第一種電気工事士の勉強方法、第二種と同じ回し方でいいのか

  • 第二種のときと同じやり方でいけるんだろうか
  • 過去問を回せばいい、と言われるけれど何年分をどの順で回すのか
  • 計算問題は捨てていいのか。捨てたら何点になるのか誰も書いていない
  • 結局、何点取れば受かるのか。そこから逆算したい
  • CBTだと問題を持って帰れないらしい。復習できないのでは
  • 高圧の話が出てきた時点で、参考書の説明がいきなり分からなくなった
  • 仕事帰りに1時間しか取れない。この時間で何を回すのが正解か
  • 「500時間」とか書いてあるけれど、そんな時間はどこにもない
  • 技能の練習、いつから始めればいいのか
  • 第二種の工具でそのまま足りるのか

上記の様な悩みを解決します。

第一種電気工事士の勉強方法は、第二種で一度うまくいっているぶん、同じ回し方をそのまま持ち込みたくなる資格です。ただ、学科の持ち時間も、事前に公表されている課題の量も、試験が終わったあとに手元へ何が残るかも第二種とは別物なので、回し方を第二種から引き写して決めるのはおすすめしません。しかも検索して並ぶ記事の多くは「筆記試験」という呼び方のまま止まっていて、学科試験という名称とCBT方式が前提になったあとの書き方になっていないんですよね。上位は通信講座や資格スクールの運営が目立つので結論が講座に着地しますし、個人のブログは体験談が中心で出どころが置かれていない。今回は学科の枠・合格基準・過去問の使い方・技能の対策といった基本を押さえた上で、合格基準から落とせる問題数を数える、計算問題を捨てる判断が公表資料から成り立つのか、技能へ切り替える日をどこに置くのかまで、公表資料の側から整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、高圧の現場が増えてきて受検を決めたばかりの方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

第二種のやり方のどこが通用して、どこが通用しないのか

第二種のときと同じやり方でいけるのか、という問いから入ります。結論から言うと、通用するのは「四肢択一で50問を解いて、決められた点数を超える」という枠組みのほうで、通用しないのは学科の持ち時間と、技能で仕上げる課題の量のほうです。

まず学科の枠を確認します。第一種電気工事士の学科試験は「試験時間 140分」「出題数 50問 一般問題 40問程度 配線図問題 10問程度」と公表されています。ここには「*試験時間、出題数は変更される場合があります。」という但し書きも添えられています(出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「第一種電気工事士の学科試験のポイント」 https://www.shiken.or.jp/construction/first/department/ /2026年9月20日確認)。解答の形式については「出題形式は四肢択一方式で、「筆記方式」はマークシートに解答を記入する方式、「CBT方式」はパソコンで解答を入⼒する方式になります。」と説明されています(同センター「第一種電気工事士の試験概要」 https://www.shiken.or.jp/construction/first/overview/ /2026年9月20日確認)。

第二種との差がいちばん分かりやすく並んでいるのは、CBT方式の案内ページです。第一種の欄には「四肢択一式50問 140分」、第二種の欄には「四肢択一式50問 120分」と書かれていて、合格基準はどちらも「学科試験 合格基準点:60点(30問/50問)」と同じ数字が入っています(出典:同センター「CBT方式のご案内」 https://www.shiken.or.jp/shiken/cbt/ /2026年9月20日確認)。問題数も合格基準点も同じで、持ち時間だけが20分長い。増えたぶんは解答のペースを上げるための余裕ではなく、1問あたりに読み込める時間が増えたという意味になります。僕の感覚だと、練習の狙いを速さから読み解きへ切り替えられるかどうかが、最初の分かれ目です。

技能のほうは枠そのものが変わります。「令和8年度の技能試験問題は,次の No.1 ~ No.10 の配線図の中から出題します。」「なお,試験時間は,すべての問題について60分の予定です。」と公表されたうえで、候補問題は「最大電力 500kW 未満の自家用電気工作物及び一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業」として作られていると説明されています(出典:同センター「令和8年度第一種電気工事士技能試験候補問題の公表」 https://www.shiken.or.jp/construction/upload/P_R08P.pdf /2026年9月20日確認)。合否の見方は「技能試験における合格基準は、作品に欠陥がないこととする。」です(出典:同センター 令和8年度第一種電気工事士試験受験案内(下期用)p.50 https://www.shiken.or.jp/construction/upload/r8psimokiannai2.pdf /2026年9月20日確認)。第二種の練習の延長線ではなく、自家用側の作業が課題に入ってきます。

