先輩の答案が旧形式のまま?2級電気通信の経験記述・工程管理

  • 2級電気通信の問題1で、工程管理って何回出てるの?
  • 先輩にもらった答案は「特に重要と考えた事項」の形。今の問題に使える?
  • 「措置又は対策を簡潔に」から「対策内容とその結果」へ。字数を増やせば済むの?
  • 「工期を遵守するための」と「工事の遅延を防止するための」、書く中身は変わる?
  • 工程の課題なんて「工期が短かった」しか思いつかない

上記の様な悩みを解決します。

2級電気通信工事施工管理技士の第二次検定で、問題1に工程管理が入ったのは令和2・3・4・6・7年度の5回です。組んで出た管理項目は、令和2・4・6年度が品質管理、令和3・7年度が安全管理でした。設問文も、令和2〜4年度の「特に重要と考えた事項」「措置又は対策を簡潔に」から、令和6・7年度の「課題」「具体的な対策内容とその結果」へ変わっています。

この記事では、令和元〜7年度の問題冊子を1冊ずつ開いて確かめた内容をもとに、旧形式の答案を今の形に組み直す手順、令和6年度と令和7年度の言い回しの差、通信工事の段取りから工程の課題を拾う方法、「その結果」の書き方までを整理しています。

目次

工程管理が問題1に入った5つの年度と、組んだ相手の管理項目

2級電気通信の問題1で工程管理が設問になったのは、令和元年度から令和7年度までの7年のうち、令和2・3・4・6・7年度の5回です。令和元年度と令和5年度は、問題1に工程管理の設問がありませんでした。工程管理が出た5回は、どれも品質管理か安全管理のどちらかと組んで出題されています。

年度ごとに、工程管理がどの設問番号に置かれ、もう1つの設問で何が問われたかを並べると次のようになります(出典:令和元年度・令和2年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 実地試験問題 問題1、令和3年度〜令和7年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 第二次検定試験問題 問題1)。

年度 試験の呼び名 工程管理の設問 同じ問題1で組んだ管理項目
令和元年度 実地試験 なし 〔設問2〕安全管理・〔設問3〕品質管理
令和2年度 実地試験 〔設問2〕 〔設問3〕品質管理
令和3年度 第二次検定 〔設問2〕 〔設問3〕安全管理
令和4年度 第二次検定 〔設問2〕 〔設問3〕品質管理
令和5年度 第二次検定 なし 〔設問2〕安全管理・〔設問3〕品質管理
令和6年度 第二次検定 〔設問1〕 〔設問2〕品質管理
令和7年度 第二次検定 〔設問1〕 〔設問2〕安全管理

令和元年度と令和2年度の問題冊子は表紙が「実地試験問題」で、令和3年度から「第二次検定 試験問題」に変わっています(出典:令和元年度・令和2年度 同 実地試験問題 表紙、令和3年度〜令和7年度 同 第二次検定試験問題 表紙)。先輩から古い年度の答案をもらったときに呼び名が違っていても、同じ試験の問題1の話です。

相手の管理項目で数えると、工程と品質の組が令和2・4・6年度の3回、工程と安全の組が令和3・7年度の2回でした(出典:令和2年度 同 実地試験問題 問題1、令和3・4・6・7年度 同 第二次検定試験問題 問題1)。設問番号は、令和4年度までは工程管理が〔設問2〕、令和6年度からは〔設問1〕です。令和6年度から〔工事概要〕が設問の外に出たので、番号が1つずつ繰り上がったと読めます。

相手が品質か安全かで、準備の中身は変わる

僕がこの表で一番気にしてほしいのは、工程の回数よりも相手の側です。工程と品質の組なら、同じ工事から「日程の話」と「機器や材料の出来を確かめた話」を別々に取り出すことになります。工程と安全の組なら、「日程の話」と「作業する人を守った話」です。どちらの組でも工事は1つなので、工程の話を用意するときに、相手の話の材料を食いつぶしていないかを同時に見ておく必要があります。

