コンシステンシーとは?限界の意味や指数、スランプ試験など

  • コンシステンシーってなに?
  • 用語の解説を読んでもイメージがつかない
  • コンシステンシー限界ってどういう意味?
  • コンシステンシー指数ってどういう意味?
  • コンクリートだけに使われる用語なの?

上記の様な悩みを解決します。

コンシステンシーを調べても難しい言葉ばかり出てきて、よく分からないですよね。僕も学び始めた時はよく分からなくて困りました。ですが安心してください。

当記事ではコンシステンシーについて、腰が砕けるくらい分かりやすく解説します。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

コンシステンシーの意味って?

コンシステンシーとは、結論「どれだけコンクリートがドロッとしているか?」です。

正確に言うと、コンクリートの流動性がコンシステンシーになります。コンクリートやモルタル、セメントなどに使われる用語です。

どろっとしたコンクリートは流動性が高く、パサッとした硬いコンクリートは流動性が低いですよね。

ここで、どろっとしたコンクリートを「コンシステンシーが大きい」と表現し、パサッとしたコンクリートを「コンシステンシーが小さい」と表現します。

コンシステンシーの英訳は「consistency」でして、直訳すると「まとまり」になります。いかにコンクリートがまとまっているかの話です。

コンクリートには下記の4種類の状態があります。

コンクリートの状態

  • 液体
  • 塑性体
  • 半固体
  • 固体

いわゆる「生コン」という状態で搬入されてきて、建物の基礎として固まるまでの流れをイメージして下さい。最初は液体だったのが塑性体、半固体を通じて固体になります。(塑性体は液体と半固体の間です。)

コンクリート内の水分が減っていくにつれ、コンシステンシーは小さくなっていく感じですね。

逆に言えば、コンシステンシーの変化によって「液体→塑性体→半固体→固体」へと変化していくとも言うことができます。

 

コンシステンシー限界

コンシステンシー限界とは、結論「液体限界、塑性限界、収縮限界のこと」です。

では「液体限界、塑性限界、収縮限界とはなにか」といったところですよね。それぞれの意味は下記となります。

液体限界・塑性限界・収縮限界の意味

  • 液体限界:液体でいることの限界
  • 塑性限界:塑性でいることの限界
  • 収縮限界:半固体でいることの限界

これら全てを総称してコンシステンシー限界と言います。

先ほども解説したようにコンクリートは「液体→塑性体→半固体→固体」の流れで変化していきます。具体例として「液体→塑性体」について着目してみましょう。

まず液体の状態では、コンクリート内の水分が高く、コンシステンシーは大きいです。

そこからコンクリート内の水分が減り、コンシステンシーが小さくなっていくと液体としての限界を向かえ、塑性体になります。

「液体としての限界」が液体限界であり、コンシステンシー限界です。

ちなみに塑性限界や収縮限界も同様です。「塑性でいることの限界」が塑性限界であり、「半固体でいることの限界」を収縮限界と言います。

 

コンシステンシー指数とは?

コンシステンシー指数とは、コンクリートの固さを数値で表した指標です。

まずコンシステンシー指数を求めるには、下記の値が必要になります。

コンシステンシー指数を求めるのに必要な値

  • 液体限界:WL
  • 塑性限界:Wp
  • 含水比:Wn
コンシステンシー指数の求め方コンシステンシー指数=(WL – Wn) / (WL – Wp)
上記の様に求めるのが超大枠の考え方です。

 

コンシステンシーを測るにはスランプ試験が代表的

コンシステンシーを測るにはスランプ試験が代表的です。

スランプ試験では「スランプ値」と呼ばれる値を計測します。

スランプ値というのはコンクリートの流動性を表したものですので、コンシステンシーと同様のものだと思っていただいて構いません。

スランプ試験には「スランプコーン」と呼ばれる道具が使われます。

カラーコーンの様な形をイメージすれば相違ないです。

コーンにコンクリートを流し込んでから、カラーコーンを抜くと「いかにコンクリートが形を維持できるか?」が分かりますよね。

カラーコーンを抜いてもカラーコーンの形を維持していれば、コンクリートのスランプ値(コンシステンシー)は大きいです。水分量が少なく、固体に近いということになりますね。

逆に、カラーコーンを抜いた時にカラーコーンの形を維持できず崩れてしまったら、スランプ値(コンシステンシー)は小さいです。つまりは水分量が多くて、液体に近いということになります。

上記の様なやり方でスランプ値を測る、というのがスランプ試験の超大枠の考え方です。

スランプ試験に合格したコンクリートは品質を保証されるという訳です。

 

コンシステンシーは土にも使われる

コンシステンシーという単語は土にも使われることもあります。

コンクリートと同様に、土にもドロッとしてものとパサッとしてものがありますよね。

ドロッとした土はコンシステンシーが大きい。パサッとしたものはコンシステンシーが小さい。コンクリートと同様に流動性を表現する用語として、コンシステンシーがあります。

要は土の流動性がどれほどか?といった意味合いですね。

 

コンシステンシーに関する情報のまとめ

コンシステンシーの関する情報のまとめ

  • コンシステンシーとは:どれだけコンクリートがドロッとしているか?
  • コンクリートの状態変化の流れ:液体→塑性体→半固体→固体
  • コンシステンシー限界とは:液体限界、塑性限界、収縮限界のこと
  • コンシステンシー指数とは:コンクリートの固さを数値で表した指標
  • コンシステンシーの試験:スランプ試験が代表的

以上がコンシステンシーに関する情報のまとめとなります。

分かりにくい用語ではありますが、なんとなくは理解できたのではないでしょうか?基本的に工事を進める上ではそこまで重要視されませんが、用語の意味くらいは押さえておきましょう。

それでは。