ここまでを、第二種から持ち込める部分と持ち込めない部分に分けると次のようになります(出典は前掲の学科試験のポイント/CBT方式のご案内/技能試験候補問題の公表 /いずれも2026年9月20日確認)。

  • 持ち込めるのは、四肢択一式で50問を解き、合格基準点60点で判定されるという枠組み
  • 持ち込めないのは学科の持ち時間で、第一種は140分、第二種は120分
  • 学科50問の内訳は一般問題40問程度と配線図問題10問程度に分かれており、但し書きとして変更されうると示されている
  • 技能は候補問題No.1~No.10からの出題で、試験時間はすべての問題について60分の予定

学科の科目がいくつで、第二種から何が増えているのかという仕分けは、教材選びと一緒に考えたほうが早いので第一種電気工事士の参考書の選び方のほうで扱っています。第二種側の回し方を並べ直したい場合は、第二種電気工事士の勉強方法から戻ってくると差が見えやすいはずです。

落とせるのは何問か|合格基準から回し方を決める

結局何点取れば受かるのか、そこから逆算したい。参考書を1冊買ったものの、どこから手を付けるのが正しいのか分からない。この2つは同じ問いです。先に決めるべきなのは教材でも周回数でもなく、何問まで落としても届くのか、という余白の大きさのほうだと考えています。

合格の条件そのものは、申し込む前に読める形で公表されています。受験案内の合格基準には「学科試験における合格基準点は、60点とする。」「技能試験における合格基準は、作品に欠陥がないこととする。」と書かれています(出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 令和8年度第一種電気工事士試験受験案内(下期用)p.50 https://www.shiken.or.jp/construction/upload/r8psimokiannai2.pdf /2026年9月20日確認)。ここまでは多くの解説記事にも載っている数字です。

問題数に落とせる材料は、別のページに置かれています。CBT方式の案内ページの第一種の欄には「出題形式 四肢択一式50問 140分」と並んで、「合格基準 学科試験 合格基準点:60点(30問/50問)」「配点は1問当たり2点」と示されています(出典:同センター「CBT方式のご案内」 https://www.shiken.or.jp/shiken/cbt/ /2026年9月20日確認)。60点という点数が、何問の正解にあたるのかがここで明示されているわけです。

この2つの数字を並べると、答えが出ます。1問2点で50問なら満点は100点、60点は30問の正解にあたる。裏返せば、20問までは落としても合格基準点に届く計算になります。ただしこの20問という数字は、公表資料のどこにも書かれていません。前掲のCBT方式のご案内にある「30問/50問」と「配点は1問当たり2点」という2つの数字から、こちらで引き算して出した算出値です。数えたのは受験者側なので、そのつもりで扱ってください。

わざわざ問題数まで落とす意味は、勉強中に使える形かどうかにあります。60点、あるいは6割という比率のままだと、過去問を1回分解き終えたときに自分が安全圏にいるのかどうかが判断できません。丸が何個ついたかは数えられるのに、その数を比べる相手がいないからです。30問という線と20問という余白に置き換えると、解き終えた瞬間に足りているか足りていないかが決まる。同じ情報でも、点数のままか問題数に直すかで、使える場面がここまで変わります。

合格の線のほうが動かないという点も、逆算を計画にできる理由のひとつです。合格基準点60点は受験案内に印刷された事前の基準なので(前掲 受験案内(下期用)p.50 /2026年9月20日確認)、当日の出来や受験者の分布で線が上下する心配をしなくて済みます。この試験は、届くべき水準が申し込む前から固定されている側だということです。ただし固定されているのは点数の基準のほうで、出題数そのものには「*試験時間、出題数は変更される場合があります。」という但し書きが付いています(出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「第一種電気工事士の学科試験のポイント」 https://www.shiken.or.jp/construction/first/department/ /2026年9月20日確認)。50問を前提にした30問・20問という数え方も、年度をまたぐときは出題数のほうを確かめ直してください。何点取れば受かるのかを最後まで探し続けるより、30問という線を初日に紙へ書いて、そこからの距離だけを毎回測るほうが速いはずです。

