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ウレタン防水とは?工法の種類、メリット、施工手順、注意点など

  • ウレタン防水ってなに?
  • 密着工法と通気緩衝工法って何が違うの?
  • FRP防水・シート防水とどう使い分けるの?
  • メリットとデメリットを知りたい
  • 施工手順はどんな流れ?
  • 失敗しやすいポイントってある?

上記の様な悩みを解決します。

ウレタン防水は、改修現場でも新築でもめちゃくちゃ良く出てくる塗膜防水の代表選手で、屋上・バルコニー・庇・機械基礎の天端まで、形が複雑な部位を継ぎ目なく仕上げられるのが最大の強みです。ただ、現場で「とりあえずウレタンで」と適当に決めると、下地の含水を読み切れずに数年で膨れが出るような失敗もそれなりに起きるので、施工管理として工法選定の判断軸を持っておきたいところ。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

ウレタン防水とは?

ウレタン防水とは、結論「液状のウレタン樹脂を塗り重ねて、ゴム状の防水層を作る工法」のことです。

塗料のように液体で塗り、硬化すると弾性のあるゴムのような膜ができあがる。これがウレタン防水の本質です。シート防水のように継ぎ目が出ない(シームレス)ので、ドレン廻り・パラペット・配管立上りといった形が複雑な部位でも、現場で形なりに塗り回せるのが強み。

国土交通省の公共建築工事標準仕様書では「メンブレン防水工事」の区分の中に「ウレタンゴム系塗膜防水」として位置づけられており、JIS A 6021(建築用塗膜防水材)に準拠した1類・2類の材料が使われます。改修工事では既存防水の上から重ね塗りできるケースが多く、撤去費を抑えながら防水性能を更新できる点も評価されています。

電気施工管理の僕も、屋上の受変電設備を据えた後にウレタン防水で機械基礎の立上りを巻き込む現場を何度か見てきましたが、配管・配線の立上り部の防水処理は基本的にウレバン側に任せる流れが多いですね。シートだと細かい立上りが面倒なので、自然と塗膜系になりがちです。

ウレタン防水の工法(密着工法/通気緩衝工法)

ウレタン防水の工法は、大きく分けて「密着工法」と「通気緩衝工法」の2種類です。下地の状態と部位で使い分けます。

密着工法(X-1工法)

下地に直接プライマーを塗り、その上にウレタン樹脂を塗り重ねる、最もシンプルな工法。バルコニー・庇・小規模な屋上のような、下地が乾いていて狭い面に向いています。

工程はざっくりと、下地調整 → プライマー → ウレタン1層目 → 補強布(メッシュ)→ ウレタン2層目 → トップコート、の流れ。下地と防水層がガッチリ密着するので歩行性・耐久性は高いですが、後述するように「下地の含水が抜けない部位」では膨れの原因になります。

通気緩衝工法(X-2工法)

下地と防水層の間に「通気緩衝シート」を敷き、シートの裏側に脱気筒(だっきとう)から湿気を逃がす工法。屋上の改修工事や、コンクリート下地で含水が抜け切らない部位の定番です。

工程は、下地調整 → プライマー → 通気緩衝シート貼り → 脱気筒設置 → ウレタン1層目 → 補強布 → ウレタン2層目 → トップコート、と少し長め。シートが下地のクラックや動きを吸収してくれるので、改修工事で「下地が読みきれない」場合の安全策として優秀。

使い分けのざっくり判断

  • バルコニー・庇・小面積の屋上 → 密着工法でOK
  • 既存防水を撤去せず重ねる屋上改修 → 通気緩衝工法が無難
  • 雨漏りで下地が含水していそう → 迷わず通気緩衝工法

「どっちにすべきか迷ったら通気緩衝」と覚えておけば、まず大きく外しません。

ウレタン防水の材料・メーカー

主に使われる材料は以下の3点セット。

材料 役割
プライマー 下地と防水層の密着を確保する下塗り材
ウレタン樹脂主材(1液型/2液型) 防水層の本体
トップコート 紫外線・歩行摩耗から防水層を守る仕上げ塗膜

ウレタン主材には、計量・撹拌が要らない1液型と、現場で硬化剤と混ぜる2液型があります。1液型は施工が楽で住宅バルコニーで多用、2液型は硬化が安定するので大規模屋上で多用、というイメージ。

主要メーカーは田島ルーフィング、ダイフレックス、AGCポリマー建材、宇部興産、ディックプルーフィング、サラセーヌ(AGC)など。仕様書で「ディック塗料の◯◯」のように銘柄指定されることもあるので、見積前に必ず指定材料を確認しておきましょう。

トップコートは光触媒タイプ・遮熱タイプなど機能性のラインナップが増えてきて、屋上の表面温度を下げる遮熱トップは、最上階のエアコン負荷を軽減する目的で採用が増えています。

