施工管理技士の第二次検定は、建設業法第27条で「技術上の管理及び指導監督に係る知識及び能力」を判定するとされた検定で、基礎の知識と能力を見る第一次検定の次の段階です。令和3年度に旧「学科・実地試験」から組み替えられました。国土交通省が示す令和8年度の合格基準では、建設機械を除く6種目の第二次検定は得点60%以上です。
- 二次検定って、そもそも一次と何を見る試験なの?
- 上司が言う「実地試験」と、今の二次検定は同じもの?
- 二次は全部記述なの?マークの問題もあるの?
- 何点取れば受かるのか、落ちたらどれくらい足りなかったか分かるのか
- 一次だけで申し込んで、受かってからその年の二次に申し込める?
- 一次と二次を同時に申し込んで、一次に落ちたらどうなる?
- 一次に受かったけど、その合格に期限はあるの?
- 旧受検資格はいつまで使えるのか
- 一次合格者と二次だけの人で、受かる割合は違うの?
- 今年の二次はいつで、発表はいつ?
上記の様な悩みを解決します。
二次検定は、施工管理技士の称号に届く最後の関門です。ところが僕が調べた範囲では、1級建築や2級土木など1つの種目の二次だけを「施工管理技士の二次」として説明し、昔の実地試験との違いも「名前が変わった」で済ませている解説が多く見つかりました。今回は二次検定の位置づけ・形式・合格基準・受検資格・日程といった基本を押さえたうえで、調べた範囲の解説では見かけなかった「1級建築で第一次検定のみで申請すると、受かってもその年度の二次には申請できない」という申込の落とし穴と、1級土木の令和7年度の二次が一次合格者と二次のみの受検者に分けて公表されている数字まで、条文と試験機関の資料を突き合わせて整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、第一次検定を通過して、これから二次の段取りに入る方が読んでも迷わない形を目指しました。
それではいってみましょう!
二次検定とは何か。現場の管理と指導監督の力を見る検定
結論から言うと、第二次検定は「監理技術者や主任技術者として現場を管理し、人を指導監督できるか」を判定する検定です。第一次検定が施工技術の基礎を見るのに対し、二次はその上に立つ管理の力を見る、という分け方が法律の文言に書かれています。
一次と二次の違いは、建設業法第27条にそのまま書いてある
技術検定を2段に分けているのは建設業法です。「前項の検定は、これを分けて第一次検定及び第二次検定とする。」(建設業法 第27条第2項)。そのうえで、それぞれの目的が次のように書き分けられています。
「第一次検定は、第一項に規定する者が施工技術の基礎となる知識及び能力を有するかどうかを判定するために行う。」(建設業法 第27条第3項)
「第二次検定は、第一項に規定する者が施工技術のうち第二十六条の四第一項に規定する技術上の管理及び指導監督に係る知識及び能力を有するかどうかを判定するために行う。」(建設業法 第27条第4項)
第4項が引いている第26条の4第1項を開くと、「技術上の管理及び指導監督」の中身が分かります。「主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。」(建設業法 第26条の4第1項)。つまり二次で問われるのは、施工計画・工程管理・品質管理といった、主任技術者と監理技術者が現場で負う職務に関する知識と能力です。
1級では「補佐として」と「監理技術者として」で書き分けられている
級ごとの目的は施行令にあります。「一級の技術検定は、検定種目ごとに、法第二十七条第一項に規定する者が監理技術者として必要な知識及び能力を有するかどうかを判定するために行う。」(建設業法施行令 第37条第3項)。2級は同じ条の第4項で「主任技術者として」と書かれています。