なぜ多くの解説が6割という比率で止まるのかも、資料の置かれ方を見ると見当がつきます。受験案内のほうは合格基準を点数でしか書いておらず(前掲 受験案内(下期用)p.50 /2026年9月20日確認)、それを問題数に直した表記が出てくるのはCBT方式の案内ページです(前掲「CBT方式のご案内」 /2026年9月20日確認)。受験案内だけを読んでも、CBTの案内だけを読んでも、逆算に必要な数字はそろいません。2つを突き合わせて初めて、30問という線と1問当たり2点という配点が同じ画面に並びます。

もうひとつ、出典の範囲について断っておきます。「配点は1問当たり2点」という記述が載っているのはCBT方式のご案内のページで、受験案内・学科試験のポイント・試験概要のいずれにも配点の記述は見当たりませんでした(前掲の受験案内(下期用)/前掲「第一種電気工事士の学科試験のポイント」/前掲「第一種電気工事士の試験概要」 /いずれも2026年9月20日確認)。公式に2つの方式を結んでいる記述は「出題形式や出題の難易度は筆記方式と同じです。」という一文で、ここでも配点には触れられていません(出典:同センター「よくあるご質問(47)」 https://www.shiken.or.jp/shiken/faq/faq01/000182.html /2026年9月20日確認)。つまりこの2点という配点は、筆記方式にも共通する一般の配点として読むのではなく、CBT方式の案内に示された数字として扱うのが正確です。

そのうえで、科目別あるいは問題種別ごとの配点の内訳は公表されていません(前掲「第一種電気工事士の学科試験のポイント」/前掲「CBT方式のご案内」 /いずれも2026年9月20日確認)。1問あたり一律2点という単一の数字が出ているだけで、どの分野が何点分なのかは示されていない、という状態です。ここが次の見出しで扱う計算問題の話に直結します。

もうひとつ、20問の余白を置く場所についても、公表されているのは箱の大きさまでです。50問は一般問題40問程度と配線図問題10問程度に分かれていると示されているので(前掲「第一種電気工事士の学科試験のポイント」 /2026年9月20日確認)、落とした20問がどちらの箱から出たのかまでは自分で記録できます。一般問題の側で20問落とすのと、配線図問題10問程度のうち大半を落としたうえで一般問題でも落とすのとでは、次に開く教材がまるで違う。合計だけを追っていると、この違いが記録に残りません。

記録の形も、ここまで決まれば簡単になります。1回分を解き終えたら、正解数、一般問題で落とした数、配線図問題で落とした数の3つだけを日付と一緒に残す。問題番号も解いたページ数も書かなくていい。3つの数字が数回分たまると、20問の余白をどちらの箱で使ってしまっているのかが、集計しなくても目で見て分かるようになります。

ついでに書いておくと、CBT方式の案内では第二種の欄にも「合格基準点:60点(30問/50問)」「配点は1問当たり2点」と同じ数字が並んでいます(前掲「CBT方式のご案内」 /2026年9月20日確認)。つまり落とせる問題数という意味では、第二種のときと枠は変わりません。変わるのは同じ50問に配れる時間のほうで、第一種は140分、第二種は120分と示されています(前掲「CBT方式のご案内」 /2026年9月20日確認)。第二種のときの感覚をそのまま持ち込んでよいのは合格ラインの形だけで、その線に届かせるための時間の配り方は引き直す必要がある、というのがここでの整理です。

技能のほうには、この逆算がまったく効きません。合格基準が「作品に欠陥がないこととする。」である以上(前掲 受験案内(下期用)p.50 /2026年9月20日確認)、何個までなら見逃してもらえるという枠が最初から存在しないからです。学科は落としてよい数を決める試験、技能は落としてよい数が無い試験。同じ資格の中に、測り方の違う2つが入っていることになります。練習の記録の付け方も、学科と技能で別々に用意したほうがいい。

