- ナースコールって枕元の押しボタンだけ?
- 病院用と介護施設用、何が違う?
- 親機・子機・廊下灯の関係は?
- 有線と無線、どっちを選ぶ?
- メーカーは?(アイホン・ケアコム・パナソニック)
- PHS・スマホとはどう連動する?
- 医療機器(バイタル・点滴)との連動は?
- 配線は弱電?強電?
- 既存施設への後付けはできる?
- 後輩に1分でナースコールを説明したい
上記の様な悩みを解決します。
ナースコールは病院・介護施設の入院呼出システムですが、電気施工管理として現場に入ると「種類の選定」「配線」「PHS・スマホ連動」「医療機器連動」で何度も判断が問われます。この記事では、教科書的な定義に加えて、メーカーカタログでは説明されない「病院用と介護用の使い分け」「配線実例」「施工フロー」「資格試験での出題」まで現場目線で踏み込んで整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
ナースコールとは?
ナースコールとは、結論「病院・介護施設で患者や利用者がスタッフを呼び出すための通信システム」のことです。患者の枕元の押しボタンから、スタッフステーションの親機やスタッフ携帯端末まで一連の流れで動作します。
病室や個室で患者が押しボタンを押すと、スタッフステーションの親機・廊下灯・スタッフのPHS/スマホに通知が届きます。スタッフが応答することで通話・現場対応につながる、というのが基本動作です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 親機 | スタッフステーション設置の中央制御機器 |
| 子機 | 患者ベッド側の押しボタン・通話器 |
| 廊下灯 | 廊下に設置の呼出表示灯 |
| トイレ呼出 | トイレ内の引き紐式呼出 |
| 個別呼出 | スタッフ携帯端末(PHS/スマホ)への呼出 |
| 親機通話 | スタッフステーションから直接応答 |
ナースコール設備は医療機器の一種ではないですが、医療機器との連動(バイタル監視・点滴監視)が増えており、入院呼出システムとして機能が拡大しています。
僕の感覚だと、新人電気施工管理がナースコールで詰まる理由は「親機・子機・廊下灯・PHS連動の構成」が頭に入っていないことだと感じます。4要素の関係を表で覚えれば、配線計画・施工計画・現場検査の対応が一気にスムーズになります。
LAN配線や弱電配線の関連はこちらも参考になります。

病院用と介護施設用の違い
ナースコールには病院用と介護施設用の2系統があり、機能と使い勝手が違います。
| 項目 | 病院用 | 介護施設用 |
|---|---|---|
| 主要機能 | 緊急呼出、医療機器連動 | 見守り、徘徊検知、転倒検知 |
| 親機 | 看護師ステーション | 介護スタッフセンター |
| 子機 | ベッド枕元 | 居室・トイレ・浴室 |
| 連動センサ | バイタル、点滴、心電計 | 徘徊、転倒、人感、ベッド離床 |
| 介護記録連携 | 電子カルテ | 介護記録ソフト |
| 主要メーカー | アイホン、ケアコム | アイホン、エイビス、エルダ |
病院用の特徴
医療機器(心電計、輸液ポンプ、人工呼吸器)からの警報を、ナースコールに統合して通知する仕組みが標準化されています。これにより看護師は各種医療機器の警報を集約的に管理できます。
介護施設用の特徴
徘徊検知センサー、転倒検知センサー、ベッド離床センサーなどを組み合わせて、要介護者の安全管理を強化します。スマホアプリでの通知やAI画像解析との連動も増えてきています。
僕としては、病院用と介護用は別物として設計するのが基本だと感じます。設計図書を読む時に、「病院か介護か」を最初に確認するのが現場代理人の基本動作。
構成(親機・子機・廊下灯)
ナースコールシステムは4要素で構成されます。
1. 親機
スタッフステーション設置の中央制御機。
- 機能:呼出受信、応答、通話、表示、ログ記録
- 設置:看護師ステーション、介護スタッフセンター
- 容量:50〜500床対応
- 価格:50〜200万円
2. 子機
患者・利用者側の呼出端末。
- 種類:枕元押しボタン、ハンドセット、引き紐式(トイレ・浴室)
- 配線:壁内配線または無線
- 価格:5,000〜20,000円/箇所
3. 廊下灯
各部屋の外側に設置の表示灯。
- 機能:呼出元の部屋番号表示、点滅、ブザー
- LED式が標準(旧式は白熱電球)
- 価格:5,000〜30,000円/箇所
4. スタッフ携帯端末(PHS/スマホ)
スタッフが持ち歩く個別呼出端末。
- 旧来:PHS(構内専用無線)
- 現代:Wi-Fi対応スマホ・タブレット
- 連携アプリ:施設・病院ごとに専用アプリ
構成図(標準)
[子機(病室)] → [廊下灯] → [親機] → [PHS/スマホ]
呼出の流れは「子機ON → 廊下灯点灯 → 親機通知 → 看護師PHS/スマホ通知」の同時並行。
