- 鉄筋工の平均年収ってどれくらい?
- 20代と50代でどれくらい差がつくの?
- 鳶や型枠大工と比べて稼げるの?
- 一人親方になったら年収はどう変わる?
- 年収を上げるには何をすればいい?
- 将来的にこの仕事は残るの?
上記の様な悩みを解決します。
鉄筋工の年収とは、結論「平均で430万円前後(厚労省「賃金構造基本統計調査」ベース)、独立した一人親方なら600〜900万円も狙える、職人系では中堅レンジの収入」です。鉄筋工は鉄筋コンクリート造(RC造)の建物を建てるときに、設計図通りに鉄筋を組み立てる職人。仕事のキツさの割に「鳶ほど派手な高収入ではないが、左官や雑工よりは確実に稼げる」という、いわば中堅ポジション。ただし、鉄筋施工技能士を取って職長になったり、独立して一人親方になったりすれば、ここから跳ね上がる余地は十分にあります。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
鉄筋工とは?
鉄筋工とは、結論「鉄筋コンクリート造の建物で、設計図に沿って鉄筋を加工・組立して配筋するのが仕事の職人」のことです。RC造(https://seko-kanri.com/rc-zo/)の建物では、コンクリートを打つ前に鉄筋の骨組みを組んでおく必要があり、その骨組みを担当するのが鉄筋工です。
鉄筋工の仕事内容
| 工程 |
|---|
| 加工:工場または現場で鉄筋を寸法通りに切断・曲げ |
| 運搬:揚重機やクレーンで配筋場所へ |
| 組立:設計図(配筋図)に沿って鉄筋を所定の位置に配置 |
| 結束:交差部を結束線でしっかり固定 |
| 検査対応:配筋検査(https://seko-kanri.com/haikin-kensa/)への立会と是正 |
「鉄筋を組む」と一口に言っても、梁・柱・壁・スラブ・基礎で配筋ルールが全部違うので、覚えることは多い職種です。
鉄筋工と鉄骨工の違い
混同されがちですが、別物です。
- 鉄筋工:RC造の鉄筋(D13・D19等の異形棒鋼)を組む職人
- 鉄骨工(鳶+鉄骨鳶):S造のH鋼・角形鋼管などを組む職人
鉄筋と鉄骨の違いは別記事に詳しいですが、現場では完全に別職種として扱われます。

鉄筋工の平均年収と年代別の目安
ここからが本題。鉄筋工の収入レンジを見ていきます。
平均年収(統計ベース)
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の「鉄筋工」職種の数字を直近の動向で見ると、平均年収はおおむね420〜450万円のレンジ。月収換算で約32〜35万円、これに賞与(公共工事元請の協力会社では年2回出るケースあり)が加わるイメージです。
業界全体の平均(全産業平均が約460万円)よりやや低めですが、これは賞与の有無で差が出ているところが大きく、月給ベースだけ見ると遜色ないレベルです。
年代別の目安レンジ
| 年代 | 年収目安 | 立ち位置 |
|---|---|---|
| 20代前半(見習い) | 280〜350万円 | 道具運び+下働き、技能習得期 |
| 20代後半 | 350〜430万円 | 一通りの配筋ができる |
| 30代 | 420〜520万円 | 班員として戦力化、職長補佐 |
| 40代 | 500〜650万円 | 職長クラス、独立準備期 |
| 50代 | 530〜700万円 | 班長・親方、後進指導 |
| 60代 | 450〜600万円 | 体力次第で減少傾向 |
「20代でほぼ収入は決まらない、30代後半から伸びる」のがこの業界の特徴。技能習得が長丁場なので、最初の3〜5年は下積みを覚悟する必要があります。
月給と日給月給
鉄筋工の給与形態は2パターン。
- 月給制:会社員として固定給。残業代別途
- 日給月給制:1日いくらの単価×出勤日数。雨で休めば収入減
中小の鉄筋工事業者は日給月給制が主流で、ベテランで日当18,000〜22,000円、見習いで11,000〜13,000円というレンジ。雨の多い梅雨時期は月収が大きく減るのが日給月給のつらいところです。
他職種との年収比較
鉄筋工と隣接職種で年収を比べると、立ち位置がわかりやすいです。
| 職種 | 平均年収目安 | 主な仕事 |
|---|---|---|
| 鳶職 | 450〜550万円 | 足場・鉄骨建方 |
| 型枠大工 | 430〜520万円 | コンクリート型枠の組立 |
| 鉄筋工 | 420〜500万円 | RCの配筋 |
| 左官屋 | 380〜470万円 | 仕上げ塗り |
| 雑工 | 350〜430万円 | 各職種の補助・片付け |
鳶>型枠大工=鉄筋工>左官>雑工というのが、ざっくりした序列。鳶は危険手当が乗るので頭1つ高く、左官は仕事量がコンクリート以前と比べて減ったので相対的に低めです。
鉄筋工が「中堅レンジ」で安定している理由
- RC造の建物が今後も基幹:日本の中高層建築はRC造とSRC造が中心
- 配筋技能はAIで代替しにくい:鉄筋の細かい結束や納まり判断は機械化が進みにくい
- 鉄筋施工技能士が国家資格:技能の社会的な裏付けがある
派手さはないですが、仕事が極端に減る心配が少ないのが鉄筋工の強み。
独立後(一人親方)の年収
鉄筋工は独立して一人親方になる人が比較的多い職種です。手元(補助)を雇わずに1人で動けば、人件費の上乗せ分がそのまま自分の収入になります。
一人親方の収入構造
| 区分 | 年収目安 |