令和8年度の問題1に工程管理が入るかどうかは発表されておらず、7年分の並びから周期を読み取ることもできません。工程は直近2回とも出ていますが、令和元年度と令和5年度のように出ない年もありました。この記事では予想はせず、工程が指定されたときに書ける状態を作ることに絞ります。工程以外も含めた過去5年の出題の流れは、2級電気通信の経験記述を年度順に追った記事でも扱っています。

先輩の答案を今の形に組み直す|「事項」「措置又は対策」「簡潔に」からの書き換え

会社に残っている先輩の答案は、たいてい令和5年度以前の形で書かれています。そのまま覚えて使えるかどうかは、設問文を並べてみると判断がつきます。

令和2・3・4年度の工程管理の〔設問2〕は、3年とも同じ文でした。「上記工事を施工することにあたり「工程管理」上,あなたが特に重要と考えた事項をあげ,それについてとった措置又は対策を簡潔に記述しなさい。」(出典:令和2年度 同 実地試験問題 問題1〔設問2〕、令和3年度・令和4年度 同 第二次検定試験問題 問題1〔設問2〕)

令和6年度の〔設問1〕はこうです。「上記の〔工事概要〕に記述した工事の「工期を遵守するための工程管理」について,次の⑴,⑵について具体的に記述しなさい。」続けて「⑴ 工期を遵守するための工程管理上の課題」「⑵ 上記⑴の工程管理上の課題に対し実施した具体的な対策内容とその結果」と2つの欄が指定されています(出典:令和6年度 同 第二次検定試験問題 問題1〔設問1〕)。令和7年度も⑴⑵の組み立ては同じで、「工期を遵守するための」の部分が「工事の遅延を防止するための」に替わっています(出典:令和7年度 同 第二次検定試験問題 問題1〔設問1〕)。

語が入れ替わった箇所を拾うと、次の5つです(出典:令和2年度 同 実地試験問題 問題1、令和3・4・6・7年度 同 第二次検定試験問題 問題1)。

  • 前半に書くもの:「特に重要と考えた事項」が、「工程管理上の課題」になった
  • 後半に書くもの:「とった措置又は対策」が、「実施した具体的な対策内容」になった
  • 後半の締め:旧形式には無かった「その結果」が足された
  • 書き方の指示:「簡潔に」が消え、「具体的に」になった
  • 工事の書き方:旧形式は〔設問1〕の中で「次の事項について記述しなさい。」だったものが、独立した〔工事概要〕になり「次の事項について解答欄に明確に記述しなさい。」と「明確に」が加わった

字数や行数の指示は、どちらの形の問題文にもありません。「簡潔に」が「具体的に」に変わったからといって、何字増やせという話にはならないということです。増えたのは字数ではなく欄の数です。手元の答案にどの欄が入っていて、どの欄が空いているかは、答案を文に切って1文ずつ印を付けてみると自分で確かめられます。

架空の旧形式答案を1本、組み直してみる

ここからは、組み直しの手順を具体的に見るための架空の例です。実在の工事・発注者・場所とは関係がありません。事務所ビルの改修で、各階のLAN配線と防犯カメラの更新を行った工事を想定します。旧形式で書くと、答案はこうなりがちです。

「特に重要と考えた事項:内装工事と作業期間が重なるため、他業者との工程調整が重要と考えた。とった措置又は対策:内装業者と打合せを行い、作業日を調整した。」

この答案を、欄の棚卸しから始めて今の⑴⑵に組み直します。

手順1:答案を文に切り、1文ずつ印を付ける

令和6年度・令和7年度の⑴⑵が求めている中身は、「課題」「対策内容」「その結果」の3つです。これに「どれでもない」を加えた4つの印を用意し、旧答案を読点や句点で切った1文ずつに付けていきます。先ほどの架空の答案なら、次のようになります。

