- 自動ドアってどんな種類があるの?
- 引戸タイプとスイングタイプの違いは?
- 回転扉ってどういう仕組み?
- センサーは何が使われてる?
- メーカーで選ぶならどこがいいの?
- 自動ドアの施工で気をつけるポイントは?
上記の様な悩みを解決します。
自動ドアは商業施設・病院・オフィス・駅・空港などで日常的に目にする設備ですが、施工管理として発注・納まり調整を任されると、開閉方式・センサー種類・メーカー仕様で意外なほど選択肢があることに気付きます。スライド片開と両開、スイング式や回転扉、センサー方式の選定など、現場での落とし穴も多い分野です。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
自動ドアとは?
自動ドアとは、結論「人や物の接近を検知して自動で開閉するドア」のことです。
英語では Automatic Door または Sensor Door。一般のドアは押す・引く・スライドさせるなど人手で開閉するのに対し、自動ドアはセンサー+モーター+制御装置の組み合わせで無人で開閉する仕組み。
自動ドアの基本構成
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| センサー | 人・物の接近を検知 |
| 制御装置(コントローラ) | 信号処理、開閉指令 |
| 駆動装置(モーター・ベルト) | ドアの実際の開閉動作 |
| 障害物検知センサー | 挟み込み事故防止 |
| 非常時開放装置 | 停電時手動開放、火災連動 |
自動ドアの市場規模
国内の自動ドア市場は、年間出荷台数で約30万台前後。新築・改装・更新の3つの需要があり、商業施設・病院・オフィスのほか、最近はマンションのエントランス・コンビニ・スーパーで標準化が進んでいます。
ガラリ(換気・通気部材)の話はこちら。

自動ドアの種類(開閉方式)
開閉方式で分類した自動ドアの主な種類は以下の通り。
| 種類 | 動作 | 主な使用シーン |
|---|---|---|
| 引戸式(片引・両引) | 横にスライド | 商業施設、オフィス、病院、駅 |
| スイング式(開戸) | 押す・引く方向に回転 | 機械室、バックヤード |
| 折戸式 | 中央で折れて開く | 通路幅の狭い場所 |
| 回転扉 | 円筒状に回転 | 高層ビル、ホテル、空港 |
| カーテン式 | エアシートが上下動 | 倉庫、物流センター |
1. 引戸式自動ドア(一番ポピュラー)
最も普及しているタイプ。ドアパネルが横にスライドして開閉する。さらに細分化すると:
- 片引(かたびき):ドアパネル1枚が片側へ開く
- 両引(りょうびき):ドアパネル2枚が中央から左右に開く
- 両袖片引:戸袋が両側にあるが、開くのは片側のみ
両引きが視覚的に「自動ドアっぽい」見た目で、商業施設・病院・オフィスエントランスで圧倒的なシェアを持ちます。
2. スイング式自動ドア(開戸)
ドアが蝶番を軸に押す/引く方向に回転して開閉。引戸が設置できないスペース、または意匠上スイングが望ましい場所で採用。機械室・バックヤード・サニタリー前室などでよく見ます。
3. 折戸式
通路幅が狭い場所で、引戸の戸袋スペースが取れない場合に使用。中央で折れる形で開閉する。倉庫・狭小店舗・通路ドア。
4. 回転扉(リボルビングドア)
円筒状に3〜4枚のドア羽根が回転するタイプ。外気の流入を防ぐ効果があり、空調負荷の大きい高層ビル・ホテル・空港で採用。
ただし2004年の六本木ヒルズ事故以降、安全装置の規制が強化され、新規導入は減少傾向。代わりにセキュリティゲート+通常自動ドアの組み合わせが増えました。
5. エアカーテン式(高速シートシャッター)
物流倉庫・冷蔵庫・工場の出入口で使う高速で開閉する樹脂シート式のドア。1秒以内に開閉でき、外気の流入を最小限にできる特殊用途。
意匠系自動ドア
最近は意匠的な仕様が多様化。
- ハイガラスタイプ:FIX高さ3m以上の大型ガラスパネル
- フレームレス:枠を最小限にして全面ガラスに見せる
- ノンレール:床にレールを設けず段差ゼロにする
- 曲面ドア:エントランスを曲面にする意匠系
サッシの話はこちら。

