1級土木施工管理技士補は、1級土木施工管理技術検定の第一次検定の合格者が使える称号です。監理技術者補佐に入れる工事の種類は告示で決まっていますが、補佐になるには、請け負った工事の種類について主任技術者の資格があることが条件になります。土木工事業と舗装工事業では、施行規則の主任技術者の資格の表に、第一次検定の合格後に実務を積んで資格になる行がありません。
- 一次は通ったけど、技士補ってもう名乗っていいの?
- 今年の1級土木の一次、何人くらい受かったんだろう
- 技士補になれば、補佐として現場の配置に入れるの?
- うちは道路と橋の土木一式ばかり。この現場で補佐になれる?
- 舗装やとび・土工の工事だと話が変わるの?
- 補佐の前に主任技術者の資格がいるらしい。自分はそれを満たしてる?
- 補佐を1年やれば二次を受けられるって、何を出せば認めてもらえる?
- 10月の二次がダメだったら、次の1年をどう使えばいい?
- 合格証明書って、自分で申請しないと届かないの?
- 建築の技士補と土木の技士補、中身は同じ扱い?
上記の様な悩みを解決します。
この称号は、1級土木の一次まで通った人に付くもので、二次の合否を待たずに名乗れます。ところが「技士補になれば補佐になれる」の一言で終わる説明が多く、土木の技士補がどの工事で補佐に入れるのか、道路や河川の土木一式の現場でその前提がそろうのかまで踏み込んだ解説には、なかなか出会えないんですよね。今回は称号の根拠、令和8年度の第一次検定の結果、二次の受検資格といった基本を押さえた上で、「告示で土木の技士補に開いている9種類の工事」「施行規則の表で、土木工事業と舗装工事業の欄に一次合格後の行が無いこと」「補佐の1年を二次に使うときに施工体制台帳で見られる6項目と下請金額の総額」まで、条文と全国建設研修センターの資料を一つずつ照らして整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、二次の結果を待っている方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
1級土木施工管理技士補とは?一次合格で付く称号と令和8年度の結果
1級土木施工管理技士補は、1級土木の第一次検定を通った時点で名乗れる称号です。令和8年度の第一次検定では、24,927人が合格しています(全国建設研修センターの発表)。
実施機関の案内と、名前の付け方を決めている政令
1級土木の検定を実施しているのは、一般財団法人 全国建設研修センター(JCTC)です。JCTCは令和8年度の第一次検定の合格発表で、「「第一次検定」の合格者は、「1級土木施工管理技士補」と称することができ、所定の手続きを行うことで国土交通大臣から第一次検定合格証明書が交付されます。」と案内しています(JCTC「令和8年度 1級土木施工管理技術検定「第一次検定」の合格者の発表について」令和8年8月13日付)。
称号の名前は、施行令が第一次検定の合格者について「級及び検定種目の名称を冠する技士補」と決めているところから来ています(建設業法施行令 第40条)。1級建築の技士補は建設業振興基金が実施する別の検定で、試験の運営元から違います。技士補という称号が全種目でどう付くのかは施工管理技士補の仕組みをまとめた記事に、建築側の扱いは1級建築の技士補の記事に分けています。
土木の第一次検定で目を引くのは、施工管理法の検定基準の書き方です。受検の手引には「2.監理技術者補佐として、土木一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な応用能力を有すること。」とあります(JCTC 令和8年度 受検の手引 1級第一次検定のみ)。試験の基準の文言に「監理技術者補佐として」が入っているので、僕はこの称号を、補佐として現場に立つ入口を確かめる関門だと受け止めておくのがよいと考えています。
令和8年度の第一次検定は受検者50,012人、合格者24,927人
令和8年度の1級土木の第一次検定は令和8年7月5日に行われ、8月13日に合格発表がありました。JCTCの発表では、受検者数50,012人、合格者数24,927人、合格率49.8%です(JCTC 令和8年度 第一次検定 合格発表資料)。
同じ発表資料は、前年との比較として「・24,927人が合格し合格率は49.8%。令和7年度の20,547人よりも4,380人増加。」と書いています。参考欄に載っている令和7年度の第一次検定は、受検者47,715人、合格者20,547人、合格率43.1%です(JCTC 令和8年度 第一次検定 合格発表資料の参考欄)。
