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UVR(不足電圧継電器)とは?記号、整定、試験方法、メーカーなど

  • UVRってなに?読み方は?
  • 記号の「27」ってどういう意味?
  • 整定値ってどう決めるの?
  • どうやって試験するの?
  • 自家発電機との関係は?
  • どこのメーカーがおすすめ?

上記の様な悩みを解決します。

「UVR」は、電気の保護継電器の中でも、停電・電圧低下を検出する一番ベーシックな番人にあたる装置です。受変電設備や非常用発電機との連動でほぼ確実に登場するので、施工管理として図面・銘板を見るときに「番号、整定、結線、試験」の4点セットを押さえておきたい部材だったりします。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

UVRとは?

UVRとは、結論「電源電圧が一定値以下に下がったことを検出して、接点を動作させる保護継電器(リレー)」のことです。

正式名称はUnder Voltage Relay(アンダーボルテージ・リレー)。日本語では「不足電圧継電器」と呼ばれ、JEC(電気学会電気規格調査会)規格・JEM(日本電機工業会規格)でも区分されている、れっきとした産業用リレーの一種です。

→ ざっくり、「電圧が下がったら遮断指令を出す保護リレー」がUVR、というイメージです。

基本動作と必要性

UVRの基本動作は、平常時に電源電圧は定格(例:AC110V、DC110V等)付近で安定でUVRの接点は「動作前」の状態、異常時に電圧が整定値(Pickup値)以下に下がるとUVRが動作(pick-up)して接点切替、復帰時に電圧が復帰値以上に戻るとUVRが復帰(reset)、という流れ。この「電圧が低くなったことだけを検出する」シンプルな働きが、UVRの基本です。

電圧低下による問題としては、モーターが起動しない/回転数が低下(定格電圧に対し80%を下回るとトルクが急激に落ちる)、照明のちらつき(放電灯・蛍光灯では再点弧しないことも)、電子機器の誤動作(制御基板のリセット・データ消失)、接点の溶着(電磁開閉器が中途半端に動作して焦げ付く)、電動機焼損(起動できずに過電流のまま運転を続けるパターン)、というあたり。電圧低下は「電圧が下がっている時間だけ問題」ではなく、その後の機器ダメージが大きいので、早めに回路を切り離す番人が必要なわけです。

OVRとの対比

UVRと対になる装置としてOVR(Over Voltage Relay:過電圧継電器、記号59)があります。UVR(27)が電圧が下がったら動作、OVR(59)が電圧が上がったら動作、という関係。両方を組み合わせて「電圧異常」を上下から監視するのが受変電設備の基本構成です。過電流側の保護は別記事でも整理しているので合わせて読んでみてください。

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UVRの記号と回路図上の表記

UVRの記号は、ANSI/IEEE C37.2(米国電気電子学会)で標準化されており、世界中の電気図面で共通して使われています。

機器番号「27」

機器番号27はUnder Voltage Relay(不足電圧継電器)を表し、ANSI Device Numberと呼ばれる番号体系で、リレー類はすべて2桁の数字で識別されます。

番号 名称 動作
27 UVR(不足電圧継電器) 電圧低下で動作
50 瞬時過電流継電器 短絡電流を瞬時検出
51 限時過電流継電器(OCR) 過電流を時限動作
59 OVR(過電圧継電器) 電圧上昇で動作
64 地絡継電器 地絡電流を検出
87 比率差動継電器 入出力差電流で動作

「27」を見たら「あ、UVRだな」と即変換できるようになると、単線結線図の読みが一気に楽になります。電圧監視に関連する周辺リレーは下記でも整理しています。

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図面記号と盤内表示

JIS C 0617(電気用図記号)では、UVRは「U<」と書かれた四角枠で示されることが多いです。「U」が電圧(Voltage)の頭文字、「<」が「未満で動作する」を示す不等号。「U>」と書かれていればOVR、「U<<」と書かれていれば瞬時不足電圧といった具合に、ベースが分かれば応用が利く記号体系になっています。

