漏電とは?原因、症状、調べ方、火災、対策など【電気屋が解説】

漏電とは?原因、症状、調べ方、火災、対策など【電気屋が解説】

  • 漏電って結局どういう現象なの?
  • うちのブレーカーが落ちるのは漏電?
  • 漏電の症状・サインを知りたい
  • 漏電って火災や感電につながるの?
  • 自分で漏電箇所を調べる方法は?
  • メガーやクランプメーターってどう使う?
  • 漏電遮断器とアースの関係が分からない
  • 漏電を防ぐにはどうすればいい?
  • 業者に頼むべきか自分で対応すべきか

上記の様な悩みを解決します。

漏電は、電気を扱う以上どんな現場・どんな家庭でも起こり得る、身近で、かつ命に関わるトラブルです。「ブレーカーが落ちた=とりあえず上げ直す」で済ませてしまいがちですが、漏電は感電や火災の前ぶれであることもあり、原因をきちんと切り分けることがとても大事です。今回は漏電の仕組み・原因・症状といった基本を押さえた上で、電気施工管理の目線で「自分でどこまで原因を絞れるか」「メガー・クランプメーターでの調べ方」「漏電遮断器とアースの本当の関係」「竣工・点検での予防」まで、現場で実際に効くポイントを網羅的に整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

漏電とは?

漏電とは、結論「電気が本来通るべき電線(回路)から外れて、外部に漏れ出して流れてしまう現象」のことです。

電線や電気機器は、電気が外に漏れないように、銅線などの導体のまわりを塩化ビニルやゴムといった「絶縁物」で覆っています。この絶縁物がしっかり機能している限り、電気は決められた道(回路)の中だけを流れます。ところが、絶縁物が経年で劣化したり、傷ついたり、水や湿気を含んだりすると絶縁性能が落ちて、電気が回路の外(機器の金属ケースや大地)へ漏れ出します。これが漏電です。

漏れた電気の行き先が問題で、人がその金属部分に触れれば人体を通って大地に流れ、感電します。建物の構造体や水を伝って流れれば、発熱して漏電火災の原因にもなります。つまり漏電は「電気の脱線事故」のようなもので、放っておくと感電・火災という重大な結果につながるわけです。

僕の感覚だと、漏電は「絶縁が負けた状態」と捉えると一気に分かりやすくなります。電気を安全に使えているのは、絶縁という見えない壁が電気を閉じ込めてくれているからで、漏電対策の話は突き詰めると「いかに絶縁を保つか」という一点に集約されます。電気屋として現場でやっている絶縁抵抗測定も、要はこの壁がまだ機能しているかを数字で確かめる作業なんです。

漏電が起こる仕組み(絶縁不良)

漏電の根っこにあるのは、ほぼ例外なく「絶縁不良」です。

健全な状態では、電線の「行き(電圧側)」と「帰り(中性線側)」を流れる電流は同じ量で、外には1mAも漏れていません。ところが絶縁が低下すると、電流の一部が大地側へ逃げ、行きと帰りの電流に差が生まれます。この差が「漏れ電流(漏えい電流)」で、漏電の正体です。

絶縁不良が起きる典型的な流れは次の通りです。

段階 起きていること
① 健全 絶縁物が電気を回路内に閉じ込めている
② 劣化 経年・熱・水分・傷で絶縁物の性能が低下
③ 漏れ電流発生 電流の一部が大地側へ逃げ始める(数mA〜)
④ 進行 漏れ電流が増大し、発熱・感電リスクが上昇
⑤ 事故 漏電遮断器が動作、または感電・漏電火災

電気の世界では、この絶縁の良し悪しを「絶縁抵抗」という数値で表します。抵抗が高いほど電気が漏れにくく、低いほど漏れやすい。漏電とは「絶縁抵抗が下がりすぎて、漏れ電流が無視できない量になった状態」と言い換えられます。具体的な基準値は後ほど「漏電の調べ方」で触れます。

僕としては、漏電を「ある日突然壊れるもの」ではなく「じわじわ進行するもの」と理解しておくのが大事だと思っています。だからこそ、症状が出てから慌てるより、定期的に絶縁を測って劣化の進み具合を把握しておくほうが、現場でも家庭でもよっぽど安全なんです。

