液状化判定とは?方法、FL値、PL値、計算手順、対策との関係など

  • 液状化判定って結局何を判定してるの?
  • FL値とPL値、何が違うの?
  • FL値はどう計算する?手順が知りたい
  • FL値いくつ以下で「液状化する」判定なの?
  • PL値の数字でどう危険度を見るの?
  • どんな土層が判定対象になるの?
  • 報告書のFL/PL表をどう読めばいい?
  • 判定結果が出たら次に何をする?
  • FL<1なら必ず地盤改良が要るの?
  • 結局、施工管理が押さえる最低限はどこ?

上記の様な悩みを解決します。

液状化判定は、地盤調査報告書に必ず出てくるFL値・PL値の意味を理解していないと、対策の要否も判断できない重要な検討です。ネットの解説は地盤調査会社や自治体が一般読者向けに「土地選びの参考に」と書いたものが多く、FL・PLが言葉の説明で止まり、計算手順も報告書の読み方も載っていません。今回は定義・対象土層・判定方法といった基本を押さえた上で、FL値・PL値の計算手順を具体的に示し、施工管理目線で「報告書の読み方」「判定結果と対策・基礎設計への反映」まで、現場で動くための知識として整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

液状化判定とは?

液状化判定とは、結論「地震時にその地盤が液状化するかどうかを、土層ごとに定量的に評価する検討」のことです。

具体的には、地盤の各深さに対して「液状化に対する抵抗(強さ)」と「地震が与える力(外力)」を比べ、抵抗が外力に負ける層を「液状化する層」と判定します。この比をFL値(液状化抵抗率)と呼び、さらに地盤全体の危険度をまとめた指標がPL値(液状化指数)です。要するに、FL値で「層ごと」を、PL値で「地盤全体」を評価するのが液状化判定です。

宅地・建築物における判定方法は「建築基礎構造設計指針(日本建築学会)」に定められており、これに沿って計算するのが一般的です。指針そのものの位置づけはこちらが参考になります。

あわせて読みたい
建築基礎構造設計指針とは?AIJ、改訂、適用範囲、購入方法など 建築基礎構造設計指針とは何かを施工管理向けに解説。日本建築学会(AIJ)の刊行物としての位置づけ、法令・黄色本との違い、全10章の目次、2019年版への改訂ポイント、支持力・液状化の扱い、適用範囲、購入方法と価格まで現場目線で整理しました。

僕の整理では、液状化判定は「FL値で層ごとの可否を出し、PL値で地盤全体の危険度をまとめ、その結果から対策と基礎設計を決める」という一連の流れで捉えると分かりやすいです。施工管理として大事なのは、計算そのものより「報告書のFL/PLが何を意味し、対策にどうつながるか」を読めること。この記事もその順番で進めます。

液状化が起きる仕組みと判定が必要な理由

液状化判定を理解するには、まず「なぜ地盤が液状化するのか」を押さえておきます。

地盤は通常、土粒子どうしが噛み合い、その隙間を水が満たして安定しています。ところが、地下水位の高い緩い砂質地盤が地震で繰り返し揺すられると、土粒子間の水圧(間隙水圧)が急上昇し、土粒子どうしの噛み合いが外れます。すると土が水に浮いたような状態になり、地盤が強度を失って、建物の沈下・傾斜や地中構造物の浮き上がりを引き起こします。これが液状化です。東日本大震災の浦安、能登半島地震の各地で広く見られました。

判定が必要な理由は、安全な基礎・建物を設計するためです。液状化のおそれがある地盤では、地盤の許容応力度の評価や基礎の構造計算で液状化を考慮することが告示で求められています。つまり液状化判定は、構造設計の前提になる地盤評価であり、ここを飛ばすと基礎設計の根拠が成り立ちません。地盤の許容応力度との関係はこちらで確認できます。

