- サウンディング試験ってそもそも何?
- スウェーデン式サウンディングと何が違うの?
- ボーリング調査とどう使い分ける?
- 結果のN値換算ってどう見ればいい?
- 戸建ての地盤調査でよく出てくるけど、何を見るべき?
- 結果が悪かったらどうする?
上記の様な悩みを解決します。
サウンディング試験とは、結論「ロッド(細い棒)を地中に貫入させて、その際の抵抗(回転数・荷重・打撃数)から地盤の強度を間接的に推定する試験の総称」のことです。代表格はSWS試験(スクリューウエイト貫入試験、旧スウェーデン式サウンディング)で、戸建住宅の地盤調査では8〜9割がこれです。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
サウンディング試験とは?
サウンディング試験とは、地盤に細い棒(ロッド)を貫入させて、貫入時の抵抗から地盤の硬軟・強度を推定する地盤調査手法の総称です。
漢字に直すと「探針試験」。文字通り「地盤を針で探る」というイメージです。ボーリング調査(標準貫入試験)と並ぶ地盤調査の代表格で、特に戸建住宅・小規模建築では主流の調査手法になっています。
サウンディング試験は「貫入抵抗」を測る点で共通していますが、貫入の仕方(押し込む/回転させる/打撃する)と計測する物理量(荷重/回転数/打撃数)の違いで、複数の方式に分かれます。
ボーリング調査と比べた特徴は以下。
- コスト:圧倒的に安い。SWS試験は1ポイント数千円〜数万円
- 取得時間:1ポイント数十分〜数時間で済む
- 必要スペース:機械が小さく、戸建住宅地でも調査可能
- 取得情報:「強度の指標」のみ。土質サンプルは取れない
- 適用深さ:10〜15m程度まで(方式による)
「コストは安いが情報量は限定」というのがサウンディングの位置付け。住宅地盤・小規模建築なら十分、大規模建築や橋梁ならボーリングが必要、というイメージです。
サウンディング試験の主な種類
代表的なサウンディング試験を整理します。
| 試験名 | 略称 | 貫入の仕方 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| スクリューウエイト貫入試験 | SWS試験(旧SWS、スウェーデン式) | 重錘載荷+回転 | 戸建住宅地盤調査の主流 |
| 標準貫入試験 | SPT | 打撃貫入+N値計測 | 中〜大規模建築の地盤調査 |
| オランダ式二重管コーン貫入試験 | CPT | 油圧で連続押込み | 軟弱粘性土の精密調査 |
| ベーン試験 | VST | 羽根を回転させて切断 | 軟弱粘性土のせん断強度 |
| ポータブルコーン貫入試験 | PCPT | 人力でコーンを押込み | 簡易調査・現地確認 |
| 動的コーン貫入試験 | DCPT | ハンマー打撃でコーン貫入 | 礫質土・既存施設下の調査 |
このうち、住宅地盤調査で圧倒的シェアを持つのはSWS試験。建築現場で「サウンディングやりました」と言ったら、ほぼSWS試験のことだと思って良いです。
各サウンディング試験の特徴
代表的な3種類を、もう少し詳しく見ていきます。
1. SWS試験(スクリューウエイト貫入試験)
旧称「スウェーデン式サウンディング」。2020年のJIS改正でSWS試験に名称変更されました。
ロッドの先にスクリューポイント(円錐状の金属)を付け、上から重錘(最大100kg)を順次載せて、回転させながら地中に貫入していきます。100kg載荷で自重貫入する場合は荷重Wsw(kN)、自重で止まったら25cm貫入させるのに必要な半回転数Nsw(半回/m)を計測。これが地盤の強度指標です。
- メリット:コスト安、機械が小型、施工性良好、N値換算可能
- デメリット:礫を貫けない、土質サンプル取れない、深さ10m程度まで
- 用途:戸建住宅・小規模建築の地盤調査
国交省の「住宅性能表示基準」「住宅瑕疵担保責任保険」での標準的な調査手法でもあります。
2. SPT(標準貫入試験)
標準貫入試験。サウンディングの一種ですが、ボーリング孔を使うため「ボーリング標準貫入試験」とセットで呼ばれることが多いです。
63.5kgのハンマーを76cm自由落下させ、サンプラーを30cm貫入させるのに要した打撃数を「N値」として計測。同時にサンプラー内部に取れる土質サンプルで土の種類も判定できます。
- メリット:N値が直接得られる、土質サンプル採取可能
- デメリット:コスト高、機械大型、宅地内で実施しにくい
