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満水試験とは?目的、対象配管、やり方、合格基準、養生など

  • 満水試験ってなに?水圧試験と何が違うの?
  • どの配管に対してやる試験?
  • 試験圧力ってどれくらいかかってる?
  • 試験の手順と養生時間は?
  • 合格基準ってどう判定するの?
  • 漏れたときの直し方は?

上記の様な悩みを解決します。

満水試験とは、結論「配管系統に水を満タンに張って、漏れがないかを目視と水位で確認する試験」のことです。圧力をかける水圧試験とは違い、自重(水頭圧)だけで漏水をあぶり出すところが大きな特徴。排水・通気・消火配管などの圧力がかからない・低い系統を対象に、竣工前に必ず実施します。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

満水試験とは?

満水試験とは、結論「配管に水を満たして放置し、水位低下や漏水の有無を確認する試験」のことです。

英語ではFilling Test、業界では「水張り試験」と呼ばれることもあります。

ポイントは「圧力をかけない/少ししかかけない」点。水圧試験のようにポンプで0.75MPaかけたりはしません。試験区画の最高所まで水を満たすだけで、配管にかかる圧力は最大でも水頭圧(高さ10mで約0.1MPa=1kgf/cm²)程度です。

満水試験で確認する内容を整理しておくと、

  • 継手部からの漏水
  • 配管本体のピンホール
  • トラップ・桝など継ぎ込み部の納まり
  • 接着・溶接・パッキン部のシール性

の4点になります。配管全長を一度に水で満たすので、「どこか一カ所でも漏れていれば必ず水が落ちる」というシンプルな試験です。

水圧試験との違いは別記事で詳しく書いているので、合わせて読むと整理しやすいです。

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対象となる配管

満水試験は何でもかんでもやるわけではなく、「圧力がかからない配管」または「微圧の配管」が対象です。具体的には次のようなものです。

配管種別 試験 試験圧力の目安
排水管(汚水・雑排水・雨水) 満水試験 水頭圧(最高所まで)
通気管 満水試験 水頭圧(最高所まで)
自然流下式の消火配管 満水試験 水頭圧
給水・給湯管 水圧試験 0.75〜1.75MPa
圧送式の排水管 水圧試験 0.4〜0.75MPa
冷温水配管 水圧試験 0.75〜1.0MPa

排水・通気は重力に頼って流れる系統なので、運用中に高圧がかかることがありません。だから試験も「漏れないか」だけを確認すれば十分、というわけです。逆に給水・給湯のように常時圧力がかかる配管は、運用圧と同等以上の水圧をかけて試験します。

排水管に関する基本は、こちらでまとめています。

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試験のやり方(手順)

満水試験は段取りが命。配管を区画分けして、上から順に水を張っていく流れになります。

1. 試験区画の決定

配管全長を一度に満水にすると、最下部の継手にかかる水頭圧が大きくなりすぎてメーカー保証外になることがあります。3階建て以上の建物では、階ごとや系統ごとに区画を切るのが基本です。

具体的には、

  • 区画長さ:3〜10m程度(メーカー基準による)
  • 水頭圧:3m以下を目安(塩ビ・耐火二層管の場合)
  • 区画の境界:プラグ・止水栓・止水バルブで仕切る

ように分割します。

2. プラグ・止水処理

試験区画の下端をプラグや止水栓で塞ぎ、水が漏れない状態にします。器具側(便器・洗面・床排水など)の接続予定箇所も仮プラグで塞ぎます。

注意点として、仮プラグの締めすぎは禁物。塩ビ管はネジが切ってあるわけではないので、ゴムプラグや空気袋(テストプラグ)を使います。

3. 注水

試験区画の最高所、または通気管頂部から水を入れます。水道ホースを使うのが一般的ですが、ビル新築の場合は仮設水栓から取ります。

注水中は、

  • 空気の抜けを確認(通気口や器具接続口から空気が出ていく)
  • 下端のプラグから漏れていないか目視

を並行で行います。

4. 養生(保持時間)

ここが満水試験の本質。水を張ったら一定時間放置して、水位が下がらないかを確認します。

国交省の公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では、

  • 保持時間:30分以上
  • 判定:水位の低下がないこと

と規定されています。住宅・集合住宅では60分を取ることも多いです。

養生時間に加えて、

  • 継手の目視(漏水跡・滴下)
  • 天井裏や床下の点検
  • 下階への漏水有無

を検査員と一緒に確認します。

5. 排水

合格判定が出たら、最下部のプラグを少しずつ緩めて排水します。一気に開けると下流側に大量の水が流れ込み、まだ満水試験が終わっていない別系統に影響することがあるので要注意です。