さらに細かい基準は施工技術検定規則の別表第一にあり、1級建築の第一次検定の施工管理法は「監理技術者補佐として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な応用能力を有すること。」、第二次検定は「監理技術者として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な知識を有すること。」と、主語が変わります(施工技術検定規則 別表第一)。1級土木の第二次検定も「監理技術者として、土木一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な知識を有すること。」です(同)。一次は補佐の立場、二次は監理技術者本人の立場で見られる、と整理すると違いが頭に入りやすいと僕は考えています。
種目は7つ、試験を行う機関は種目で3つに分かれる
検定種目は施行令第37条の表に、建設機械施工管理・土木施工管理・建築施工管理・電気工事施工管理・管工事施工管理・電気通信工事施工管理・造園施工管理の7つが並んでいます。「技術検定は、検定種目ごとに、一級及び二級に区分して行う。」(建設業法施行令 第37条第2項)。
試験を実際に行うのは国が指定した機関です。国土交通省は「技術検定は、下記の7種目、それぞれ1級と2級の区分があり、国土交通大臣の指定した試験機関が実施しています。」としたうえで、土木・管工事・電気通信工事・造園は全国建設研修センター、建築・電気工事は建設業振興基金、建設機械施工管理は日本建設機械施工協会と一覧にしています(国土交通省「技術検定試験について」)。受検の手引や合格発表を探すときは、自分の種目がどの機関かを先に押さえておくと迷いません。
二次に受かると「技士」を名乗れる
合格証明書については、国土交通大臣が交付すると定められています。「国土交通大臣は、第一次検定又は第二次検定に合格した者に、それぞれ合格証明書を交付する。」(建設業法 第27条第5項)。称号は政令で決まっていて、「法第二十七条第七項の政令で定める称号は、第一次検定に合格した者にあつては級及び検定種目の名称を冠する技士補とし、第二次検定に合格した者にあつては級及び検定種目の名称を冠する技士とする。」(建設業法施行令 第40条第1項)。一次で技士補、二次で技士という順番です。技士補の称号の付き方や合格証明書の手続きは、技士補の称号と証明書を整理した記事で扱っています。
旧「実地試験」との違いは名前だけではない。二次に知識問題が入った
今の第二次検定は、昔の実地試験を改名しただけのものではありません。令和3年度の制度改正で、学科と実地の中身そのものが組み替えられています。
令和3年4月1日に、学科・実地から一次・二次へ
国土交通省は改正の経緯をこう説明しています。「これまでの技術検定では、学科試験と実地試験の合格者を「技士」として称号を付与しておりましたが、今回の建設業法の改正により、第一次検定と第二次検定に再編成を行い、第一次検定の合格者を「技士補」(今回の改正により新設)、第一次検定及び第二次検定の両方の合格者に「技士」の称号を付与することとしました。」(国土交通省「技術検定制度の改正(令和3年4月1日施行)」)。施行日については「技術検定制度の見直し(建設業法第27条関係)に係る規定については令和3年4月1日に施行されました。これに伴い、令和3年度の技術検定より、新しい制度の下で試験が実施されます。」とあります(国土交通省「その他制度改正等経緯」)。
実地は能力問題で構成されていた。二次には知識問題が足された
中身の組み替えは、全国建設研修センターが改正前に出した案内にはっきり書かれています。「現行制度では、学科試験は知識問題、実地試験は能力問題で構成されていましたが、新制度では、第一次検定では、知識問題を中心に能力問題が追加され、第二次検定では、能力問題を中心に知識問題が追加されます。」(全国建設研修センター「施工管理技術検定の 令和3年度 制度改正について」)。この案内は同センターが実施する土木・管工事・電気通信工事・造園向けのものです。
建築と土木については、規則の条文側からも同じ構造が読めます。前の章で見たとおり、1級建築の第一次検定には「応用能力」の基準があり、第二次検定には「必要な知識を有すること」という知識の基準が入っています(施工技術検定規則 別表第一)。一次に能力、二次に知識が混ざる形になったわけです。
