- OAフロアって結局なに?フリーアクセスフロアと何が違う?
- 置敷式と支柱式、どっち選べばいい?
- 高さ50mm/100mm/150mm/200mm、選定基準は?
- 配線量と高さの関係、ざっくり教えて
- 電源とLAN、床下で同じルートに敷設していい?
- パネルの耐荷重「3000N」「5000N」、どっち選ぶ?
- 樹脂製とスチール製の違い、現場でどう判断?
- 施工順序って、どこまで電気側が立ち会う?
- フロアコンセントとアウトレットの納まり、誰が決める?
- 改修案件で既存OAフロア活かせる?
- データセンターのOAフロア、何が違う?
- パネル割りで端部が30mmになった、切断する?
- スロープ・段差処理、どこまでが施工管理の責任?
- メーカー(センクシア・コクヨ・イトーキ・ナカ)の違いは?
- 上棟前のフロア高さ決定、いつまでに確定すべき?
上記の様な悩みを解決します。
OAフロアはオフィスビル・データセンター・コールセンター・大型商業の電気工事で頻繁に出会う「床の二重構造」で、電気施工管理として「フロアコンセントの位置決め」「配線ルート計画」「LAN/電源の取り合い調整」「高さ選定」が現場の主要論点になります。総合電工メーカー・大手ゼネコン電気部の中堅施工管理として「OAフロアの配線敷設で躓いた」「下地パネルの選定で迷う」「フリーアクセスフロアとの違いを質問されて困った」「データセンター案件で耐荷重5000Nが必要と言われたけど根拠が分からない」というケースが多い領域。今回は定義・種類・高さといった基礎を押さえた上で、現役の電気施工管理経験者目線で「2種類の選定マトリクス」「電源とLANの分離配線ルール」「JAFA耐荷重規格の使い分け」「改修案件での既存活用判断」「メーカー横断比較」など、明日の打合せ・現場検査で使えるレベルまで落とし込みました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
OAフロアとは?
OAフロアとは、結論「オフィス床面の上にパネルを敷いて二重構造にし、床とパネルの間にできた空間に電源・LAN・電話などの配線を収納する床システム」のことです。読みは「オーエーフロア」、別名「フリーアクセスフロア」「二重床(にじゅうゆか)」「上げ床」とも呼びます。
OAは「Office Automation(オフィスオートメーション)」の略で、PCやプリンタ等のOA機器の配線を床下に収納する目的で1980年代に普及した床仕様。現在はオフィスだけでなく、データセンター・コールセンター・店舗・教室・研究所など、配線量の多いあらゆる施設で標準的に使われています。
主な用途は以下の通り。
| 施設 | 採用率 | 主な目的 |
|---|---|---|
| オフィスビル | ◎(標準) | 電源・LAN・電話配線 |
| データセンター | ◎(必須) | サーバー配線・空調吹出し |
| コールセンター | ◎(標準) | 大量PC・電話配線 |
| 大型商業施設 | ○ | 店舗エリアの配線 |
| 教育施設 | △ | タブレット・PC配線 |
| 住宅 | × | 採用稀 |
フリーアクセスフロアとOAフロアは厳密には「フリーアクセスフロア」が上位概念で、その中でもオフィス向けに最適化されたのがOAフロアという位置づけ。ただし現場では同義で使われることが多く、施工管理として「フリーアクセスフロア=OAフロア」と理解しておけば日常会話に支障はありません。
| 名称 | 意味 | 主な使われ方 |
|---|---|---|
| フリーアクセスフロア | 床下に配線・空調を収納する二重床の総称 | 広義(オフィス+データセンター+商業) |
| OAフロア | オフィス向けに特化したフリーアクセスフロア | 狭義(オフィス中心) |