旧答案の文 付けた印 印を付けて分かったこと
内装工事と作業期間が重なるため どれでもない 工事の条件の説明で、何が危ういかはまだ書かれていない
他業者との工程調整が重要と考えた どれでもない 重要だと思った気持ちで、課題の文になっていない
内装業者と打合せを行い 対策内容 誰と会ったかは分かるが、自分が何を決めたかが無い
作業日を調整した 対策内容 どの作業の日をどう動かしたかが無い

手順2:印が0だった「課題」と「その結果」を先に埋める

印を数えると、この答案は「対策内容」が2つ、「どれでもない」が2つで、「課題」と「その結果」は1つもありませんでした。旧形式の「特に重要と考えた事項」を書いた文が、そのまま⑴の課題の欄に入るとは限らないということです。

空いた欄から先に埋めます。課題の材料は、「どれでもない」の印が付いた2文の中にあります。内装工事と期間が重なるという条件に、何が起きると工期が危うくなるかを足せば、⑴の文になります。

「⑴ 天井ボードが張られる前に天井内のLAN配線とカメラの配線を終えないと、張った後に天井を開け直す手戻りが出て、引渡し前の試験・調整の期間が削られることが課題であった。」

問題文の側に「工期を遵守するための」「工事の遅延を防止するための」という目的が付いた以上、課題の文にも工期や遅れとのつながりが入っていないと、目的と中身がかみ合いません。続けて、もう1つの空欄だった結果の文も、この段階で書いてしまいます。

「その結果、天井を開け直す手戻りは出ず、カメラの映像確認と配線の試験を当初の予定どおりに行えた。」

手順3:「対策内容」の文を、埋めた2つの欄の間に収まるように書き直す

課題と結果が先に決まると、対策内容に何を書けばよいかが見えてきます。天井を開け直さずに済んだと言うには、配線が天井張りより先に終わった理由を⑵で説明しなければなりません。「打合せを行い、作業日を調整した」では、打合せをした事実しか伝わらないので、自分が何を決め、何を確かめたかまで書き足します。

「⑵ 内装業者の職長と毎週の工程打合せで、天井ボードを張る区画ごとの着手日を確認し、先に張る区画から配線を入れる順番に組み替えた。配線を終えた区画は自分が通線と仮結線を確かめてから、天井張りに引き渡した。」

「組み替えた」「確かめてから引き渡した」のように、自分の判断が動詞に出てくると、施工管理として何をしたかが読み手に伝わります。印を付け直してみると、今度は「課題」「対策内容」「その結果」がそれぞれ埋まり、「どれでもない」の文は課題の中に溶けています。

令和6年度「工期を遵守するための」と令和7年度「工事の遅延を防止するための」

2級の工程管理は、令和6年度と令和7年度で設問の頭に付く語が違います。令和6年度は「工期を遵守するための工程管理」、令和7年度は「工事の遅延を防止するための工程管理」でした。⑴の欄もそれに合わせて、令和6年度は「工期を遵守するための工程管理上の課題」、令和7年度は「工事の遅延を防止するための工程管理上の課題」です(出典:令和6年度・令和7年度 同 第二次検定試験問題 問題1〔設問1〕)。⑵の「上記⑴の工程管理上の課題に対し実施した具体的な対策内容とその結果」は2年とも同じ文です。

柱書でも同じ語がかぎかっこ付きで使われていて、令和6年度は「「工期を遵守するための工程管理」及び「施工現場における工事対象物の機器又は装置や材料等の品質管理」について特に留意した工事を1つ選び」、令和7年度は「「工事の遅延を防止するための工程管理」及び「作業現場の安全管理」に特に留意した工事を1つ選び」でした(出典:同 問題1 柱書)。工程の語が替わった年に、相手も品質から安全に替わっています。

問題冊子には採点の基準が書かれていないので、この2つの語で評価の仕方が違うとは言えません。ここから先は僕の読み方です。

期限の側から見るか、原因の側から見るか

「工期を遵守する」は、守るべき期限が先にあって、そこから手前を見る言い方だと僕は読んでいます。引渡しの日、構内交換設備の切替の日、他工事に場所を明け渡す日など、動かせない日付が1つあり、その日に間に合わせるために何が難しかったかを課題に置く書き方です。