合格基準

合格基準は意外とシンプルですが、「水位低下がない」と「漏水跡がない」のどちらも満たす必要があります

水位低下なし

養生時間(30分または60分)を経て、水位が試験開始時と変わらないこと。検査員と立会いで、最高所のマーキング位置を確認します。

ただし、

  • 真夏の屋上配管は水温上昇で膨張→見かけ上の上昇
  • 真冬は収縮→見かけ上の低下

があるので、外気温が安定している時間帯(午前中)に試験するのが鉄則です。

漏水跡・滴下なし

継手部・配管本体・支持金物の周りを目視点検し、

  • 濡れ跡がない
  • 水滴が付いていない
  • 天井裏・床下に水跡がない

を確認します。塩ビ管の接着不良はジワッと滲んでくるパターンが多いので、懐中電灯で継手を一周見るのが定番のチェック方法です。

満水試験の結果は、施工要領書や竣工図書に試験記録として残します。

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漏水したときの対処

試験中に漏水が見つかった場合の対応も、現場では避けて通れない論点です。

漏水箇所の特定

水を張ったまま漏水箇所を探すのが基本ですが、漏水量が多いと一旦排水しないと作業できないこともあります。

  • 継手のシール不良:接着不足、パッキンのねじれ
  • 配管本体のピンホール:搬入・施工時の傷
  • プラグの不良:仮プラグの締め込み不足
  • 配管支持の不良:勾配違いで継手にストレスがかかった

の順に頻度が高いです。「プラグが原因のことが体感3割」くらいあるので、配管自体の不良と決めつけずに、まずプラグから疑うと早く見つかります。

補修と再試験

特定したら、

  1. 当該区画の水を抜く
  2. 漏水箇所を補修(接着のやり直し、配管交換、パッキン入れ替え)
  3. 乾燥時間を確保(塩ビ接着は冬で24時間)
  4. 再注水・再試験

の手順で再試験を行います。再試験は補修箇所だけでなく区画全体で実施するのが普通。一カ所漏れたなら他にも怪しい箇所があるかも、と疑ってかかるのが安全です。

試験記録の残し方

監理者立会いの試験では、

  • 試験日時、外気温、水温
  • 試験区画の範囲(系統図に記載)
  • 試験開始水位・終了水位
  • 養生時間
  • 合否判定と判定者の署名

を試験記録表に残します。竣工図書に綴じる重要書類なので、後から不具合が出たときの「試験時には合格だった」エビデンスとして機能します。

竣工図書の中身についてはこちら。

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現場で起きやすい失敗

仮プラグからの漏水

ゴムプラグ(テストプラグ)は経年劣化するので、使い回しのプラグだとそこから漏れることがあります。試験前にプラグの状態を確認するか、新品を用意するのが無難です。

試験区画の切り忘れ

3階建て以上で区画を切らずに一気通貫で水を張ると、1階の最下部継手にかかる水頭圧が10m=0.1MPaになり、塩ビ継手の許容を超えて漏水することがあります。配管系統図を見ながら区画を決めるのが必須。

真夏のテスト

直射日光が当たる屋上の配管に水を張ると、水温が短時間で5〜10℃上がり、膨張で水位が上昇してしまいます。下がっていないから合格、と判定すると、夜になって温度が下がったときに微小漏水が表面化することも。気温の安定した時間帯にやるのが鉄則です。

通気立て管の見落とし

排水主管だけ満水試験して、通気管を試験忘れするケース。通気管は法令上漏水しても直接下に滴下するわけではないのですが、雨水の浸入経路にはなるので、必ず通気管も試験対象に含めます。

満水試験に関する情報まとめ

  • 満水試験とは:配管に水を満たして漏水・水位低下を確認する試験
  • 対象配管:排水管・通気管・自然流下式消火配管など、圧力のかからない/微圧系統
  • 試験圧力:水頭圧のみ(最大0.1MPa/高さ10m目安)
  • 試験区画:3〜10m、水頭圧3m以下を目安に分割
  • 養生時間:30分以上(住宅は60分が多い)
  • 合格基準:水位低下なし+漏水跡なし
  • 記録:試験日時・外気温・水位・判定を試験記録表に残す
  • 水圧試験との違い:水圧試験は0.75MPa程度の加圧、満水試験は水頭圧のみ

以上が満水試験に関する情報のまとめです。

満水試験は地味な試験ですが、ここをきちんと通しておかないと、引き渡し後の漏水クレームで全部現場の責任になってしまうので、「合格判定をどう出したか」のエビデンスを残しておくことが一番大事だったりします。仮プラグの不良で再試験になるケースが多いので、消耗品扱いで予備を確保しておくと工程が安定しますよ。

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