僕の感覚だと、新人電気施工管理は「親機・子機・廊下灯・PHS/スマホ」の4要素を頭に入れた上で、それぞれの配線・電源・通信方式を整理するのが理解の最短ルートだと感じます。
有線式と無線式
ナースコールの通信方式は2系統あります。
有線式
子機〜廊下灯〜親機を専用線で結ぶ方式。
- メリット:通信信頼性高、停電時の動作(バッテリーバックアップで確保)
- デメリット:配線工事大規模、改修困難
- 用途:病院、新築介護施設
無線式
無線LAN・Bluetooth・専用無線で通信する方式。
- メリット:配線工事不要、改修容易
- デメリット:電波届かないリスク、干渉
- 用途:既存施設の改修、小規模介護施設
Wi-Fi対応のスマホ・タブレット連動
近年は無線LANを使ったスマホ・タブレット連動が主流。看護師がスマホを持ち歩いてどこにいても呼出を受けられる構成が普及しています。
僕としては、新築は有線で信頼性確保、改修は無線で工事の影響を最小化、というのが標準的な判断だと感じます。設計図書の指定によりますが、安定性が問われる病院では基本的に有線です。
主要メーカー
ナースコールの主要メーカーを整理します。
| メーカー | 強み | 代表シリーズ |
|---|---|---|
| アイホン | 業界最大手、病院・介護両対応 | Vi-nurse、TST |
| ケアコム | 病院向け強い | ピポット、CIIシリーズ |
| パナソニック | 産業向け、システム連携 | パナソニックLink |
| エルダ | 介護向け強い | エルダコール |
| エイビス | 小規模介護向け | アバンソ |
| 田中電気 | 既存改修向け | カスタム対応 |
メーカー選定の判断軸
- 施設規模(小規模=エイビス、大規模=アイホン・ケアコム)
- 用途(病院=ケアコム・アイホン、介護=アイホン・エルダ)
- 既存システムとの互換性
- 医療機器・電子カルテ連携
- 価格
僕の感覚だと、メーカー選定は施主・運営者の希望と既存システムとの互換性で決まるので、設計者と運営者の打合せに同席する場面が出てきます。施工管理として現場での配線・施工に集中するために、メーカー選定の根拠を理解しておくと打合せがスムーズです。
配線と電源
ナースコールの配線・電源を整理します。
配線の種類
| 配線 | 用途 |
|---|---|
| VCT(ビニル絶縁ケーブル) | 電源・通信線の一般 |
| CVV(制御用ビニル絶縁ケーブル) | 信号線 |
| UTP(LANケーブル) | スマホ・タブレット連携 |
| 専用線 | メーカー独自規格 |
電源電圧
- AC100V:親機の電源
- DC24V:子機・廊下灯の標準
- バッテリーバックアップ:停電時の動作確保
配線本数
子機1箇所あたりの配線本数は、メーカーと機能で変動します。一般的には4〜8芯。配線サイズや本数は、設計図書とメーカーカタログで確認します。
隠蔽配線
新築時は天井裏・壁内に隠蔽配線するのが標準。コア抜き・配管の事前計画が必要です。
僕としては、配線計画はメーカー仕様書を読み込んで、本数・サイズ・電源容量を整理してから施工に入るのが基本動作だと感じます。後から「配線が足りない」となると、仕上げを壊すことになります。
施工フローと現場検査
ナースコールの標準的な施工フローを整理します。
施工フロー
- 設計図書・メーカー仕様書の確認
- 配管・配線計画
- 親機の設置場所決定
- 配管・配線敷設(隠蔽)
- 親機・子機・廊下灯の取り付け
- 配線の結線
- 試運転調整
- 取扱説明(看護師・介護スタッフ向け)
- 引き渡し
現場検査ポイント
- 配線の正常結線(ショート・断線なし)
- 各子機からの呼出が親機・廊下灯・PHSに正しく通知
- 通話機能の動作
- 停電時のバックアップ動作
- ICカード・スマホ連携の動作
試運転調整
設備一式の試運転は、メーカーの技術者と立ち会いで実施するのが標準。看護師・介護スタッフへの取扱説明も同時に行います。
僕の感覚だと、ナースコールの試運転で一番大事なのは「全子機からの呼出が確実に届くか」の確認だと感じます。1〜2箇所でも結線ミスがあると、引き渡し後にクレームに直結するので、全数チェックが必須です。
価格相場と工期
| 規模 | 価格目安 | 工期 |
|---|---|---|
| 小規模介護施設(30床) | 200〜500万円 | 1〜2週間 |
| 中規模病院(100床) | 800〜2,000万円 | 3〜6週間 |
| 大規模病院(500床) | 5,000万円〜 | 数ヶ月 |
価格は機器費・配線費・施工費・試運転費を含む概算。地域・規模で大きく変動するので、必ず複数業者で相見積もりを取ります。
僕としては、ナースコールは建築工事費全体の中で意外と大きな割合を占めるので、施主への概算提示と発注時期の管理が重要だと感じます。
既存施設への後付け
既存病院・介護施設へのナースコール後付けやリニューアル案件も多いです。
後付けのパターン
- 全面更新(旧式からの全交換)