あわせて読みたい
地盤の許容応力度とは?基準値、計算、N値、地耐力との違いなど 地盤の許容応力度とは、地盤が長期的に安全に支えられる単位面積あたりの荷重のこと。建築基準法施行令93条、告示1113号の3つの計算式(粘性土・砂質土・礫質土)、N値からの推定式、地耐力との違い、長期20kN/m²未満の改良判断、平板載荷試験、設計と施工の連携ポイントまで施工管理の視点で初心者向けに整理しました。

現場目線で言えば、液状化判定は「やってもやらなくてもいい任意の検討」ではなく、臨海部・旧河道・埋立地など液状化リスクのある敷地では設計の必須ステップです。発注者にリスクを説明するときも、「揺れで地盤が一時的に水のようになり、建物が沈む・傾く現象を、事前に数値で評価しておく検討です」と噛み砕くと伝わります。

液状化判定の対象となる土層

液状化はどんな地盤でも起きるわけではありません。建築基礎構造設計指針では、判定を行う対象土層の条件を定めています。

判定対象となる土層の主な条件は次のとおりです。

  • 地表面から20m程度以浅にある
  • 地下水位面より下の飽和した土層である(沖積の飽和土層)
  • 細粒分含有率(FC)が35%以下
  • 粘土分含有率が10%以下、または塑性指数が15以下の埋立・盛土地盤

ポイントは「地下水位より下の、緩くて砂っぽい層」が対象になることです。地下水位より上の層や、粘土分の多い層、よく締まった層は液状化しにくいので対象外になります。地下水位が浅いほど対象層が増え、リスクが上がるため、地下水位は判定の重要なパラメータです。細粒分(FC)や塑性指数も、土が砂質か粘性かを区別する指標として効いてきます。塑性指数の意味はこちらが参考になります。

あわせて読みたい
塑性指数とは?液性限界、塑性限界、求め方、地盤評価への使い方など 塑性指数(IP)とは、土が塑性状態を示す含水比の幅(液性限界WL−塑性限界WP)のこと。値が大きいほど粘り気のある粘性土、小さいほどサラサラの砂質土に近い。求め方の試験方法、代表値、コンシステンシー図、塑性図(A線)の見方、地盤改良・盛土の適否判断、施工管理での着眼点まで地盤工学の入門レベルから現場視点で網羅的に整理しました。

実務だと、報告書を見るときはまず「どの深さの層が判定対象になっているか」を地下水位と土質柱状図で押さえます。地下水位より上の層にFL値が付いていなくても、それは計算漏れではなく「対象外だから」です。ここを理解しておくと、報告書のFL/PL表を正しく読めます。

液状化判定の方法

液状化判定の方法は、大きく「粒度とN値による方法」と「FL値による方法(FL法)」に分けられ、調査の精度によって簡易判定と詳細判定があります。

区分 内容 特徴
一次判定 地形図・地盤データベース等の既存資料から判断 安価・スクリーニング向け
二次判定(簡易) 粒度試験・地下水位観測、SDS試験など 費用を抑えて簡易に評価
二次判定(詳細) ボーリング・標準貫入試験+FL法 N値・土質から定量評価。最も確実

流れとしては、まず地形図やデータベースで液状化リスクの有無を一次判定し、リスクがあれば現地調査による二次判定に進みます。二次判定の本命がボーリング・標準貫入試験で得たN値と土質試験を使うFL法です。ボーリング調査の詳細はこちらが参考になります。

あわせて読みたい
ボーリング調査とは?N値、費用、SWS試験との違い、活用など ボーリング調査ってどんな調査? 標準貫入試験って何? N値ってどう読むの? 費用はどれくらい? SWS試験との違いは? どんな建物で必要? 結果が悪かったらどうする? ...