余白の大きさが決まると、日々の練習で見る数字が変わります。テキストを何周したかは、自分の進み具合を測る指標としては弱い。30問という線と20問という余白のほうが、はるかに具体的です。

  • 進み具合を測る単位を周回数から正解数に変える。1回分を通して解いて、30問を超えたかどうかだけを見る
  • 30問に届かない回は、落とした問題を一般問題と配線図問題のどちらで落としたのかで分けて記録する
  • 落とした数が20問を切ったあとは、正解した問題について他の3つの選択肢がなぜ違うのかを言えるかの確認へ切り替える
  • 技能には点数の逆算が効かない。合格基準が作品に欠陥がないことである以上、何個までなら許されるという枠そのものが存在しない

ここまでを一文にまとめると、第一種の学科は50問のうち20問までは手放せる試験だということになります(前掲「CBT方式のご案内」の「30問/50問」「配点は1問当たり2点」からの算出値 /2026年9月20日確認)。どの20問を手放すかを決める作業が、このあと出てくる計算問題の話です。手放す順番を決める材料は、教材の帯に書かれた文句ではなく、自分が過去問を通したときに残した3つの数字のほうになります。

ひとつだけ補っておくと、20問という余白は最初から捨て枠として確保しておくものではありません。余白を先に使い切る前提で計画を立てると、本番で少しでも出方が変わったときに戻す場所が無くなります。届いていない段階で何に時間を配るかを決めるための物差しとして使う。そう割り切っておくと、教材を最後まで読み切れなかった回でも、次に開く場所を自分で決められます。

では30問に届くまでに何時間かかるのか、という順番で考えたくなりますが、その目安は公表されていません。数字が記事ごとに合わない理由と、時間ではなく日程から組み立てる考え方は第一種電気工事士の勉強時間の記事で扱っているので、総量の話はそちらへ預けます。

計算問題を捨てるという判断は、成り立つのか

計算問題は捨てていいのか、捨てたら何点になるのか誰も書いていない。高圧の話が出てきた時点で参考書の説明が分からなくなった。この2つの声に、公表資料の側から答えられる範囲で答えます。結論を先に置くと、捨ててよいとも捨てるなとも言えません。言えるのは、その判断に必要な数字が公表されていない、ということのほうです。

公表されている出題の内訳は、1段階までです。出題数50問について、一般問題が40問程度、配線図問題が10問程度と示されており、そこに「*試験時間、出題数は変更される場合があります。」という但し書きが付いています(出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「第一種電気工事士の学科試験のポイント」 https://www.shiken.or.jp/construction/first/department/ /2026年9月20日確認)。ここから先、どの科目が何問なのか、そのうち計算を要する問題がいくつなのかは、同ページにもCBT方式の案内にも示されていません(前掲「第一種電気工事士の学科試験のポイント」/同センター「CBT方式のご案内」 https://www.shiken.or.jp/shiken/cbt/ /いずれも2026年9月20日確認)。

そもそも、捨てるという言葉の中身が人によって違う点も、話をややこしくしています。問題を見ずに次へ飛ばすことを指している人もいれば、最後まで残しておいて時間が余ったら戻ると決めている人も、選択肢を4つのうち1つに決め打ちして先へ進むことを指している人もいます。この3つは本番での得点の出方がまったく違うので、同じ「捨てる」という一語で他人の結論を借りると、自分の想定とずれたまま進みます。判断の前に、自分がどれのつもりで言っているのかを先に決めておいたほうが早い。

教材の側から埋めてもらえる話でもありません。試験センターは「試験センターでは、参考書は発刊しておりません。また、他社の推薦や紹介もしておりません。」と明言しています(出典:同センター「よくあるご質問(12)」 https://www.shiken.or.jp/shiken/faq/faq01/000147.html /2026年9月20日確認)。公式の教材があって、そこに分野別の出題数が書いてある、という構図は最初から存在しないということです。

だから「計算問題は何問だから、捨てても30問に届く」と書ける材料は、公表側にはありません。そう書いてある記事を見かけたら、その問題数がどこから来たのかを一度探してみてください。出どころが自分で数えた過去問なのか、それとも別の記事から写した数字なのかで、信用できる範囲が変わります。