実機の盤内では、リレーの銘板に「27」「UVR」「Under Voltage Relay」と併記されているのが一般的。整定値(pickup・reset)もダイヤルや銘板で確認できる位置に表示されています。

UVRの整定値の決め方

UVRの整定値(Setting)は、「どの電圧まで下がったらUVRを動作させるか」を決める数値です。整定が甘いと誤動作で電源を落としてしまい、厳しすぎると本来守るべき機器が損傷します。

整定値の基本パラメータと目安

UVRには、動作電圧(Pickup値)(これ以下に電圧が下がったら動作開始)、動作時間(時限)(動作開始から接点切替までの待ち時間)、復帰電圧(Reset値)(これ以上に電圧が戻ったら復帰)、復帰時間(復帰の遅延=瞬時または時限)、という整定パラメータがあります。

電気設備技術基準・内線規程・JISの推奨値、および各メーカーの取扱説明書を踏まえると、一般的な整定の目安は次の通り。

用途 動作電圧(定格に対する%) 動作時間
一般受電(停電検出) 70~80% 0.5~2秒
発電機自動起動信号 80~85% 1~3秒
モーター保護 80~85% 即時~0.5秒
重要負荷の遮断 60~70% 0.1~0.3秒

実務では自家発電機の起動信号としてUVRを使う場合が圧倒的に多く、「商用停電を検出して、発電機を立ち上げる」シーケンスが基本構成です。

時限とヒステリシス

電圧低下がごく短時間(数サイクル)で復旧する場合(瞬時電圧低下=瞬低)まで動作させると、毎回発電機が起動して負荷側に切替ショックが走ります。これを避けるため時限要素を入れて、「○秒以上電圧が低い状態が続いたら動作」とするのが定石。瞬低(〜0.1秒)でUVRを動作させない、短時間電圧低下(0.1〜2秒)は用途に応じて選択、停電(2秒以上)でUVRが確実に動作して発電機起動、というあたり。

復帰値は動作値より少し高めに設定し、チャタリング(接点が頻繁に切り替わる現象)を防ぎます。動作電圧80% / 復帰電圧90%でヒステリシス10%、というかたち。ヒステリシスがないと、電圧が動作値付近で上下するたびに接点が切り替わります。

自家発電機運用との連動

非常用発電機の起動シーケンスは、商用停電→UVRが電圧低下を検出→UVR時限経過後→発電機起動信号送出→発電機立ち上げ(10〜40秒)→電圧確立→発電機側へ切替(自動切替器ATS or 手動)→商用復電→UVRが復帰→発電機停止までのタイマースタート、という流れ。このシーケンス全体を「停電起動シーケンス」と呼び、消防法の非常用発電機では40秒以内に立ち上がることが求められます。発電機側の規定は下記の記事も参考にしてください。

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UVRの試験方法

UVRは動かすほど信頼性が落ちないリレーですが、動作値の経年ドリフトは避けられないため、定期試験が必要です。

試験の種類と装置

試験の種類は、動作試験(Pickup試験)(電圧を下げていき整定値で動作するかを確認)、時限試験(動作開始から接点切替までの時間を測定)、復帰試験(電圧を上げていき復帰値で復帰するかを確認)、というあたり。

試験に使う装置は、可変電圧電源(スライダック等)(試験用の電圧を作る)、電圧計(実際の印加電圧をモニター)、タイマー(動作時間を測定=接点切替で停止)、試験用端子台(実機を回路から切り離して試験)、というところ。最近は自動試験器(マルチリレー試験装置)が主流で、設定値・時限・復帰値をボタン1つで自動測定できます。

試験手順・判定・頻度

試験手順の概要は次の通り。

  1. 試験対象UVRを回路から切り離す(試験用端子で切替、または専用テストプラグ抜き取り)
  2. 試験装置から定格電圧を印加してUVR平常状態を確認
  3. 電圧を徐々に低下してUVR動作電圧を測定、整定値±許容範囲内か確認
  4. 動作時間を測定、整定時間±許容範囲内か確認
  5. 電圧を徐々に上昇して復帰電圧を測定
  6. 試験結果を点検表に記録、整定値・実測値・判定