漏電の主な原因

漏電の原因は色々ありますが、現場でも家庭でも遭遇するものを整理すると、だいたい次の6つに集約されます。

原因 内容 起きやすい場所
絶縁物の経年劣化 被覆が硬化・ひび割れして絶縁性能が低下 古い建物・古い配線
水濡れ・湿気 雨漏り・結露・浸水で絶縁が低下 屋外機器・水回り・地下
ケーブルの損傷 釘打ち・重量物・施工時の傷で被覆が破れる 壁内・天井裏・埋設部
小動物の被害 ねずみなどが配線をかじって被覆が破れる 天井裏・倉庫・古い建物
トラッキング コンセントのホコリ+湿気で絶縁破壊・発火 家具裏のコンセント・冷蔵庫裏
塩害・粉じん 塩分や導電性のホコリが絶縁面に付着 海沿い・工場

特に注意したいのが「水濡れ」と「トラッキング現象」です。雨漏りで配線や照明器具が濡れると、一気に絶縁が落ちて漏電します。雨の日だけブレーカーが落ちる、という症状はこの典型です。トラッキング現象は、コンセントとプラグの隙間にたまったホコリが湿気を吸い、そこを電気が伝って絶縁が破壊され、最終的に発火に至るもので、家具の裏など人目につかない場所で進行するのが怖いところです。

施工管理・電気屋の目線で付け加えると、新築・改修の現場で意外と多いのが「施工時の損傷」です。ケーブルを通すときに無理に引っ張って被覆を傷つけたり、ビス打ちで配線を貫いてしまったり。だから僕の感覚だと、竣工時の絶縁抵抗測定は「施工の最終チェック」でもあって、ここで数値が出ないと「どこかで傷つけたな」と原因を探しにいく、という流れになります。

漏電のサイン・症状

漏電は目に見えませんが、いくつかのサインで気づけます。次のような症状が出ていたら、漏電を疑ったほうがいいです。

症状 何が起きているか
ブレーカー(漏電遮断器)が頻繁に落ちる 漏れ電流を検知して回路を遮断している
機器や金属部に触れるとピリッとする 漏れた電気が人体を通って大地へ流れている
電気代が急に上がった 漏れた電気が無駄に消費されている可能性
焦げ臭い・コンセントが熱い 絶縁破壊やトラッキングで発熱している
雨の日に限って電気が不調になる 水濡れで絶縁が低下している

この中でも「触れるとピリピリする」は、すでに人体に漏れ電流が流れている危険なサインなので、すぐに使用をやめるべき状態です。「電気代が上がる」は意外と見落とされがちですが、漏れ続けている電気はメーターを回してしまうので、原因不明の電気代上昇は漏電チェックのきっかけになります。

ただ、ひとつ知っておいてほしいのは、漏電していても漏電遮断器が落ちない場合があるということです。これはアース(接地)が正しく取れていない機器で起こります。理由は後述しますが、「ブレーカーが落ちていないから漏電していない」とは言い切れない、という点は頭の片隅に置いておいてください。

僕としては、これらのサインは「絶縁が悲鳴をあげている合図」だと捉えています。1つでも当てはまったら、上げ直して終わりにせず、次に説明する「調べ方」で原因を切り分けにいくのが正解です。

漏電の危険性(感電・火災・電気代)

漏電を放置すると、大きく3つのリスクがあります。

ひとつ目は感電です。漏電している金属部に人が触れると、人体が電気の通り道になって大地へ電流が流れます。電流の大きさと時間によっては、しびれだけでなく、心臓に影響して命に関わることもあります。濡れた手や濡れた床では人体の抵抗が下がるので、より危険になります。

ふたつ目は漏電火災です。漏れた電流が建物の金属部や水分を伝って流れると、その経路で発熱します。微小な漏れでも長時間続けば、ホコリや木材を発火させるだけの熱になります。前述のトラッキング現象は、まさに漏電が火災に直結する代表例です。消防の統計でも、電気を原因とする火災は毎年一定数発生しており、漏電・トラッキングはその主要因のひとつです。

3つ目は電気代の無駄です。命に関わる前2つに比べると軽い話ですが、漏れている電気はそのまま料金として計上されてしまいます。

リスク 深刻度 特徴
感電 高(命に関わる) 濡れていると危険度が跳ね上がる
漏電火災 高(命・財産に関わる) 微小な漏れでも長時間で発火
電気代増加 気づきにくいが確実に損失