ウレタン防水のメリット・デメリット

他の防水工法(シート・FRP・アスファルト)と比較した強みと弱みを整理しておきます。

メリット
– 継ぎ目がない(シームレスなので複雑な形状でも対応可能)
– 改修工事で既存防水の上から重ねられる
– 部分補修・部分塗り重ねがしやすい
– 軽量で建物に重量負担をかけない
– 1平米あたりの単価が比較的安い

デメリット
– 職人の腕で膜厚にバラつきが出る(塗りすぎ・塗り不足)
– 硬化に時間がかかる(雨が降ると工程が止まる)
– 紫外線劣化でトップコートを5〜10年で塗り替えが必要
– 下地が湿っていると膨れや剥離のリスク
– 鉄筋・配管の貫通部は別途丁寧な処理が必要

特に「膜厚管理」はウレタン防水の生命線で、JISや業界基準では平場で3mm以上の総膜厚が要求されますが、実際には塗布量で管理する現場がほとんど。ローラー1本でムラなく塗るのは想像以上に職人の腕次第なので、防水屋を選ぶときは過去実績を聞いておくと安心です。

ウレタン防水の施工手順

通気緩衝工法をベースに、典型的な施工フローを書いておきます。

  1. 下地調整:既存防水の撤去(部分)、ケレン、清掃、不陸の補修。クラックは充填材で埋める
  2. プライマー塗布:下地と防水層の密着を確保。乾燥時間を必ず確保(季節で30分〜2時間)
  3. 通気緩衝シート貼り:シートを下地に貼り、目地はジョイントテープで処理
  4. 脱気筒設置:50〜100㎡に1個目安で設置。内部の湿気を逃がす換気口
  5. 補強布(メッシュ)伏せ込み:入隅・出隅・配管廻りに伏せ込んで補強
  6. ウレタン主材1層目塗布:規定塗布量を守る(一般に1.5kg/㎡前後)
  7. ウレタン主材2層目塗布:1層目が硬化してから2層目を塗布。総膜厚3mm以上を目指す
  8. トップコート塗布:紫外線保護用の仕上げ塗膜。色は遮熱グレー・遮熱グリーンなどから選定

重要なのは2〜3工程で「乾燥時間」をきちんと取ること。施工管理として工程を詰めたい気持ちは分かりますが、プライマー乾燥前にウレタンを重ねると、後から防水層ごと剥離するパターンを何度か見てきました。下地の温度・湿度を朝礼で確認しておくのが地味だけど一番効きます。

ウレタン防水の注意点

実務でハマりやすいポイントを4つ挙げておきます。

①下地の含水率管理

コンクリート下地の含水率は理想的には8%以下。ただ実際の改修現場では「とりあえず通気緩衝で逃がす」判断が現実解。新築でも、コンクリート打設から最低3週間は乾燥期間を取らないと、ほぼ確実に膨れます。打設後すぐに防水を被せたい工程の現場では、施工管理から強めに養生期間を確保するよう交渉すべき場面ですね。

②膜厚管理(塗布量管理)

職人によっては「見た目で塗ってる」ことが多く、平場で2mmしか付いていなかった、なんて事故も実在します。塗布量を缶数で管理して、「◯㎡に対して◯缶使った」を施工写真でエビデンスを残しておくと、後から問題になっても安心。

③トップコートの定期メンテナンス

ウレタン防水は施工後5〜7年でトップコートの塗り替えが必要。ここをサボると主材が紫外線で痛み、結果的に10〜15年で全面打ち替えが必要に。建物オーナーに「塗り替えのタイミング」を引き渡し時にきちんと伝えるのが、長持ちさせるコツ。

④他工種との取り合い

電気の屋上配管・避雷針引下げ線・空調の冷媒管など、屋上には貫通物が多数。防水屋が来る前にすべての貫通物の位置・サイズを確定させておかないと、後から穴を開けることになって防水層を傷めます。電気・空調・衛生の調整を施工管理が一括で取りまとめておきたいところ。

合わせて、屋上防水の関連知識としては塩ビシート防水やアスファルト防水、FRP防水も押さえておくと、工法比較で説得力のある提案ができます。

ウレタン防水に関する情報まとめ

  • ウレタン防水とは:液状ウレタン樹脂を塗り重ねるシームレスな塗膜防水
  • 工法:密着工法(X-1)と通気緩衝工法(X-2)の2種類。改修や下地が怪しい場所は通気緩衝
  • 材料:プライマー+ウレタン主材(1液/2液)+トップコートの3点セット
  • メリット:シームレス、改修で重ね塗り可能、形状自由度が高い
  • デメリット:職人の腕で膜厚バラつき、雨で工程が止まる、定期メンテ必要
  • 施工手順:下地調整→プライマー→(通気緩衝シート)→補強布→ウレタン2層→トップコート
  • 注意点:下地含水率/膜厚管理/トップコート再塗装/他工種との取り合い

以上がウレタン防水に関する情報のまとめです。屋上・バルコニー改修案件は、塗膜防水とシート防水の判断ができるかどうかで提案の質がガラッと変わります。一通り基礎知識は網羅できたかなと思います。

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