求められる水準は「同程度」とされている
では難しくなったのか。国土交通省の資料は、一次と二次を合わせた水準についてこう書いています。「第一次検定及び第二次検定の両方の合格に求められる水準は、原則として現行の技術検定に求められる水準と同程度」(国土交通省「技術検定制度の見直しについて」)。ここでいう「現行」は改正前の技術検定のことで、この資料は改正前に作られたものです。対象は一次と二次の両方を合わせた合格であって、二次だけの難しさを比べた文ではありません。
僕は、上司の世代の「実地試験」の話は、能力問題が中心という点では今の二次と重なる一方、二次に知識の問題が入った分だけ準備の範囲は変わった、と受け止めるのが妥当だと考えています。
二次には記述の設問が入る。種目と級で解答の形式が違う
この記事で受検の手引を確かめた建築と1級土木の第二次検定には、どれも記述で答える設問が入っています。1級土木は記述式の筆記試験で、1級建築と2級建築(建築種別)には、マークシートで答える知識の問題も入っています。
建築・土木の第二次検定の形式
| 種目・級 | 第二次検定の解答形式(手引の記載) | 試験時間 |
|---|---|---|
| 1級建築施工管理 | 「記述方式及びマークシート方式」。知識=五肢択一(マークシート方式)、能力=記述 | 13:00〜16:00 |
| 1級土木施工管理 | 「記述式による筆記試験」 | 13:15〜16:00 |
| 2級建築施工管理(建築種別) | 知識=四肢択一(マークシート)、能力=記述 | 14:15〜16:15 |
※出典:建設業振興基金 令和8年度 1級建築 受検の手引(旧受検資格用)p.30-31/全国建設研修センター 令和8年度 1級土木 受検の手引(第二次検定のみ・新受検資格)/建設業振興基金 令和8年度 2級建築 第二次検定のみ 受検の手引。いずれも確認日2026年10月13日
1級建築の手引は「第二次検定は、筆記試験です。」「解答は、記述方式及びマークシート方式です。」と明記しています(建設業振興基金 令和8年度 1級建築 受検の手引 p.30)。2級建築の第二次検定は建築・躯体・仕上げの3つの検定種別に分かれていて、表の行は建築種別の形式です(「建築施工管理に係る二級の第二次検定の検定種別は、建築、躯体及び仕上げとする」施工技術検定規則 第1条第3項)。電気工事・管工事などほかの種目の解答形式は、この記事では確かめていないので、自分の種目の受検の手引で見てください。
令和8年度の合格基準は、6種目で得点60%以上
国土交通省の「令和8年度技術検定の合格基準について」では、土木・建築・電気工事・管工事・電気通信工事・造園の6種目で、第二次検定は「得点が 60%以上」とされています。ただし、冒頭に「級及び第一次検定、第二次検定の別に応じて、次の基準以上の者を合格とするが、試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性がある。」という書き方がされています(国土交通省「令和8年度技術検定の合格基準について」)。60%は固定の約束ではなく、変わる余地が残された基準として読むのが正確です。
建設機械施工管理だけは形が違い、第二次検定が筆記と実技に分かれます。2級の実技は「受検した建設機械操作施工法の第 1 種から第 6 種までの種別について 得点が 70%以上」です(同)。
一次の側には、1級で施工管理法(応用能力)の基準が種目ごとに別に置かれています。その違いは一次と二次の合格率を分けて見た記事で比べています。
1級建築・1級土木の手引では、落ちたときに届くのはBかCの評定
1級土木の手引には、成績の区分が「A:合格(合格基準以上)/B:得点が40%以上合格基準未満/C:得点が40%未満」と書かれています(全国建設研修センター 令和8年度 1級土木 受検の手引)。1級建築の手引では、この成績は不合格者に不合格通知書で知らされ、合格者には通知しないとされています(建設業振興基金 令和8年度 1級建築 受検の手引 p.34)。通知される評定はBかCのどちらかなので、何点足りなかったかまでは分かりません。