| 二重床 | 構造的な二重構造(広義) | 住宅の置床も含む |
| 上げ床 | 床面を持ち上げる構造の総称 | 大型建築・舞台等 |
関連する床材・床仕様はこちら。



僕としては、OAフロアを「電気施工管理にとって最も気を遣う『床』」と捉えると役割が一気に明確になります。配線量・配線ルート・将来の改修対応・耐荷重・高さ・コンセント位置など、決めるべき項目が10以上ある。これを設計事務所・意匠側・電気側で分担しながら決めるのが施工管理の腕の見せ所です。
OAフロアの種類(2大分類+素材別)
OAフロアは「置敷式」と「支柱式」の2大分類があり、それぞれに素材別(樹脂製/スチール製/アルミ製)のバリエーションがあります。
種類①:置敷式(パネル一体型)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 構造 | パネルと支柱が一体化、置くだけで完成 |
| 高さ | 50〜100mm(低め) |
| 耐荷重 | 3000N程度 |
| 施工性 | ◎(早い・安い) |
| 配線量 | 少〜中 |
| 改修 | ◎(個別パネル取外し容易) |
置敷式はさらに「簡易型(パネル下空間に配線)」と「溝配線型(パネル内の溝に配線)」に分かれます。
| タイプ | 配線収納方法 | 高さ目安 |
|---|---|---|
| 置敷式 簡易型 | パネル下の空間に自由配線 | 50〜70mm |
| 置敷式 溝配線型 | パネル内の溝に整列配線 | 50〜70mm |
種類②:支柱式(パネル分離型)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 構造 | 支柱とパネルが別、支柱で高さ調整 |
| 高さ | 100〜500mm(自由設定) |
| 耐荷重 | 3000〜6000N |
| 施工性 | △(時間とコストがかかる) |
| 配線量 | 中〜大 |
| 改修 | ○(パネル取外し可能) |
支柱式はさらに「ボルト固定式」「アジャスター式」に分かれ、レベル調整の精度・コストが変わります。
| タイプ | レベル調整 | 主用途 |
|---|---|---|
| ボルト固定式 | 高精度 | データセンター・精密機器設置 |
| アジャスター式 | 中精度 | 一般オフィス |
素材別の特徴
| 素材 | 耐荷重 | 遮音 | 単価 | 主用途 |
|---|---|---|---|---|
| 樹脂製(PP・PVC) | 低〜中 | △ | 安 | 一般オフィス |
| スチール製 | 中〜高 | ◎ | 中 | データセンター・コールセンター |
| アルミ製 | 中 | ○ | 高 | 軽量化要求・改修 |
| 木質・パーティクル | 低 | ◎ | 中 | 意匠優先・遮音優先 |
| セメント系 | 高 | ◎ | 高 | 高耐荷重・防火 |
選定の意思決定フロー
電気施工管理として実務で使える選定フローは以下。
Step 1: 配線量はどのくらい?
└ 少(一般オフィスPC配線)→ 置敷式50〜70mm
└ 中(大量PC+プリンタ)→ 置敷式100mm or 支柱式100mm
└ 大(サーバー・大規模通信)→ 支柱式150mm以上
Step 2: 耐荷重要求は?
└ 一般歩行(〜3000N)→ 樹脂製 or アルミ製
└ 重量機器設置(〜5000N)→ スチール製
└ サーバーラック(5000N超)→ スチール製+特注支柱
Step 3: 改修頻度は?
└ 高い(年1回以上のレイアウト変更)→ 置敷式(パネル取外し容易)
└ 中(5年に1回)→ 支柱式アジャスター式
└ 低(10年スパン)→ 支柱式ボルト固定式
Step 4: 予算は?
