- 経験記述って、結局どの工事を題材にすればいいんだ
- 去年買った教材の問題1、今年もこの形で出るのか
- 工事概要を書く欄が問題にあると思っていたが、無いという話も聞く
- 令和6年度で変わったと聞いたが、何がどう変わったのかを書いた記事が無い
- 設問2の「工事概要に係わらず」が何を求めているのか分からない
- 書いた記述が点になっているのか、自分では判断できない
上記の様な悩みを解決します。
1級建築施工管理技士の経験記述は、令和6年度と令和7年度の問題1では、工事概要が問題の側に示されていて、受検者が工事を選んで書き起こす欄がありません。旧形式の解答例をそのまま覚え込む準備は、ここで噛み合わなくなります。検索して出てくる解答例集の多くは、今も工事概要の記入から始まる令和5年度以前の設問文を前提にしたままです。今回は令和6年度・令和7年度の実際の設問と、問題文に並ぶ「記述は不可とする」という条件まで、公表されている検定問題から整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、第二次検定を初めて受ける方にも読み進めやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
経験記述は、令和6年度から自分の工事を選ぶ問題ではなくなった
「どの工事を題材にすればいいんだ」という悩みは、令和5年度までの問題1であれば、いちばん先に片付けるべき正しい悩みでした。今はその作業そのものが問題1から外れています。理屈で説明するより、3年度分の書き出しをそのまま並べたほうが早いので、原文を置きます。
令和5年度の問題1は「あなたが経験した建築工事のうち、要求された品質を満足させるため、品質計画に基づき品質管理を行った工事を1つ選び、工事概要を具体的に記入した上で、次の1.及び2.の問いに答えなさい。」という書き出しで、受検者が工事概要を記入する欄も問題1の中に置かれていました(一般財団法人建設業振興基金「令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」問題1/https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r05_1kj_mondai.pdf /2026-08-29確認)。工事を1つ選ぶ、工事概要を記入する、その上で問いに答える。この3段階がすべて受検者の側の作業でした。
令和6年度の問題1は、書き出しからして別物です。「持続可能な建設業を目指して、働き方改革を推進すべく様々な取組が官民一体となって続けられている昨今、建築工事の現場を管理していく上でのあなたの考えについて、次の1.及び2.の問いに答えなさい。」と始まります(一般財団法人建設業振興基金「令和6年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」問題1/https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r06_1kj_mondai.pdf /2026-08-29確認)。工事を1つ選べという指示も、工事概要を記入せよという指示も、この書き出しには含まれていません。
令和7年度も構えは同じです。「建築工事の施工者は、設計図書等により工事目的物に要求される品質を把握し、品質管理を的確に行うことが求められる。建築工事の現場を管理していくうえでのあなたの考えについて、今日までの経験を踏まえ、次の1.及び2.の問いに答えなさい。なお、建築工事には、建築設備工事は含まれないものとする。」という書き出しでした(一般財団法人建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」問題1/https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf /2026-08-29確認)。ここでも、選ぶ対象は示されていません。
| 実施年度 | 問題1の書き出しが求めているもの | 工事概要 |
|---|---|---|
| 令和5年度 | 経験した工事を1つ選び、工事概要を記入した上で答える | 受検者が記入する |
| 令和6年度 | 働き方改革が進む中での現場管理についての考えを答える | 問題の側に示される |
| 令和7年度 | 品質管理についての考えを、今日までの経験を踏まえて答える | 問題の側に示される |