1級建築では、記述の答え合わせもできません。1級建築の手引は「なお、解答形式が記述の設問は正答を公表いたしません。」としています(建設業振興基金 令和8年度 1級建築 受検の手引 p.33)。マークシートの設問は正答肢番号が公表されますが、記述は出題側の模範解答が出ない、という前提で準備することになります。
申込は3つの区分。1級建築では「第一次検定のみ」で出すと、受かってもその年の二次は受けられない
この記事でいちばん伝えたいのはここです。1級建築では、申込の区分を「第一次検定のみ」にすると、一次に受かっても同じ年度の二次には申請できません。申込の時点で区分を決めることになり、後から変えられません。
1級建築の3つの区分と、それぞれの制約
1級建築の受検の手引は、区分をこう説明しています。「1級建築施工管理技術検定は、第一次検定合格者及び一級建築士の方は第二次検定から受検ができます。受検申請の試験区分が、第一次検定のみ、第一次・第二次検定、第二次検定のみの、3つに分かれています。申請後、試験区分の変更はできませんので、以下ご確認ください。」(建設業振興基金 令和8年度 1級建築 受検の手引(旧受検資格用)p.33)。
区分ごとの制約は次のとおりです。
- 第一次・第二次検定(同時申請):「第一次検定の合格基準を満たさなかった場合、第二次検定は受検できません。」「第二次検定の受検資格を満たさなかった場合、第一次検定も受検できません。」(同 p.33)
- 第一次検定のみ:「第一次検定のみ受検申請 をした方は、合格を確認した後に、同年度の第二次検定の申請をすることはできません。」(同 p.1)
- 第一次検定のみを選ぶ自由:「既に第二次検定の受検資格を満たしている者であっても、第一次検定のみの受検をすることは可能です。」(同 p.33)
建設業振興基金のウェブページにも同じ趣旨の注記があり、こちらは「※第一次検定の合格を確認した後、同年の第二次検定へ受検申請をすることはできません。」という書き方です(建設業振興基金「1級建築施工管理技術検定」ページ・確認日2026年10月13日)。
二次の申請は、一次の試験より前に締め切られる
あわせて押さえておきたいのが申請の日程です。令和8年度の1級建築・電気工事の実施日程では、「2月13日(金)第一次検定・第二次検定申請受付開始」「2月27日(金)第一次検定・第二次検定申請受付締切」「4月 7日(火)第一次検定のみ申請受付締切」とされ、注記に「「第二次検定のみ」の申請期間は、上記の第一次検定・第二次検定申請期間と同一日程です。」とあります(建設業振興基金「令和8年度 建築及び電気工事施工管理技術検定実施日程」)。1級建築の第一次検定は7月19日、合格発表は8月25日なので、二次の申請受付は一次の試験日より前に閉じています。
同時申請で一次に受かった人には、手数料の払込みが残っています。「第一次・第二次同時に受検申請をした方のうち第一次検定に合格した方は、9月8日 ( 火 ) までに第二次検定の受検手数料を支払うことで、同年度の第二次検定を受検できます。」(建設業振興基金 令和8年度 1級建築 受検の手引 p.28 注2)。
一次と二次が同じ日の回は、一次が基準未満だと二次は採点されない
1級建築は一次(7月19日)と二次(10月18日)が別の日で、手引の書き方は、一次の基準を満たさなければ二次は「受検できません」というものでした。一方で、一次と二次を同じ日に行う回もあります。国土交通省の合格基準には、「第一次検定及び第二次検定を同日に受検した場合…第一次検定の得点が合格基準を満たさなかった者については、第二次検定の採点は行わないものとする。」というただし書があります(国土交通省「令和8年度技術検定の合格基準について」)。
2級建築がその例です。区分は「(1)第一次検定のみ(前期・後期実施)(2)第一次・第二次同時(後期のみ実施)(3)第二次検定のみ(後期のみ実施)」で、「※前期日程では、第二次検定は実施しません。」とされています(建設業振興基金「2級建築施工管理技術検定」ページ・確認日2026年10月13日)。令和8年度の2級建築・電気工事は、第一次検定(後期)と第二次検定の試験日がどちらも11月8日です(国土交通省「令和8年度 技術検定の概要(別添)」)。