N値から液状化が分かるのか、という疑問はもっともですが、N値は土の締まり具合(密度)を表すので、補正したN値が液状化に対する抵抗(強度)の推定に使えます。緩い砂ほどN値が低く液状化しやすい、という関係です。簡易判定でも目安は出せますが、構造設計の根拠にするなら、N値と土質に基づくFL法での詳細判定が基本になります。

正直なところ、敷地条件と建物規模によって、どこまでの判定が要るかは変わります。リスクの低い敷地なら簡易判定で足り、臨海部の重要建物なら詳細判定が要る、という使い分けです。判定の精度と費用のバランスを、設計者・地盤調査会社と相談して決めるのが現実的です。

液状化判定のFL値とは?計算手順

ここからが、競合が言葉の説明で済ませている計算手順です。FL値(液状化抵抗率)は、地表から深さ方向に1mごとに算出する、層ごとの判定値です。

FL値は、次のシンプルな比で定義されます。

  • FL = R ÷ L
  • R:その層の液状化に対する抵抗(液状化強度比)
  • L:地震がその層に与える繰返しせん断応力比(外力)
  • FL ≦ 1.0:液状化の可能性あり
  • FL > 1.0:液状化の可能性が低い

つまり「抵抗(R)が外力(L)より大きければFL>1で安全側、負ければFL≦1で液状化のおそれ」という、安全率と同じ考え方です。

外力 L(繰返しせん断応力比)の求め方

外力Lは、地震の強さと、その深さにかかる土の重さの関係から求めます。建築基礎構造設計指針では、おおむね次の形で表されます。

  • L = rd ×(α_max ÷ g)×(σv ÷ σ’v)
  • rd:深さ方向の低減係数(rd = 1 − 0.015x、xは深さm)
  • α_max:地表面最大加速度(中地震で150〜200gal、大地震で350gal程度)
  • σv:その深さの全上載圧(土の全重量)
  • σ’v:その深さの有効上載圧(地下水の浮力を引いた重量)

深いほどrdで外力が減り、地下水位が浅いほどσ’vが小さくなって外力Lが大きくなる、という関係です。

抵抗 R(液状化強度比)の求め方

抵抗Rは、補正N値と細粒分から求めた液状化強度比で、おおむね次のように扱います。

  • R = cw × RL
  • RL:繰返し三軸強度比(補正N値Naと細粒分FCから推定)
  • Na:有効上載圧100kN/m²相当に換算し、細粒分で補正したN値
  • cw:地震動特性による補正係数

緩い砂(Naが小さい)ほどRLが小さく、Rが下がって液状化しやすくなります。

FL値の計算例(イメージ)

数値感をつかむため、深さ5m・地下水位GL−2mの砂層を例に、ざっくり追ってみます。

  • σv ≒ 90kN/m²、σ’v ≒ 61kN/m²(地下水位以下は浮力で有効応力が小さい)
  • rd = 1 − 0.015×5 = 0.925
  • α_max = 200gal = 約2.0m/s²、α_max/g ≒ 0.20
  • L = 0.925 × 0.20 ×(90/61)≒ 0.27
  • R ≒ 0.30(補正N値・FCから推定した値と仮定)
  • FL = R ÷ L = 0.30 ÷ 0.27 ≒ 1.1 → 液状化の可能性は低い側

このように、Rが下がる(緩い砂)かLが上がる(地下水位が浅い・強い地震)と、FLは1.0を割り込みやすくなります。実際の設計では各係数を指針の表・式に従って厳密に求めますが、「抵抗R÷外力LでFLが決まり、1.0が境目」という骨格を押さえておけば、報告書の数字の意味が読めます。

僕の考えでは、施工管理は計算式を暗記する必要はなく、「FLはR÷Lで、1.0以下が危険、地下水位が浅い緩い砂ほどFLが下がる」という関係さえ腹落ちしていれば十分です。ここが分かると、次のPL値と報告書の読み方が一気に理解できます。

液状化判定のPL値とは?計算手順と危険度判定

FL値は1mごと・層ごとの値なので、「この敷地全体としてどのくらい危険か」を1つの数字で表すために使うのがPL値(液状化指数)です。

PL値は、各深さのFL値に「浅いほど重く効く」重み係数を掛けて、地表から20mまで足し合わせて求めます。岩崎らの方法による定義は次のとおりです。

  • PL = ∫(0〜20m)F(z) × w(z) dz
  • F(z):FL≦1の層は F=1−FL、FL>1の層は F=0
  • w(z):重み関数 w = 10 − 0.5z(浅い層ほど大きい)