では何を見て決めるのか。試験センター自身が、判断の材料を過去問に置く案内を出しています。難しい試験かという質問への回答は「難易度の感じ方には個人差があります。」から始まり、「そこから過去の問題を確認して、ご自身に対する難易度を判断する際の参考にご活用ください。」と続きます(出典:同センター「よくあるご質問(11)」 https://www.shiken.or.jp/shiken/faq/faq01/000146.html /2026年9月20日確認)。難易度も分量も、受験者が自分で測るものとして案内されている。それなら、計算問題が何問あるのかも自分で数えるのが筋です。

印を付ける対象を、参考書の目次で決めないという点も添えておきます。参考書の説明が読めなくなる地点と、過去問で実際に手が止まる地点は、必ずしも一致しません。読んでいて難しく感じた章がほとんど出ていないこともあれば、するすると読み流した内容で本番に手が止まることもある。だから印は、解説を読んだときの感触ではなく、時間を計って解いたときに止まったかどうかで付けます。

数える手順は、次の形が扱いやすいと考えています。

  • 直近の数年分を1回分ずつ開き、50問の並びをそのまま眺める。分野ごとに抜き出した問題集からは、この数え方はできない
  • 手が止まる問題に印を付ける。他人の分類に合わせるのではなく、自分が解けないものだけを数える
  • 印の数を1回分ごとに数え、前の見出しで出した20問という余白と突き合わせる
  • 配線図問題10問程度は別の列で数える。計算とは詰まり方が違うので、同じ枠に入れると判断を誤る
  • 数えた結果が年度によって大きくぶれるなら、そのぶれ幅そのものが、捨てるという判断の危うさだと受け取る

数えた結果の受け取り方も、先に決めておきます。印の数が20問の余白にはっきり収まっているなら、後回しにするという判断が成り立ちます。余白を超えているなら、手を付けないという選択肢はそもそも残っていません。そして余白とほぼ同じくらいで年度ごとに上下するなら、それは判断を保留すべき状態で、ここで捨てると当日の出方次第で落ちます。3つのどれになるかは人によって違うので、他人の記事の結論が自分に当てはまる保証はどこにもありません。

なお、数えた結果を何年も持ち越すのは避けたほうがいいと考えています。出題数には「*試験時間、出題数は変更される場合があります。」という但し書きが付いたままなので(前掲「第一種電気工事士の学科試験のポイント」 /2026年9月20日確認)、去年数えた比率が今年もそのままだという前提は置けません。数えるのは自分が受ける回の手前で、というのが安全側です。

配線図問題の10問程度を、計算の印と同じ列で数えないのにも理由があります。公表されている内訳では、一般問題40問程度とは別の箱として示されているからです(前掲「第一種電気工事士の学科試験のポイント」 /2026年9月20日確認)。同じ5問を落とすにしても、40問程度の箱での5問と、10問程度しかない箱での5問では、残りの余白に対する重さがまるで違う。合計の失点だけを見ていると、この差が消えてしまいます。列を分けておけば、どちらを先に手当てするかで迷いません。

この数える作業には、もうひとつ効き目があります。実務でキュービクルを見ているのに問題文になると読めない、という詰まり方は、分からないという感覚のままだと大きさが測れません。印を付けて数えると、それが50問中の何問分の話なのかがはっきりする。20問の余白に収まっているなら後回しにできるし、収まらないなら手を付けるしかないと決まります。捨てるかどうかを先に決めるのではなく、数えてから決める。個人的には、この順番を入れ替えないことがいちばん大事だと思っています。

手間のかかる作業ではあります。ただ、公表されている数字が一般問題40問程度と配線図問題10問程度で止まっている以上(前掲「第一種電気工事士の学科試験のポイント」 /2026年9月20日確認)、その先を埋められるのは自分の手元にある過去問だけです。誰かが出した問題数を借りてくるより、自分の解けない問題を数えたほうが、判断の材料としては確実だと考えています。