判定基準は、メーカーの仕様書に記載されている動作値の許容誤差(一般的に±5~10%)と、動作時間の許容誤差(一般的に±10%以内)。許容範囲を外れた場合は、リレーの交換を検討します。

試験の頻度は、法令上の基準で自家用電気工作物では年次点検(年1回)が原則、保安規程による保護継電器試験は1年または2年ごとに実施、メーカー推奨で使用頻度・環境により3〜6年ごとの整定値再確認、というあたり。絶縁試験などほかの定期点検とのつながりは下記でもまとめています。

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試験中の注意点と現場体験

試験中は現場の発電機が起動しないようシーケンスをロックアウト、同じ盤の他リレーに試験電圧が回り込まないよう絶縁を確認、試験後は必ず整定値を元に戻す(試験用に変更している場合)、試験記録は試験者・確認者の2名サインで残す、というあたりが基本。

僕も電気施工管理時代、ある事務所ビルの年次点検で、試験後にUVRの整定値を戻し忘れたまま盤を閉めてしまい、翌週の落雷による瞬低で発電機が想定外に起動するインシデントを起こしたことがあります。整定値の確認は試験者と確認者でダブルチェック、写真撮影で残す、というのが現場での再発防止策でした。

UVRの設置基準と用途

UVRの設置は、法令で必須になるケースと、設備設計上の判断で入れるケースの2系統があります。

法令と設置位置

法令上の必須設置としては、消防法(非常用発電機を設置する建物では商用停電を検出して発電機を起動する仕組みが必要→UVRがその役を担う)、建築基準法(非常用照明・排煙設備の電源確保のため停電検出が必要)、電気設備技術基準(自家用電気工作物では保護継電器の設置・整定が義務付けられる)、というあたり。

受変電設備での設置位置は、高圧受電盤の母線(受電電圧の監視→商用停電検出)、非常用発電機の出力側(発電機立ち上げ後の電圧確立確認)、重要負荷の分岐回路(負荷側の電圧低下を検出して切り離し)、というところ。

設備運用での用途

設備運用での用途は、商用/発電機の自動切替(ATS)(UVRの動作信号で切替)、モーター起動制御(始動電流による電圧低下を検出して起動シーケンスを調整)、無停電電源(UPS)(商用電源側のUVRが動作してUPSバッテリーモードへ切替)、遠隔監視(UVR動作信号をBp=ブザー+赤ランプで警報)、というあたり。

非常用発電機との連動シーケンスの実際の現場での結線例(簡略化)は、受電盤の母線にUVRを設置→平常時はUVR動作前、UVRのa接点(動作で閉)を発電機制御盤の起動入力へ、商用停電→UVR動作→発電機起動命令送出、発電機の電圧確立後ATSが発電機側へ切替、商用復電→UVRが復帰→一定時間後に発電機停止、という流れ。

非常用照明系の設置基準は別記事でもまとめています。

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UVRのメーカーと選定のポイント

UVRは保護リレーの中でも需要が大きいため、国内主要メーカーがほぼすべて取り扱っています。

主な国内メーカーと選定項目

主な国内メーカーは、三菱電機(保護リレー全般の老舗・受変電設備で標準採用が多い)、東芝デジタルソリューションズ(高圧分野での採用実績多)、オムロン(制御系・小型UVRに強い・PLC連携にも便利)、富士電機(受変電・モーター制御で広く採用)、日新電機(高圧・特高分野でシェア)、明電舎(発電機制御盤・受変電盤で採用例多)、というあたり。

選定時の確認項目は、定格電圧(AC100/110V、AC200/220V、DC100/110V等から選択)、動作電圧範囲(50%〜100%等の整定範囲)、動作時間範囲(瞬時〜数秒の連続可変か、固定タップか)、接点容量(制御回路の負荷を駆動できるか)、取付方式(DINレール/パネル取付/プラグイン式)、デジタル/アナログ(液晶表示・通信機能の有無)、というあたり。