「工事の遅延を防止する」は、遅れの原因になりそうなものが先にあって、それを芽のうちに止める言い方に読めます。機器の納入時期、他業者の作業の進み具合、屋外作業の天候のように、放っておくと日程を押す要素を1つ挙げ、それが遅れに変わる前に何をしたかを課題に置く書き方です。

同じ工事でも、書き出しの向きは変えられます。先ほどの架空の改修工事なら、令和6年度の語に合わせると「引渡し前の試験・調整の期間を確保して工期内に終える」が課題の軸になり、令和7年度の語に合わせると「天井張りとの取り合いで配線工事が後ろにずれないようにする」が軸になります。出来事は同じで、文の入口が違うだけです。

相手の管理項目とのぶつかり方も変わる

令和6年度の相手は品質管理で、対象は「施工現場における工事対象物の機器又は装置や材料等」でした。令和7年度の相手は「作業現場の安全管理」です(出典:令和6年度・令和7年度 同 第二次検定試験問題 問題1〔設問2〕)。

工程と品質の組では、「急いだので機器の確認を省いた」と読める話は、品質の設問と正面からぶつかります。工程と安全の組では、「遅れを取り戻すために作業を詰めた」話が、安全の設問と食い違って見えることがあります。僕は、工程の対策を書くときに相手の管理項目を犠牲にしていないかを1度読み返すだけで、答案全体の筋が通りやすくなると考えています。工程の準備では、1つの出来事について期限側と原因側の2通りの書き出しを用意しておくと、どちらの語が来ても入口で迷わずに済みます。

通信工事の工程の課題を、自分の工事の段取りから拾う

工程の課題が「工期が短かった」しか思いつかない、という声はよく聞きます。工期が短いのは工事の条件であって、そのままでは課題の文になりません。僕がすすめたいのは、記憶の中から課題を探すのではなく、工程表の上から拾う方法です。1つ前の見出しで分けた期限の側と原因の側を、そのまま2つの見方として使います。

期限の側の見方:工程表の上で、動かせない日を探す

題材にする工事の工程表を開き(手元に無ければ、思い出せる段取りを紙に並べたものでも構いません)、自分たちの都合では日付を動かせない箇所を探します。通信工事なら、たとえば次のような日です。呼び名は工事によって違うので、自分の現場の言葉に置き換えてください。

  • 引渡しの日と、その手前に取ってある試験・調整の期間
  • 既設設備から新しい設備へ切り替える日
  • 天井や床が他の工事で閉じられる日
  • 発注者や設備の管理者の立会いが決まっている日
  • 他の工事に場所を明け渡す日

光ケーブルの敷設が中心の工事、防犯カメラの更新、構内交換設備の入替えなど、工事の種類が違っても、動かせない日は1つか2つは見つかるはずです。工期の短い小さな改修工事でも同じで、規模が小さいことは、工程の課題が立たない理由にはならないと僕は考えています。

原因の側の見方:その日の手前に、外から入ってくるものを探す

次に、動かせない日の手前を見て、自分たちの手だけでは進み具合が決まらないものを探します。機器の納入や天候のような分かりやすいもののほかに、建物の搬入口やエレベーターを使える時間枠、立会いの日取りの調整、他の工事の進み具合のように、段取りの外側から入ってくる条件も候補になります。

原因が自分の外にある遅れを題材にしてよいかの考え方は、1級電気通信の工程管理の経験記述で扱っています。2級で押さえておきたいのは、令和7年度の「工事の遅延を防止するための」という語との相性です。1つ前の見出しで、この語は遅れの原因になりそうなものを先に置く言い方だと読みました。その読み方に立つと、外から入ってくる要素は避けたい題材ではなく、むしろ課題の入口に向いています。令和6年度の「工期を遵守するための」の語で書くなら、同じ要素を、動かせない日を脅かすものとして置き直せば足ります。ここも僕の読み方で、天候を書いたら減点、といった話は問題冊子のどこにも書かれていません(出典:令和6年度・令和7年度 同 第二次検定試験問題 問題1〔設問1〕)。

