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建築面積とは?計算方法、延床面積との違い、軒・庇の扱いなど

  • 建築面積ってなに?延床面積と何が違う?
  • 軒や庇、バルコニーは含まれるの?
  • どうやって計算するの?
  • 建ぺい率との関係は?
  • 確認申請でよく指摘される落とし穴は?

上記の様な悩みを解決します。

建築面積は、建ぺい率の計算の母数になる重要な数値ですが、軒・庇・バルコニーをどう数えるかで毎回悩む人が多いんですよね。施工管理が確認申請の図面チェックをするときに、ここの解釈ミスで主事に指摘される、というのが定番のトラブル。本記事では、施行令第2条第1項第二号の条文を踏まえて、現場で使える「数え方」と「除外ルール」を整理します。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

建築面積とは?

建築面積とは、結論「建築物の外壁または柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積」のことです。

ざっくり言えば「建物を真上から見たときの投影面積」で、地面に建物の影がどれくらい落ちるかを表す数値とも言えます。建築基準法施行令第2条第1項第二号で定義されており、用途地域ごとの建ぺい率規制(敷地面積に対する建築面積の比率)の母数として使われます。

ただし「真上から見た面積」というのは正確でなく、軒や庇のように突き出している部分は、ある条件下で算入除外になります(後述)。つまり、

  • 1階と2階で平面形状が違っても、より外周が大きい階の輪郭で測る
  • 軒・庇は先端から1mまでは算入除外
  • 地階で地盤面から1m以下にある部分は算入除外

といった「投影面積から差し引く」ルールが入ります。これが建築面積を「ややこしい数字」にしている正体ですね。

混同されやすい言葉に「敷地面積」「延床面積」「床面積」がありますが、それぞれ別物です。下表にまとめます。

用語 意味
敷地面積 建物が建つ土地の水平投影面積
建築面積 建物外壁中心線で囲まれた水平投影面積(軒・庇は1m除外)
床面積 各階の壁中心線で囲まれた面積(バルコニー2m除外あり)
延床面積 各階の床面積を合計した値

「建ぺい率=建築面積/敷地面積」「容積率=延床面積/敷地面積」と覚えておくと、用語の役割分担がハッキリします。

建築面積の算入対象(軒・庇・バルコニーの扱い)

ここが現場で一番揉めるところ。施行令第2条第1項第二号ただし書きでは、「軒、庇、はね出し縁、その他これらに類するもので外壁または柱の中心線から水平距離1m以上突き出たものがある場合は、その端から水平距離1m後退した線で囲まれた部分の水平投影面積」を建築面積とすると定めています。

噛み砕くと、

①外壁中心線から1m以下の突出部 → 全部算入除外

軒や庇が外壁中心線から50cmしか出ていなければ、その50cm全体が建築面積に算入されません。

②外壁中心線から1mを超える突出部 → 先端から1m後退した部分のみ算入

軒が外壁中心線から1.5m突き出していたら、先端から1m後退した位置(外壁中心線から0.5m)までは算入除外、その0.5mから外壁までの「残りの0.5m」だけが建築面積に算入される、というイメージ。

これを図で書くと多くの人が「ああ、なるほど」となるんですが、文字で説明するとややこしい。実務では「1mルール」と覚えておけば早いですね。

③バルコニー(はね出し縁)も同じ扱い

バルコニーも「はね出し縁」に該当するので、突出が1m以下なら算入除外、1m超なら先端1m後退して算入。

なお、これは「建築面積」の話。後述する「床面積」では、バルコニーは「2m以下なら算入除外」という別ルールが適用されます。建築面積ルールと床面積ルールは別物なので、混同しないように注意。

④地階の扱い

地階で、地盤面からの高さが1m以下にある部分は、建築面積に算入しないことになっています。これは「半地下」のような構造の建物で関係してきます。

⑤ピロティ・ポーチ・出窓

部位 建築面積算入の扱い
ピロティ(柱だけで壁なし) 屋根があれば算入
玄関ポーチ 柱と屋根があれば算入。屋根のみで突出1m以下は除外
出窓 床面から30cm以上、壁面から50cm以下の出は算入除外
カーポート 柱と屋根があれば算入対象