出典:一般財団法人建設業振興基金が公表した各年度の第二次検定問題 問題1(令和5年度=https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r05_1kj_mondai.pdf /令和6年度=https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r06_1kj_mondai.pdf /令和7年度=https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf /いずれも2026-08-29確認)
工事概要は、問題文の中に示される
令和6年度の設問1は「右に示す工事概要の建築工事において」、令和7年度の設問1は「右の工事概要に示す事務所ビル新築工事で行われる工種又は作業において」と、どちらも提示された工事概要を参照する形で問われています。示された内容も具体的で、令和6年度は工事名が共同住宅、主要構造が鉄筋コンクリート構造 地上7階建て。令和7年度は工事名が事務所ビル新築工事、主要構造が鉄骨構造、主要用途が事務所、規模が地上7階建て 塔屋1階で、敷地面積1,110.0㎡、建築面積800.0㎡、延べ面積5,720.0㎡まで数字が入っています(前掲の令和6年度・令和7年度 第二次検定問題 問題1/2026-08-29確認)。
つまり、建物の用途も構造も規模も、こちらが決める材料ではなくなりました。ここが分かると、旧形式の解答例が今の設問と噛み合わない理由もはっきりします。あの手の例文は「工事名 ◯◯マンション新築工事」から始まる工事概要の文章ですが、令和6年度・令和7年度の設問1は提示された工事概要を参照して答える形なので、その文章をそのまま書き出す前提が無くなっています。準備の方向がずれているというより、問われ方の入口が違うという話になります。
経験記述は、6問のうちの1問という置かれ方をしている
もうひとつ、形式の話と並べて押さえておきたいのが問題1の位置です。令和7年度の第二次検定は、試験時間が13時から16時まで、試験問題は6問題で、問題1から問題4が記述式、問題5及び問題6が五肢択一式でした(前掲の令和7年度 第二次検定問題 表紙の注意事項/2026-08-29確認)。3時間のうち問題1に回せる時間は、残り5問をどれだけ速く片付けられるかで決まります。
この配置は、準備の重さの決め方にも効きます。問題1から問題4が記述式で、問題1はそのうちの1問という置かれ方ですが、そこだけを仕上げれば終わる構成にはなっていません。逆に言えば、問題1に無限に時間をかける前提の練習は本番で再現できません。書く材料をどれだけ持っているかより、示された条件を読んでから書き終えるまでを一定の時間で回せるかどうかが、当日の出来を分けます。
令和8年度も同じ形だとは書けない
ここで線を引いておきます。確かめられるのは令和6年度と令和7年度の実物がこうだった、というところまでです。令和8年度の出題形式は公表されていないので、同じ形で出ると断定はできません。受検の手引に書かれているのは、第二次検定の解答が記述方式とマークシート方式であること、試験時間が13時00分から16時00分であることまでで、問題1の中身までは示されていません(一般財団法人建設業振興基金「令和8年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引」P30/https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r08_1K_tebiki.pdf /2026-08-29確認)。
とはいえ、旧形式の教材を使い続ける理由にはなりません。直近2回の実物に合わせておいて、当日に違っていたら読み替える。逆の順番で構えると、外したときの損が大きくなります。
- 令和5年度の問題1は、経験した工事を1つ選んで工事概要を記入する形だった
- 令和6年度と令和7年度の問題1は、工事概要が問題の側に示される形になっている
- 示されている内容は用途・構造・階数まで具体的で、選ぶ余地がない
- 令和8年度の出題形式は公表されておらず、同じ形だとは断定できない
第二次検定が全体で何問あり、どれが必須なのかはこちらで整理しています。

令和6年度と令和7年度の問題1は、2階建ての設問になっている
「設問2の『工事概要に係わらず』が何を求めているのか分からない」という声は、ここを押さえると解けます。問題1は、示された工事概要に紐づく枠と、そこから切り離す枠の2つでできています。
