厚鋼電線管(G管)とは?役割、サイズ、特徴、支持間隔、定尺など

  • 厚鋼電線管ってなに?
  • どんなサイズがあるの?
  • どんな特徴があるの?
  • 定尺って?
  • 支持間隔はどれくらい?
  • どんなメーカーが作ってるの?
  • ボンドアースってなに?

上記の様な悩みを解決します。

厚鋼電線管を使った配管は現場にて頻繁に使用されます。シンプルな配管材ですが強度が強く、使い勝手が良いので目にすることが多いです。基本的に知識は抑えておきましょう。

この記事では厚鋼電線管とは?といったところから、役割、サイズ、特徴、支持間隔、メーカー、ボンドアースについて解説していきます。

分かりにく表現は使わずになるべく分かりやすい表現で記事をまとめていきますので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

厚鋼電線管(G管)とは?役割についても解説

厚鋼電線管とは、その名の通り「厚い鋼でできた電線管のこと」です。G管と呼ばれたりもしますね。

電線管は電線を収める管のことですので、厚鋼電線管の定義を整理すると「厚い鋼で出来た電線を収める管のこと」となります。

役割としては、電線の保護です。

当然のことながら、電線には電気が通っています。電気は非常に危険で、もし人が触れてしまったら感電し、最悪の場合は命を落としてしまうこともあります。

感電事故が起こらないよう、電線は「絶縁保護」と呼ばれるものが施されています。

電気が通る電線管をシースなり被覆なりで覆うんです。すると電気が通っている部分を隠すことができます。表に出てくるのは電気の通ってない被覆ですから、感電の心配はありません。

ただ、何かしらの原因で、被覆が傷ついてしまうことがあります。

被覆が傷ついてしまうと、電気の通っている部分が露出してしまい、そこから感電してしまう可能性があります。安全性に問題がある状況ですね。この様なことが起こらない様、厚鋼電線管で電線を保護します。

あとはシンプルに、裸で電線を通すと見た目が悪いということも言えます。

厚鋼電線管で保護すれば、見栄えはそれなりに改善されます。

 

厚鋼電線管(G管)のサイズ表まとめ

太さ(呼び方) 外径 内径 厚さ 内断面積 面積0.32掛け
G16 21 16.4 2.3 211.1 67.6
G22 26.5 21.9 2.3 376.5 120.5
G28 33.3 28.3 2.5 628.7 201.2
G36 41.9 36.9 2.5 1068.9 342.0
G42 47.8 42.8 2.5 1438.0 460.2
G54 59.6 54 2.8 2289.1 732.5
G70 75.2 69.6 2.8 3802.7 1216.9
G82 87.9 82.3 2.8 5317.0 1701.5
G92 100.7 93.7 3.5 6906.8 2210.2
G104 113.4 106.4 3.5 8887.0 2843.8

一番右の列に「0.32掛け」を入れたのは、電線の収容可能面積も一緒に知っておいて欲しかった為です。

電線管の占有率は32%ですから、内断面積に0.32を掛けた数字が、電線の収容可能面積となります。厚鋼電線管のサイズ選定をする際に役立ちますので、参考までに。

 

厚鋼電線管(G管)の特徴とは

厚鋼電線管(G管)の特徴①屋外で使用できる

厚鋼電線管は「厚い鋼」と銘打ってあるだけあって、かなり頑丈にできています。雨が降っても風が吹いてもそれに耐え凌ぐだけの強度があります。

よって厚鋼電線管は屋外で使用することが可能です。

露出配管でも使うことができます。よく厚鋼電線管と比較される薄鋼電線管やジなし電線管では屋外で使用できず、屋内のみの使用となっています。

 

厚鋼電線管(G管)の特徴②メンテナンスが不要

厚鋼電線管は強度が強く、劣化しにくい為厚鋼電線管はメンテナンスが不要であるというのも大きな特徴です。

メンテナンスが必要となると人件費がかかります。厚鋼電線管を使用すればメンテナンスが不要になるので、ランニングコストを下げることができます。

施工する側からすると大変ですが、一度作ってしまえば長期的に活躍してくれるのが厚鋼電線管の特徴となっています。

 

厚鋼電線管(G管)の特徴③耐候性が良い

耐候性とは「外の環境による劣化強度はいかがか?」という話でして、厚鋼電線管は耐候性がバッチリの使用になっています。

  • 太陽光による紫外線
  • 温度変化
  • 雨による劣化

等々の環境の変化に負けず仕事をしてくれるのが厚鋼電線管の強みです。

設備は作ればいいというものではなく、作ってから運用しなければなりません。耐候性が強いというのはメンテナンスコストを考えると強みであると言えるでしょう。

 