合格の線は、「解答する必須問題40問、選択問題30問の合計70問につき、1問1点としてその合計の得点が60%以上(42問以上正解)かつ施工管理法(応用能力)の15問の内、得点が60%以上(9問以上正解)を合格とする。」と示されています(JCTC 令和8年度 第一次検定 合格発表資料)。合計点が足りていても、応用能力の15問で9問に届かなければ技士補にはなれない作りです。来年度に受け直す方は、1級土木の試験日程の記事で年間の流れを押さえておくと動きやすいはずです。
土木の技士補が補佐の要件に使える工事は、告示の表で9種類
令和2年国土交通省告示第1057号の表を見ると、1級土木の一次合格が補佐の条件として通用する工事は9種類あります。ただし、この表は補佐の要件の片方だけを決めたもので、主任技術者の資格は別にそろえる必要があります。
告示の表のうち、土木施工管理が条件に入る4つの行
建設業法施行令は、補佐になれる人の1つ目を「法第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者のうち、」…「建設工事の種類に応じ国土交通大臣が定める要件に該当する者」として、要件の中身を国土交通大臣に任せています(建設業法施行令 第29条第1号)。それを工事の種類ごとの表にしたのが、告示(令和2年国土交通省告示第1057号)です。表のうち、土木施工管理が検定種目の条件に出てくる行を抜き出すと次のようになります。
| 告示の工事の種類 | 合格が求められる一級の第一次検定の検定種目 |
|---|---|
| 土木一式工事、舗装工事 | 建設機械施工管理・土木施工管理のどちらか |
| とび・土工・コンクリート工事 | 建設機械施工管理・土木施工管理・建築施工管理のいずれか |
| 石工事、鋼構造物工事、塗装工事、解体工事 | 土木施工管理・建築施工管理のどちらか |
| しゅんせつ工事、水道施設工事 | 土木工事施工管理(告示の表記のまま) |
表の出所は国土交通省告示第1057号(令和2年9月30日)で、土木施工管理が出てくる行だけを抜粋し、検定種目の書き方を読みやすく整えています(2026年10月12日確認)。
4つの行に出てくる工事の種類を数えると、2+1+4+2で9種類です。しゅんせつ工事と水道施設工事の行だけは告示の表記が「土木工事施工管理」になっていますが、国土交通省の資料「『監理技術者の行うべき職務を補佐する者』の要件」の表では、この2つにも土木施工管理の列に●が付いていて、●の数は9つで告示の行と合っています(2026年10月12日確認)。
行ごとの違いも見ておきます。土木一式と舗装は建設機械施工管理の一次でもよく、とび・土工・コンクリートはそれに建築施工管理まで加わり、石・鋼構造物・塗装・解体は建築施工管理でもよい、という並びです。しゅんせつと水道施設は、土木の一次だけが条件として書かれています。
告示の冒頭に出てくる施行令の条番号は、告示が出た当時のものです。現行の施行令とのつながりは、さきほどの国土交通省の資料の末尾に「【根拠法令】建設業法施行令29条、令和2年9月30日国土交通省告示第1057号」と並べて書かれているので、補佐の要件の根拠として今もこの告示が挙がっていることは確かめられます。
補佐を専任で置くと、監理技術者は2つの現場まで兼ねられる
補佐の仕組みがある理由は、監理技術者の兼務にあります。国土交通省の同じ資料は「〇建設業法第26条第3項第2号では、「監理技術者の行うべき職務を補佐する者」(「監理技術者補佐」という。)をそれぞれ専任で配置する場合には、同一の監理技術者が2つの工事現場を兼務できることとされています。」と説明しています。条文の組み立てや兼務できる範囲の読み方は、建築の技士補の記事で条文から追っているので、ここでは結論だけにとどめます。補佐の上に立つ監理技術者の資格は監理技術者になれる人の整理で確かめられます。
表に名前があることと、補佐に入れることは別
告示の表に土木一式工事があっても、それで土木一式の補佐に入れると決まるわけではありません。表が決めているのは「どの一次に受かっていればよいか」までで、その手前に主任技術者の資格という条件があります。土木一式と舗装では、ここで引っかかるかどうかが分かれ目になるので、次の章で施行規則の表まで降りて確かめます。
土木一式と舗装には、一次合格後の実務で主任技術者になれる行が施行規則に無い
