措置の文から記録の名前を拾い出し、その記録で何を確かめられたかを結果の文に回すのが近道だと、当サイトでは考えています。
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【PR】通信工事の品質管理、例文が見つからないとき
通信工事の題材に合わせて、要求された品質の書き方を確かめたい方には、独学サポート事務局の受験対策講座という選択肢もあります。講座の対応範囲は公式ページで確認してください。
- 電気工事の例文しか見つからず、通信工事にどう置き換えるか分からない
- 「機器又は装置や材料等」の限定に自分の題材が合っているか判断できない
- 書いた答案が「要求された品質」から外れていないか、確かめたい
「要求された品質」を、設計図書・仕様書のどの書類から持ってくるか
令和6年度の(1)の「要求された品質」は、問題文の上では、誰がどの書類で要求したものかまでは書かれていません(令和6年度後期 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1〔設問2〕)。この記事の3本では、要求の出どころを次のように置きました。
| 例文 | 品質の対象 | 要求の出どころにした書類 | 結果を確かめた記録 |
|---|---|---|---|
| 例文1(光ケーブルの通線と融着接続) | 材料 | 特記仕様書・設計図書、メーカーの施工要領書 | 張力計の記録・試験成績表・施工記録 |
| 例文2(監視カメラと録画装置の更新) | 機器・装置 | 一次下請から受け取った納入仕様書 | 受入検査のチェックシート・立会記録・再生確認の記録 |
| 例文3(無線設備の据付調整) | 据付調整 | メーカーの据付要領書 | 施工チェックシート・調整記録 |
自分の工事で要求を探すときは、次のような書類から当たると見つけやすいはずです。
- 特記仕様書:試験や検査の方法、合否の判断に使う値の指定が書かれていることが多い
- 設計図書(図面):ケーブルの心数やルート、機器の取付け位置など、仕上がりの形そのもの
- 機器の納入仕様書・承諾図:型式、撮影範囲や設定の条件など、機器ごとの要求
- メーカーの施工要領書・据付要領書:引張や曲げ、防水処置、固定の方法など、施工中に守る条件
- 試験成績表・検査記録の様式:何を測って何を残すかが、様式から逆にたどれる
(1)を書類の名前から書き始めると、「機器又は装置や材料等」の品質という限定から話がそれにくくなる、というのが当サイトの考え方です。作業員の動きや日程の遅れの話に流れそうになっても、書類に書かれた要求に戻れば、品質の対象がぶれません。
例文の数字(区間数、心数、台数、切り直した心の数など)を自分の答案に持ち込まないでください。令和6年度の〔注意〕には「なお,あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。」とあります(令和6年度後期 同 第二次検定試験問題 問題1〔注意〕)。数字は、自分の工事の試験成績表やチェックシートを開いて、そこにある数だけを使うのが安全です。
例文を自分の工事に置き換える順番|工事概要から先に固める
例文の文章から手を付けると、どうしても言い回しに引っ張られます。置き換えは、書類を手元にそろえる順に進めるのがおすすめです。
- 〔工事概要〕の⑴〜⑶を、自分の工事の契約書類から埋める(請負概算金額は契約書や注文書で確かめ、覚えている数字で書かない)
- ⑤工事の概要に、品質の条件につながる現場の事情(曲がりのある管路、湿気のある保管場所など)を1つ入れておく
- 要求の出どころになる書類を1冊決め、その中の品質の条件を1〜2個抜き出す
- (1)を「書類名→現場の条件→課題」の順で書く
- (2)の対策を、(1)の課題の数と同じ束に分けて書く
- 結果を、試験成績表・チェックシート・受入検査記録など、手元にある記録の名前で閉じる
発注者名で迷うのは、下請の立場の方が多いと思います。例文2のとおり、二次下請なら一次下請業者名になります。「撤去のみの工事は除きます」とある以上、撤去が中心の工事を選ぶなら、新しい設備の据付や調整が一緒に含まれているかを先に確かめておくと安心です(令和6年度後期 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1〔注意〕)。
もう1つ気を付けたいのが、工程管理との材料の取り合いです。令和6年度の柱書は、工程管理と品質管理の両方について「特に留意した工事を1つ選び」と求めていました(令和6年度後期 同 問題1)。同じ工事の中で、工程の答案には日程と手順の組み替え、品質の答案には書類に書かれた要求と記録、と材料を分けておくと、2つの答案が同じ話に見えずに済みます。
安全管理で同じように例文から置き換えたい方は、安全管理の例文を3本載せた記事に通信工事の作例があります。安全管理の設問そのものの読み方は、2級電気通信の安全管理の書き方の記事で年度ごとに見られます。
2級電気通信の品質管理の例文に関する情報まとめ
- 出題年度:品質管理は令和元・2・4・5・6年度の5回。令和3・7年度は出ていない。対象が「機器又は装置や材料等」に絞られたのは令和6年度だけ
- 例文1(材料):光ケーブルの通線と融着接続。特記仕様書の要求から書き始め、張力計の記録と試験成績表で閉じた
- 例文2(機器・装置):監視カメラと録画装置の更新。受け入れる前・据え付けるとき・引き渡す前の3時点で押さえ、発注者名は一次下請業者名
- 例文3(令和5年度までの形):無線設備の据付調整。事項は短い1文、措置又は対策は2文で、結果の欄は作らない
- 要求された品質:特記仕様書・納入仕様書・据付要領書など、書類の名前から(1)を書き始める
- 置き換えの順番:工事概要→要求の書類→(1)→(2)→結果の記録。例文の数字は持ち込まない
以上が2級電気通信の品質管理の例文に関する情報のまとめです。
品質管理の答案で手が止まる原因は、書くことが無いからではなく、「要求」を探す場所が決まっていないからだと思います。まずは答案に使う工事の特記仕様書か、機器の納入仕様書を1冊だけ手元に置いてみてください。そこに書かれた条件を1つ拾えれば、(1)の最初の1文はもう書けます。正直なところ、例文を読み込むよりその1冊を開くほうが、答案は早く形になるはずです。