区分と受検可否の文言は1級建築・2級建築の手引とページのものです。ほかの種目にも同じ制約があると言い切れる資料は、この記事では確かめていません。土木や管工事などを受ける人は、自分の種目の受検の手引で区分の注意書きを確かめてから申し込んでください。
一次合格者が二次を受けるには一次合格後の実務が要る。旧受検資格で新しく申し込めるのは令和10年度まで
令和6年度からの新しい受検資格では、一次に合格した人が二次を受けるには「一次に合格した後の実務経験」が要ります。1級建築の手引に「一級建築士の方は第二次検定から受検ができます」とあるように、種目によっては別の入口もあります。旧受検資格は経過措置で令和10年度まで使え、令和11年度以降は二次のみの再受検者に限って残ります。
1級は一次合格後の実務で数える
1級の第一次検定に合格した人が同じ種目の1級の第二次検定を受ける場合、施工技術検定規則第5条第1項の第1号〜第3号では、次のいずれかを求めています。第1号は「受検しようとする第二次検定と検定種目を同じくする一級の第一次検定に合格した後同検定種目に関し五年以上実務の経験を有する者」、第2号は特定実務経験「一年以上を含む三年以上実務の経験を有する者」、第3号は「監理技術者の行うべき職務を補佐する者として一年以上実務の経験を有する者」です(施工技術検定規則 第5条第1項)。同じ項にはこのほかの号もあるので、自分に当てはまる号を条文で確かめてください。
2級建築の例では、「建築施工管理に係る二級の第一次検定に合格した後受検しようとする検定種別に関し三年以上実務の経験を有する者」と、「建築施工管理に係る一級の第一次検定に合格した後受検しようとする検定種別に関し一年以上実務の経験を有する者」が並んでいます(施工技術検定規則 第5条第2項第3号イ・ロ)。級と種目をまたいだ受検資格の全体像は、1級と2級の違いと受検資格の変化をまとめた記事で整理しています。
経過措置は令和6〜10年度。令和11年度以降は再受検者だけ
旧受検資格の扱いは、施行令・規則・附則には見当たらず、国土交通省のQ&Aと試験機関の資料に書かれています。「令和6年度から令和10年度の技術検定では、制度改正前の受検資格要件による2次検定受検が可能です。なお、経過措置期間は、制度改正前の受検資格と制度改正後の受検資格のどちらでも2次検定受検が可能です。」(国土交通省「『施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令』等について」Q4/A4)。
その後については、1級建築の手引に「令和11年度以降は、旧受検資格は廃止されます。ただし、令和6年度から令和10年度までに「第二次検定のみ」の再受検対象者となっている者…は、令和11年度以降「第二次検定のみ」の再受検申請を行うことができます。」とあります(建設業振興基金 令和8年度 1級建築 受検の手引 p.2)。旧受検資格で新しく申し込めるのは令和10年度まで、と読むのが安全です。
一次合格の有効期限は、施行令と規則に定めが見当たらない
一次合格に何年で切れるといった期限があるかどうかは、建設業法施行令と施工技術検定規則の全文を確認した範囲では、定めの記載がありませんでした。受検の手引の記載は種目や申請区分ごとに違うので、自分が使う手引で確かめてください。
手がかりになる文言は、全国建設研修センターが令和3年度の制度改正を前に出した案内にあります。「新制度においては、第一次検定の合格者に対し「施工管理技士補」の資格が付与され、第二次検定合格者に対し「施工管理技士」の資格が付与されることになります。これらの資格は、両方とも一度取得すると、永久の資格となります。」(全国建設研修センター「施工管理技術検定の 令和3年度 制度改正について」)。これは土木・管工事・電気通信工事・造園を実施する機関の案内で、法令の定めとして書かれた文ではありません。
