- テキストは分厚いほど安心なのか、薄いほうが回るのか分からない
- 電気工学の計算が苦手。ここを捨てても受かるのか知りたい
- おすすめ記事に1級の本が混ざっていて、どれが2級用か判別できない
- 一次と二次が1冊になった本と、分かれている本のどちらがいいのか
- 第二種電気工事士は持っている。同じ範囲をもう一度やる必要ある?
- 経験記述の例文集を買えば二次はなんとかなる?
- 前期で一次だけ受けるつもりだが、二次の本も一緒に買うべき?
- 何点取れば受かるのかが、記事によって違う数字で書かれている
- 結局どこから手を付ければいいのか、順番が知りたい
上記の様な悩みを解決します。
2級電気工事施工管理技士のテキストは、本の厚さや網羅性で選ぶと、この試験の作りとかみ合いません。第一次検定は出題された問題を全部解く形式ではなく、しかも選べる範囲が想像よりずっと広いからです。ところが検索して出てくる記事はほぼ全部が書名のランキングで、選定基準に「出題分野を網羅しているか」を置いています。実際の問題を開くと、網羅しないと解けない部分はごくわずかだと分かります。今回は出題数と解答数・合格基準・必須と選択の内訳・費用といった基本を押さえた上で、ランキング記事が触れていない「選択のグループごとに解答数が決まっている」「二次の問題1は2択で出る」という話まで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、電気工事の実務はこれからという方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
2級電気工事施工管理技士のテキストとは?24問を作るための本
テキストとは、結論「電気工事の知識を体系的に身につけるための本ではなく、本番で24問の正解を作るための本」です。
この試験は、電気工学の理論から発電・変電、屋内配線、情報通信設備、施工管理法、法規まで守備範囲が広く、真面目に一冊を通読すると相当な時間がかかります。しかも現場で扱ったことのない設備が必ず混ざるので、通読しようとした人ほど途中で止まります。
ところが後で見るように、この検定は解答する問題を自分で選べる割合がとても高く、必要な正解数もはっきり決まっています。だからテキストの役割は「知識を増やすこと」ではなく、「どこで正解を積むかを決めて、その範囲だけを厚くすること」になります。
- 守備範囲は広いが、全分野に答える必要はない
- 必要なのは正解の数であって、読んだページの数ではない
- 現場で扱ったことのない設備が混ざるのは前提
- 決めてから開く。開いてから決めない
過去問をどこで手に入れて、どう回すかは別記事にまとめてあるので、教材の入手から迷っている場合は先に目を通してみてください。

令和8年度の第一次検定は62問出題で解答は40問|必要な正解は24問
ここが記事の中心です。結論「第一次検定は62問が出題されて40問を解答する形式で、合格に必要な正解は24問」と決まっています。
一般財団法人建設業振興基金が公表した令和8年度(前期)2級電気工事施工管理技術検定の第一次検定問題には、「〔 No.1 〕から〔 No.4 〕までの4問題は,全問解答してください。」「〔 No.5 〕から〔 No.10 〕までは,6問題のうちから4問題を選択し,解答してください。」「〔 No.11 〕から〔 No.29 〕までは, 19問題のうちから 10問題を選択し,解答してください。」「〔 No.30 〕から〔 No.35 〕までは,6問題のうちから3問題を選択し,解答してください。」「〔 No.36 〕から〔 No.40 〕までの5問題は,全問解答してください。」「〔 No.41 〕から〔 No.50 〕までは, 10問題のうちから6問題を選択し,解答してください。」「〔 No.51 〕から〔 No.62 〕までは, 12問題のうちから8問題を選択し,解答してください。」と書かれています(建設業振興基金 令和8年度(前期)2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定問題)。試験時間は10時15分から12時45分までです(同)。
そして同じ検定の確定した合格基準は「40問中24問以上正解」と公表されています(建設業振興基金 令和8年度 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定(前期)合格基準)。