僕の感覚だと、漏電の本当の怖さは「軽症のうちは気づきにくいのに、進行すると一気に命に関わる」という非対称さにあります。だからこそ、症状が軽いうちに対処することと、症状が出る前に予防することの両方が大事になります。

漏電の調べ方・原因の特定方法

ここがこの記事の核心で、競合の解説でも一番ふわっとしがちな部分です。漏電の調べ方を「自分でできること」と「電気屋の道具を使うこと」に分けて、現場でやっている手順で説明します。

① 漏電遮断器で回路を切り分ける(自分でできる)

まず、分電盤を開けて漏電遮断器(後述)が落ちていないか確認します。落ちている場合は、次の手順でどの回路が原因かを絞り込めます。

  1. 漏電遮断器(主幹)と、すべての子ブレーカー(分岐)をいったんOFFにする
  2. 漏電遮断器をONにする(この時点では落ちない)
  3. 子ブレーカーを1つずつONにしていく
  4. ある子ブレーカーをONにした瞬間に漏電遮断器が落ちたら、その回路が漏電している

この方法なら、専用工具がなくても「どの部屋・どの系統が怪しいか」までは自分で特定できます。分電盤の見方そのものは分電盤とは?も参考になります。

② 絶縁抵抗計(メガー)で測る(電気屋の道具)

漏電回路を特定したら、電気屋は絶縁抵抗計(通称メガー)で絶縁抵抗値を測ります。回路を停電させ、電線と大地の間の絶縁抵抗を測定して、基準値を満たしているかを確認します。

絶縁抵抗の基準値は、電気設備技術基準で次のように定められています(低圧回路の場合)。

電路の使用電圧(対地電圧) 絶縁抵抗値
150V以下(一般的な100V回路) 0.1MΩ以上
150V超〜300V以下 0.2MΩ以上
300V超 0.4MΩ以上

この値は「漏れ電流を1mA以下に抑える」という考え方から逆算されたものです。たとえば100Vで漏れ電流を1mA以下にするには、オームの法則から100V÷0.001A=0.1MΩの絶縁抵抗が必要、という具合です。逆に言うと、絶縁抵抗が基準を下回っている回路は、漏電している(しかけている)と判断できます。絶縁関連の試験は絶縁耐力試験とは?もあわせて読むと理解が深まります。

③ クランプメーターで活線のまま漏れ電流を測る

停電できない設備(工場や店舗など)では、クランプメーター(漏れ電流計)を使って、電気を流したまま漏れ電流を測ります。電線をクランプ(挟む)して、行きと帰りの電流の差=漏れ電流を読み取る方法です。配線を順番に挟んでいき、漏れ電流が大きく出た回路が漏電箇所、という絞り込みができます。

道具 測定対象 停電の要否 主な使い手
漏電遮断器の切り分け 漏電回路の特定 一部停電 自分でも可
絶縁抵抗計(メガー) 絶縁抵抗値 要停電 電気工事士
クランプメーター 漏れ電流(活線) 不要 電気工事士

僕としては、自分でやるのは①の回路切り分けまで、と割り切るのが安全だと思っています。メガーやクランプは数値の読み方や安全手順の知識が前提なので、回路を特定したら無理せず電気工事士に引き継ぐのが現実的です。なお、絶縁抵抗測定や漏れ電流測定は電気工事士など有資格者が行う作業である点も押さえておいてください。

漏電遮断器(ELB)の役割と仕組み

漏電対策の主役が「漏電遮断器(ELB/漏電ブレーカー)」です。

漏電遮断器は、回路の「行き」と「帰り」の電流を常に比べていて、その差(=漏れ電流)が一定量を超えた瞬間に回路を遮断します。健全な回路なら行きと帰りは同じですが、漏電すると差が生まれるので、それを検知して電気を止める仕組みです。

感電防止を目的とした一般的な漏電遮断器は、定格感度電流30mA以下・動作時間0.1秒以内の「高感度・高速形」が使われます。漏れ電流が30mAに達しても0.1秒以内に遮断できれば、人体への重大な危害を避けられる、という考え方に基づいています。

項目 一般的な仕様(感電保護用)
定格感度電流 30mA以下(高感度形)
動作時間 0.1秒以内(高速形)
主な役割 漏電による感電・火災の防止

注意したいのは、配線用遮断器(いわゆる普通のブレーカー)と漏電遮断器は役割が違うということです。配線用遮断器は「使いすぎ(過電流・短絡)」から守るもの、漏電遮断器は「漏電」から守るもの。両方が分電盤に入っていて、それぞれ別の事故を防いでいます。