令和7年度の設問1は「右の工事概要に示す事務所ビル新築工事で行われる工種又は作業において、あなたが統括的な施工の技術上の管理を求められる立場として工事を担当するうえで、品質管理上特に重点を置くべきと考える項目を3つあげ、それぞれ次の①から③について具体的に記述しなさい。ただし、3つの項目の②及び③はすべて異なる内容を記述するものとする。」でした。①②③の中身は「①工種名又は作業名等」「②特に重点を置くべきと考える品質管理項目及びその品質管理項目について重点を置くべきと考える理由」「③②の品質管理項目を管理していくうえで実施すべき内容」です(前掲の令和7年度 第二次検定問題 問題1/2026-08-29確認)。
同じ年度の設問2は、参照先がひっくり返ります。「右に示す工事概要の建築工事に係わらず、現場で行う組織的な品質管理活動について、次の①及び②を具体的に記述しなさい。ただし、1.の③と同じ内容の記述は不可とする。」とあり、①が「品質管理活動の内容及びそれを協力会社等に伝達する手段又は方法」、②が「①の品質管理活動によってもたらされる良い影響」です(同)。
令和6年度も同じ2階建てでした。設問1は「右に示す工事概要の建築工事において、あなたが建設現場における統括的な施工の技術上の管理を求められる立場として、機能、性能等の要求された品質を確保しながら適正、かつ、合理的に進める上で、有効と考える現場作業の軽減策を3つ提案し、それぞれ次の①から③について具体的に記述しなさい。」、設問2は「右に示す工事概要の建築工事に係わらず、あなたの今日までの経験を踏まえて、建築工事の施工に従事する者の時間外労働の現状に関して、次の①及び②について具体的に記述しなさい。」です(前掲の令和6年度 第二次検定問題 問題1/2026-08-29確認)。
| 枠 | 参照するもの | 令和6年度のお題 | 令和7年度のお題 |
|---|---|---|---|
| 設問1 | 右に示された工事概要 | 現場作業の軽減策を3つ | 品質管理上重点を置く項目を3つ |
| 設問2 | 工事概要に係わらず、自分の経験 | 時間外労働の現状 | 組織的な品質管理活動 |
出典:前掲の令和6年度・令和7年度 第二次検定問題 問題1(2026-08-29確認)
「工事概要に係わらず」が2年続けて置かれている
この一句が2回とも設問2の頭にあるという事実は、準備の組み方をそのまま決めます。設問1は、渡された現場条件を読んでその場で組み立てる枠です。事前に用意した1件をそのまま貼れるとは限りません。一方の設問2は、示された工事から離れて自分の経験を出す枠なので、こちらは事前に持っておける材料になります。
さらに令和7年度には、設問1の3項目で②と③をすべて別内容にする条件と、設問2で設問1の③と同じ内容を書けない条件が付いていました(前掲の令和7年度 第二次検定問題 問題1/2026-08-29確認)。同じ話を使い回して埋める書き方が、問題文のレベルで塞がれているということです。手持ちのネタが1つしかないと、その1つでは足りません。
あわせて、設問1が両年度とも3つの記述を求めている点も見ておきます。令和6年度は現場作業の軽減策を3つ提案し、それぞれ①から③について記述する形、令和7年度は品質管理上重点を置くべき項目を3つあげ、それぞれ①から③について記述する形でした(前掲の令和6年度・令和7年度 第二次検定問題 問題1/2026-08-29確認)。つまり設問1だけで、3点セットを3組そろえることになります。
ここに令和7年度の重複禁止条件が重なると、必要な材料の数が具体的に見えてきます。3組の②と③がすべて別内容でなければならず、そのうえで設問2の記述も設問1の③と重ならないようにする。1つの工種の話を言い換えて並べる書き方では、条件のほうで先に止まります。示された工事概要を読んでから、②と③が重ならない3組をそろえられるかどうかが、設問1の条件です。問題文が別内容を求めているのは②と③で、①の工種名又は作業名等について同じ内容を禁じる記載はありません(前掲の令和7年度 第二次検定問題 問題1/2026-08-29確認)。
どちらの枠が重いのかは、ここでは書きません。問題文には設問ごとの配点の記載がなく(前掲の令和6年度・令和7年度 第二次検定問題 問題1/2026-08-29確認)、外から重みを付ける材料がないからです。分かるのは、種類の違う準備が2つ要る、というところまでになります。
- 設問1は、問題用紙に示された工事概要に紐づけて答える枠