└ コスト優先 → 置敷式樹脂製
└ 性能優先 → 支柱式スチール製
| 現場 | 推奨仕様 |
|---|---|
| 一般オフィス 100m² | 置敷式樹脂製50mm 耐荷重3000N |
| コールセンター 500m² | 置敷式スチール製70mm 耐荷重3000N |
| データセンター | 支柱式スチール製150〜500mm 耐荷重5000N以上 |
| 改修オフィス | 置敷式樹脂製50〜70mm(撤去容易) |
| 教育施設 | 置敷式樹脂製50mm(コスト優先) |
僕の感覚だと、電気施工管理として最初にチェックすべきは「配線量」と「耐荷重」の2点。この2点で8割の仕様が決まります。残り2割は「予算」「改修頻度」「意匠要求」で調整、という感覚です。
OAフロアの高さ(選定基準)
OAフロアの高さは50mm〜500mmと幅広く、配線量・空調吹出し有無・コスト・天井高との関係で決まります。
高さ別の特徴
| 高さ | 主用途 | 配線量 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 50mm(5cm) | 一般オフィス | 少 | 最も普及、置敷式が標準 |
| 70mm(7cm) | オフィス中規模 | 中 | 電源+LAN分離可能 |
| 100mm(10cm) | コールセンター | 中〜大 | 配線整理しやすい |
| 150mm(15cm) | データセンター(小) | 大 | 空調吹出し対応 |
| 200mm(20cm) | データセンター(中) | 大 | サーバー設置可 |
| 300mm(30cm) | データセンター(大) | 大 | 大型機器対応 |
| 500mm(50cm) | 大型データセンター | 超大 | 空調+大量配線 |
高さ選定の判断軸
| 要素 | 高さへの影響 |
|---|---|
| 配線量 | 多いほど高い |
| 電源とLANの分離 | 分離なら70mm以上推奨 |
| 空調吹出し(床下吹出方式) | 150mm以上必須 |
| 天井高との兼ね合い | 高くするほど天井高が下がる |
| スロープ・段差 | 高くなるほどスロープが必要 |
| 改修対応 | 高い方が改修対応しやすい |
「電源とLANの分離配線」を実現するためには、電源ルートとLANルートの間に物理的な距離(150mm程度)を確保する必要があります。これが50mmフロアだと分離が難しく、ノイズ干渉のリスクが上がる。
| 配線パターン | 推奨高さ |
|---|---|
| 電源のみ | 50mm |
| 電源+LAN(簡易) | 50〜70mm |
| 電源+LAN分離 | 70〜100mm |
| 電源+LAN分離+空調 | 150mm以上 |
僕としては、新築オフィスビルの設計段階で「高さは50mmで」と意匠側に押し切られそうになる場面が多いんですが、電気施工管理として「将来の配線増設・改修対応」を考えると70mmは確保しておきたい。50mmと70mmの工事費差は m²あたり1,000〜2,000円程度なので、長期的なコスト比較では70mm採用が正解になりがちです。
OAフロアの施工方法(5ステップ)
OAフロアの施工は次の5ステップで進みます。電気・空調・内装の各業者と工程調整が必要になる工種です。
Step 1:下地確認・墨出し(0.5日)
| チェック項目 | 基準 | 測り方 |
|---|---|---|
| 下地スラブの平滑性 | ±3mm/3m | レベル測定 |
| 下地の含水率 | 10%以下 | 含水率計 |
| 清掃状態 | 無塵・無油 | 目視 |
| 墨出し | 柱芯・通り芯 | 墨出し |
スラブが波打っている場合は、支柱式OAフロアでアジャスターで調整するか、モルタル補修で平滑化します。
スラブ全般の知識はこちら。


Step 2:パネル割り計画(0.5日)
オフィスのレイアウト(柱・壁・カットアウト)に合わせてパネル割りを計画します。標準パネルサイズは500mm × 500mmまたは600mm × 600mmで、端部に切断パネルが入る形。
| チェック項目 | 目安 |
|---|---|
| パネル方向 | 入口から奥に向かって |