- 用途:中〜大規模建築・公共工事の地盤調査
3. オランダ式二重管コーン貫入試験(CPT)
軟弱粘性土層で精密な強度プロファイルを取りたい場合に使われる手法。油圧で連続的にコーンを押し込み、先端抵抗(qc)と周面摩擦(fs)を高分解能で計測します。
- メリット:軟弱粘性土の精密プロファイル、連続データ
- デメリット:礫質土に向かない、機械が中規模
- 用途:軟弱地盤の沈下検討、地盤改良の設計
サウンディング試験の結果の使い方
SWS試験を例に、結果の見方と設計への反映を整理します。
N値換算
SWS試験の結果(Wsw、Nsw)を、N値(標準貫入試験のN値)に近似換算する式があります。代表的な換算式(日本建築学会式)は以下。
- 砂質土:N = 0.002Wsw + 0.067Nsw
- 粘性土:N = 0.003Wsw + 0.05Nsw
ただし換算なので絶対値は粗め。傾向を掴む参考値、と捉えるのが安全です。
地耐力への換算
SWS試験から、許容地耐力(kN/m²)を推定する式もあります。これを使って戸建住宅の基礎仕様を判定するのが一般的な流れです。
- 自沈層がない、Nsw≥50:表層地盤改良または直接基礎で対応可能
- 自沈層あり、Nsw≤25:地盤改良または杭基礎が必要
「自沈層」とは、無回転(重錘の自重だけ)で貫入してしまう深さの層で、相対的に弱い地盤を示します。
設計への反映
SWS試験の結果を見て、住宅基礎の仕様を以下から選択します。
| 地盤条件 | 採用基礎 |
|---|---|
| 良好(自沈なし、深さ全体でNsw≥30) | ベタ基礎・布基礎 |
| やや軟弱(一部に自沈層) | 表層改良+ベタ基礎 |
| 軟弱(深い自沈層あり) | 柱状改良+ベタ基礎 |
| 非常に軟弱(深部に支持層) | 杭基礎 |
ハウスメーカー・工務店は、地盤調査会社からの結果票を基に、基礎仕様と地盤改良の有無を判定して、見積もり・設計を確定します。
サウンディング試験の注意点
最後に、施工管理者として押さえておくべき5つのポイント。
1. 礫・転石は貫入しない
SWS試験のスクリューポイントは、礫や石にぶつかると貫入が止まります。「途中で止まった=強い地盤」と早合点する前に、礫質土の可能性を疑い、近隣の地盤データやボーリング調査結果と照らし合わせる必要があります。
2. 調査ポイント数の妥当性
戸建住宅では「敷地の四隅+中央の5ポイント」が一般的ですが、敷地が広い・地形が変化に富む場合は追加調査が望ましいです。1ポイントの結果で全体を判断するのは危険。
3. 自沈層の長さに注意
「自沈層が10cmある」と「自沈層が3m続く」では、地盤の評価が全く違います。深さ別にWsw/Nswを見て、自沈層の連続性を確認します。
4. 地下水位の記録
調査時に地下水位を確認・記録します。地下水位が高いと、基礎の防水・地盤改良工法・液状化判定の可能性などに影響します。
5. 調査結果と現場の整合性確認
調査結果を信じすぎず、施工開始時に基礎掘削で出てきた土と調査結果が整合しているかを確認します。「調査では砂質土となっているが、掘ってみたら粘性土が混じっていた」といったケースでは、設計者・地盤調査会社と協議して対応を決めます。
施工管理者として、調査結果を「鵜呑みにする」のではなく「現場と照らし合わせて判断する」目線が、不同沈下事故などのリスクを減らします。施工開始前に施工要領書で地盤関連の確認手順を明記しておきましょう。
サウンディング試験に関する情報まとめ
- サウンディング試験とは:ロッド貫入抵抗で地盤強度を推定する地盤調査手法の総称
- 主な種類:SWS試験(戸建主流)、SPT(中規模以上)、CPT(軟弱粘性土)、ベーン試験(粘性土せん断)
- SWS試験の指標:Wsw(荷重)とNsw(半回転数)。N値換算可能
- 結果の利用:基礎仕様判定(ベタ基礎/表層改良/柱状改良/杭基礎)
- 注意点:礫質土での誤評価、調査ポイント数、自沈層、地下水位、現場との整合確認
以上がサウンディング試験に関する情報のまとめです。
サウンディング試験は、コストパフォーマンスに優れた地盤調査手法。特にSWS試験は戸建住宅の地盤調査として、もはや業界の標準と言える存在です。施工管理として「何を測っているか」「結果をどう使うか」を理解しておけば、地盤関連の判断で迷うことが減ります。合わせて標準貫入試験・N値・ボーリング調査・杭基礎・施工要領書あたりも読んでおくと、地盤調査に関する知識が立体的に組み上がります。