なお、高圧の受変電設備(キュービクルなど)では、漏電(地絡)を検出するために地絡継電器という専用のリレーが使われます。仕組みは地絡継電器とは?で詳しく解説しています。高圧設備そのものについてはキュービクルとは?も参考にしてください。

僕の感覚だと、漏電遮断器は「最後の砦」であって「漏電を防ぐもの」ではない、という理解が大事です。遮断器が守ってくれるのはあくまで事故が起きた瞬間で、漏電そのものをなくすには、次に説明するアースと日頃の絶縁管理が欠かせません。

漏電とアース(接地)の関係

漏電とセットで必ず理解しておきたいのがアース(接地)です。

アースとは、機器の金属ケースなどを電線で大地につないでおくことです。これがあると、漏電したときに漏れた電気の大部分がアース線を通って大地へ逃げてくれます。結果として、人が触れても人体に流れる電気が減り、感電のリスクが大きく下がります。

そしてもうひとつ重要なのが、アースは漏電遮断器を正しく動作させるためにも必要だということです。漏電遮断器は漏れ電流を検知して動きますが、アースがないと漏れた電気の逃げ道がなく、機器の金属部に電気がたまったまま(充電状態)になって、遮断器が検知できないことがあります。先ほど「漏電していても遮断器が落ちないことがある」と書いたのは、まさにこのケースです。

状態 漏電時の挙動
アースあり+漏電遮断器あり 漏れ電流が大地へ流れ、遮断器が検知して即遮断(最も安全)
アースなし+漏電遮断器あり 逃げ道がなく充電状態に。人が触れて初めて電流が流れ、危険
アースなし+漏電遮断器なし 漏電に気づけず、感電・火災のリスク大

だからこそ、洗濯機・電子レンジ・エアコンなど水回りや大型家電は、必ずアース付きコンセントにつなぐことが推奨されます。アースの効きを数値で確かめるには接地抵抗を測りますが、これは接地抵抗計とは?で解説しています。

僕としては、「漏電遮断器とアースはセットで初めて意味がある」というのを一番伝えたいです。どちらか片方では守りきれません。現場で受電前にアースの導通と接地抵抗をきっちり確認するのも、この2つをセットで機能させるためなんです。

漏電の対処法・予防策

最後に、漏電が起きたときの対処と、起こさないための予防を整理します。

漏電が起きたときの対処

  1. 漏電遮断器が落ちたら、前述の手順で漏電している回路を特定する
  2. その回路の機器(特に水回りや古い家電)をコンセントから抜く
  3. 機器を外した状態で遮断器がリセットできれば、その機器が原因の可能性が高い
  4. 配線そのものが原因と疑われる場合や、原因が特定できない場合は、無理せず電気工事士・電気業者に依頼する

濡れている箇所が原因と思われる場合、絶対に濡れた手で触らないこと。感電の危険があるので、ブレーカーを切ってから対応します。

漏電を予防する

  • アース付きコンセントを使い、対応機器は必ずアースをつなぐ
  • 水回りの機器・屋外機器は防水・防湿に気をつける
  • コンセントまわりのホコリをこまめに掃除する(トラッキング対策)
  • たこ足配線や被覆の傷んだコードを使い続けない
  • 古い建物・設備は定期的に絶縁抵抗を測定して劣化を把握する

施工管理・電気屋の立場で強調したいのは、最後の「定期的な絶縁抵抗測定」です。漏電は症状が出てからでは手遅れになりかねないので、竣工時はもちろん、運用が始まってからも定期点検で絶縁の数値を追いかけ、基準値に近づいてきた設備は症状が出る前に手を打つ。これが現場でいちばん効く予防です。

僕の感覚だと、予防の本質は「絶縁を劣化させない環境づくり」と「劣化を早めに見つける仕組み」の2つです。水・湿気・ホコリを避けることと、定期的に測ること。この地味な積み重ねが、感電や火災という最悪の結果をいちばん確実に遠ざけてくれます。