なお、旧制度の2級学科試験に合格したことで第一次検定が免除される扱いには、有効期限があります(建設業振興基金 令和8年度 2級建築 受検の手引 p.5)。これは新制度の一次合格とは別の話なので、旧学科の合格を持っている人は手引で年度を確かめてください。
令和7年度の二次の数字。1級土木は一次合格者と「二次のみ」で分けて公表された
令和8年度の第二次検定の合格率は、どの種目もまだ公表されていません(確認日2026年10月13日)。公表済みで最も新しいのは令和7年度です。その中で、この記事で確かめた資料では、1級土木だけが受検者と合格者を、今年度の一次合格者と二次のみの受検者に分けて出しています。
1級土木の令和7年度:合計と内訳
全国建設研修センターの発表では、1級土木の令和7年度の第二次検定は受検者数「24,667」、合格者数「9,603」、合格率「38.9%」でした(全国建設研修センター 令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 合格発表資料・令和8年1月9日)。別紙には内訳があり、「令和7年度の受検者数は24,667人(内訳は、今年度の第一次検定合格の受検者数7,176人と、第二次検定のみの受検者数17,491人)」「令和7年度の合格者数は9,603人(内訳は、今年度の第一次検定合格者数3,368人と、第二次検定のみの合格者数6,235人)」と書かれています(同)。
この2つの内訳から計算すると、今年度の一次合格の受検者は7,176人のうち3,368人が合格で46.9%(算出値)、二次のみの受検者は17,491人のうち6,235人が合格で35.6%(算出値)になります。同じ年度・同じ資料の中では、一次合格の受検者のほうが高い数字です。この差がなぜ生まれたかは、公表資料には書かれていません。同じ資料には「合格率は38.9%であり、令和6年度の合格率41.2%と比し、2.3%の減少。」ともあります(同)。
ほかの種目の令和7年度
ほかの種目は、確かめた資料に内訳が無いため、合計の数字だけを1行ずつ並べます。
- 1級建築:受検者数18,160名・合格者数7,091名。合格率の記載はなく、7,091÷18,160から計算すると約39.0%(算出値)。「令和8年1月25日に実施した臨時試験の結果を含む」数字です(建設業振興基金 令和7年度 1級建築 第二次検定 実施結果)
- 1級管工事:受検者数6,886・合格者数4,360・合格率63.3%(全国建設研修センター 令和8年3月4日発表)
- 1級電気通信工事:受検者数5,435・合格者数1,971・合格率36.3%(同)
- 1級造園:受検者数1,979・合格者数890・合格率45.0%(同)
- 2級土木(土木):受検者数21,111・合格者数11,341・合格率53.7%(全国建設研修センター 令和7年度 2級土木 第二次検定 合格発表資料)
種目と年度を並べた比べ方は、施工管理技士の難易度を合格率で比べた記事にまとめています。1年分の数字だけで種目の難しさを決めない方がよい、というのが僕の考えです。
令和8年度の二次はいつか。一次に受かったら最初に確かめること
令和8年度の第二次検定は、1級土木が10月4日に実施済みで、1級建築・電気工事は10月18日、1級管工事・電気通信工事・造園は12月6日です(確認日2026年10月13日)。下の表に並べた6つの区分の合格発表は、いずれも令和9年に入ってからです。
令和8年度の第二次検定の日程
| 種目・級 | 第二次検定の試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 1級土木 | 10月4日 | R9年1月8日 |
| 1級建築・電気工事 | 10月18日 | R9年1月8日 |
| 1級管工事・電気通信工事・造園 | 12月6日 | R9年3月3日 |
| 2級土木 | 10月25日 | R9年2月3日(第二次検定) |
| 2級建築・電気工事 | 11月8日 | R9年2月5日(第二次検定) |
