ダイオードとは?仕組み、記号、種類、特性、電圧降下など

  • ダイオードってなに?
  • 仕組みって?
  • 記号を見たい
  • 種類はどんなものがあるの?
  • 特性は?
  • 電圧降下について知りたい

上記のような悩みを解決します。

ダイオードは電気回路には無くてはならない存在です。

今では数多くの電気機器にダイオードが使用されていますので、電気に関わる仕事をするならダイオードに対する理解は必須です。

この記事ではダイオードとは?といったところから、仕組み、記号、種類、特性、電圧降下について解説していきます。

なるべく専門用語を使わずに分かりやすく解説していくので、初心者の方でも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう。

 

ダイオードとは?

ダイオードとは、結論「電気を一方向にしか流れないようにする素子のこと」です。

電気には直流電流と交流電流があります。直流電流は時間によって大きさが変化しませんが、交流電流は時間によって変化します。サインカーブのようにプラスとマイナスになります。

プラスになるになるということは順方向に電気が流れるということであり、マイナスになるということは逆方向に電気が流れるということです。

電気回路にダイオードを挟むことにより、順方向のみの電気を流すことができます。

「整流作用」といったりしますが、電気を整える役割を持つのがダイオードです。他にも下記のような役割を果たします。

ダイオードの役割

  • 音声信号を通す
  • 発光する
  • 電圧を制御する
  • 電流を変換する
分類としては「半導体」に分類されます。

電子部品には「導体」「半導体」「絶縁体」の3種類がありまして、簡単に言えば「いかに電気を通しやすいか?」によってカテゴライズされています。

導体は最も電気を流しやすいもので、電線やケーブルなどが挙げられます。金属でできているので、見るからに電気を通しやすそうですよね。

絶縁体は電気を通しにくいものです。具体例としてはゴム等が挙げられます。エネルとルフィが戦った時、電気がゴム人間に通用しなかったのをイメージすれば分かりやすいかもしれません。

導体と絶縁体の間に位置するのが半導体です。

要するに電気を通したり通さなかったりする素子になります。順方向は通し、逆方向は通さないのがダイオードです。電気を制御するのに役立つ為、様々な電子機器に採用されています。

 

ダイオードの仕組み

ダイオードの仕組みは、結論「p型半導体とn型半導体の組み合わせ」です。

簡単なイメージとしては、p型半導体はプラスでn型半導体はマイナスだと考えましょう。基本的に電気はプラスからマイナスに流れますよね。つまり、電気はp型半導体からn型半導体へと流れます。

逆に、電気はマイナスからプラスへと流れませんよね。同様にn型半導体からp型半導体へと流れることはありません。

p型半導体の方を「アノード」、n型半導体の方を「カソード」と呼びます。

急に訳分からない英単語が出てきて混乱するかもしれませんが、別に難しくないです。アノード(anode)は陽極、カソード(cathode)は陰極を指します。要するにプラスかマイナスかという話です。

電気はプラスからマイナスに流れます。つまり、アノードからカソードへと流れていきます。

ちなみに、ダイオードを少し変化させたものでサイリスタというものがあります。

サイリスタは一言で言うと、ダイオードにゲート端子を加えたものです。ゲートは直訳すると「門」ですよね。要するにスイッチのように、電路をオンオフできるのがサイリスタです。

 

ダイオードの記号

ダイオードの記号は上図に示す通りです。

「A」と書いてあるのがアノードでして、「C」と書いてあるのがカソードです。アノードからカソードへと電気は流れるので、矢印のような記号になっていますね。

サイリスタにはゲート端子(G)が加えられており、トライアックには双方向のゲート端子が加えられていますね。電気回路に出てくるので覚えておきましょう。

 

ダイオードの種類

ダイオードの種類

  • シリコンダイオード
  • スイッチングダイオード
  • 発光ダイオード
  • ショットキーバリアダイオード
ダイオードには上記のような種類があります。それぞれ解説していきます。

 

シリコンダイオード

シリコンダイオードは最も一般的なダイオードです。

またの名を「pnダイオード」と呼びます。シリコンでできているため、耐久性に優れます。ダイオードと言われたらまず想像するのがシリコンダイオードです。

主に整流目的で使われており、電気を一方向にのみ流すことが目的です。

 

発光ダイオード

発光するダイオードのことを「発光ダイオード」と呼びます。

電気が流れているときは発光し、電気が流れていない時は発光しません。電気が流れているか否かをパッと見ただけで理解できる訳です。

パソコンの電源ランプなどに使用されています。

 

スイッチングダイオード

スイッチング回路に利用されるシリコンダイオードのことを「スイッチングダイオード」と呼びます。

高速でのスイッチングが可能です。

 

ショットキーバリアダイオード

金属と半導体を接合したものを「ショットキーバリアダイオード」と呼びます。

名前の由来ですが、金属と半導体を接合することをショットキー接合と呼ぶんです。だからこそのショットキーバリアダイオードという訳です。

基本時にダイオードはp型半導体とn型半導体の組み合わせですから、構造は全く異なります。

 

ダイオードの特性

ダイオードの特性は上図に示す通りです。

まず大枠の考え方として、ダイオードには「順方向特性」と「逆方向特性」があります。

順方向特性はプラスからマイナス、アノードからカソードへと電気を流した時の特性です。VI特性ですから、流した電圧に対してどのような電流が出力されるか?といった話になります。

図を見ると、ある一点を超えると急激に電流が大きくなっていますよね。

この急激に電流が変化する際の電圧を、順方向電圧と呼びます。順方向電圧は下記のような要因によって変化します。

順方向電圧が変化する要因

  • 温度
  • ダイオードの種類
  • 電流の大きさ

逆方向特性についてですが、ダイオードに対して逆方向で電圧をかけても電流は大きく流れません。電流が流れたらダイオードの意味がありませんから当然です。

こちらもよく見ると、ある一点を境に、急激に電流が変化していますよね。

この時の電圧を降伏電圧と呼びますが、これは要するにダイオードが破壊されている状態です。

 

ダイオードの電圧降下

ダイオードを電気回路で使うと、電圧降下が発生します。

電圧降下とは、要するに電圧が降下することです。電圧は「水の高さ」に表現されることが多いですが、水の高さが低くなるのが電圧降下です。

簡単なイメージ、ダイオードで電気を使ってしまうんです。

具体的に、ダイオードは0.6V程度の電圧降下が発生します。

例えば100Vの電池を利用するとしたら、ダイオードを通過した時には99.4Vになってしまったりします。電気の計算をしていく上では、ダイオードの電圧降下を考慮しなければなりません。

そこで先ほどのダイオードVI特性の表が役立ちます。

表を見ることにより、○Aの時に○Vの電圧降下が発生するということが分かりますよね。ダイオードによって数値は変わりますから一概には言えませんが、このような電圧降下の計算をします。

 

ダイオードに関する情報まとめ

ダイオードに関する情報まとめ

  • ダイオードとは:電気を一方向にしか流れないようにする素子のこと
  • ダイオードの仕組み:p型半導体とn型半導体の組み合わせ
  • ダイオードの記号:上図参照
  • ダイオードの種類:シリコン、スイッチング、発光、ショットキーバリア
  • ダイオードの特性:上図参照
  • ダイオードの電圧降下:上章参照

以上がダイオードに関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

ダイオードに似た素子で、サイリスタとトライアックというものもあります。似てはいますが明確に異なるものですので、違いについて理解しておきましょう。

下に分かりやすくまとめた記事を貼っておきますので、よかったら読んでみてください。

それでは。