考え方はシンプルで、「FLが1を大きく下回る層」が「浅い位置」に「厚く」あるほど、PL値が大きくなって危険度が上がります。深い層の液状化より、地表近くの液状化のほうが建物への影響が大きいので、浅い層を重く評価しているわけです。

算出したPL値は、次の区分で地盤全体の危険度を判定します。

PL値 液状化危険度
PL = 0 危険度はかなり低い
0 < PL ≦ 5 危険度は低い
5 < PL ≦ 15 危険度が高い
15 < PL 危険度が極めて高い

実務だと、PL値は自治体の液状化危険度マップの色分けにも使われています。報告書でPL値が15を超えていれば「敷地全体として液状化危険度が極めて高い」ということなので、対策を前提に検討を進める判断材料になります。FL値で層ごとの可否を、PL値で敷地全体の総合評価を見る、という役割分担を押さえておきます。

地盤調査報告書のFL・PLの読み方

ここからが施工管理の実務です。計算は地盤調査会社・構造設計者がやりますが、施工管理は出てきた報告書のFL/PL表を読めないと、対策の打ち合わせで判断できません。

報告書を読むときの着眼点は、次の順です。

  • 土質柱状図と地下水位:どの層が判定対象(地下水位以下の砂層)か
  • 各層のFL値:FL≦1の層がどの深さに、どれだけの厚さであるか
  • 非液状化層厚(H1):地表近くに液状化しない層がどれだけ載っているか
  • PL値とその区分:敷地全体の危険度(低い/高い/極めて高い)
  • 沈下量・地表変位の想定:建物への影響度の目安

まず見るのは「FL≦1の層が、地表からどの深さに、どれくらいの厚さであるか」です。地表近くにFL≦1の緩い砂層が厚くあるほど、建物への影響が大きくなります。逆に、液状化層の上に非液状化層(H1)が厚く載っていれば、地表への影響は緩和されます。

PL値は敷地全体の総合点として見ます。PL値が高く、かつ浅い位置にFL≦1の層がある報告書は、対策が要る可能性が高いサインです。

僕の感覚だと、施工管理が報告書で本当に見るべきは「FL≦1の層が浅いところに厚くあるか」と「PL値の区分」の2点です。この2つで対策の要否のあたりが付き、構造設計者との打ち合わせで的確な質問ができるようになります。数式を全部追えなくても、表の読み方さえ分かれば現場では戦えます。

液状化判定の結果と対策・基礎設計への反映

判定して終わりではありません。判定結果は、地盤改良や基礎設計に反映されて初めて意味を持ちます。施工管理として、結果をどう次につなぐかを押さえます。

判定結果からの主な対応は次のとおりです。

  • 液状化対策(地盤側):締固め・固化・地下水位低下などで液状化そのものを抑える
  • 基礎側の対応:液状化層を貫く杭基礎で支持層に荷重を伝える
  • 構造計算への反映:液状化層の地盤定数(支持力・水平抵抗)を低減して設計
  • 対策不要の判断:H1が厚い・PL値が低いなら、対策なしで設計できる場合も

FL値が1を下回る層があっても、必ず地盤改良が要るわけではありません。液状化層が深く、地表近くに厚い非液状化層(H1)があってPL値が低ければ、対策なしで設計できることもあります。逆に、浅い位置に厚い液状化層があれば、地盤改良や杭基礎で対応します。FL値は、構造計算で地盤定数を低減する係数(低減係数DE)にも使われ、液状化を見込んだ基礎設計に反映されます。

地盤側の対策には、表層改良・柱状改良・小口径杭・締固め(砕石)などがあり、液状化リスクの深さと程度に応じて選びます。対策工法の全体像はこちらが詳しいです。

あわせて読みたい
液状化対策とは?原因、被害、地盤改良・排水・建物側の工法など 液状化対策を建築・土木施工管理目線で解説。液状化のメカニズム(5要因)・浦安市等の被害事例・地盤改良3系統(締固め/固化/排水)の工法選定・サンドコンパクションパイル/グラベルドレーン/薬液注入/深層混合処理の比較・建物側の杭基礎/フローティング基礎・新築と既設の対策フロー・費用相場まで実務目線で整理しました。