主任技術者の資格を業種ごとに並べた施行規則第7条の3の表では、土木工事業と舗装工事業の欄に「一級の第一次検定に合格した後」に実務を積む行がありません。技士補として土木一式や舗装の補佐に入るには、第二次検定の合格や技術士、実務経験の道など、別のルートで主任技術者の資格を満たしていることが前提になります。
国交省の要件は「主任技術者の資格を有する者のうち」
国土交通省の資料は、補佐になれる人の1つ目を「①請け負った建設工事の種類にかかる主任技術者の資格を有する者のうち、一級の技術検定の第一次検定に合格した者(建設工事の種類に応じて指定された検定種別(以下表の「●」があるもの)に限る)」と書いています(国土交通省「『監理技術者の行うべき職務を補佐する者』の要件」)。
読む順番は、主任技術者の資格が先で、一次の合格が後です。その工事の種類で主任技術者になれる人の中から、指定された一次に受かっている人を絞り込む形なので、前の章の告示の表は後半の条件にあたります。
主任技術者になる道は、法律の上でイ・ロ・ハに分かれる
建設業法は主任技術者を「建設業者は、その請け負つた建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)を置かなければならない。」と定めています(建設業法 第26条第1項)。この「イ、ロ又はハ」の中身は次のとおりです(建設業法 第7条第2号)。
- イ:指定学科の学歴と実務経験を組み合わせる道
- ロ:「許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者」
- ハ:「国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者」。資格や免許の種類を業種別に並べたのが施行規則第7条の3の表
技術検定の合格で主任技術者になる道は、このうちハの表に載っています。土木一式の補佐を考えるときに見るべきなのは、この表の土木工事業の欄です。
土木工事業と舗装工事業の欄に並んでいるもの
土木工事業の欄の一つ目は、「一 技術検定のうち建設機械施工管理又は土木施工管理に係る一級又は二級の第二次検定(土木施工管理に係る二級の第二次検定にあつては検定種別を「土木」とするものに限る。)に合格した者」です(建設業法施行規則 第7条の3、令和8年7月1日施行版)。二つ目は技術士の第二次試験のうち、建設部門などの技術部門に合格した人で、欄に挙がっているのはこの2つだけです。舗装工事業の欄も、一つ目が同じ文言の第二次検定の合格、二つ目が技術士(建設部門又は総合技術監理部門)で、一次の合格を条件にした行はありません。
これに対して、とび・土工工事業の欄には「二 技術検定のうち土木施工管理、建築施工管理若しくは造園施工管理に係る一級の第一次検定又は造園施工管理に係る一級の第二次検定に合格した後とび・土工・コンクリート工事に関し三年以上実務の経験を有する者」という行があります(同 第7条の3)。しゆんせつ工事業の欄にも「二 技術検定のうち土木施工管理、管工事施工管理若しくは造園施工管理に係る一級の第一次検定又は管工事施工管理若しくは造園施工管理に係る一級の第二次検定に合格した後しゆんせつ工事に関し三年以上実務の経験を有する者」があります(同)。
告示の9種類それぞれについて、施行規則の表に一次合格後の行があるかどうかを並べると、こう分かれます。
| 告示の工事の種類 | 施行規則第7条の3の業種の欄 | 一級の第一次検定の合格後に実務を積む行 |
|---|---|---|
| 土木一式工事 | 土木工事業 | 無い |
| 舗装工事 | 舗装工事業 | 無い |
| 鋼構造物工事 | 鋼構造物工事業 | 無い |
| とび・土工・コンクリート工事 | とび・土工工事業 | ある(三年以上) |
| 石工事 | 石工事業 | ある(三年以上) |
| 塗装工事 | 塗装工事業 | ある(三年以上) |
| 解体工事 | 解体工事業 | ある(三年以上) |
| しゅんせつ工事 | しゆんせつ工事業 | ある(三年以上) |
| 水道施設工事 | 水道施設工事業 | ある(三年以上) |
出典:建設業法施行規則 第7条の3(令和8年7月1日施行版)の各業種の欄をe-Govで確認して作成(2026年10月12日確認)。「ある」の行は、いずれも土木施工管理に係る一級の第一次検定を含む。
行があるのが6種類、無いのが3種類で、合わせて9種類です。鋼構造物工事の現場にいる方は、鋼構造物工事業の欄も、第二次検定の合格・一級建築士・技術士・鉄工の技能検定の行で構成されていて、一次合格後の行は無いことを押さえておいてください。