| 端部切断パネル | 幅150mm以上を確保 |
| カットアウト | 配線立ち上げ位置の事前確認 |
| フロアコンセント位置 | 電気図面と整合 |
端部の切断パネルが150mm以下になると強度が落ちるため、パネル割り計画の段階で調整します。電気施工管理として、フロアコンセント・LANアウトレット位置を事前にOAフロア業者と共有しておきます。
Step 3:支柱設置(支柱式の場合)(1〜2日/100m²)
支柱式OAフロアの場合、レベルを取りながら支柱を1本ずつ設置します。アジャスターで高さ微調整を行い、全支柱が同レベルに揃った段階でパネル設置に進みます。
| チェック項目 | 基準 |
|---|---|
| 支柱ピッチ | 500mm or 600mm(パネルサイズに合わせる) |
| 支柱の高さ精度 | ±2mm |
| アジャスター固定 | 締付完了確認 |
Step 4:パネル設置(1〜2日/100m²)
支柱の上にパネルを順に並べます。パネル間のすき間は1mm以内が標準で、隙間が大きいと歩行時のガタつき・ホコリ侵入の原因になります。
| チェック項目 | 基準 |
|---|---|
| パネル間すき間 | 1mm以内 |
| パネル水平 | ±2mm |
| 端部処理 | カバープレート設置 |
Step 5:配線・フロアコンセント取付(電気施工)(並行)
OAフロアの設置と並行して、電気施工管理が「配線敷設」「フロアコンセント取付」を進めます。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 電源配線 | 床下に電源ケーブル敷設、コンセントBOXまで配線 |
| LAN配線 | 電源と分離してLANケーブル敷設 |
| 空調配線(必要時) | 床下吹出方式の場合 |
| フロアコンセント取付 | パネル開口部にBOX・コンセント取付 |
| アース | フロアコンセント接地・OAフロア接地 |
フロアコンセントの種類は「ポップアップ式」「フラット式」「タップ式」があり、利用シーンに応じて選定。施工管理として、パネル開口とコンセントBOXの位置精度(±5mm以内)を確認します。
| タイプ | 特徴 | 主用途 |
|---|---|---|
| ポップアップ式 | 使用時に手で引き上げる | オフィス |
| フラット式 | 床面と同じ高さ | 歩行頻度高いエリア |
| タップ式 | 床下からタップで引き出し | デスク下 |
僕の感覚だと、Step 5の電気施工が最も「OAフロア業者との連携」が問われる工程。先行してパネル設置→事後に電気で開口→再パネル設置という流れだと、パネル傷つけ・再設置時の隙間ズレが頻発する。理想は「OAフロア施工と電気の配線が同時並行で進む」段取りで、これを業者と事前に合意しておくと工程混乱を防げます。
配線との取り合い(電源・LAN・空調)
電気施工管理として最重要なのが「配線の取り合い」。電源・LAN・空調の3系統をどう床下に納めるかが現場の腕の見せ所。
電源配線のルール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配線種類 | VVF・FEP・電線管 |
| 分岐方式 | スター配線(中央分電盤から各エリアへ放射) |
| 配線ピッチ | 柱間ごとに分岐 |
| 接地 | D種接地(〜300V) |
電源配線は床下を「電気ルート」として明確に区分しておくのが鉄則。LANやスチール製パネルの近くを通すとノイズ干渉の原因になります。
電線管・FEP管はこちら。

LAN配線のルール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配線種類 | CAT5e・CAT6・CAT6A |
| 配線方式 | ハブから各アウトレットへスター配線 |
| 電源との分離 | 150mm以上の距離確保 |
| 交差 | 電源と直交で交差 |
LANは電源と並走するとノイズ干渉でデータエラーの原因になるので、150mm以上の距離を確保するのが標準ルール。やむを得ず近接する場合は、直交(90度の交差)で交差させると干渉が最小化されます。
| 配線パターン | 推奨高さ・配置 |
|---|---|