地盤改良工法そのものの選定は、こちらも合わせて押さえておくと判断の幅が広がります。

あわせて読みたい
地盤改良工法とは?種類、表層改良、柱状改良、深層混合の違いなど 地盤改良工法とは、軟弱地盤に対して建物を支えるための強度や安定性を持たせる工事のこと。表層改良工法、柱状改良工法、深層混合処理工法、鋼管杭工法、薬液注入など主要工法の違い、選定基準、施工管理での確認ポイントを地盤改良の現場視点で網羅的に整理します。

現場目線で言えば、施工管理が判定に関わるのは「結果を読み、対策の施工を管理し、発注者に説明する」段階です。判定計算は設計の領域でも、FL≦1の層がどこにあり、それをどの対策で処理するかを理解していれば、地盤改良の施工管理も発注者説明も的確にできます。判定→対策→施工の流れを一本で押さえておくのが、施工管理としての価値の出しどころです。

液状化判定に関する情報まとめ

  • 定義:地震時に地盤が液状化するかを土層ごとに定量評価する検討。FL値で層ごと、PL値で地盤全体を評価
  • 仕組み:地下水位の高い緩い砂が地震で間隙水圧上昇→強度喪失。判定は構造設計の前提
  • 対象土層:地下水位以下・20m以浅の飽和砂層、FC35%以下など(建築基礎構造設計指針)
  • 方法:粒度とN値による方法/FL法。簡易判定と、ボーリング+N値による詳細判定
  • FL値:FL=R÷L(抵抗÷外力)。1.0以下で液状化の可能性あり。地下水位が浅い緩い砂ほど下がる
  • PL値:FL≦1の層を浅さで重み付けして積分。0〜5低い/5〜15高い/15超で極めて高い
  • 報告書の読み方:FL≦1層の深さ・厚さ、非液状化層厚H1、PL値区分を見る
  • 対策への反映:地盤改良・杭基礎・地盤定数の低減。FL<1でも必ず改良とは限らない

以上が液状化判定に関する情報のまとめです。

液状化判定は「FL値で層ごとの可否、PL値で地盤全体の危険度を出し、その結果を対策と基礎設計につなぐ」一連の流れです。施工管理は計算式を暗記する必要はなく、FL=R÷Lで1.0が境目、PL値で敷地全体の危険度を読む、という骨格さえ押さえておけば、報告書を読み、対策の施工を管理し、発注者に説明できます。臨海部や旧河道の敷地を担当したら、まず報告書のFL/PL表を開いて、液状化層の位置とPL値を確認する。そこから対策につなげられるようになれば、地盤がらみの現場で確実に一段強くなれるはずです。

液状化判定に関するよくある質問

Q1:FL値とPL値は何が違うんですか?

評価する単位が違います。FL値(液状化抵抗率)は、地表から1mごとに「その層が液状化するか」を判定する層ごとの値で、FL=R(抵抗)÷L(外力)で求め、1.0以下なら液状化の可能性ありと判断します。一方のPL値(液状化指数)は、各層のFL値を「浅いほど重く効く」重み付けで足し合わせ、敷地全体の危険度を1つの数字で表したものです。FL値で層ごと、PL値で地盤全体、と役割を分けて見ます。

Q2:FL値はいくつ以下だと「液状化する」判定ですか?