- 設問2は「工事概要に係わらず」自分の経験から答える枠で、令和6年度・令和7年度とも同じ一句が置かれている
- 令和7年度は3項目の②③をすべて別内容にする条件と、設問2で設問1の③と重複できない条件が付いている
- 問題文に設問ごとの配点の記載がないため、どちらを厚くすべきかは外から決められない
土木の第二次検定の経験記述は、こちらに分けてまとめています。

出題テーマは実物が2回分しかない|令和8年度を当てにいかない
「どのテーマを準備しておけばいい」「出題予想をどれだけ信じればいいのか」。この2つには予想で答えず、実物が何回分あるかを数えて答えます。
工事概要が示される形での問題1は、令和6年度と令和7年度の2回分です。テーマは、令和6年度が現場作業の軽減策と時間外労働、令和7年度が品質管理でした(前掲の令和6年度・令和7年度 第二次検定問題 問題1/2026-08-29確認)。示された工事も、令和6年度が鉄筋コンクリート構造 地上7階建ての共同住宅、令和7年度が鉄骨構造の事務所ビル新築工事で、揃っていません。
2回分の実物から次の1回を当てにいくのは、母数として無理があります。周期があるかどうかを確かめられるだけの回数が、そもそも積み上がっていません。だからこの記事では出題予想を扱いません。予想を売り物にしているページも見かけますが、材料が2回分しかない事情はどのページでも同じはずです。
教材の新旧は、テーマではなく形式で見る
「去年買った教材の問題1、今年もこの形で出るのか」という不安も、テーマの当て物とは別のところで解けます。見るのは、その教材の問題1に工事名や工期を書き込む欄があるかどうかです。テーマが外れるのは書きにくいだけですが、答案用紙の形が違うと、準備した文章の置き場所そのものが無くなります。
テーマを1つに絞って仕上げる作戦も勧めません。品質管理だけを詰めた年に働き方改革が来れば、詰めた分がそのまま浮きます。個人的には、テーマを当てにいく時間があるなら、次に扱う「書いてはいけない条件」を読み込むほうが効くと考えています。
- 工事概要が示される形での実物は令和6年度・令和7年度の2回分しかない
- テーマは令和6年度が現場作業の軽減策と時間外労働、令和7年度が品質管理で揃っていない
- 2回分から次年度を予想する根拠は無いので、この記事では出題予想を扱わない
- 教材の新旧は、テーマではなく工事概要の記入欄の有無で判定できる
問題文に「書いてはいけない内容」が並んでいる
「書いてはいけないことがあると聞いたが、具体的に何なのか」。これは推測で答える話ではありません。令和6年度の設問1には、記述が不可とされる条件が5項目そのまま印刷されていました。
- 工事概要に示す工事において施工上必要としない工事及び作業に関する内容
- 計画変更確認申請が必要となる内容
- 竣工引渡し時期の遅れに繋がる内容
- 工程の短縮は図れるが現場作業の軽減には繋がらない内容
- 建築設備工事に関する内容
出典:前掲の令和6年度 第二次検定問題 問題1(https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r06_1kj_mondai.pdf /2026-08-29確認)
性格の違う条件が混ざっています。1つ目は示された工事概要との整合、2つ目と3つ目は施策として成立しているか、4つ目はその年度のお題からずれていないか、5つ目は範囲外の工事を除くためのもの、と読めます。なお、5項目のどこにも工事の規模や派手さについての条件は書かれていません。お題に沿ったつもりでも、工期が延びる話や設備工事の話を混ぜると、どれかに触れます。
令和7年度にも同じ性格の条件があります。問題1の書き出しに「なお、建築工事には、建築設備工事は含まれないものとする。」とあり、設問1にも「なお、工事概要に示す工事において、各作業は一般的な手順に従って施工されるものとし、施工上必要としない工事及び作業に関する内容についての記述は不可とする。」とあります(一般財団法人建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題」問題1・https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r07_1kj_mondai.pdf /2026-08-29確認)。年度をまたいで残る条件がある、という読み方はできます。
減点の並べ立てより、条件の読み落としのほうが先