カーポートを「外構工事」と思って算入しないままで申請を出すと、後から指摘されて建ぺい率オーバーになる、というのは住宅でわりとよくある事例です。

建築面積の計算方法(具体例)

実際の計算手順を、戸建て住宅の例で見てみます。

ケース:1階=10m×8m、2階=10m×6m、軒の出=外壁中心線から80cm、玄関ポーチ=柱付き屋根あり、突出1.5m×幅2m

①各階の輪郭を比較

1階:10m×8m=80㎡
2階:10m×6m=60㎡

→ より外周が大きい1階の80㎡を基準にします。

②軒・庇の処理

軒の出が80cm(1m以下)なので、軒は建築面積に算入しません。1階の80㎡だけで考えます。

③ポーチの処理

玄関ポーチが外壁中心線から1.5m突き出している場合。

  • 突出1.5mのうち、先端から1m後退すると外壁から0.5m位置までが除外
  • 残り0.5m × 幅2m=1㎡だけ算入

④建築面積の合計

80㎡(1階)+1㎡(ポーチ算入分)=81㎡

これが建築面積になります。

実際には吹き抜けや庇の連続性、出窓、共同住宅の共用部などで複雑化しますが、基本パターンは「最外周階の輪郭+突出部の1m超部分」で押さえておけば対応できます。

よくある計算ミス

  • 軒の出を全長算入してしまう(→1mまでは除外を忘れがち)
  • バルコニーを「床面積の2mルール」で除外してしまう(→建築面積では1mルール)
  • カーポートを未算入で申請してしまう(→屋根があれば算入)
  • 1階より2階のほうが大きい場合に1階で計算してしまう(→最外周階で計算)

特に「バルコニーの2mルール」と「軒・庇の1mルール」を混同するパターンは新人施工管理に多発します。

建築面積と延床面積・床面積の違い

施工管理が建築面積を扱うシーンの大半は、確認申請のチェックと、建ぺい率・容積率の計算。ここで延床面積・床面積との混同が起きると致命的なので、改めて整理します。

①床面積(建築基準法施行令第2条第1項第三号)

「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積」と定められています。各階の中身の面積で、

  • バルコニー:突出2m以下は算入除外
  • 吹き抜け:床がないので算入除外
  • ピロティ:壁がなく屋根のみは算入除外(用途による)
  • 出窓:床から30cm以上、壁から50cm以下は算入除外
  • 玄関ポーチ:屋外的扱いで算入除外(ただしピロティ的構造は別判断)

「延床面積=各階の床面積を合計したもの」で、容積率の計算母数になります。

②建築面積と床面積の最大の違い:1階を超える階数の有無を反映するかどうか

建築面積は「真上から見たときの投影」なので、3階建てだろうが10階建てだろうが、最外周階の輪郭が同じなら同じ値。

床面積(延床)は階ごとに足していくので、階数が増えれば数字が大きくなる。3階建てと10階建てでは延床は大きく違う。

③水平投影 vs 垂直方向の積み上げ

建築面積は水平投影、延床面積は垂直方向の積み上げ、と整理して覚えるのが分かりやすいですね。建ぺい率(建築面積)と容積率(延床面積)が別の規制になっているのも、この違いを意識した制度設計です。

④施工管理として注意すべき場面

確認申請の建築計画概要書には、敷地面積・建築面積・延床面積(各階)の3点セットが記載されます。施工管理は、確認申請副本と工事着手前の最終図面で、この3点に変更がないかをチェックするのが第一歩。設計変更で軒の出が長くなったり、バルコニーが追加されたりすると、建築面積が変わって建ぺい率に影響することがあります。

建築面積と建ぺい率の関係

建築面積を扱う最大の理由は、建ぺい率規制の遵守確認のため。

①建ぺい率の定義

建ぺい率=建築面積/敷地面積×100(%)

用途地域ごとに上限が決まっています。代表的な数値だと、

用途地域 建ぺい率の上限
第一種低層住居専用地域 30/40/50/60%
第一種・第二種中高層住居専用地域 30/40/50/60%
第一種・第二種住居地域 50/60/80%
近隣商業地域 60/80%
商業地域 80%
工業地域 50/60%

