コンクリート打設とは?手順、雨の場合、中止基準、あいばんなど

  • コンクリート打設ってなに?
  • どんな手順を踏めばいいの?
  • 雨の日の中止基準って?
  • あいばんってなに?
  • あいばんって必要なの?

上記のような悩みを解決します。

コンクリート打設は躯体工事において、最重要項目と言っても過言ではありません。非常に重要な工事ですので、正しい情報を抑えておきましょう。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

コンクリート打設とは?

コンクリート打設とは「生コンを型枠に流し込み、建物の骨組みを作る工事」です。

我々が想像しているコンクリートは固いイメージですが、現場には「生コン」と呼ばれる液体の状態でコンクリートは搬入されてきます。

それを「型枠」と呼ばれるコンクリートの型に流し込んでいきます。

正方形の型枠に対してコンクリートを流し込めば正方形のコンクリートが完成しますよね。同様に、柱の型にコンクリートを流し込めば柱のコンクリートができるという訳です。

型枠にコンクリートを流し込み、時間が経つと、コンクリートは固くなります。

難しい言葉を使うと「コンシステンシー」というものでして、コンクリートは時間経過によって「液体→塑性体→半固体→固体」と状態を変化させるんです。

最初搬入されてきた時は液体(生コン)だった状態が、固体(固くなる)になるとコンクリート打設は終了です。

ちなみに、建物の骨組みは大きく分けて下記3パターンになります。

建物の骨組みの種類

  • コンクリート+鉄骨:S造
  • コンクリート+鉄筋:RC造
  • コンクリート+鉄骨+鉄筋:SRC造
どれもコンクリートを使っている訳ですが、この内のコンクリートを施工していくのがコンクリート打設という訳です。

 

コンクリート打設の手順

打設計画を練る

まずはコンクリートの打設計画を練ります。

具体的には下記のような項目を詰めていく必要があります。

コンクリートの打設計画

  • 必要なコンクリートの量はどれくらいか?
  • いつコンクリートを打設するか?
  • どこからどこまでコンクリートを打設するか?
  • ポンプ車はどこに置くか?

現場が住宅街にある場合、近隣住民への配慮も必要になってきます。

多くの場合、コンクリート打設は朝早くから行われることが多いです。

ただコンクリート打設は音が出ますから、近隣住民からすると迷惑なんですよ。実際、僕の現場にもクレームは入ってましたね。

よって事前に「この日の何時から何時でコンクリート打設します。うるさいけどごめんね。」といった旨の紙をポストに入れたりします。

それでもクレームが入る時は入りますが、最低限の配慮は必要です。

 

手配関係を終わらせる

コンクリートを打設するには、業者と生コンの手配が必要です。

業者の手配はそこまで大変ではありませんが、生コンの手配は超重要になります。コンクリート打設は躯体工事の肝ですので、キッチリやりましょう。

簡単な話、コンクリート打設が終わらなければ躯体工事が終わらず、工事全体が遅延します。内装工事がどんどん大変になってしまうんです。

よって、前々から生コンの手配を終わらせておくことが大切です。

酷いゼネコンだと「コン打ちキャンセル待ち」とかありますからね。流石に笑います。こんなことになったら現場は大変ですから注意しましょう。

 

コンクリートを打設する

打設当日になったら、コンクリートを打設しましょう。

注意点としては、均一にコンクリートを流し込んでいくことです。

生コンはコンクリートですので、非常に重いです。もしコンクリートを一箇所に多く流し込みすぎると、型枠が生コンの重みに耐えられず、爆発してしまいます。目も当てられません。

まずはA地点で打設する。次にB地点、次にC地点をやって、もう一回A地点に戻ってくる。といったように、均等に少しずつ生コンを流し込むことが必要になります。

あとは、生コンの量が足りなかったりすることもあるので、追加の手配が必要だったりします。

 

打設したコンクリートを養生or立入禁止

コンクリート打設が終了したら、そのエリアを養生もしくは立入禁止にしましょう。

コンクリートは打設してから固まるまでは時間があります。その間に形が変化するとそのままの形として残ってしまうんです。

間違えて足跡を付ければ、足跡のが残ったまま固まってしまうので、人が立ち入らないようにしましょう。

2日から3日程度放置すればコンクリートは固まりますよ。

 

雨の時のコンクリート打設の中止基準

雨の時のコンクリート打設の中止基準は、結論「雨量4mm」です。

「JSCE公益社団法人土木学会」という団体がありまして、そこでコンクリート標準示方書というものが発売されています。

要はコンクリート施工上の品質基準が書かれている本なのですが、その本のダムコンクリート編(2-32頁)に『コンクリートでは一般に時雨量4mmまで』との記載があります。

雨が降るとコンクリートの中の水分量が多くなってしまいます。

水分量が多くなってしまうと、コンクリートとしての強度が下がるのでよろしくありません。その基準が降雨量4mmという訳です。

雨量4mmは「ちょっと降ってるな」くらいのイメージです。

本降りは雨量5mm〜10mmくらいですので、若干弱めの雨量を上回るとコンクリート打設を終了しなければならないということになります。

ただ、これは理論上の話でして、実際の現場ではそこそこ雨が降っててもコンクリート打設を続行してしまう場合が多いです。

雨量とかも一応気にはしますが「まあこれくらいの雨なら大丈夫っしょ」と言って続行してしまう感じですね。もちろん、明らかにアウトなら中止しますが。

施工者側の事情としては、生コンの手配が大変だという部分もあります。

一回キャンセルすると次の手配はいつになるのか?という問題もあり、躯体工事が遅れると工期全体の遅延を生むことになってしまいます。

だから大抵の場合は雨の日でも続行ですね。

 

コンクリート打設における「あいばん」の必要性

コンクリート打設における「あいばん」の必要性は、打ち込みを飛ばされない為です。

基本的にコンクリート打設はコンクリート業者が行いますので、それ以外の業者は不要になります。ただ電気・空調・衛生の業者さん達は「あいばん」といって、職人を一人コン打ちに立ち合わせます。

サブコンの方々はスラブ打ち込みと呼ばれるものを仕込んでいます。

打ち込みの種類

コンクリート打設業者はコンクリート打設に集中しますから、サブコンの事情なんて知ったことではありません。サブコンは自身の施工の為にあいばんを一人出します。

よく勘違いしやすい注意点としては「あいばんはコンクリート打設のお手伝いではない」ということです。

サブコンが打ち込みを飛ばされない為に出すのがあいばんです。当たり前の話ですが、コンクリート打設はコンクリート打設業者の仕事です。サブコンの仕事ではありません。

たまにパッパラパーの職人があいばんに対して「コンクリート打設を手伝え!」みたいなことを言っていますが、手伝う必要はありません。

そこの所は勘違いしないようにしましょう。

 

コンクリート打設に関する情報のまとめ

コンクリート打設に関する情報のまとめ

  • コンクリート打設とは:生コンを型枠に流し込み、建物の骨組みを作る工事
  • コンクリート打設の手順:計画を練る→手配→コン打ち→養生
  • コンクリート打設の雨の日の中止基準:雨量4mm
  • コンクリートあいばんの必要性:打ち込みを蹴飛ばされない為

以上がコンクリート打設に関する情報のまとめです。

一通りコンクリート打設の基礎情報は網羅できたと思います。

コンクリート打設は躯体工事における肝の部分です。躯体工事全体の流れを理解しておけば、コンクリート打設に関する知識も向上します。躯体工事についても学んでおきましょう。

下に詳細な情報を分かりやすくまとめた記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!