どの年度の問題がどこまで公開されているのかは、数え始める前に確かめておきたいところです。所在は第一種電気工事士の過去問の記事で整理しています。

※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

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CBTを選ぶなら、復習の材料が残らない前提で組む

CBTだと問題を持って帰れないらしい、復習できないのでは。この心配は正しくて、しかも対策できます。結論を先に言えば、CBT方式を選ぶなら、本番の日を答え合わせの日として計画に組み込めません。復習を試験前に閉じる形へ、工程のほうを組み替える必要があります。

まず持ち帰りの可否を方式別に押さえます。「CBT方式では、試験問題の持ち帰りはできません。筆記方式では、試験終了時刻まで在席していた場合のみ、配布された試験問題用紙を持ち帰ることができます。」と案内されています(出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「よくあるご質問(243)」 https://www.shiken.or.jp/shiken/faq/faq05/000384.html /2026年9月20日確認)。持ち帰れないのはCBT方式のほうで、筆記方式には在席という条件付きで持ち帰りが認められている、という書き分けです。ここを区別せずに「試験問題は持ち帰れない」と読んでしまうと、方式を選ぶ判断そのものを間違えます。

会場で書いたものも残りません。「貸与したメモ用紙は、持ち帰りできません。もし持ち帰った場合は、失格行為となります。」と示されています(出典:同センター「よくあるご質問(236)」 https://www.shiken.or.jp/shiken/faq/faq05/000377.html /2026年9月20日確認)。受験案内のCBT方式の概要にも「CBT方式の受験で知り得た、試験問題及びその内容を、第三者に開示(漏洩)しないこと。」という同意事項が置かれています(出典:同センター 令和8年度第一種電気工事士試験受験案内(上期用)p.8 https://www.shiken.or.jp/construction/upload/r8denkoukamikiannai.pdf /2026年9月20日確認)。問題そのものも、その場で書いた計算の跡も、外へは出せないということです。

返ってくるのは数字ひとつです。受験案内には「解答の正答数 試験終了時に正答数が表示されます。マイページからも確認できます。」と書かれています(前掲 受験案内(上期用)p.8 /2026年9月20日確認)。そしてその内訳については「個人の得点、採点内容に関する問合せには応じられません。」と案内されています(出典:同センター「よくあるご質問(29)」 https://www.shiken.or.jp/shiken/faq/faq01/000164.html /2026年9月20日確認)。何問取れたかは分かるが、どこで落としたかは分からない。これがCBT方式を選んだときに手元へ残るものの全部です。

ということは、間違いの分析を本番に期待できません。工程の終点を1つ手前へずらします。

  • 過去問を1回分通した日は、その日のうちに見直しまで終える。本番の日に回さない
  • 落とした問題は問題番号ではなく、一般問題か配線図問題か、どの内容で詰まったのかで記録する
  • 画面上で四肢択一を選ぶ形に慣れておく。紙の余白へ書き込みながら考える段取りを持ったまま当日を迎えない
  • 本番の日に持ち込む宿題をゼロにする。当日の自分は解答を入力して帰るだけの人だと決めておく

復習の材料を解説動画などに求める場合も、年度を先に確認したほうが安全です。試験時間と出題数には「*試験時間、出題数は変更される場合があります。」という但し書きが付いたままなので(出典:同センター「第一種電気工事士の学科試験のポイント」 https://www.shiken.or.jp/construction/first/department/ /2026年9月20日確認)、いつの年度を前提に作られた材料かが分からないと、確認の手間のほうが大きくなります。

方式の位置づけは先の年度で変わる予定も示されていて、CBT方式の案内には「注)電気工事士学科試験については、令和9年度より原則としてCBT方式へ移行。」という注記が置かれています(出典:同センター「CBT方式のご案内」 https://www.shiken.or.jp/shiken/cbt/ /2026年9月20日確認)。原則として、という書き方なので筆記方式がその後どう扱われるかまでは読み取れませんが、この前提で組む人が増える方向ではあります。申込みから会場の予約まで、方式の選び方と手続きの順番は第一種電気工事士の独学の記事が一本まるごと扱っています。

