- レースウェイって何?
- ダクターとの違いはなに?
- dp1とdp2は何が違うの?
- 施工に必要な金具って?
- 施工要領を知りたい
- サイズ(長さ)は?
- 支持間隔って?
上記のような悩みを解決します。
レースウェイはケーブルラックと並んで、電気工事において必須の部材です。基礎知識についてキッチリ理解しておきましょう。
この記事ではレースウェイに関する網羅的な情報を解説します。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
レースウェイとは?
レースウェイとは、結論「ケーブルを通す部材のこと」です。
よく照明器具の配線に使われたりする部材ですね。
照明器具を施工するには、照明器具へ配線する電線が必要であり、電線を通すにはレールが必要になります。この電線のレールがレースウェイです。
電線を通す方法には様々な種類のレールがあります。
配線方法の種類
特徴としてはまず、必要スペースが少ないことが挙げられます。
現場や部屋によっても異なりますが、天井の収まりが厳しいところは数多くあります。ケーブルラックにするとスペースをとりすぎてしまいますが、レースウェイならそうではありません。
ラックではなくレースですので、必要スペースが少なく、収まりがよくなります。
金属管だとメンテナンスが大変なんですよね。レースウェイなら蓋を開ければすぐにメンテナンスが可能ですから楽なんです。
合成樹脂感と比較すると強度が強く、電線を保護する必要があります。
このような特徴から、多くの現場で採用されているのがレースウェイです。
レースウェイとダクターの違い
レースウェイとダクターの違いは、結論「寸法目安が付いているか?否か?」です。
非常に似ている部材ですので、違いが分かりにくい部分ではありますよね。ぶっちゃけそこまで大きな違いはありませんが、あえて挙げるなら寸法目安です。
加工が前提の部材ですので、寸法目安が付いており、切断の墨出しをしやすくなっています。(まあぶっちゃけ全然使わないのですが。。。笑)
対してレースウェイには寸法目安は付いていません。切断前提ではなく、定尺で使うことが多いので必要ないんですね。
これが分かりやすい違いかなと思います。
他には「塗装」だったり「長さ」だったりは微妙に異なりますが、あまり気にしなくていいかなと。ほとんど同じものだと思っても大丈夫です。
レースウェイのdp1とdp2の違い
レースウェイのdp1とdp2の違いは、結論「高さの寸法」です。
上の写真を見て分かる通り、dp1はdp2と比較すると縦に短い形となっています。対してdp2は縦長です。横の寸法は同じです。
どちらも定尺や重さは変わりません。
結論、収容できる電線のサイズが異なります。下の表をご覧ください。
dp1とdp2の内断面積と収容可能な電線の面積
縦の長さ | 横の長さ | 内断面積 | 収容可能な電線 | |
dp1 | 30 | 40 | 878 | 176 |
dp2 | 45 | 40 | 1430 | 286 |
レースウェイに収容可能な電線の面積は、レースウェイの断面積の20%になります。例えば、レースウェイの断面積が100mm2だとしたら、20mm2まで電線を収容可能という訳です。
dp1とdp2は高さの寸法が異なることにより、収容可能な電線の面積が広がります。
通す電線の面積がdp1で事足りるなら、dp1でオーケーです。ただ、通す電線の面積がdp1で足りないなら、dp2のレースウェイを採用すれば良いのです。
レースウェイの施工要領
インサート打設orアンカー打設
まずは躯体工事の段階で、インサートを打設します。
床のコンクリートを打設する前にインサートを打ち込んでおけば、その下の階の天井からインサートが現れますよね。まずはこれが必要です。
ただ基本的には新築工事でアンカーは使えませんので、なるべくインサートを使用するようにしましょう。微妙に位置がずれるだけで照明器具の位置も変わってしますので、注意が必要です。
ボルトを垂らす
先ほど打ち込んだインサートから、ボルトを垂らします。
インサートは「めねじ」ですから、「おねじ」であるボルトを差し込みます。すると天井からボルトが垂れている状態になりますよね。
ここでの注意点としては、ボルトの長さを正確に測るのと、水平の確認です。
基本的にレースウェイの施工高さは設計段階で決まっています。天井に関しては他業種との絡みがあるので、正確な高さにレースウェイを施工しなければなりません。