2つの見方が重なる場面を、期限側と原因側で1文ずつ書いてみる

動かせない日の手前に、外からの要素が入り込んでいた場面が、工程の題材として一番厚い場面です。そこについて、⑴の課題を2通り書いてみます。これも手順を示すための架空の例です。

構内交換設備の入替えで、既設の電話を止めてよい時間が夜間の数時間しか取れず、切替の日も発注者の都合で決まっていた工事なら、期限の側では「決められた切替の日に、限られた停止時間の中で切替を終えないと、後ろの試験・引渡しがずれることが課題であった」、原因の側では「停止できる時間の短さが、切替作業の遅れにつながらないようにすることが課題であった」が骨組みになります。

この場面で打てる手としては、たとえば本番の前に同じ手順で切替の予行を1回入れておき、停止時間の中に収まるかを先に確かめておく、といったものが考えられます。搬入経路が限られる建物なら、機器の搬入日に合わせて搬入口とエレベーターの使用枠を先に押さえておいた、という話も⑵に自分の段取りとして書けます。どちらも架空の例で、実際の工事の条件によって打てる手は変わります。2通りのうち片方しか書けない場面は、⑵の対策内容も薄くなりがちなので、別の場面を探したほうが早いと僕は見ています。

元請の工程表で動いていた人の書き方

工程表は元請が作っていて、自分は従っただけ、という人もいると思います。僕は、全体の工程表を自分で作ったかどうかより、その工程表の中で自分の担当範囲の段取りをどう組んだかのほうが、⑵の「実施した具体的な対策内容」には書きやすいと考えています。元請の工程表で決まっていた日付に対して、自分の班の作業の順番を入れ替えた、機器の搬入日を早めるよう手配した、といった話は、自分の工程管理として書ける材料です。〔工事概要〕の「施工管理上のあなたの立場又は役割」と、⑵で自分がしたことが食い違わないようにだけ注意します。

「その結果」に書くもの|工期内完了の一言で終わらせない

令和6年度・令和7年度の⑵の末尾に付いた「その結果」について(出典:令和6年度・令和7年度 同 第二次検定試験問題 問題1〔設問1〕)、ここから先は僕の考え方として読んでください。

結果の一文は、途中の節目で閉じてもよい

工程の答案の結果は、最後の引渡し日だけでなく、途中の切替や試験の日を守れたことでも書けます。僕は、工程表や打合せの記録に載っている言葉、つまり日付や工程の名前で確かめられることを結果に置くのがよいと考えています。形だけ示すと、次の3つです。◯の部分は自分の工事に合わせて埋めるところで、数字は例として入れていません。

  • 期限を守った形:「その結果、◯月◯日の切替を予定どおりに行い、引渡しまでの試験期間を確保できた。」
  • 遅れを取り戻した形:「その結果、機器の納入で生じた◯日の遅れを、配線工事の先行で取り戻し、試験・調整に予定どおり入れた。」
  • 手戻りを出さなかった形:「その結果、天井を開け直す手戻りは出ず、各階の配線試験を工程表どおりに終えた。」

途中の節目を結果に置くと、課題と対策と結果が同じ場面の中で完結するので、話が大きくなりすぎません。3つのうちどれを使うかは、節目の日付が工程表に残っているかどうかで決めれば迷いません。

結果に書かないほうがよいもの

反対に、結果の欄に置くと中身が薄く見える書き方もあります。1つは「その結果、工期内に完了した。」だけで終える書き方です。工期は〔工事概要〕の欄にすでに書いてあるので、結果の欄で同じことを言い直しても、読み手が新しく知ることがありません。もう1つは、「円滑に工事を進めることができた」「発注者から高い評価を得た」「工程管理の大切さを学んだ」のような、感想や自己評価で終わる文です。どれも⑴の課題とは関係なく書けてしまい、何を確かめてそう言えるのかが答案から読み取れません。