「技士補は土木一式の補佐になれない」とまでは言えない
ここで「土木一式では技士補は補佐になれない」と読むのは行き過ぎです。施行規則第7条の3はハの表で、イとロは別の道として残っています。ロの条文は「十年以上実務の経験」とだけ書いていて、一次合格の前後で実務を区切っていません。イやロの道で土木工事業の主任技術者の資格を満たしている人なら、告示の表の条件と合わせて、土木一式の補佐の要件がそろう余地があります。
確認した範囲(建設業法第7条第2号・第26条第1項、施行規則第7条の3)では、一次合格を条件に含めて土木工事業の主任技術者になる道は、施行規則第7条の3の表に見当たりませんでした。ハの個別の大臣認定の運用や、e-Gov以外の通知類までは確かめていません。一次合格だけで主任技術者になれるかどうかを直接述べた公表資料も、e-Govの施行規則、監理技術者制度運用マニュアル、JCTCの受検の手引と合格発表資料を確かめた範囲では、見つけられませんでした。
僕は、土木一式の現場で補佐の話が出たら、まず「自分はどの業種で、イ・ロ・ハのどれを使って主任技術者の資格を持っているか」を書き出すのが先だと考えています。2級土木(検定種別「土木」)の第二次検定に受かっている方なら土木工事業の欄の一つ目に当たるので、話はかなり早くなります。
補佐の1年を二次の受検資格に使うなら、施工体制台帳の6項目がそろうこと
1級土木の第一次検定の合格後に、監理技術者補佐として1年以上の実務を積むと、第二次検定の受検資格の区分1-③になります。ただし、施工体制台帳で6つの項目が確認でき、下請金額の総額が監理技術者の配置条件を満たす工事であることが条件です。
区分1の中で、補佐の経験を使うのは1-③
1-③を法令の側で定めているのは施工技術検定規則 第5条第1項第3号で、「一級の第一次検定に合格した後同検定種目に関し建設業法(昭和二十四年法律第百号。以下「法」という。)第二十六条第三項第二号に掲げる監理技術者の行うべき職務を補佐する者として一年以上実務の経験を有する者」としています。
JCTCの受検の手引(第二次検定のみ・新受検資格)は、区分1を「1-① 1級 第一次検定合格後の実務経験5年以上 1-② 1級 第一次検定合格後の特定実務経験(※1)1年以上を含む実務経験3年以上 1-③ 1級 第一次検定合格後の監理技術者補佐としての実務経験(※2)1年以上」と並べています。
1-③の補佐の経験について、手引は「監理技術者補佐とは、監理技術者の職務を補佐する者として工事現場に専任で配置する技術者を指し、かつ対象となる業種の主任技術者の資格を有する者が、1 級第一次検定合格後に建設業法第 26 条第 3 項第二号に定める監理技術者補佐として専任配置された実務経験に限ります。 ※単に監理技術者の手伝いや補助といった経験ではありません。」と定義しています(JCTC 令和8年度 受検の手引 第二次検定のみ・新受検資格)。ここでも「対象となる業種の主任技術者の資格を有する者」が入っているので、前の章の話は受検資格にもそのままつながります。
施工体制台帳で確認される6つの項目
受検の申込では、補佐として配置されていたことを確かめるために施工体制台帳のアップロードが求められます。手引は「施工体制台帳で以下の情報が確認できない場合、及び 1 級第一次検定合格前の実務経験は「監理技術者補佐としての実務経験」とは認められません。」として、次の6つを挙げています(同 手引)。
- 特定建設業者が元請として請け負った工事であること
- 監理技術者氏名が申請されたものと同じであること
- 監理技術者が非専任であること
- 監理技術者の資格内容
- 監理技術者補佐氏名(受検者の氏名であること)
- 監理技術者補佐の資格内容(1 級技術検定第一次検定の資格及び主任技術者の資格内容)
3つ目の「監理技術者が非専任であること」は見落としやすい項目です。補佐を専任で置いて監理技術者が兼務する形が、台帳の上でも読み取れる必要があります。手引は続けて「当該工事の監理技術者氏名と監理技術者資格者証の交付番号の入力が必要です。」とも書いているので、上司の資格者証の番号を聞いておく段取りも要ります。
下請金額の総額は、工事の時期で3段階