1日1時間しか取れないなら、何を先に決めるか

仕事帰りに1時間しか取れない、この時間で何を回すのが正解か。調べるほど必要な時間の数字が記事ごとに食い違ううえ、どれも自分の生活には収まらない。取れる時間を増やせないなら、決めるものを変えるしかありません。先に決めるのは1時間の使い道ではなく、学科を受けに行く日のほうです。

そもそも比べるための目安が公表されていません。試験概要、学科試験のポイント、技能試験の候補問題、CBT方式のご案内、よくあるご質問を通して確認しましたが、標準的な勉強時間に相当する記述は見当たりませんでした(前掲の試験概要/学科試験のポイント/技能試験候補問題の公表/CBT方式のご案内/よくあるご質問 /いずれも2026年9月20日確認)。公表されていないものを基準にしても、自分がその前提に当てはまるのかを判断できません。

かわりに、日付のほうははっきり決まっています。令和8年度下期でいえば、学科をCBTで受けるなら9月11日に始まり10月18日で閉じる38日間のどこか、筆記で受けるなら10月4日の一日、そして技能はそこから先の11月21日、という置かれ方です(出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」 https://www.shiken.or.jp/construction/upload/R08denkounittei2.pdf /2026年9月20日確認)。上期は学科試験のCBT方式が4月1日から5月8日までの38日間、技能試験が7月4日で、学科には「※1 第一種電気工事士上期学科試験は、CBT方式のみ実施します。」という注記が付いています(前掲「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」 /2026年9月20日確認)。

ここで見落としやすいのが、予約のほうの締切です。CBTの会場予約期間は下期が8月20日から9月24日までの36日間、上期が3月9日から4月13日までの36日間と示されています(前掲「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」 /2026年9月20日確認)。下期で言えば、受験できる期間は10月18日まで続くのに、席を押さえられる期間は9月24日で閉まる。38日間あるから後で決めればいい、という構え方が効かないのはこのためです。

案内の冒頭には「電気工事士学科試験は、受験機会を増やすため、CBT 実施期間を大幅に延長します。試験会場、試験日時が選択・変更可能な CBT 方式をお勧めします。」と書かれています(前掲「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」 /2026年9月20日確認)。選べるということは、締切を自分で置く仕事が受験者側へ回ってくるということでもあります。1日1時間しか取れない人ほど、この仕事を先に片づけたほうがいい。

  • 学科を受けに行く日を1日決める。実施期間のどこでもよいが、決めないと毎日の1時間に終点ができない
  • その日から手前へたどって、会場予約の締切を先に手帳へ書く。実施期間より先に閉まる
  • 1回分を通して解く日を、受けに行く日より前に最低1回は置く。学科は50問で140分なので(前掲「CBT方式のご案内」 /2026年9月20日確認)1時間では通らない。そこだけまとまった時間を確保する
  • 残りの日の1時間は、通したときに落とした側にだけ充てる。全体を薄く進めるのに使わない

学科で届かなかった場合にどこからやり直すことになるのかも、先に見ておくと判断が軽くなります。そのあたりの並びは第一種電気工事士に落ちたあとの動き方にまとめてあります。

技能は候補問題10問|学科からいつ切り替えるか

技能の練習はいつから始めればいいのか、候補問題の公表を待ってから材料を買うべきなのか、第二種の工具でそのまま足りるのか。この3つは、公表日と試験日の並びを見れば半分は片づきます。

技能試験の課題は、年の初めに10問へ絞られた形で公表されます。「令和8年度の技能試験問題は,次の No.1 ~ No.10 の配線図の中から出題します。」「なお,試験時間は,すべての問題について60分の予定です。」という公表で、この文書の日付は令和8年1月6日です(出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和8年度第一種電気工事士技能試験候補問題の公表」 https://www.shiken.or.jp/construction/upload/P_R08P.pdf /2026年9月20日確認)。

この日付を試験日と並べると、待つ必要があるかどうかが決まります。令和8年度の技能試験日は上期が7月4日、下期が11月21日です(出典:同センター「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」 https://www.shiken.or.jp/construction/upload/R08denkounittei2.pdf /2026年9月20日確認)。どちらも1月6日の公表より後なので、令和8年度を受けるなら練習する10問は申し込む前から確定しています。公表を待つという判断が要るのは年度をまたぐ人だけです。

