- CAVってなに?
- 仕組みはどうなってる?
- VAVと何が違う?
- メリットは?
- どんな建物で使う?
- 選定方法は?
- 省エネ性能はどう?
上記の様な悩みを解決します。
CAVは空調ダクトの中で「常に一定の風量を送る」装置です。VAVと並ぶ空調制御の基本方式で、両者の使い分けを理解すると、空調設計の選択肢が一気に広がります。CAVの仕組みと使いどころを整理しておきましょう。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
CAVとは?
CAVとは、結論「Constant Air Volume(定風量)の略で、ダクトを流れる風量を一定に保つ空調制御方式」のことです。英語では Constant Air Volume System と呼ばれますね。
送風機からの風量を機械的または電子的に制御し、外部条件(温度・圧力)が変動しても、流れる風量は常に一定に保たれます。VAV(変風量方式)と対比される基本方式の1つ。僕としては、CAVは「シンプルで安定した運転を取りに行く方式」だと捉えていて、用途によってはVAVより合理的な選択肢になるなと感じます。
セントラル空調の中で使われる制御方式の話はこちらに整理しています。

CAVの仕組み
CAVシステムの基本構成は、定速運転の送風機、CAVユニット(定風量装置)、加熱コイル、制御盤の4要素から成ります。
動作原理としては、送風機が一定回転で固定された風量を吹き出して、室温が低ければ加熱コイルで温め、高ければ加熱を弱める、というシンプルな流れ。風量自体は変動せず、温度のみで制御するのがCAVの特徴です。
CAVユニットには「機械式(オリフィスとバネで風量調整)」「電子式(センサとモータで電子制御)」「自力式(圧力差で自動調整)」の3タイプがあって、案件規模で使い分けます。風量を一定にする「CAV」は送風機の入力電力も一定なので、省エネ性能はVAVに劣るのが一般的な認識です。
CAVとVAVの違い
両者の違いを表で整理します。
| 観点 | CAV | VAV |
|---|---|---|
| 風量 | 一定 | 可変 |
| 温度制御 | 加熱コイルで | 風量で |
| 送風機制御 | 定速 | インバータ可変 |
| 省エネ性能 | 中 | 高 |
| 初期費用 | 低〜中 | 高 |
| 制御の複雑さ | シンプル | 複雑 |
| 騒音 | 一定 | 風量低下時に静か |
| 適応 | 負荷が一定 | 負荷が変動 |
CAVは「シンプルで安いが省エネ性能はやや劣る」、VAVは「複雑で高価だが省エネ性能が高い」という関係です。
CAVのメリットとデメリット
主なメリットとデメリットを整理します。
- 機械式中心でシステムがシンプル
- 装置・制御盤のコストが低く初期費用安い
- シンプルな構造で故障少なく保守容易
- 風量一定で換気量が安定(空気質安定)
- 複雑な制御ロジック不要で運用が楽
-
一定送風が必須の用途(クリーンルーム等)に最適
-
部分負荷時にも最大風量運転で省エネ性能はVAV劣り
- 大規模ビルではVAVに運用コストで負ける
- 夜間・閑散時にも風量・騒音が下がらない
- ダクト距離が長いと末端で温度ムラが出やすい
CAVが活躍する代表用途はクリーンルーム・手術室、美術館・博物館、データセンター・サーバー室、小〜中規模オフィス、工場(一般生産ライン)、倉庫・物流施設など。換気量の安定が重要な用途で本領発揮します。

CAVの選定方法
設計時の判断軸を整理します。
- 用途の負荷変動(変動小:CAV/大:VAV)
- 規模(数千m²以下はCAVも経済的)
- 運用時間(24時間連続:CAV/時間帯変動:VAV)
- 初期投資余力(タイトならCAV)
- ライフサイクルコスト(10〜20年運用での比較)
僕としても、用途と規模が決まるとCAV/VAVの選定はほぼ自動的に決まる感覚で、特に「換気量の安定が要件かどうか」を最初に確認するのがコツだなと思います。COP・APFと合わせた経済性比較はこちらも参考に。

CAVに関する注意点
施工管理として押さえたい3点。
注意点①:ダクトの圧力損失
CAVは一定風量を保証するため、設計時のダクト圧力損失計算が極めて重要です。ここを甘くすると風量不足や送風機過負荷の原因になります。
注意点②:CAVユニットの校正
機械式CAVは長期的に風量がずれることがあります。年1回の風量測定と校正が望ましく、これを怠ると徐々に空調性能が落ちていくので、運用フェーズでのメンテ計画も重要。
注意点③:制御盤との連動
各室の温度制御は加熱コイルで行うため、制御盤との連動が重要です。動力盤との関係はこちらに整理しています。

クリーンルームや手術室のCAV運用では、フィルタの目詰まりが風量低下に直結するので、メンテナンス計画を含めた運用設計が大切ですね。
CAVに関する情報まとめ
- CAVとは:ダクトの風量を常に一定に保つ空調制御方式
- 仕組み:定速送風機+CAVユニット+加熱コイル+制御盤
- VAVとの違い:CAVは風量固定で温度制御、VAVは風量可変
- メリット:シンプル/低コスト/信頼性高/換気量安定
- デメリット:省エネ性能はVAV劣り/騒音一定
- 用途:クリーンルーム/手術室/美術館/データセンター
- 選定:負荷変動/規模/運用時間/投資余力で判断
以上がCAVに関する情報のまとめです。
CAVは「シンプルで安定、しかし省エネ性能ではVAVに劣る」というポジションです。建物用途と運用パターンを見て、CAVとVAVを使い分けるのが空調設計の腕の見せ所。一通り基礎知識は網羅できたかなと思います。
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