表にすると、こうなります。
| 問題番号 | 出題数 | 解答するのは |
|---|---|---|
| No.1〜No.4 | 4問 | 全問(必須) |
| No.5〜No.10 | 6問 | 4問を選択 |
| No.11〜No.29 | 19問 | 10問を選択 |
| No.30〜No.35 | 6問 | 3問を選択 |
| No.36〜No.40 | 5問 | 全問(必須) |
| No.41〜No.50 | 10問 | 6問を選択 |
| No.51〜No.62 | 12問 | 8問を選択 |
数字を足すと、出題62問に対して解答は40問。そのうち24問取れば合格ということになります。言い換えると、40問中16問は落としてよい試験です。
この2つの数字を先に握っておくと、本を選ぶときの判断がまったく変わります。「網羅しているか」を基準にするのは、40問全部を正解しにいく人の発想です。24問でよいと分かっていれば、選ぶべきなのは分厚い網羅本ではなく、自分が取ると決めた範囲を確実に正解に変えてくれる本になります。
いまの合格率の水準と並べて見ると、この設計の効き方が実感しやすくなります。

必須は9問だけ|残る31問をどう選ぶかで本の使い方が決まる
続けて、結論「全問解答が指定されているのは9問だけ。40問のうち31問は自分で選ぶ」という話です。
さきほどの指示を見直すと、全問解答が求められているのはNo.1からNo.4までの4問と、No.36からNo.40までの5問で、合わせて9問です(同 第一次検定問題)。令和8年度前期でいえば、前者の先頭にあたるNo.1は「電線の断面を 3 秒間に 12 C(クーロン) の電荷が一定の割合で通過したときの電流の値〔 A 〕として,正しいものはどれか。」という計算問題、後者の先頭にあたるNo.36は「電話・ 情報設備の配線用図記号と名称の組合せとして,「日本産業規格( J I S ) 」 上,不適当なものはどれか。」という図記号の問題でした(同)。
残る31問は選択です。ただし、どこからでも好きに選べるわけではありません。グループごとに解答数が決まっているので、得意な分野で多めに稼いで別のグループを空欄にする、という組み方はできません。
- 全問解答が指定されているのは9問。ここだけは逃げられない
- 選ぶのは31問だが、グループごとの解答数は固定されている
- 最大の山はNo.11からNo.29の19問。ここから10問を選ぶ
- No.51からNo.62の12問から8問も、取りこぼしの影響が大きい
- どのグループで何問取るかを、本を開く前に紙に書く
正直なところ、この試験でいちばん効くのは「19問から10問」のグループの扱い方です。ここだけで解答の4分の1を占めるので、ここを苦手なまま放置して他で埋めようとすると、そもそも計算が合いません。逆にここを厚くしておけば、計算問題のグループを軽く扱っても24問には届きます。
必要な学習期間を先に見積もっておくと、どこまで厚くできるかの上限が見えます。

テキストの選び方は年度表記と分野別の並びで決まる
選び方については、結論「年度の表記、分野別に問題が並んでいるか、図記号のページの作り。この3か所を見れば足りる」です。
ランキング記事が挙げる基準は記事ごとにばらばらですが、これは順位を付けるために基準を増やしているからです。上の試験構造から逆算すると、見る場所は絞れます。
| 見る場所 | 判断のしかた | 理由 |
|---|---|---|
| 年度の表記 | 表紙の年度と、第一次検定・第二次検定という言い方 | 学科試験・実地試験と書かれた本は制度改正前の版 |
| 分野別に並んでいるか | 目次が年度順ではなく分野順になっているか | グループごとに何問取るかを決めて使うため |
| 図記号のページ | 配線用図記号の一覧が見開きでまとまっているか | 必須のNo.36からNo.40に直結する |
年度順に過去問が並んでいる本は、本番と同じ順番で通し練習をするには向きますが、「このグループで何問取るか」を決めて使う目的には向きません。分野別に並んでいる問題解説集を軸に置いて、詰まった箇所だけテキストを引く形のほうが回ります。
- 軸は分野別に並んだ問題解説集にする
- テキストは頭から読まず、選択肢を切れなかった問題から逆に引く
- 図記号は暗記の対象なので、一覧性のある本が有利