|---|---|
| 専属(1社の協力会社) | 600〜750万円 |
| 複数社受け(自分で営業) | 700〜900万円 |
| 手元1人を雇って班長化 | 800〜1,200万円 |
| 鉄筋工事業の許可を取って小規模会社化 | 1,000万円超も可 |
ただし一人親方は社会保険・年金・労災を全部自分で負担。額面年収700万円でも、手取りは会社員の年収500万円相当になることもあるので、額面だけ見て判断するのは危険です。
鉄筋工事業の建設業許可
請負金額が500万円以上の工事を元請から直接受けるには、建設業許可(鉄筋工事業)が必要です。これを取ると元請から直接発注を受けられるので、単価が一段上がります。建設業許可の概要は別記事の関連で触れていますが、鉄筋工事業の許可要件は経営業務管理責任者・専任技術者・財産的基礎の3点が中心です。
元請単価と歩掛り
元請ゼネコンが鉄筋工事に支払う単価は、鉄筋1tあたり○万円という歩掛り計算になります。地域・物件規模・工期で変動しますが、鉄筋t単価が上がる現場(小規模・特殊形状)ほど職人収入も上がる構造です。
年収を上げるための具体的な動き
鉄筋工として年収を上げるための、現実的なルートを整理します。
①国家資格を取る
| 資格 | 効果 |
|---|---|
| 鉄筋施工技能士(1級・2級) | 技能のお墨付き、職長条件、元請の評価UP |
| 職長・安全衛生責任者教育 | 職長になる必須講習 |
| 玉掛け技能講習 | 鉄筋束の吊り作業に必須 |
| 小型移動式クレーン | 揚重機オペレートで日当UP |
| 建設キャリアアップシステム(CCUS)登録 | 経験値の見える化、レベル別単価 |
特に鉄筋施工技能士1級+職長の組み合わせは、現場で配筋の責任者ポジションを任されやすく、月給で1〜3万円上がるラインです。
②職長・班長になる
班員から職長(10〜20人を率いる)へのステップアップで、月収+3〜5万円は固い。さらに班長(複数班を統括)になれば年収700〜800万円圏内。
③独立して一人親方
職長経験を経て独立すれば、上記のレンジに入れます。ただし「とりあえず独立」は危険。元請ゼネコンや専属先との関係を作ってから動くのが鉄則。
④建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用
CCUSはカードに技能経験が蓄積されるシステムで、レベル4(最高位)に達すると単価が大きく上がる仕組み。鉄筋施工技能士1級+実務経験10年以上+職長経験で到達できます。
⑤転職で職場を変える
同じ鉄筋工でも、所属する会社で年収は2〜3割変わります。ゼネコン直近の協力会社(一次下請)は単価が良く、孫請(二次・三次)ほど厳しくなる傾向。元請・一次受けの関係性を理解した上で、自分の技能に見合う環境に動くのが王道です。

鉄筋工の将来性
「鉄筋工って今からでも目指していいの?」という疑問への答え。
業界全体の人手不足
国土交通省の資料では、建設業の技能労働者は2025年〜2030年にかけて深刻な人手不足が予想されています。鉄筋工も例外ではなく、60代の親方層が引退する一方、若手が入ってこない構造的な問題があります。
これは裏を返せば、若手が鉄筋工になれば即戦力化が早く、待遇改善のチャンスが大きいということ。
機械化・省力化の流れ
- プレキャストコンクリート(PC化):工場で配筋済みのPC部材化が進行中
- 配筋ロボット:一部の大規模現場で導入開始
- CCUS:技能の見える化と賃金アップが連動する仕組み
PC化が進めば現場配筋の量自体は緩やかに減るかもしれませんが、特殊形状・複雑配筋・改修工事は人の手が必須。完全に消える職種にはならないというのが現実的な見立てです。
キャリアパスの選択肢
鉄筋工としてのキャリアの行き先は、おおむねこの4つ。
- 鉄筋工事業の親方として独立
- 元請ゼネコンや一次協力会社の社員として安定
- 多能工として活躍
- 施工管理職へ転身
特に現場経験のある鉄筋工が施工管理に回るルートは、図面と現場の両方を知っているので強みになります。
鉄筋工の年収に関する情報まとめ
- 平均年収:420〜450万円(厚労省賃金構造基本統計調査)
- 年代別:20代前半280〜350万円、30代420〜520万円、40代500〜650万円、50代530〜700万円
- 日給月給:見習い11,000円、職人18,000〜22,000円
- 隣接職種比較:鳶>型枠大工=鉄筋工>左官>雑工
- 一人親方:専属600〜750万円、複数社受け700〜900万円、班長化800〜1,200万円
- 年収UPの王道:鉄筋施工技能士1級+職長+CCUSレベル上げ+一次受け移籍
- 将来性:人手不足で需要は安定、PC化進行も完全代替は困難
以上が鉄筋工の年収に関する情報のまとめです。
鉄筋工は、「派手な高収入はないが、技能が積み上がれば確実に年収が上がる」典型的な職人ポジション。20代の数年は下積みが必要ですが、30代後半から職長・40代で独立というルートに乗れば、500〜800万円のレンジは現実的に届きます。これから目指す人は、まず鉄筋施工技能士2級と職長教育を3年以内に取るのを最初の目標にすると、その後のキャリアが組み立てやすくなります。一通り鉄筋工の年収まわりは理解できたかと思います。
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