| 2級管工事・電気通信工事・造園 | 11月15日 | R9年3月3日(第二次検定) |
※出典:国土交通省「令和8年度 技術検定の概要(別添)」。2級は第一次検定(後期)と同じ試験日。建設機械施工管理は筆記・実技で日程が別。確認日2026年10月13日
一次に受かったら、僕が先に確かめたいと考える3つ
一次に受かった直後に何から手を付けるかは人それぞれですが、僕は次の3つを先に確かめておくのがよいと考えています。
1つ目は、自分の種目の受検の手引で申込区分の注意書きを読むことです。1級建築のように「第一次検定のみ」で出すと同じ年度の二次に申請できない種目なら、来年度の申込でどの区分を選ぶかが、そのまま二次を受ける年を決めます。
2つ目は、一次合格後の実務経験を何年分数えられるかです。1級なら5年・特定実務経験を含む3年・補佐として1年のどれで二次に届くかで、受けられる年度が変わります。旧受検資格を使える人は、令和10年度までという期限も一緒に見ておきたいところです。
3つ目は、記述の答案を誰に見てもらうかです。1級建築の手引では記述の正答は公表されず、落ちても届くのはBかCの評定なので、自分の答案がどこで足りないのかを外から確かめる手段を先に用意しておく方が、準備の迷いは減ると思います。
種目別の二次の中身は、1級建築の二次検定対策、1級土木の二次検定対策、2級土木の二次検定対策でそれぞれ扱っています。
※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
【PR】二次検定の準備、ひとりで手探りのまま進めていませんか
一次に受かった直後は、何から手を付けるかで手が止まりがちです。独学の進め方に迷っているなら、独学サポート事務局の案内を一度のぞいて、いまの自分の進め方と見比べておくと、次の一手を決めやすくなると僕は考えています。
- 一次検定には受かったが、二次の勉強の始め方が決まっていない
- 記述の対策を、誰にも見てもらえないまま進めている
- 仕事の合間に、できるだけ遠回りせず準備したい
施工管理技士の二次検定に関する情報まとめ
- 二次検定とは:建設業法第27条第4項で、施工計画・工程管理・品質管理などの技術上の管理と指導監督に係る知識と能力を判定する検定。1級の二次の基準は規則で「監理技術者として」と書かれている
- 旧実地試験との違い:令和3年4月1日施行の改正で再編。実地は能力問題で構成されていたが、二次には知識問題が足された
- 形式と合格基準:確かめた建築・1級土木の二次には記述の設問が入り、1級建築・2級建築にはマークの知識問題もある。令和8年度は建設機械を除く6種目で第二次検定が得点60%以上。1級建築・1級土木の手引では、不合格者に届くのはB・Cの評定
- 申込の区分:1級建築は3区分で、第一次検定のみで出すと同年度の二次に申請できない。二次の申請は一次の試験日より前に締め切られる。同日実施の回は一次が基準未満だと二次は採点されない
- 受検資格と有効期限:一次合格者が二次を受けるには一次合格後の実務が要る(一級建築士など別の入口もある)。旧受検資格で新しく申し込めるのは令和10年度まで。一次合格の有効期限は施行令と規則に定めが見当たらない
- 令和7年度の数字:1級土木は38.9%。内訳から計算すると一次合格の受検者46.9%、二次のみの受検者35.6%(いずれも算出値)
- 令和8年度の日程:1級建築・電気工事の二次は10月18日、発表はR9年1月8日。一次に受かったら申込区分・実務年数・記述の添削先を確かめる
以上が施工管理技士の二次検定に関する情報のまとめです。
二次検定は、一次の延長にある試験というより、監理技術者や主任技術者として現場を回せるかを見る別の段の試験です。だからこそ、勉強を始める前に、自分の種目の手引で申込区分を確かめ、一次合格後の実務年数を数えておくことが、受かるまでの年数を左右すると僕は考えています。来年度の申込が始まる前に、この2つだけは片付けておくのが近道だと思います。技士補になった直後の手続きは技士補の称号の記事、受検資格の全体像は1級と2級の違いの記事から辿れます。