厚鋼電線管(G管)の特徴④防爆性能もバッチリ

厚鋼電線管は防爆性能にも優れます。

では具体的に、どの様なタイミングで防爆性能が求められるのかというと、結論「工場や化学薬品が貯蔵されている建物」です。

化学薬品なんかが特に分かりやすいです。化学薬品の中では時として爆発を引き起こしてしまうこともあります。そんな時、配管が飛んでしまったら、電線が傷付いて適切な信号を外に送り出すことができません。

特にプラント工事に携わる人が厚鋼電線管を見ることが多いのは、このせいです。

 

厚鋼電線管(G管)の特徴⑤重くて持ち運びが不便

重くて持ち運びが不便というのも厚鋼電線管の特徴です。

一度担いでみれば分かりますが、厚鋼電線管はめちゃくちゃ重いです。肩が外れるほどではありませんが普通の人だと苦労します。

設計する人や見ているだけの人なら分からないかもしれませんが、実際に運んでみるとその重さが理解できるかと思います。

これを少し運搬するくらいならいいのですが、現場で昇降設備を使えないとなると、施工する階まで担いでいかなければなりません。

 

厚鋼電線管(G管)の特徴⑥施工性はあまり良くない

施工性があまり良くないというのも厚鋼電線管の特徴です。

強度があるので、厚鋼電線管は曲げるのが大変です。

厚鋼電線管を曲げるとなるとベンダーを使うことになりますが、職人の腕によって「上手く曲げられたもの」と「上手く曲げられなかったもの」に分かれてしまいます。

全ての電線管が同じように曲げられる訳ではないので、施工性はあまりよくないかなと感じます。

 

厚鋼電線管(G管)の定尺って?

結論から言いますと、厚鋼電線管の定尺は3660mmです。

例えば「厚鋼電線管が5000mm必要!」となった場合は、5000mピッタリを発注することはできません。3660mmを2本発注する必要があります。

見積もりを作ったりする際や、拾いの段階で必要な知識となります。

また、図面を見て、どれくらいの長さが必要か?という判断を行うことで、適切な本数を運んでいくこともできます。必須の知識ですので覚えておきましょう。

ちなみに、その他の電線管(薄鋼電線管やネジなし電線管)の定尺も同様に3660mmです。あとはPE管とステンレスの電線管も同様です。可とう電線管の定尺はまた異なりますので、ご注意を。

 

厚鋼電線管(G管)の支持間隔は?

結論から申しますと、厚鋼電線管の支持間隔は2m以下です。

その他電線管(薄鋼電線管とネジなし電線管)の支持間隔も2m以下です。PE管も2m以下です。ボックスから一箇所目の支持は500mm以下ですので注意が必要です。

電線管の拾いをしている際は、支持材を数えるのも忘れないようにしましょう。

 

厚鋼電線管(G管)を作っているメーカーは?

厚鋼電線管を作っているメーカーはパナソニックが挙げられます。

代理店としては数多く存在しますが、実際に厚鋼電線管を作っているのはそこまで多くありません。ネグロスも未来工業も作ってません。

厚鋼電線管を作ってるメーカー=ほぼほぼパナソニックといった認識で間違いないです。

 

厚鋼電線管(管)でボンドアースを使用する場合は忘れずに

そもそもボンドアースってなんぞや?といったところですが、「厚鋼電線管とボックスを電気的に接続する場合に利用する線」のことです。

それでは何故ボックスと厚鋼電線管を電気的に接続するのでしょうか?

厚鋼電線管内の電線が経年劣化や外部からの衝撃で被覆の部分が壊れてしまった場合、厚鋼電線管に電流が流れてしまいますよね。電流が流れた厚鋼電線管に触れてしまったら、事故が発生します。この事故の防止としてボンドアースが用いられます。

要するに接地工事ですね。接地線(IV線)などを用いて、近くからアースを取ります。

厚鋼電線管を施工する際は、ボンドアースが必要か?不要か?をしっかり確認しましょう。

 

厚鋼電線管に関する情報のまとめ

厚鋼電線管に関する情報のまとめ

  • 厚鋼電線管とは:厚い鋼でできた電線管のこと
  • 厚鋼電線管の役割:電線の保護
  • 厚鋼電線管のサイズ:上表参照
  • 厚鋼電線管の特徴:屋外使用可、メンテナンス不要、重い、他
  • 厚鋼電線管の定尺:3660mm
  • 厚鋼電線管の支持間隔:2m以下
  • 厚鋼電線管のメーカー:パナソニック

以上が厚鋼電線管に関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

厚鋼電線管と合わせて抑えていた方がいいのは、薄鋼電線管とネジなし電線管です。使い方は似ていますが、微妙に使い勝手が異なります。

他にも合わせて抑えておいた方がいい単語を下にまとめておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!