- 1級と2級で書名が似ている本があるので、表紙の級を必ず確認する
書店で1級の本を2級と間違えて買う事故は、実際に起きます。おすすめ記事の側にも1級と2級の書名を混ぜて並べているものがあるので、書名だけを頼りにしないほうが安全です。
第二次検定は問題1が2択|用意する現場は1つでは足りない
第二次検定については、結論「問題1が2つの設問から選ぶ形式になっていて、どちらも自分の経験を書かせる。用意する現場が1つだと外れる可能性がある」と考えてください。
令和7年度の2級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題を見ると、問題1は「次の問いA又は問いBのどちらかを選択して答えなさい。」という形式で、問いAは「あなたの電気工事の経験を踏まえ,施設等が運用中で大勢の来客がある現場の電気工事において,」、問いBは「あなたの電気工事の経験を踏まえ,関連工事と輻輳する現場における電気工事において,」と始まっていました(建設業振興基金 令和7年度 2級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題)。問題は問題5までで、問題3は「電気工事に関する次の用語の中から3つ選び,」と用語を選ばせる形、問題5は「『建設業法』,『労働安全衛生法』又は『電気工事士法』に関する次の問に答えなさい。」という形でした(同)。試験時間は14時15分から16時15分までです(同)。
つまり経験記述は、あらかじめ書いた一本の文章を持ち込んで写す作業ではありません。その年に提示された現場の状況に、自分の経験を合わせて書く作業です。例文集を買えば済むと考えていると、当日に手が止まります。
- 問題1は問いAと問いBの2択。どちらも自分の経験を書かせる
- 提示される現場の状況は年ごとに変わる
- 用意しておくのは完成文ではなく、書ける現場のストックと型
- 用語の問題は3つ選ぶ形式なので、広く浅く覚えるより確実な3語を作る
- 法規は建設業法・労働安全衛生法・電気工事士法の並びで問われた年がある
記述の詰め方は級をまたいで共通する部分が多いので、1級をほぼ満点で通した人の勉強法もあわせて読むと参考になります。

後期は同じ日に一次と二次|前期との違いと費用の考え方
見落とされがちなのが、結論「後期を選ぶと、同じ日の午前に第一次検定、午後に第二次検定を受けることになる」という点です。
建設業振興基金の案内では、令和8年度の前期は第一次検定のみを6月14日の日曜に実施し、後期は第一次検定を11月8日の日曜に実施するとされています(建設業振興基金 2級電気工事施工管理技術検定)。この後期の第一次検定の試験時間は10時15分から12時45分まで(同 令和8年度 第一次検定 受検の手引)、第二次検定の試験日も令和8年11月8日で、時間は14時15分から16時15分までです(同 令和8年度 第二次検定 受検の手引)。つまり後期は、午前に択一式を解いて、昼をはさんで午後に記述を書く1日になります。
費用も同じ資料で確認できます。受検手数料は第一次検定が7,900円(非課税)、第二次検定が7,900円(非課税)、第一次・第二次検定をまとめて受ける場合が15,800円(非課税)です(建設業振興基金 2級電気工事施工管理技術検定)。
- 後期は同じ日に一次と二次。二次を後回しにする逃げ道がない
- 前期は第一次のみ。一次に集中して、二次は次の機会に回せる
- 前期を選ぶなら、当面は一次用の1〜2冊で足りる
- 受検手数料は一次7,900円、二次7,900円、まとめて15,800円
教材の買い方も、この日程から決まります。後期一本で行くなら、一次用と二次用を最初から並べて、二次の記述に触れる時間を夏のうちに作っておかないと間に合いません。前期で一次を取ってから二次に向かうなら、本を買う時期を分けられます。どちらが自分に合うかを決めてから書店に行くほうが、無駄な出費が出ません。
受検の区分や必要な手続きは先に確定させておいたほうがよいので、申込みの前にこちらで確認してみてください。

17歳から受けられる第一次検定|実務経験がない人の本の選び方
最後に、結論「第一次検定は実務経験がなくても受けられる。だからテキストも、現場を知っている前提で書かれているかどうかを見たほうがいい」という話です。