例えば、100mm上にいっただけで、設備のダクトとぶつかってしまうこともあります。正確な長さのボルトを垂らしましょう。
また、水平の確認も必要です。
水平器を使用し、地面に対して真っ直ぐになっているかを確認しましょう。
金具取り付け
要はレースウェイとボルトを接続する金具の用意ですね。
注意点は特にありませんが、必要な金具を最初に全部組み立ててしまうのがオススメです。
基本的にレースウェイ金具の部材はバラバラに入ってきます。それを組み立ててから現場で使う訳ですが、この「組み立てる」というのをその場所ごとにやるのは効率が悪いです。
あらかじめ一気に組み立てておけば効率が上がります。
レースウェイの施工
基本的にレースウェイは天井につきますから、高所作業車やたち馬などの仮設足場を使用するのが通常です。個人的には高所作業車が一番便利だと思いますね。
レースウェイは金具で固定される訳ですが、複数箇所を固定しなければなりません。
となると、一人での作業はかなり大変です。複数人での作業が前提ですので、あらかじめ人員の確保をしておくようにしましょう。
振れ止めの施工
レースウェイが一通り付いたら、触れ止めの施工に移ります。
今はボルトとレースウェイが接続されている状態ですが、この状態では横の揺れに対応することはできません。縦の荷重に関してはボルトで支えることができませんが、横揺れにも対応する必要があります。
振れ止めと言って、斜めにボルトを伸ばしてレースウェイと接続することにより、地震が起こった時の対策にします。
配線、照明器具取付
もう説明の必要は無いかもしれませんが、レースウェイに配線を流し、照明器具に接続していく段階になります。
注意点として、照明器具取り付けは有資格作業ということです。
電気工事士の資格がある人でなければ、やってはいけません。ぶっちゃけ、電気工事の職人で照明器具の取り付けができないというのはヤバイので、早いうちに資格を取得しておきましょう。
レースウェイのサイズ(長さ)
レースウェイの長さは、結論「2mと4m」です。
基本的にレースウェイを使用する部屋では、部屋全体がレースウェイになります。となると広範囲でレースウェイを流していかなければならないので、4mのものが多く採用されます。
と思うかもしれません。
結論、必要って話で、最後の微調整などでは短めのレースウェイが必要になります。
例えば、部屋の端っこで1mのレースウェイが必要になったとしましょう。そこで4mのレースウェイしかなければ、3m無駄になってしまいます。
そこでしっかりと計算をして2mのレースウェイを発注しておけば、無駄になるレースウェイは1mだけになります。その分利益になりますから、計算する価値はあると思いますよ。
基本的には4mのレースウェイ、要所要所で2mが必要になるイメージです。
縦の長さ | 横の長さ | 内断面積 | 収容可能な電線 | |
dp1 | 30 | 40 | 878 | 176 |
dp2 | 45 | 40 | 1430 | 286 |
レースウェイの支持間隔
レースウェイの支持間隔は、結論「1.5mに一箇所」です。
数ミリ程度の誤差ならまだ大丈夫ですが、大きく離れてしまうと問題になりますので、注意するようにしましょう。
コンクリートを打設した後に「あ、支持間隔間違えた」では遅いです。アンカーを打つしかありませんが、新築工事は基本的にアンカーNGですからね。
躯体工事でコンクリートが打設される前に、インサートの間隔が1.5m以内であることを確認しましょう。
また、インサートはコンクリート打設の際やその前に、蹴飛ばされて飛んでしまう可能性もあります。コン打ち前にその辺のチェックも必要ですね。
レースウェイに関する情報まとめ
レースウェイに関する情報まとめ
- レースウェイとは:ケーブルを通す部材のこと
- レースウェイとダクターの違い:寸法目安が付いているか?否か?
- レースウェイのdp1とdp2の違い:高さの寸法
- レースウェイの施工に必要な金具:
- レースウェイの施工要領:インサート→ボルト→金具→レースウェイ→振れ止め→配線→器具付け
- レースウェイのサイズ(長さ):2mと4m
- レースウェイの支持間隔:1.5mに一箇所
以上がレースウェイに関する情報のまとめです。
一通りレースウェイの基礎情報は網羅できたと思います。
レースウェイの相棒はケーブルラックです。ほとんど兄弟と言っても過言ではないくらいです(笑)。ケーブルラックに関しても記事をまとめてあるので、よかったら見てみてください。