デジタルリレー化と選び方

近年は、MPR(Multi-function Protection Relay:マルチ機能保護リレー)の中にUVR機能がソフトウェアの一機能として組み込まれているケースが増えています。1台のデジタルリレーで27(UVR)・59(OVR)・50/51(OCR)等を統合、整定値はデジタル設定(液晶パネル+ボタンorPC接続)、通信機能(Modbus / IEC 61850)で遠隔監視、故障記録・波形データの保存、というあたりが特徴。ただし単機能のスタンドアロンUVRも依然として現役で、シンプルな停電検出だけが必要な小規模設備では多用されています。

選ぶときのコツは、新規物件ならデジタル統合リレーで整定の自由度を確保、既設更新なら既存リレーと同型番・同寸法(パネル開口)で互換性を最優先、小規模設備なら単機能・固定整定の安価モデルでコスト抑制、保守性で地域メーカーの代理店・サービス拠点が近いか、というあたり。

UVRの注意点

UVRは「シンプルだから何も起きない」と思いがちな機器ですが、現場では地味なトラブルがちょくちょく起きます。

ドリフト・結線・変更・戻し忘れ

整定値のドリフトでは、アナログリレーは長期使用で動作値がずれる、5年以上経過した盤では定期試験で要確認、動作値が定格を超えるドリフトはほぼないが動作時間が遅くなるケースが多い、というあたり。

結線ミスでは、a接点/b接点を取り違えると平常時と異常時の動作が逆転、電圧センス側/制御電源側を結線ミスすると焼損、三相用UVRで相判別を間違えると意図と違う動作、というところ。

整定値の独断変更では、「動作頻度が多いから整定を緩める」のは危険、動作する理由(瞬低なのか本物の停電なのか)を切り分けてから対策、整定変更は設計者と協議の上で保安規程に記録、というあたり。

試験用結線の戻し忘れでは、試験後の端子接続復旧を忘れるとUVRが効かない状態で運用、試験記録に「復旧確認」項目を必ず入れる、というのが鉄則。

保護協調と施工管理視点

受変電設備全体での協調では、UVR単独でなくOCR・地絡継電器・ATSとの時限協調が必要、整定変更は保護協調曲線に必ず反映、というあたり。受変電全体の保護協調については下記の記事でも触れています。

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施工管理者として現場で見るポイントは、盤内のリレー番号と単線結線図の整合、整定値が設計値どおりか(最終整定書と照合)、試験成績書の保管(過去3〜5回分は手元に)、発電機との結線(UVR接点→発電機起動入力の絶縁・配線色)、取付ネジの増し締め(振動で緩むと接触不良)、というあたり。

UVRに関する情報まとめ

  • UVRとは:電源電圧が整定値以下に下がったことを検出して接点を動作させる保護継電器
  • 記号:ANSI Device Number「27」、図面では「U<」表記
  • 整定値:動作電圧は定格の70~85%、動作時間0.5~3秒が一般的、復帰値は動作値より高めにしてヒステリシス確保
  • 試験方法:可変電圧で動作値・時限・復帰値を測定、年1~2回実施、試験後の復旧確認まで含めてセット
  • 設置基準:消防法・建築基準法・電気設備技術基準で停電検出機能として必須、非常用発電機の起動信号源としても使用
  • メーカー:三菱電機・東芝・オムロン・富士電機・明電舎・日新電機などが代表、近年はデジタル統合リレーへの移行が進む
  • 施工管理視点:番号・整定・結線・試験の4点セット、試験後の復旧と整定値ドリフトに要注意

以上がUVRに関する情報のまとめです。

UVRは「電気の番人の中でも一番ベーシックな存在」で、シンプルな分だけ整定の根拠と試験記録の積み上げが品質を左右します。受変電・発電機・重要負荷の3点セットで必ず登場するので、施工管理として「番号27=電圧低下で守る人」と紐づけて覚えておくと、図面・銘板の読みが立体的になります。一通りUVRの基礎知識は理解できたと思います。

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