漏電に関する情報まとめ

  • 定義:電気が本来の回路から外れて外部に漏れ出す現象(絶縁が負けた状態)
  • 仕組み:絶縁不良で行きと帰りの電流に差が生まれ、漏れ電流が発生する
  • 主な原因:絶縁劣化/水濡れ・湿気/ケーブル損傷/小動物/トラッキング/塩害・粉じん
  • 症状:ブレーカーが落ちる/触るとピリピリ/電気代上昇/焦げ臭い/雨の日に不調
  • 危険性:感電・漏電火災・電気代の無駄。軽症では気づきにくく、進行すると命に関わる
  • 調べ方:①漏電遮断器で回路切り分け(自分でも可)②メガーで絶縁抵抗測定③クランプで漏れ電流測定
  • 絶縁抵抗の基準値:100V回路で0.1MΩ以上、漏れ電流は1mA以下が原則
  • 漏電遮断器:感電保護用は定格感度30mA以下・動作0.1秒以内が標準。漏電を防ぐのではなく最後の砦
  • アース:漏れ電流を大地へ逃がし、漏電遮断器を正しく動作させるために必須。遮断器とセットで機能
  • 対処:漏電回路を特定→機器を外す→特定できなければ電気工事士へ依頼
  • 予防:アース接続/防水防湿/ホコリ掃除/傷んだコードを使わない/定期的な絶縁抵抗測定

以上が漏電に関する情報のまとめです。

漏電は「ブレーカーを上げれば終わり」のトラブルではなく、感電・火災という重大な事故の入り口です。大事なのは、サインに気づいたら原因を切り分けること、漏電遮断器とアースをセットで機能させること、そして症状が出る前に絶縁を測って予防することの3つ。自分でできるのは回路の切り分けまでと割り切り、危ないと感じたら無理せず電気工事士に頼る。この線引きができれば、漏電とは安全に付き合っていけるはずです。

漏電に関するよくある質問

Q1:漏電ブレーカーが落ちたら、まず何をすればいいですか?

あわてて上げ直す前に、原因の回路を特定しましょう。すべての子ブレーカーをOFFにしてから漏電遮断器をON、その後に子ブレーカーを1つずつONにしていき、漏電遮断器が落ちた瞬間の回路が漏電箇所です。特定できたらその回路の機器をコンセントから抜き、機器が原因か配線が原因かを切り分けます。配線が原因と疑われる場合や特定できない場合は、電気工事士に依頼してください。

Q2:漏電しているのにブレーカーが落ちないことはありますか?

あります。アース(接地)が取れていない機器では、漏れた電気の逃げ道がなく、漏電遮断器が漏れ電流を検知できないことがあります。この状態だと、人が金属部に触れて初めて電流が流れる=感電して気づく、という危険な状況になりかねません。だからこそ、アースと漏電遮断器はセットで備えることが重要です。

Q3:漏電を自分で調べることはできますか?

漏電遮断器を使った「どの回路が漏電しているか」の切り分けまでは、専用工具がなくても自分でできます。ただし、絶縁抵抗計(メガー)やクランプメーターを使った数値測定は、安全手順と読み方の知識が前提で、電気工事士など有資格者が行う作業です。回路を特定したら、無理せず専門業者に引き継ぐのが安全です。

Q4:絶縁抵抗はどのくらいの値があれば大丈夫ですか?

一般的な100V回路(対地電圧150V以下)なら0.1MΩ以上が法的な基準です。150V超〜300V以下で0.2MΩ以上、300V超で0.4MΩ以上と定められています。これは漏れ電流を1mA以下に抑えるという考え方から決められた値です。なお、病院や重要設備など安全性が求められる場所では、基準ぎりぎりではなく1MΩ以上を目安にすることが望ましいとされています。

Q5:漏電遮断器と普通のブレーカーは何が違うんですか?

役割がまったく違います。普通のブレーカー(配線用遮断器)は、電気の使いすぎ(過電流)やショート(短絡)から回路を守るものです。一方、漏電遮断器(ELB)は、漏電による漏れ電流を検知して感電や火災を防ぐものです。分電盤には両方が入っていて、それぞれ別の事故から守っています。

Q6:漏電を予防するにはどうすればいいですか?

ポイントは「絶縁を劣化させない」ことと「劣化を早く見つける」ことの2つです。具体的には、アース付きコンセントを使う、水回り・屋外機器の防水防湿に気をつける、コンセントのホコリを掃除する(トラッキング対策)、傷んだコードやたこ足配線を避ける、そして古い設備は定期的に絶縁抵抗を測定して劣化を把握する、という対策が有効です。

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