| 電源とLAN同一ルート | ×(避ける) |
| 電源とLAN並走(150mm離隔) | ◎ |
| 電源とLAN直交交差 | ◎ |
| 電源とLANシールド管 | ◎(重要設備) |
空調配線・床下吹出方式
データセンターや一部のオフィスでは「床下吹出方式」と呼ばれる空調が採用されます。これはOAフロア床下を給気プレナム(空気の通路)として使う方式で、専用のグリル付きパネルから室内に空気を送ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 床下高さ | 150mm以上必須 |
| 配線整理 | 空気の流れを阻害しないルート |
| グリルパネル | 要所に配置(吹出位置) |
| 床下清掃 | 高い清浄度要求 |
床下吹出方式の場合、OAフロア床下は「ダクト相当」の扱いになるため、配線整理を雑にすると空調性能が落ちます。電気施工管理として、床下吹出採用案件では配線を「ケーブルラックに整列」させて空気の流れを確保するのが鉄則。
僕の感覚だと、配線の取り合いで揉める一番の原因は「電源とLANの距離150mmルール」を業者と意匠側が理解していないこと。設計段階で意匠側が「フロア高さ50mmで」と決めてしまうと、現場で電源・LANの分離ができず後付け対応に苦労する。電気施工管理として基本設計の段階で「分離距離が確保できる高さか」を意匠と握っておくのが事故防止策です。
OAフロアの耐荷重(JAFA規格)
OAフロアの耐荷重はフリーアクセスフロア工業会(JAFA:Japan Free Access floor Association)が規格化しています。
JAFAの耐荷重区分
| JAFA区分 | 耐荷重 | 主用途 |
|---|---|---|
| 区分A | 3000N(306kgf) | 一般オフィス |
| 区分B | 5000N(510kgf) | コールセンター・サーバー設置 |
| 区分C | 6000N(612kgf) | データセンター |
「N(ニュートン)」を「kg重」に換算するときは「÷9.8」、つまり3000Nは約306kg。「5000N」と聞いて「500kg超の重量物に耐える」と理解できると、施主・元請への説明がスムーズです。
ニュートン単位はこちら。

耐荷重の選定基準
| 現場・用途 | 推奨耐荷重 | 理由 |
|---|---|---|
| 一般オフィス(PC・椅子) | 3000N | 歩行+PC程度の荷重 |
| コールセンター(PC×多) | 3000〜5000N | 機器密度高い |
| サーバールーム | 5000N以上 | サーバーラック1台100kg超 |
| データセンター | 6000N | 大型ラック・空調機器 |
| 倉庫・物流 | 6000N以上 | フォークリフト動線 |
サーバーラック1台が80〜150kgで、ラック1本だけで点荷重として大きな力がかかるため、サーバールーム・データセンターは5000N以上が必須。ここの仕様間違いで「サーバー設置後にOAフロアが沈下」という事故が起きるので、施工管理として耐荷重の確認は最優先項目です。
僕としては、耐荷重の確認は「設計仕様書のJAFA区分(A/B/C)」と「製品カタログの耐荷重数値」の両方を見比べるのが鉄則。設計仕様で区分Aと指定されているのに、業者が区分B品を持ってきたケース(過剰スペックでコスト超過)、逆に区分Cが必要なのに区分A品が納入されたケース(耐荷重不足で再施工)、両方とも実際に現場で起きる事案です。
主要メーカー比較
国内で流通しているOAフロアの主要メーカーを比較します。
| メーカー | 代表製品 | 特徴 |
|---|---|---|
| センクシア(旧日立機材) | ファーストロア | 国内最大手・スチール製で強い・データセンター実績 |
| コクヨ | フォルベシリーズ | オフィス家具大手・置敷式が主力 |
| イトーキ | アクセスフロア | オフィス特化・コスト・施工性バランス |
| ナカ工業 | FA・FBシリーズ | 建材総合・改修向け強い |
| 内田洋行 | OAフロアシリーズ | 教育施設実績多 |
| パナソニック | ワイドフロア | フロアコンセント・配線器具まで一気通貫 |
選定の目安