FL値が1.0以下で「液状化の可能性あり」、1.0を超えれば「液状化の可能性が低い」と判断します。FL=R÷Lで、液状化に対する抵抗(R)が地震の外力(L)に負けるとFL≦1になる、という安全率と同じ考え方です。ただしFL≦1の層があっても、それが深く、地表近くに厚い非液状化層があれば建物への影響は小さく、必ずしも対策が必要とは限りません。層の深さ・厚さとPL値を合わせて判断します。

Q3:FL値の計算手順を簡単に教えてください。

FL=R÷Lで求めます。外力Lは、L=rd×(α_max/g)×(σv/σ’v)で、rdは深さの低減係数(1−0.015×深さ)、α_maxは地表最大加速度、σv・σ’vは全・有効上載圧です。抵抗Rは、補正N値(Na)と細粒分(FC)から推定した液状化強度比で、緩い砂ほど小さくなります。地下水位が浅い・地震が強い・砂が緩い、という条件が重なるとFLが1.0を割り込みます。実際の係数は建築基礎構造設計指針の式・表に従って求めます。

Q4:PL値はどの数字でどのくらい危険なんですか?

岩崎らの区分では、PL=0で危険度はかなり低い、0〜5で低い、5〜15で高い、15を超えると極めて高い、と判定します。PL値は各層のFL値を浅さで重み付けして地表から20mまで積分した値で、地表近くにFL≦1の層が厚くあるほど大きくなります。自治体の液状化危険度マップの色分けにも使われており、報告書でPL値が15超なら、対策を前提に検討を進める判断材料になります。

Q5:道路橋や建築で判定式は違うんですか?

基準ごとに細部が異なります。建築物・宅地は「建築基礎構造設計指針(日本建築学会)」、道路橋は「道路橋示方書」、ほかに港湾・鉄道・危険物施設などそれぞれの基準があり、対象土層の取り方や強度の求め方、地震外力の係数が違います。基本的なFL=R÷Lの考え方は共通ですが、設計対象に応じた基準を使う必要があるため、建築の現場では建築基礎構造設計指針に基づく計算かを確認します。

Q6:施工管理は液状化判定にどう関わればいいですか?

計算そのものは地盤調査会社・構造設計者が行いますが、施工管理は「結果を読み、対策の施工を管理し、発注者に説明する」段階で関わります。報告書ではFL≦1の層の深さ・厚さ、非液状化層厚、PL値の区分を読み、対策が要るかのあたりを付けます。地盤改良や杭基礎で対応する場合はその施工を管理し、発注者には「揺れで地盤が一時的に水のようになる現象を数値評価し、必要な対策を講じている」と説明できれば十分です。

合わせて読みたい記事はこちら。

あわせて読みたい
液状化対策とは?原因、被害、地盤改良・排水・建物側の工法など 液状化対策を建築・土木施工管理目線で解説。液状化のメカニズム(5要因)・浦安市等の被害事例・地盤改良3系統(締固め/固化/排水)の工法選定・サンドコンパクションパイル/グラベルドレーン/薬液注入/深層混合処理の比較・建物側の杭基礎/フローティング基礎・新築と既設の対策フロー・費用相場まで実務目線で整理しました。
あわせて読みたい
ボーリング調査とは?N値、費用、SWS試験との違い、活用など ボーリング調査ってどんな調査? 標準貫入試験って何? N値ってどう読むの? 費用はどれくらい? SWS試験との違いは? どんな建物で必要? 結果が悪かったらどうする? ...
あわせて読みたい
地盤の許容応力度とは?基準値、計算、N値、地耐力との違いなど 地盤の許容応力度とは、地盤が長期的に安全に支えられる単位面積あたりの荷重のこと。建築基準法施行令93条、告示1113号の3つの計算式(粘性土・砂質土・礫質土)、N値からの推定式、地耐力との違い、長期20kN/m²未満の改良判断、平板載荷試験、設計と施工の連携ポイントまで施工管理の視点で初心者向けに整理しました。
あわせて読みたい
建築基礎構造設計指針とは?AIJ、改訂、適用範囲、購入方法など 建築基礎構造設計指針とは何かを施工管理向けに解説。日本建築学会(AIJ)の刊行物としての位置づけ、法令・黄色本との違い、全10章の目次、2019年版への改訂ポイント、支持力・液状化の扱い、適用範囲、購入方法と価格まで現場目線で整理しました。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次