練習の中身も、公表資料の書き方から絞り込めます。候補問題は「ここに公表した候補問題(No.1 ~ No.10)は,最大電力 500kW 未満の自家用電気工作物及び一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業であって,試験を机上で行うことと使用する材料・工具等を考慮して作成してあります。」と説明されており、注記には「4.配線図に明示していないが,出題される工事種別には,ケーブル工事,金属管工事,合成樹脂管工事がある。」と書かれています(前掲「令和8年度第一種電気工事士技能試験候補問題の公表」 /2026年9月20日確認)。配線図に描かれていない工事種別まで先に示されている、というのは準備する側にはありがたい情報です。

工具について公表資料が言っているのは「使用する材料・工具等を考慮して作成してあります」というところまでで、何を用意すればよいかの一覧は示されていません(前掲「令和8年度第一種電気工事士技能試験候補問題の公表」 /2026年9月20日確認)。第二種のときの工具で足りるかどうかも、公表資料からは断定できません。注記に挙がっている工事種別と候補問題の配線図を手元の工具箱と突き合わせて、足りない作業が出るかを自分で確かめる形になります。

切り替えの日については、前の見出しで触れた正答数の扱いがそのまま効きます。CBT方式なら試験終了時に正答数が表示されるので、結果発表を待たずにその場で次へ進むかを決められます(前掲 令和8年度第一種電気工事士試験受験案内(上期用)p.8 /2026年9月20日確認)。

  • 練習の対象は年度ごとに10問へ絞られ、令和8年度分は令和8年1月6日付で公表済み
  • 試験時間はどの問題でも60分の予定。1問を60分で仕上げ切れたかどうかだけを記録に残す
  • 合格基準が作品に欠陥がないことなので、途中まで速かった回は練習の記録として使えない
  • 注記に挙がっている工事種別を先に読み、手持ちの工具で足りない作業がないかを突き合わせる
  • 切り替えの日は学科を受けに行く日。CBTなら正答数がその場で出るので、結果発表まで止まる必要がない

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候補問題は10問に絞られていて、注記に挙がっている工事種別にはケーブル工事・金属管工事・合成樹脂管工事が含まれます。材料をどこでそろえるか決めていない段階なら、電気の受験材料を扱っているこちらも一度のぞいておくと段取りが早くなります。

第一種電気工事士の勉強方法に関する情報まとめ

  • 第二種との違い:四肢択一式50問と合格基準点60点は共通で、学科の持ち時間は140分、技能は候補問題10問を60分で仕上げる枠
  • 落とせる問題数:CBT方式のご案内の「30問/50問」と「配点は1問当たり2点」から、20問までは落とせる計算になる(算出値)
  • 計算問題:科目別の出題数は公表されていないので、捨てるかどうかは自分の過去問で何問あるかを数えてから決める
  • CBT方式:試験問題もメモ用紙も持ち帰れず、返るのは正答数だけ。復習は試験前に閉じる工程へ組み替える
  • 1日1時間:時間の目安は公表されていない。学科を受けに行く日と、実施期間より先に閉まる会場予約の締切から決める
  • 技能:令和8年度の候補問題は令和8年1月6日付で公表済み。切り替えの日は結果発表日ではなく学科を受けに行く日

以上が第一種電気工事士の勉強方法に関する情報のまとめです。

第二種のときに効いた測り方をそのまま持ち込まない、というのがこの記事の立場です。最初に紙へ書き出すのは、学科を受けに行く日と、その手前で閉まる会場予約の締切の2つ。次に、過去問を1回分通して何問取れたかを書き足していく。30問という線と20問という余白が先にあれば、計算問題を捨てるかどうかも、技能をいつ始めるかも、他人の記事の結論を借りずに自分で決められます。正直なところ、第一種で手こずるのは知識の量そのものより、公表されていない部分を自分で数えて埋める作業のほうだとみています。

あわせて読むなら、総量の数字がなぜ記事ごとに合わないのかを扱った第一種電気工事士の勉強時間と、方式の選び方から受け方までをまとめた第一種電気工事士の独学の2本から。

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