建設業振興基金の受検の手引では、第一次検定の受検資格は「試験実施年度に満17歳以上となる者【生年月日が平成22年4月1日以前の者が対象】」とされています(建設業振興基金 令和8年度 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定 受検の手引)。工業高校の在学中や、電気工事の会社に入ったばかりの段階で受ける人が普通にいるということです。
このとき問題になるのが、多くのテキストが「現場で見たことがある」を前提に書かれていることです。屋内配線や受変電設備の記述は、実物を見ていれば1行で済みますが、見たことがなければ写真がないと入ってきません。前の章で図記号のページを見ろと書いたのは、必須問題への直結という理由に加えて、未経験の人ほど図から入るほうが速いからでもあります。
なお、電気工事士の資格を持っている人は、電気の基礎理論や配線図記号の部分で既に通った範囲と重なります。そこを軽く流して、施工管理法と法規のグループに時間を寄せるほうが、24問には早く届きます。
第二次検定に進むときに必要になる実務経験の数え方は、こちらで扱っています。

2級電気工事施工管理技士のテキストに関する情報まとめ
- テキストとは:知識を体系的に増やす本ではなく、24問の正解を作るための本
- 第一次検定:令和8年度前期は62問が出題され、40問を解答する
- 合格基準:確定した基準は40問中24問以上正解。16問は落としてよい
- 出題構成:全問解答はNo.1〜4とNo.36〜40の9問。残り31問はグループごとに選ぶ
- 最大の山:No.11〜No.29の19問から10問。ここだけで解答の4分の1
- 選び方:年度の表記、分野別に並んでいるか、図記号のページの3か所
- 第二次検定:問題1は問いAと問いBの2択。どちらも自分の経験を書かせる
- 前期と後期:前期は第一次のみ。二次用の本は自己採点を見てからでよい
- 費用:受検手数料は一次7,900円、二次7,900円、まとめて15,800円
以上が2級電気工事施工管理技士のテキストに関する情報のまとめです。
2級電気のテキスト選びは、本の網羅性を比べる作業ではなく、40問のうちどの24問を取るかを決める作業です。この試験は選べる幅が広いぶん、決めた人と決めなかった人で勉強量が倍近く変わります。現場目線で言えば、書名を比べている時間の半分を、問題番号のグループ分けを紙に書き出す時間に回したほうが、合格までの距離は確実に縮みます。
2級電気工事施工管理技士のテキストに関するよくある質問
Q1:テキストは何冊必要ですか?
分野別に並んだ第一次検定の問題解説集を1冊、詰まった箇所を引くためのテキストを1冊、第二次検定の対策本を1冊で、合計2〜3冊が基本形です。本を足すより、決めた1冊を回す回数を増やすほうが正解数は伸びます。足すなら本ではなく、記述の添削のように本では代われないものを選んでください。
Q2:電気工学の計算問題は捨てても合格できますか?
令和8年度前期の第一次検定では、全問解答が指定されているのはNo.1からNo.4と、No.36からNo.40の合計9問です。計算問題が集まるグループの一部は必須に含まれるので、まったく手を付けないという選び方はできません。ただし選択のグループで別の分野に寄せる余地はあるので、「全部捨てる」ではなく「必須の範囲だけ確実に取る」と考えるのが現実的です。
Q3:一次と二次が1冊になった本と、分かれている本のどちらがいいですか?
前期に第一次検定だけを受けるなら、一次に特化した本のほうが必要なページに早く着きます。後期で一次と二次を続けて受けるなら、1冊にまとまった本でも構いません。判断の基準は本の作りではなく、自分がどちらの受け方をするかです。
Q4:合格に必要な正解数は何問ですか?
令和8年度の第一次検定(前期)について公表された確定合格基準は、40問中24問以上正解です。解答する40問のうち16問は落としてよい計算になります。ここを知らずに全問正解を目指すと、勉強量の見積もりが実態より大きく膨らみます。
Q5:第二種電気工事士のテキストで代用できますか?
重なる範囲はありますが、代用はできません。施工管理法や法規のグループは電気工事士の試験範囲とは別ですし、第二次検定は記述で問われます。持っている知識を活かして基礎理論の時間を削り、その分を施工管理法と法規に回す、という使い方が現実的です。
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