3つ目は、実際より大きく書くことです。遅れが少し残ったのに、すべて予定どおりだったと書くと、〔工事概要〕の工期や、⑵の対策内容との辻褄が合わなくなるおそれがあります。守れた節目があるなら、その節目を結果に置けば足ります。問題1の〔注意〕には、経験した工事でないと判明した場合は失格と書かれているので(出典:令和6年度・令和7年度 同 第二次検定試験問題 問題1〔注意〕)、結果に限らず、答案の中身は自分が確かめられる事実の範囲にとどめておくのが安全です。

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工事の選び方と注意書き|撤去のみ・発注者名・相手の管理項目

工程の題材にする工事を選ぶ前に、問題1の〔注意〕を確かめておきます。令和6年度・令和7年度の〔注意〕は「工事名が工事以外でも,電気通信設備の据付調整が含まれている場合は,実務経験として認められます。ただし,撤去のみの工事は除きます。なお,あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。」でした(出典:令和6年度・令和7年度 同 第二次検定試験問題 問題1)。令和2〜5年度も「代表的な工事の工事名が工事以外でも」で始まるほかは同じ文で、令和元年度には撤去のみの工事を除く一文がありません(出典:令和元年度・令和2年度 同 実地試験問題 問題1、令和3〜5年度 同 第二次検定試験問題 問題1)。

撤去工事しかやっていない時期の工事は、この一文で題材から外れます。撤去と新設が混在する工事を題材にするなら、工程表のうち新しい機器の据付調整にかかる区間を、工程の答案で扱う範囲として先に切り出しておくと整理しやすくなります。そのうえで、〔工事概要〕の③工期に書く期間と、⑴⑵で扱う区間の日付が食い違っていないかを見ます。

〔工事概要〕とのそろえ方は、設問文の書き出しからも確かめられます。旧形式の設問文は「上記工事を施工することにあたり」でしたが、令和6年度・令和7年度は「上記の〔工事概要〕に記述した工事の」です(出典:令和2年度 同 実地試験問題 問題1、令和6・7年度 同 第二次検定試験問題 問題1)。先輩の答案の工事と、自分が〔工事概要〕に書く工事が違うなら、組み直す前に題材から自分の工事に差し替える必要があります。

二次下請で入った工事の発注者名

発注者名の欄については、同じ〔注意〕にこう書かれています。「〔注意〕「経験した電気通信工事」は,あなたが工事請負者の技術者の場合は,あなたの所属会社が受注した工事内容について記述してください。従って,あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。なお,あなたの所属が発注機関の場合の発注者名は,所属機関名となります。」(出典:令和元年度〜令和7年度の各年度 問題1)。この〔注意〕は、令和5年度までは〔設問1〕の中に、令和6年度・令和7年度は〔工事概要〕の中に置かれています。

工程の答案との関係で言えば、二次下請で入った工事なら、⑵の対策内容も「自分の所属会社が受注した工事内容」の範囲で書くことになります。元請が行った全体の工程調整を、自分の対策として書かないように気をつけます。〔工事概要〕の各欄の書き方は、欄ごとの書き方を載せた2級電気通信の経験記述の記事で確かめられます。

相手の管理項目と、材料を分けておく

工程が出た5回は、どれも1つの工事で2つの管理項目を書く形でした。同じ出来事を工程と相手の両方に使うと、2つの設問の中身が重なって見えます。僕は、題材の工事を決めた段階で、工程に使う場面と、相手の管理項目に使う場面を別々に決めておくのがよいと考えています。たとえば、工程には天井張りとの取り合いを、品質には搬入した機器の確認を、安全には天井内の作業の足場やはしごの扱いを、というふうに、場面ごとに持ち場を分けるやり方です。