| 現場条件 | 推奨メーカー | 理由 |
|---|---|---|
| データセンター | センクシア | スチール製・高耐荷重に強い |
| オフィスビル(標準) | コクヨ・イトーキ | 流通量・コストバランス |
| 改修案件 | ナカ工業 | 置敷式の取外し容易 |
| 教育施設 | 内田洋行 | 教育向け実績 |
| 配線器具一括 | パナソニック | フロアコンセント込みワンストップ |
業者見積で「OAフロア施工 m²あたり◯◯円」だけ書かれている場合、メーカー名・型番・耐荷重区分・高さが省略されていることが多い。電気施工管理として、見積要件に「メーカー名・型番・JAFA耐荷重区分・パネル高さ・素材」を必ず明記します。
僕の感覚だと、データセンター・コールセンターでセンクシア、一般オフィスでコクヨ・イトーキ、改修でナカ、というのが業界の使い分け感覚。電気施工管理として、案件規模・用途に応じてメーカーを推薦できる眼を持つと、設計事務所・元請からの信頼が一段上がります。
改修案件でのOAフロア判断
既存OAフロアのある建物を改修する場合、「既存活用 or 撤去新設」の判断が必要になります。
Step 1:既存OAフロアの劣化状態
| 状態 | 判定 |
|---|---|
| 表面磨耗のみ | ◎(タイルカーペットのみ張替えで対応) |
| パネル歪み軽微 | ○(個別パネル交換) |
| パネル沈下・ガタつき | △(支柱再調整 or 部分撤去) |
| 大規模変形・支柱腐食 | ×(全面撤去・新設) |
Step 2:耐荷重要求の変化
| 改修内容 | 耐荷重再評価 |
|---|---|
| レイアウト変更のみ | 現状維持OK |
| サーバー追加 | 要再計算(区分B以上) |
| 大型機器導入 | 要再計算(区分C以上) |
オフィス用OAフロア(区分A・3000N)にサーバーラックを追加設置する改修は、耐荷重不足で沈下のリスク大。事前に荷重計算をやり直して、必要なら部分的に支柱補強または撤去新設を検討します。
Step 3:配線量の変化
| 配線量 | 対応 |
|---|---|
| 現状維持 | 既存活用 |
| 配線増(LAN追加等) | 床下空間確認、必要なら高さアップ |
| 大幅増 | 撤去新設 |
配線量が増える場合、既存フロア高さ(50〜70mm)では収まりきらないことが多い。改修案件として「既存OAフロアの活かし方」を電気施工管理として判断できると、設計事務所・施主への提案力が上がります。
Step 4:仕様の選定
| 判定 | 推奨仕様 |
|---|---|
| 軽劣化・耐荷重要求変わらず・配線量同等 | 既存活用 |
| 配線量増・耐荷重要求アップ | 全面撤去+新設 |
| 部分的な対応 | 該当エリアのみ撤去+新設 |
僕としては、改修案件で「既存OAフロアを活かす」のは意匠的・コスト的にメリット大ですが、耐荷重と配線量の2点で要求が増えるなら撤去新設の方がトータルコスト安、というケースが多い。電気施工管理として、両案の概算コストを比較して設計事務所に提案できると意思決定が早くなります。
OAフロアに関するよくある質問
Q1. OAフロアとフリーアクセスフロア、結局どっち呼んでも同じ?
A. 実務上はほぼ同義。厳密には「フリーアクセスフロア=床下に配線・空調を収納する二重床の総称」で、その中でオフィス向けに特化したのが「OAフロア」。データセンターでは「フリーアクセスフロア」と呼ばれることが多く、オフィスでは「OAフロア」と呼ぶ傾向。施工管理としては相手の業界によって使い分ければOK。
Q2. 高さは何mmが標準?
A. 一般オフィスは50mm、配線量の多いコールセンターは70〜100mm、データセンターは150〜500mmが標準。配線量・空調吹出有無・天井高との兼ね合いで決めます。電源とLANの分離配線をしたければ70mm以上推奨です。
Q3. 置敷式と支柱式、迷ったらどっち?
A. 一般オフィスは置敷式、配線量が多い・改修頻度高い・耐荷重要求が高い場合は支柱式。コスト的には置敷式の方が安く、施工も早い(100m²で1〜2日)。支柱式は3〜4日かかる代わりに高さ自由・耐荷重高め。
Q4. パネルが30mmしか残らない端部、切断する?
