建築現場には似ている素材がいくつかあります。その代表例として挙げられるのが「ロックウール」と「グラスウール」と「アスベスト」の3つです。
まず大前提として、上記3素材は明確に異なるものです。
とはいえ確かに違いが分かりにくい部分でもあります。違いについて明確に理解しておきましょう。
この記事では「ロックウール」と「グラスウール」と「アスベスト」それぞれの意味と、違いについて解説していきます。
なるべく専門用語は使わずに分かりやすい表現で記事を執筆していくので、初心者の方も理解しやすい内容になっているかなと思います。
ロックウールとグラスウールとアスベストとの違い
ロックウールとグラスウールとアスベストとの違い
- ロックウールとは:鉱物原料で作った断熱材
- グラスウールとは:ガラス繊維で作った断熱材
- アスベストとは:健康被害の大きな鉱物繊維
- ロックウールとグラスウールの違い:鉱物原料か?ガラス繊維か?
- ロックウールとアスベストとの違い:発ガン性物質が含まれているか否か
- グラスウールとアスベストとの違い:発ガン性物質が含まれているか否か
ロックウールとは?
ロックウールとは「鉱物原料で作った断熱材のこと」です。
壁や天井、床などに敷き詰めて使用します。ロックウールを敷き詰めることにより、室内の温度を保ち、室内環境の向上を図ることが可能になります。
また、ロックウールは吸音性も兼ね備えており、機械室や音楽スタジオなんかにも使用されている万能の素材です。
よく似ていると言われているグラスウールとの違いは、その素材にあります。
まずロックウールは鉱物が素材となっています。対してグラスウールはガラス繊維でできており、原料が異なることにより、微妙な違いは発生しているんです。
ロックウールは鉱物原料ですから、グラスウールと比較すると耐水性に優れます。それでも素材全体で考えると水には弱い方ですが、相対的に見ると水に強い素材とも言えるでしょう。
また耐熱温度も異なり、グラスウールの耐熱温度が約300℃であるのに対し、ロックウールの耐熱温度は約700℃となっています。
全体的な性能を見ると、グラスウールの上位互換がロックウールと言っても差し支えはありません。
ただメリットだけではなく、デメリットもあります。価格です。
ロックウールとグラスウールを比較すると、ロックウールの方が価格が高くなる傾向にあります。経済的な面ではあまり優れていないという特徴もあります。
アスベストとの違いは「発ガン性物質を含むか否か」です。
ロックウールはアスベストとは違い、発ガン性物質を含みません。よって、現在ではアスベストが製造・使用を禁止しているのに対し、ロックウールの製造・使用は禁止されていません。
グラスウールとは?
グラスウールとは「ガラス繊維で作った断熱材」です。
基本的な使われ方としてはロックウールと同様でして、壁や天井や床などに敷き詰めて使用します。断熱性、吸音性に優れます。
原料にガラス繊維が使われていることから「さわるとかゆくなる」ということで有名です。ガラス繊維は皮膚に刺さりますし、ちょっとした毒を持った虫がいたりします。
ロックウールとグラスウールの違いを見分けるには、実際に触れてみて、かゆくなるか否かを指標にしてみても分かりやすいかと思います。
グラスウールに発ガン性物質は含まれていません。ロックウール同様に吸い込んでも理論上健康被害は出ません。
ただグラスウールもロックウールも、健康に良いわけではありません。
施工する際には一応マスクを付けておいた方が良いでしょう。
アスベストとは?
アスベストとは「健康被害の大きな鉱物繊維のこと」です。
まず前提として、アスベストは非常に優秀な素材です。具体的には「熱、摩擦、酸やアルカリ、耐久性」という面に優れます。
ただ発ガン性物質が含まれていることから、現在では製造・使用が禁止されています。この発ガン性物質がロックウールやグラスウールとの大きな違いです。
パッと見た感じでは、その違いの区別が難しいと思います。
まずロックウールやグラスウールは黄色のわたです。対してアスベストの色は白色ですから、その点でも相違点が発生しています。
アスベストは2027年までに処理しなければならないという決まりがあります。もし担当している現場で処理がまだの場合は処理の手続きを行いましょう。
下に処理手順をまとめた記事を貼っておくので、よかったら読んでみてください。
それでは!