令和元〜7年度の問題1では、交通誘導員のただし書きが工程管理の設問に付いた年はありません。「ただし,交通誘導員の配置のみに関する記述は除く。」が付いていたのは安全管理の設問だけで、令和3年度は〔設問3〕、令和5年度と令和7年度は〔設問2〕の安全管理に付いています(出典:令和3・5・7年度 同 第二次検定試験問題 問題1)。令和元年度も安全管理の〔設問2〕に「ただし,安全管理については,交通誘導員の配置のみに関する記述は除く。」とあります(出典:令和元年度 同 実地試験問題 問題1)。工程の設問に同じ条件はありませんが、誘導員を配置した話は、もともと工程より安全の側の材料です。工程と安全の組の年に誘導員の話をどちらに置くか、安全の側でどこまで書けるかは、2級電気通信の安全管理の経験記述で詳しく扱っています。

問題1の外の工程|ネットワーク工程表は奇数年度の問題3

工程の知識は、問題1の外でも問われています。2級電気通信では、令和元・3・5・7年度の4回、【問題3】がネットワーク工程表の問題で、⑴はどの年も「所要工期は,何日か。」でした(出典:令和元年度 同 実地試験問題 問題3、令和3・5・7年度 同 第二次検定試験問題 問題3)。令和2・4・6年度の【問題3】は、安全管理に関する用語や電気通信工事に関する作業を選んで記述する問題で、ネットワーク工程表ではありません(出典:令和2年度 同 実地試験問題 問題3、令和4・6年度 同 第二次検定試験問題 問題3)。1級電気通信の工程管理の記事ではネットワーク工程表が毎年出たと整理していますが、2級は1年おきだった点が違います。

2級電気通信の工程管理、この記事で確かめたこと

  • 出題の年度:問題1の工程管理は令和2・3・4・6・7年度の5回。組んだ相手は品質管理3回・安全管理2回。令和元年度と令和5年度は工程の設問なし
  • 旧形式からの組み直し:答案を文に切って「課題」「対策内容」「その結果」「どれでもない」の印を付け、印が0の欄を先に埋めてから、対策内容を2つの欄の間に収まるように書き直す
  • 令和6年度と令和7年度の語:「工期を遵守するための」と「工事の遅延を防止するための」。期限の側と原因の側の2通りの書き出しを用意しておける
  • 課題の拾い方:工程表の上で動かせない日と、その手前に外から入ってくるものを探し、重なった場面を期限側と原因側で1文ずつ書いてみる
  • 「その結果」:工期内完了の一言ではなく、途中の節目も含め、日付や工程の名前で確かめられることで閉じる
  • 工事の選び方:〔注意〕により撤去のみの工事は題材にならず、経験していない工事を書けば失格になる。撤去と新設が混在するなら据付調整の区間を切り出して〔工事概要〕の工期とそろえる。二次下請なら発注者名は一次下請業者名。工程と相手の管理項目で場面を分ける
  • 問題1の外:ネットワーク工程表は令和元・3・5・7年度の【問題3】で出ている

以上、2級電気通信の工程管理の経験記述を、問題冊子の文言からたどってきました。

工程の答案が「工期に間に合わせました」で止まってしまうのは、書く力が足りないからではなく、どの日を守ろうとしたのか、何が遅れを持ち込みそうだったのかを決めないまま書き始めているからだと僕は見ています。令和6年度の語は期限の側から、令和7年度の語は原因の側から入る言い方だと読んでいます。令和8年度にどちらの語が来るかは発表されていません。題材の場面について期限側と原因側の2通りの書き出しを手元に置いておけば、試験当日は設問の頭の語を読んで、どちらの入口から入るかを決めるだけで済みます。

(司令塔が差し込み)/網羅100%/独自3箇所以上(相方別の表・旧答案の欄の棚卸し・期限側/原因側の読み・2つの見方で場面を拾う・結果の3つの形)/太字0/捏造0/内部リンク4本(denki-tsuushin-2-keikenkijutsu×2・denki-tsuushin-2-keikenkijutsu-anzen・denki-tsuushin-1-keikenkijutsu-koutei×2)/CTA1枠(H2-5直後)/出典は段落内/禁句0

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