対策ページには、減点されやすい書き方を何項目も並べているものがあります。採点基準は公表されていないので、この記事ではその手の推測を書きません。代わりに使えるのが、いま挙げた問題文の条件です。本番でも同じ場所を読めば確認できます。
現場の感覚で言えば、これは特記仕様書の読み落としに近い話です。標準仕様どおりに納めたつもりでも、特記に一行だけ別の指定があれば、そちらが優先されます。問題1の条件書きも同じ位置にあって、読まずに書き始めると、内容の良し悪しの前で外れます。
準備するのは工事概要のひな形ではなく、自分が講じた措置の引き出し
「丸暗記だと落ちると言われても、代わりに何をすればいいのか」。ここまでの設問構造から、準備の単位が見えます。
令和7年度の設問1が求めていたのは、①工種名又は作業名等、②重点を置くべき品質管理項目とその理由、③その項目を管理するうえで実施すべき内容、の3点セットでした(前掲の令和7年度 第二次検定問題 問題1/2026-08-29確認)。工事を1件まるごと語る枠ではなく、工種または作業を1つ取り出して書く枠です。
この形に合わせると、準備の単位は工事ではなく措置になります。現場を1件選んで概要をまとめるのではなく、担当した工種ごとに「どこに気をつけたか」「なぜそこなのか」「実際に何をしたか」を思い出せる状態にしておく作業です。経験年数が浅い人にはむしろ有利で、1つの現場から複数の工種を取り出せるので、大きな工事を担当していなくても材料の数は稼げます。
設問2向けの引き出しは、別に用意しておく
設問2は工事概要から切り離される枠なので、材料の性質が違います。令和7年度は協力会社等への伝達手段や方法と、その活動がもたらす良い影響を問う形でした(同)。個人が講じた措置ではなく、組織として回している活動が対象です。朝礼での共有の仕方、検査の立会いの決め方、是正の記録の残し方が材料になります。
テーマ側も1つに寄せない構え方が要ります。令和6年度は工数の削減に近い話、令和7年度は品質の話でした。品質・工程・原価・安全・環境のどれか1つだけを詰めると、外したときに引き出しが空になります。どれについても、工種名と理由と実施内容の3点で言える材料を1つずつ持っておけば、お題が動いても組み替えが効きます。
この記事に解答例を載せない理由
経験記述の解答例は検索すればいくらでも出てきますが、ここには載せません。理由は2つで、示される工事概要が年度ごとに違うため他人の現場を前提にした文章はそのまま置けないこと、そしてこちらで作った例文には出典が無く、実在しない現場の話になることです。見えないところに他人の文章を入れる準備を、この記事では勧めない立場を取ります。
- 令和7年度の設問1が求めたのは、工種名又は作業名等・重点を置く項目と理由・実施すべき内容の3点
- だから準備の単位は工事1件ではなく、工種ごとの措置になる
- 設問2向けには、組織として回している活動と、その活動の良い影響を別に用意する
- テーマを1つに絞らず、品質・工程・原価・安全・環境のそれぞれで材料を持っておく
なお、受検申請で出す実務経験証明書と、当日書く経験記述は別物です。申請側の書類の話はこちらが詳しいです。

書いた記述の出来は、A・B・Cの3段階でしか返ってこない
「書いた記述が点になっているのか、自分では判断できない」。この感覚は正確で、制度の側に設問ごとの出来を知る手段が用意されていません。
第二次検定の合格基準は、事前に公表されているもので得点が60%以上とされています。ただし同じ資料に「試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性があります」と付されています(一般財団法人建設業振興基金「令和8年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引」P33/https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r08_1K_tebiki.pdf /2026-08-29確認)。
返ってくる成績は、もっと粗い形です。同じ手引のP33には第二次検定の個人成績通知が3段階の評定であることが示されており、区分は「A:合格基準以上」「B:得点が40%以上合格基準未満」「C:得点が40%未満」です。さらに「不合格者に対して不合格通知書にて成績を通知します」「なお、通知する成績は、全体の結果のみとし、設問毎の得点等については通知いたしません」「合格者については成績の通知は行いません。また問い合わせにもお答えできません」と続きます(同 P33/2026-08-29確認)。