- 部分追加(センサーや無線スマホ連携の追加)
- メーカー乗り換え
後付け時の課題
- 既存配線の流用可否
- 配管経路の確保
- 工事中の運営継続(病院は止められない)
- メーカー互換性
工事中も運営を継続しなければならない場合が多いので、夜間工事や、フロアごとの段階的工事になります。
僕の感覚だと、既存施設の改修は「運営継続」が最大の制約だと感じます。新築時の3倍以上の段取り力が要求される場面で、現場代理人として運営担当者との綿密な打合せが必須です。
試験での出題
ナースコールは2級・1級電気工事施工管理技士の試験で出題されます。
出題されるシーン
- ナースコールの構成(親機・子機・廊下灯)
- 病院用と介護用の違い
- 有線式と無線式
- 配線の種類と電源
- 防災連動
試験対策のポイント
- 4要素の構成を表で覚える
- 配線種類(VCT・CVV・UTP)
- バッテリーバックアップの必要性
- PHS/スマホ連動の主流化
僕の感覚だと、ナースコールは試験で出題される頻度は中程度ですが、出ると比較的得点しやすい領域です。構成と配線を表で覚えれば対応可能。
ナースコールに関する情報まとめ
- ナースコールとは:病院・介護施設の入院呼出システム
- 4要素:親機(ステーション)/子機(ベッド側)/廊下灯/PHS・スマホ
- 病院用:医療機器連動、緊急呼出、看護師ステーション
- 介護施設用:見守り、徘徊・転倒検知、介護記録連携
- 通信方式:有線式(病院標準)/無線式(改修向け)
- 主要メーカー:アイホン、ケアコム、パナソニック、エルダ、エイビス
- 配線:VCT、CVV、UTP、専用線
- 電源:AC100V(親機)、DC24V(子機)、バッテリーバックアップ
- 価格:小規模200〜500万、中規模800〜2,000万、大規模5,000万〜
- 既存施設改修:運営継続が最大の制約、夜間・段階工事
- 試験:2級・1級電気工事施工管理技士で出題、4要素の構成が中心
以上がナースコールに関する情報のまとめです。
ナースコールは病院・介護施設の入院呼出システムで、施工管理として4要素(親機・子機・廊下灯・PHS/スマホ)の構成と配線を頭に入れれば、現場対応・試験対応の両面で対応可能。病院用と介護用の違いを把握しておけば、施主・運営者との打合せでも信頼を得られます。電気施工管理として、配線計画・電源確保・試運転段取りを設計初期から立てておくのが、後付けトラブルを防ぐ最短ルートです。
ナースコールに関するよくある質問
Q1:ナースコールって何ですか?
病院・介護施設で患者・利用者がスタッフを呼び出すための通信システムです。子機(ベッド側の押しボタン)、親機(スタッフステーション)、廊下灯、PHS・スマホの4要素で構成されます。緊急呼出から見守りまで幅広く使われます。
Q2:病院用と介護用、何が違う?
機能と連動センサが違います。病院用は医療機器連動(バイタル・点滴)と緊急呼出が中心。介護用は見守り、徘徊検知、転倒検知、ベッド離床検知などが追加されます。メーカーも病院向け(ケアコム)と介護向け(エルダ)で分かれる傾向。
Q3:親機・子機・廊下灯の関係は?
親機はスタッフステーション、子機はベッド側、廊下灯は各部屋の外側に設置。呼出の流れは「子機ON → 廊下灯点灯 → 親機通知 → スタッフPHS/スマホ通知」の同時並行。4要素が連動して動作します。
Q4:有線式と無線式、どっちを選ぶ?
新築・大規模は有線(信頼性高)、既存改修・小規模は無線(工事容易)が標準。病院は基本的に有線で信頼性を確保し、介護施設は無線スマホ連携が増えています。設計図書の指定に従います。
Q5:メーカーは何が主流?
アイホン(業界最大手・病院/介護両対応)、ケアコム(病院向け強い)、パナソニック(システム連携)、エルダ(介護向け強い)が主要メーカー。施設規模・用途・既存システムとの互換性で選定します。
Q6:配線は弱電?強電?
両方の側面があります。親機の電源はAC100V(強電)、子機・廊下灯はDC24V(弱電)、通信線はCVV・UTPなど制御用配線。バッテリーバックアップで停電時も動作するように設計します。
Q7:医療機器との連動はどうする?
近年は心電計、輸液ポンプ、人工呼吸器などの警報をナースコールに統合して看護師に通知する仕組みが標準化されています。メーカーの連携機能を活用し、専用線または無線で接続します。電子カルテとの連動も進んでいます。
Q8:既存施設への後付けは難しい?
可能ですが、運営継続が最大の制約。病院は止められないので、夜間工事やフロアごとの段階的工事になります。既存配線の流用可否、配管経路、メーカー互換性なども確認が必要。
Q9:2級電気工事施工管理技士の試験で出ますか?
出題されることがあります。学科試験で「ナースコールの構成」「有線・無線の違い」「配線・電源」が問われます。4要素の構成を表で覚えるのが対策の最短ルート。
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