自動ドアのセンサー種類
センサーの方式は、人を検知する原理で5種類に分かれます。
| センサー方式 | 検知原理 | 特徴 |
|---|---|---|
| 光線式(光電式) | 赤外線の遮断を検知 | 通過の検知、補助センサーで多用 |
| マイクロ波式 | ドップラー効果で動体検知 | 主流、移動体のみ反応 |
| 赤外線反射式 | 赤外線の反射を検知 | 静止体も検知可能 |
| タッチセンサー | ボタンを押すことで作動 | 病院・サニタリー |
| 重量センサー | 床マットの加重 | 補助・安全用 |
1. マイクロ波センサー(メイン)
現在の自動ドアのメインセンサー。マイクロ波(ドップラー)で動体を検知し、移動する人にだけ反応します。静止している人には反応しないため、エントランス前で立ち話している人で誤動作しないのが利点。
2. 赤外線反射式センサー(補助)
赤外線を発射し、反射光でドア前面の物体を検知。マイクロ波と組み合わせて、「ドアに近づいて止まった人」も検知できるようにする補助センサー。
3. 光電式センサー(安全用)
ドアの開口部に赤外線の光路を作り、遮断されたらドアを開いたままにする仕組み。挟み込み防止の安全装置として、ほぼ全機種に標準装備。
4. タッチセンサー
押しボタン式。手を使えない場面で押せるタッチセンサーもあり、病院や介護施設で多用。最近は非接触タッチセンサー(手を近づけるだけで反応)も普及。コロナ禍以降、特に増加。
5. AIカメラセンサー(次世代)
カメラ画像処理+AIで人を検知する次世代タイプ。車椅子・松葉杖・ベビーカーを優先検知する機能が実装されているメーカーも。
センサー設定での注意点として、雨・雪・直射日光・隣接ドアの動作などが誤動作の原因になります。設置位置・角度の調整は熟練の技が要るので、納入直後の調整は必ずメーカーサービスマンに依頼するのが定石。
煙感知器の話はこちら。

自動ドアの主要メーカー
国内で流通している主要メーカーは以下の4〜5社に集約されています。
| メーカー名 | 特徴 |
|---|---|
| ナブコ(NABCO・株式会社ナブテスコ) | 国内シェアトップ、商業施設で多用 |
| 寺岡オートドア | 病院・公共施設に強い、堅牢設計 |
| オプテックス(OPTEX) | センサー専業、後付け改修にも対応 |
| 千葉エンジニアリング | 業務用・特殊仕様に対応 |
| YKK AP・LIXIL | サッシメーカー系、ガラスドア意匠寄り |
ナブコ
ナブテスコグループ。商業施設・オフィスエントランス・病院など幅広いシェア。「NABCO」のブランドで広く認知され、新築物件ではほぼ第一候補に挙がります。
寺岡オートドア
重量物用・耐久性重視のラインで人気。病院・福祉施設・倉庫など、24時間稼働や重量ドアでの実績が豊富。
オプテックス
センサーメーカー出身。既存ドアへの後付け自動化キットでも知られ、改修工事に強い。
メーカー選定のポイント
- 新築:意匠との整合(サッシメーカーとの組み合わせ)、施工性、価格
- 改修:既存ドアへの適合、撤去・更新の容易さ
- 公共:採用実績、維持管理のしやすさ、保守体制
各社の保守契約はメーカー直営または認定工事店が請け負うので、ライフサイクルコストで選ぶのが本当のところは賢いやり方です。
自動ドアの選び方
新築・改修時の選定基準を整理します。
1. 用途・通行量で開閉方式を決める
| 用途 | おすすめ |
|---|---|
| 商業施設・オフィスエントランス | 両引き、ハイガラス |
| 病院・介護施設 | 引戸、タッチセンサー併設、ノンレール |
| 工場・倉庫 | 引戸、または高速シート |
| 機械室・バックヤード | スイング式 |
| ホテル・空港 | 引戸+エアカーテン or 回転扉 |
2. 耐風圧・耐久性能を確認
海沿い・高層階・特殊環境では、耐風圧クラス・耐久回数(開閉100万回以上等)を仕様で確認。海風のあるエリアで耐風圧不足の機種を入れると、強風時に動作しない・ガラスが割れるなどのトラブルが頻発。
3. 意匠との整合
エントランスのガラスサイズ・サッシ枠・天井ふところとの整合を初期段階で確認。戸袋幅は通行幅と同じくらい必要なので、意匠図でドア両側に十分な壁面が確保できているかチェック。
4. 安全規格と法令適合
自動ドアはJIS A 4722(歩行者用自動ドアの安全要件)および労働安全衛生規則・建築基準法の適合が必要。バリアフリー対応として、開口幅・速度設定・センサー感度の調整が必要なケースも。
5. 電源と非常時対応
自動ドアは100V電源で動作するのが標準。停電時の手動開放装置は法令上必須で、火災時には煙感知器連動で全開固定になる仕様が一般的。電気設備設計と建築設計の両方で連携が必要。
6. 維持管理コスト
導入時の本体価格に加え、保守契約料(月額1〜3万円程度)、部品交換(モーター・ベルト・センサー)で年間2〜5万円程度のランニングが発生。契約前に5〜10年のトータルコストを出すのが施主を納得させるコツ。
電気設備の種類はこちら。