地域ごとに「30%」「40%」「50%」「60%」「80%」のいずれかで指定。同じ用途地域でも、特定行政庁の指定で値が変わることがあるので、現地の都市計画を必ず確認します。

②建ぺい率の緩和(角地・耐火建築物)

  • 角地(街区の角に位置する敷地):+10%
  • 防火地域内の耐火建築物:+10%(建ぺい率80%地域はさらに緩和あり)

両方該当すれば最大+20%、つまり指定60%の地域でも実質80%まで建てられるケースがあります。

③建ぺい率オーバーで起きること

建ぺい率上限を超えた建築面積で計画してしまうと、

  • 確認申請が下りない(事前段階)
  • 建築物の違反建築扱い(事後発覚)
  • 検査済証が出ない
  • 売却・融資時に評価が下がる

といった重大な問題に。建築面積の数値を1㎡単位でちゃんと押さえておくのは、確認申請業務の基本動作です。

確認申請でよく指摘される落とし穴

最後に、確認申請で建築主事や指定確認検査機関から指摘されがちなポイントをまとめます。

①軒・庇の1mルールを誤適用

軒の出が1.2mなのに「1m以下だから全部除外」と勘違いするケース。1mを超えている時点で「先端から1m後退した部分の残り」が算入されます。1.2mなら0.2m分が算入。

②カーポートの未算入

特に住宅で多発。「カーポートは外構だから建築面積に入らないでしょ」と思い込んでしまうパターン。屋根と柱があれば、原則として建築物として扱われ、建築面積に算入されます。

③バルコニーの「床面積ルール」と「建築面積ルール」の取り違え

バルコニーは床面積では「2m以下除外」、建築面積では「1m以下除外」。両者を混同して、建築面積でバルコニー2mを除外してしまうのは典型的なミス。

④出窓の判断ミス

出窓は「床から30cm以上の高さ+壁から50cm以下の出+見付面積の1/2以上が窓」の3条件をすべて満たしたときに、建築面積・床面積どちらも算入除外になります。条件のどれかが外れると算入対象。

⑤ピロティ・ポーチの扱い

ピロティ(柱だけで壁のない空間)は、屋根があれば建築面積に算入。床面積は用途次第(駐車場として使うなら算入)。判断が複雑なので、迷ったら指定確認検査機関に事前相談するのが安全。

⑥地盤面の取り方

地階の建築面積算入除外(地盤面から1m以下)の話で、「地盤面」をどこに取るかが論点になることがあります。傾斜地では地盤面の算定方法が決まっており、それによって地階の面積が変わってきます。

確認申請業務では、これらのミスを防ぐためにチェックリストを使って2人体制で確認するのが一般的です。施工管理は「設計が出した数値」を信用しすぎず、現場の実物と照合する目を持っておくとよいですね。

建築面積に関する情報まとめ

  • 建築面積とは:建物の外壁または柱の中心線で囲まれた水平投影面積(建ぺい率の母数)
  • 算入対象:軒・庇・バルコニー(はね出し縁)は外壁中心線から1m以下なら全除外、1m超は先端から1m後退分が算入
  • 計算方法:最外周階の輪郭+突出部の1m超部分。地階1m以下は除外
  • 床面積との違い:建築面積は水平投影、延床面積は階ごとに積み上げる垂直方向の合計
  • 建ぺい率との関係:建ぺい率=建築面積/敷地面積。用途地域ごとに30〜80%の上限あり、角地・耐火建築物で緩和
  • 確認申請の落とし穴:軒1mルール誤適用、カーポート未算入、バルコニー2m/1mルール混同、出窓・ピロティの扱い

以上が建築面積に関する情報のまとめです。

建築面積は、確認申請の建ぺい率審査の根幹を握る数値。1㎡単位でズレが出ると、用途地域の規制をクリアできずに計画自体が止まることもあります。施工管理としては、設計図に書かれた建築面積を鵜呑みにせず、軒・庇・カーポート・バルコニーの算入ルールを自分の頭で再計算できるようにしておくと、現場で起きうるトラブルを未然に防げますね。

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