対象になる工事の規模について、手引は「下請金額の総額が監理技術者の配置条件を満たす工事が対象です。 ・令和4年12月31日までの工事・・・4,000万円(税込)以上 ・令和5年 1月 1日~令和7年1月31日までの工事・・・4,500万円(税込)以上 ・令和7年 2月 1日以降の工事・・・5,000万円(税込)以上」と示しています(同 手引)。
この金額は、区分1-②の特定実務経験の基準とは別物です。特定実務経験のほうは「建設業法の適用を受ける請負金額 4,500 万円(税込)以上の建設工事」が対象で、請負金額で線を引いています(同 手引)。1-③は下請金額の総額、1-②は請負金額と、見ている金額が違うので混ぜないようにしてください。
いつからの実務を数えるか、令和8年度の二次の流れ
数え始めについて、手引は「受検資格区分1の場合、1級第一次検定合格発表日以降の実務経験から算入できます。」と書き、令和8年度の申込については「実務経験年数に算入できるのは令和8年4月末日までです。」としています(JCTC 令和8年度 受検の手引 第二次検定のみ・新受検資格)。令和8年8月13日の発表で技士補になった方の補佐の実務は、その日以降の分から数えるので、4月末日までで締める令和8年度の申込には入らず、次の年度以降の申込で数えることになります。
また、JCTCは「※第二次検定は、令和6年度から令和10年度までの5年間は制度改正に伴う経過措置として、【令和6年度からの新受検資格】と【令和5年度までの旧受検資格】のどちらの受検資格でも受検が可能です。」と案内しています(JCTC「1級土木施工管理技術検定」ページ、2026年10月12日確認)。人によっては、補佐の経験を積む前に旧受検資格の実務年数で二次に申し込めることになります。
令和8年度の第二次検定は令和8年10月4日に行われ、合格発表は令和9年1月8日の予定です(国土交通省「令和8年度土木施工管理技術検定の実施について」)。合格した場合の第二次検定合格証明書は、令和9年2月下旬以降に国土交通省から発送される予定と案内されています(JCTC 令和8年度 受検の手引 同時申込)。1つ前の令和7年度の第二次検定は、受検者24,667人、合格者9,603人、合格率38.9%でした(JCTC 令和7年度 第二次検定 合格発表資料)。記述の組み立ては1級土木の二次対策の記事で準備できます。
技士補の合格証明書は、国土交通省へ申請して受け取る
1級土木施工管理技士補の証明になるのは、第一次検定合格証明書です。これは国土交通省に申請して交付を受けます。申請先はJCTCではなく国土交通省で、手数料は施行令が定めています。
手引に書かれている申請の流れ
JCTCの受検の手引は「第一次検定に合格後、合格通知書に同封してある交付申請書を国土交通省に受付期間内に申請した方には、「1級土木施工管理技術検定 第一次検定合格証明書(1級土木施工管理技士補)」が交付されます。(令和8年9月下旬以降、国土交通省より発送予定) ※ 第一次検定合格証明書には、合格者の写真が印刷されます。」と書いています(JCTC 令和8年度 受検の手引 1級第一次検定のみ)。2026年10月12日の時点で、案内にあった発送予定の時期はすでに始まっています。
受付期間の具体的な日付は、手引には書かれていません。一次と二次を同時に申し込む人向けの手引の流れ図には8月13日から8月27日という日付が見えますが、これは第二次検定の受検手続きの期間で、合格証明書の申請期間ではないので注意してください。
手数料は、JCTCの手引にも合格発表資料にも書かれていません。法令の側では、施行令が「技術検定の合格証明書の交付又は再交付の手数料の額は、二千二百円とする。」と定めています(建設業法施行令 第42条第2項)。申請書の書き方や届くまでの段取りは、1級土木の合格証明書の申請を扱った記事にまとめています。
申請しないと名乗れないのか、有効期限はあるのか
建設業法は「第一次検定又は第二次検定に合格した者は、それぞれ政令で定める称号を称することができる。」と書いていて(建設業法 第27条第7項)、条文の上では合格証明書の交付を名乗る条件にしていません。ただ、申請が名乗る条件かどうかを正面から書いた公表資料も、法令とJCTCの資料を見た範囲では見当たりませんでした。
有効期限については、建設業振興基金が令和3年1月22日の掲載で、建築・土木に共通する制度改正の説明として「令和3年度以降の第一次検定合格が生涯有効な資格となり、国家資格として『施工管理技士補』の称号が付与されます。」と案内しています。JCTCの資料には、確認した範囲で同じ趣旨の文言は見当たりませんでした。条文の側も、建設業法第27条と施行令第37条〜第43条を確かめた範囲で、技士補に期限や更新を設けた規定は見つかりませんでした。