自動ドアの施工管理ポイント
実際に現場で気をつけるべき点を整理します。
1. 着工前の納まり調整
- 戸袋・天井ふところ・床下のスペース確保
- 床のフラット度(ノンレールの場合は±2mm以下が要求される)
- ガラスサイズ・サッシ枠の取り合い
- 電源位置(100V専用回路)と煙感連動配線
2. 電気工事との連携
自動ドアは専用回路100V+煙感知器連動回路が必要。煙感連動は防災設備の検査対象なので、電気・防災・意匠の3工種の調整が必須。
3. 据付け・センサー調整
センサー位置・角度・感度設定は専門技術。納入直後はメーカーサービスマンの調整が必須で、冬場・夏場で再調整が必要なケースもあります。直射日光・空調吹出し・床面の鏡面反射は誤動作の3大原因。
4. 完成検査での確認項目
- 開閉動作(速度・タイミング)
- 障害物検知(試験用挟み込みテスト)
- 煙感知器連動の試験(消防検査対象)
- バリアフリー対応の確認(開口幅・開口時間)
5. 引き渡し時の取扱説明
施主・テナント・管理者に対し、通常運転、停電時の手動開放、緊急時の全開固定、保守契約を必ず説明。停電時に開放できないと避難経路が塞がるので、停電時手動開放は特に重点的に。
6. 改修時の注意点
既存自動ドアの更新工事では、取り外し→撤去→新規据付で1〜2日でできることもあれば、サッシ枠・床の補修まで含めると1週間以上かかることも。施主の営業時間との調整が肝心。
竣工検査の話はこちら。

自動ドアの種類に関する情報まとめ
- 自動ドアとは:センサー+制御+駆動装置で自動開閉する設備
- 開閉方式:引戸(片引・両引)、スイング、折戸、回転扉、エアカーテン式の5種類
- センサー方式:マイクロ波(メイン)、赤外線反射(補助)、光電(安全)、タッチ、AIカメラ
- 主要メーカー:ナブコ(シェア最大)、寺岡オートドア、オプテックス、千葉エンジニアリング、YKK AP・LIXIL
- 選び方:用途・通行量・耐風圧・意匠・安全規格・電源・維持コストで絞る
- 施工管理ポイント:着工前の納まり調整、電気・防災連動、センサー調整、検査での動作・連動確認
以上が自動ドアの種類に関する情報のまとめです。
自動ドアは「ハードのカタログ表記」だけで選ばず、現場の用途・通行量・意匠・電気仕様を総合的に考えて選定するのがプロの仕事です。施工管理としては、特に電気工事との連動と煙感連動の防災検査が落とし穴。発注の前に、設計監理者・電気業者・防災業者の3者を集めた打合せを1回入れるだけで、後の手戻りが大きく減ります。
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