記述が悪かったのか、択一が悪かったのかは分けて返ってこない
「落ちたときに、記述が悪かったのか択一が悪かったのかを知りたい」という声がありますが、通知されるのは全体の結果だけです。BとCの違いは40%の線をまたいだかどうかで(同 P33)、どの設問で落としたかを示すものではありません。
外の業者が採点結果を出しているという話も出回りますが、手引のP31には「第二次検定の正答内容について、一部業者(ゼミ屋等)が模範解答を配布したり、採点結果と称して、得点結果を通知しているところがありますが、本財団とは全く関係ありません」と明記されています(前掲の受検の手引 P31/2026-08-29確認)。それは公式の採点ではない、という位置づけです。
記述式が測っている枠も、知識とは別に置かれています。手引に載る第二次検定の検定基準は3項目で、五肢択一に対応する1項目が「必要な知識を有すること」、記述に対応する2項目が「必要な措置を適切に行うことができる応用能力」「施工計画を適切に作成し、及び施工図を適正に作成することができる応用能力」です(同 P30-31/2026-08-29確認)。覚えた文章を再生する形とは、求められているものの名前が違います。
ここまでを並べると、答えは1つに絞られます。書いた記述の出来を知りたいなら、試験の前に他人に読んでもらうしかありません。社内に合格者がいれば早いのですが、いなければそこが空白のまま本番になります。正直なところ、独学でいちばん埋めにくいのはこの部分です。
- 事前公表の合格基準は第二次検定で得点60%以上。変更の可能性があると付されている
- 不合格者への評定はA・B・Cの3段階で、Bは40%以上合格基準未満、Cは40%未満
- 通知されるのは全体の結果のみで、設問ごとの得点は通知されない。合格者には成績通知そのものが無い
- 模範解答の配布や採点結果の通知を行う業者と試験機関は無関係だと明記されている
- 記述に対応する検定基準は、知識ではなく応用能力の2項目
合格率と難易度の位置づけはこちらで扱っています。

※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
【PR】書いたものを、試験の前に誰かに読んでもらいたいなら
第二次検定の結果は、A・B・Cの3段階でしか返ってきません。通知されるのは全体の結果だけで、設問ごとの得点は通知されず、合格した人には成績の通知そのものがありません。独学だと、次の3つが最後まで確かめられないまま本番を迎えます。
- 令和6年度・令和7年度の設問の形に沿って書けているのか、自分では判断が付かない
- 令和6年度の問題1に5項目並んでいた記述不可の条件を踏んでいないか、書いた後に見てもらう相手がいない
- 落ちたときに、記述が足りなかったのか択一が足りなかったのかが分からない
独学サポート事務局のページです。独学のまま進めるか、外の対策を足すかは、中身を見てから決めれば十分です。内容と範囲は公式ページで確認してください。
1級建築施工管理技士の経験記述に関する情報まとめ
- 形式の変化:令和5年度は経験した工事を1つ選んで工事概要を記入する形。令和6年度・令和7年度は工事概要が問題の側に示され、選ぶ作業が受検者から外れている
- 設問の構造:問題1は2階建て。設問1は示された工事概要に紐づけ、設問2は「工事概要に係わらず」自分の経験から書く
- 出題テーマ:新しい形での実物は令和6年度の働き方改革と令和7年度の品質管理の2回分だけ。予想の材料としては足りない
- 書いてはいけない内容:令和6年度は記述不可の条件が5項目、令和7年度は建築設備工事を含まない旨と重複禁止の条件が問題文に印刷されている
- 準備の単位:工事概要のひな形ではなく、工種名又は作業名等・重点を置く理由・実施すべき内容の3点セット。設問2向けの組織的な活動は別に用意する
- 結果の返り方:不合格者への評定はA・B・Cの3段階のみで、設問ごとの得点は通知されない。合格者には成績通知が無い
以上が1級建築施工管理技士の経験記述に関する情報のまとめです。
この試験の経験記述でいちばん厄介なのは、答案の良し悪しを自分で測れないまま、古い形式の練習を積んでしまうことだと思います。手元の教材の問題1を開いて、工事名や工期を書き込む欄があるかを見る。あれば令和5年度以前の答案用紙を前提にした教材です。そこを入れ替えてから、工種ごとの措置を思い出す作業に時間を回す。順番をこう置くだけで、同じ時間の意味が変わってきます。
あわせて読むなら、二次までの進め方を扱った次の1本です。