A. パネル幅150mm以下は強度不足になりやすいため、パネル割り計画の段階で調整するのが正解。やむを得ず30mmで残る場合は、補強材を入れる or 別仕様のカバープレートで処理。設計事務所・OAフロア業者と打合せの段階で決めます。
Q5. 電源とLAN、同じ床下空間でいい?
A. 物理的には可能ですが、ノイズ干渉のリスクから150mm以上の距離を確保するのが標準。50mmフロアだと距離が取れないため、電源とLANを別ルートにしてケーブルラックで物理分離するか、シールド管を使うかで対応します。
Q6. JAFA区分A・B・C、データセンターはどれ?
A. データセンターは区分C(6000N)が標準。サーバー追加予定があるサーバールームは区分B(5000N)以上。一般オフィスは区分A(3000N)で十分。区分を間違えるとサーバー設置後の沈下事故になるので、設計仕様の確認が最優先項目。
Q7. フロアコンセントの位置、誰が決める?
A. 基本的に意匠設計と電気設計の協議で決定。施工管理は「決まった位置を確実に施工する」役割。ただし、パネル割りとの整合(コンセント位置がパネル切断ラインに重ならないか)は施工管理が現場でチェックし、必要なら微調整を提案します。
Q8. OAフロアの上にカーペット敷くと滑る?
A. 専用のタイルカーペット(OAフロア対応品)を使えば滑らないが、一般カーペットは滑る可能性あり。OAフロア上の仕上げ材は、施工方法・接着工法・ノンスリップ加工の有無を確認して選定します。
Q9. 改修でOAフロアの一部だけ撤去できる?
A. 置敷式は可能(パネル単位で取外し)。支柱式は支柱・パネルの両方を撤去する必要があり、撤去後の床面処理(モルタル補修等)が発生します。部分撤去のコストはm²あたり3,000〜8,000円程度が目安。
Q10. データセンターのOAフロア、何が特殊?
A. ①耐荷重区分C必須(6000N)、②高さ300mm以上(空調吹出し対応)、③スチール製+アース処理、④グリル付きパネル配置、⑤床下清掃の頻度高い、の5点が一般オフィスと違う。データセンター案件は専門メーカー(センクシア等)の選定が安全です。
OAフロアに関する情報のまとめ
最後にOAフロアの重要ポイントを整理します。
- OAフロアとは「オフィス床面に二重構造の床を作り、床下に電源・LAN・空調等の配線を収納する床システム」
- 別名フリーアクセスフロア・二重床、OAは「Office Automation」の略
- 種類は大別して置敷式と支柱式の2系統、素材は樹脂・スチール・アルミ等が主流
- 高さは50mm〜500mm、配線量・空調吹出有無・天井高で決定
- 施工は5ステップ(下地確認→パネル割り→支柱設置→パネル設置→電気施工)、100m²で2〜4日
- 配線の取り合いは「電源とLANを150mm以上離隔」が標準ルール
- JAFA耐荷重規格は区分A(3000N/一般オフィス)・区分B(5000N/コールセンター)・区分C(6000N/データセンター)
- 主要メーカーはセンクシア・コクヨ・イトーキ・ナカ・内田洋行・パナソニックの6社
- 改修案件は「劣化状態+耐荷重要求+配線量」の3軸で既存活用 vs 撤去新設を判断
- 電気施工管理は「フロアコンセント位置」「配線ルート計画」「JAFA区分確認」の3項目が最重要立会いタイミング
- データセンター案件は区分C・高さ300mm以上・空調吹出対応の特殊仕様
以上がOAフロアに関する情報のまとめです。一通り基礎知識は網羅できたかなと思います。
総合電工メーカー・大手ゼネコン電気部の電気施工管理として、OAフロアは「電気工事と内装工事のクロスオーバー」の典型例。今回まとめた2大種類・高さ選定・JAFA耐荷重・配線取り合い・主要メーカーを手元に置いて、明日の打合せ・現場検査で使えるレベルまで落とし込んでみてください。
電源・配線・床材といった関連知識は下記から辿れます。