講習は、監理技術者制度運用マニュアルに「なお、監理技術者補佐についても、監理技術者を適切に補佐し、資質の向上を図る観点から、監理技術者講習を受講することが望ましい。」とあります(監理技術者制度運用マニュアル 四(2)②、令和7年2月1日適用版)。「望ましい」という書き方で、補佐に入るための義務として書かれてはいません。
1級土木の技士補になったら、補佐の話の前に確かめる3つ
僕は、技士補になったら会社から補佐の話が来るのを待つ前に、次の3つを自分で確かめておくのがよいと考えています。どれも、この記事で見てきた条文と手引の条件を、自分の現場に当てはめるだけの作業です。
- 自分が主任技術者の資格を持っている業種と、それがイ・ロ・ハのどの道か
- 会社の現場が特定建設業者の元請工事で、下請金額の総額が配置条件に届くか
- 補佐に入るとき、施工体制台帳に補佐として氏名と資格内容が載るか
1つ目は、土木一式や舗装の現場にいる方ほど大事になります。施行規則の表で一次合格後の行が無い業種なので、2級土木の第二次検定の合格や実務経験など、自分がどの道で主任技術者の資格を満たしているかが、補佐に入れるかどうかを左右します。とび・土工・コンクリートや塗装の工事が中心の方は、施行規則の表の行と、告示の表の行の両方を見比べてみてください。
2つ目と3つ目は、本人の努力だけでは決まらない部分です。補佐は監理技術者が非専任で兼務する形で置かれるので、会社にそういう配置を組む工事があるかどうか、配置が決まったときに台帳へどう書かれるかを、上司や工事の担当部署に早めに聞いておくと、補佐の1年が終わった後で経験として認められないと気づく、という食い違いを防げます。
10月4日の二次の結果が出るのは令和9年1月8日の予定です。受かっていれば補佐の1年は要りませんが、もう1年かかる場合に備えて、記述の準備を結果待ちの間も続けておくという選び方もあります。現場の仕事を続けながら一人で準備するのが重いと感じるなら、講座を使うかどうかもこの時期に決めておけます。
※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
【PR】二次の結果を待つあいだに、学び方を見直したい方へ
独学サポート事務局は、施工管理技士の受験対策講座を扱っています。補佐の経験が受検資格に数えられるかは講座で変わる話ではありませんが、二次に向けた学び方を組み直すときに、どんな講座かを公式ページで確かめられます。
- 二次の結果が出る前に、落ちた場合の動き方を考え始めている
- 独学で進めていて、土木の記述対策に不安が残っている
- 仕事の合間に勉強時間をつくる段取りを組み直したい
1級土木施工管理技士補に関する情報まとめ
- 1級土木施工管理技士補とは:1級土木の第一次検定の合格者が名乗れる称号。令和8年度の第一次検定は受検者50,012人、合格者24,927人、合格率49.8%(JCTC発表)
- 補佐に入れる工事:告示1057号の表で、土木施工管理が条件に入るのは土木一式・舗装・とび・土工・コンクリート・石・鋼構造物・塗装・解体・しゅんせつ・水道施設の9種類
- 土木一式と舗装:施行規則第7条の3の土木工事業・舗装工事業(と鋼構造物工事業)の欄に一次合格後の行が無い。イ・ロや第二次検定の合格など別の道で主任技術者の資格を満たすことが前提
- 補佐の1年と二次:区分1-③。施工体制台帳で6項目が確認でき、下請金額の総額が配置条件を満たす工事に限る。一次合格発表日以降の実務から数える
- 合格証明書:合格通知書に同封の交付申請書で国土交通省へ申請。手数料は施行令で2,200円。有効期限を定めた規定は確認範囲で無し
- 確かめる3つ:主任技術者の資格の業種と道、会社の工事の条件、施工体制台帳への記載
以上が1級土木の技士補についての情報のまとめです。
土木の技士補は、告示の表だけを見ると9種類の工事に開いているように見えますが、道路や河川の土木一式、舗装、鋼構造物の現場では、施行規則の表の段階で入口の確かめ方が変わります。称号を手にした今のうちに、自分の主任技術者の資格がどの業種のどの道なのかを一度書き出しておけば、補佐の話が来たときにも、二次をもう1年追うことになったときにも、慌てずに次の手を選べると僕は考えています。
1級土木そのものの全体像は1級土木施工管理技士の全体を整理した記事で、二次に受かった後に目指す立場は監理技術者の要件の記事で確かめられます。
