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鋼材の種類とは?SS400、SN材、SUS、用途、規格など

  • 鋼材の種類ってどう分かれているの?
  • SS400って何?SS材って?
  • SN材・SM材・SUSとの違いは?
  • どこにどの鋼材を使うの?
  • 規格番号(JIS)の読み方は?
  • ミルシートってどこを見ればいい?

上記の様な悩みを解決します。

「鋼材の種類」は、施工管理者として最初に押さえておきたい鉄骨・鉄筋・建築金物の基礎知識です。同じ「鉄」でも、SS400とSN490とSUS304は別の物。設計者が「ここはSS400ではダメ」と言う場面の意味が分かれば、納品検査・搬入検査・代替提案の時に説得力ある会話ができます。鋼材種別を「JIS規格番号で見分ける」目線で整理します。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

鋼材の種類とは?

鋼材の種類とは、結論「鉄を主成分とする金属材料を、化学成分・用途・規格で分類した総称」です。

「鉄=鋼材」と思いがちですが、厳密には炭素含有量と用途で細かく分類されており、

  • 純鉄(炭素ほぼ0)
  • 鋼(炭素0.02〜2.14%)
  • 鋳鉄(炭素2.14%以上)

という分け方が基礎にあります。建築構造で使う「鋼材」は、ほぼすべて炭素0.05〜0.6%程度の範囲に収まる「鋼」です。

そのうえで、合金成分や用途に応じて、SS材、SM材、SN材、SUS材、…のような種別が用意されています。図面の特記仕様書には必ず鋼材種別が書かれているので、これを読み解けるかが施工管理の基礎体力。

建築でよく使う4系統の鋼材

建築・施工管理として最もよく出会う鋼材は、SS、SM、SN、SUSの4系統。

①SS材(一般構造用圧延鋼材:JIS G 3101)

最もポピュラー。ただし、一般「構造用」と名前が付いていますが、近年は主要な耐震要素には使わない流れになっています。

  • 代表規格:SS330、SS400、SS490、SS540
  • 用途:金物、補強プレート、建築の二次部材、機械装置のベース等
  • 引張強さ:SS400で400〜510 N/mm²
  • 降伏点:SS400で235 N/mm²(厚み16mm以下)

「数字」は引張強さの目安(SS400なら引張強さ400 N/mm²級)。建築の主要構造には、後述のSN材が標準になりつつあります。

②SM材(溶接構造用圧延鋼材:JIS G 3106)

溶接性を重視した鋼材。化学成分(炭素・リン・硫黄)の上限が厳しく、溶接時の割れリスクが下げられている。

  • 代表規格:SM400A/B/C、SM490A/B/C、SM490YA/YB
  • 用途:橋梁、溶接構造物、大型機械
  • 種別記号:A→B→Cの順に、化学成分(特にりん・硫黄)が厳しくなる

橋梁工事や、地震・荷重で疲労が問題になる構造物で多用されます。

③SN材(建築構造用圧延鋼材:JIS G 3136)

1994年制定の比較的新しい規格。建築物の地震応答を前提に、降伏点・引張強さの「上限と下限」が両方規定されているのが特徴。

  • 代表規格:SN400A/B/C、SN490B/C
  • 用途:建築構造の主要部材(柱・大梁)
  • 特徴:降伏比(降伏点÷引張強さ)の上限規制、塑性変形性能の保証

塑性ヒンジが想定通り発生する性質が保証されているので、現代の高層ビル・耐震性能を要する建築物の主役。鋼種記号の末尾A/B/Cは、

  • A:溶接性指定なし
  • B:溶接性指定あり(板厚規定あり)
  • C:B+耐ラメラテア性能指定(板厚方向の信頼性が必要な部位)

の順に厳しくなります。

④SUS材(ステンレス鋼:JIS G 4303、4304など)

クロム10.5%以上を含む耐食性の鋼材。「Stainless Steel」の頭文字でSUS。

  • 代表規格:SUS304(汎用)、SUS316(耐食性アップ)、SUS430(磁性あり、安価)
  • 用途:屋外・水回り・薬品環境、装飾、衛生機器
  • 価格:SS400の3〜5倍
  • 加工:加工硬化しやすい、磁性は鋼種で違う(SUS304は弱磁性、SUS430は強磁性)

水景(屋上緑化のドレン回りなど、屋上緑化の解説:https://seko-kanri.com/okujou-ryokuka/ も参照)、海岸・薬品環境、笠木・手すり、配管などで多用。

炭素含有量での分類

化学成分の中でも特に炭素(C)量で、性質が大きく変わります。

区分 炭素含有量 性質 主な用途
軟鋼 0.02〜0.30% 加工性◎、溶接◎、強度△ SS400、SN400、一般金物
中炭素鋼 0.30〜0.60% バランス 機械部品、軸
高炭素鋼 0.60%以上 強度・硬度◎、加工△ 工具、ばね

建築で使うのは、ほぼ「軟鋼」の範囲。SS400もSN400も、炭素は0.20%程度に収まっています。炭素が多くなるほど引張強度は上がりますが、溶接性が悪化(割れやすくなる)。建築は溶接が多いので、軟鋼が主役の業界です。

形状による分類(型鋼など)

化学成分とは別に、製造形状でも分類があります。施工現場でよく出会うのはこっちの分類のはず。

形状 名称 主な用途
H H形鋼 大梁、柱の主構造
I I形鋼 梁の主構造
L L形鋼 ブラケット、補強
C Cチャンネル 母屋、外壁下地
帯板 平鋼 補強、金物
鋼板 フランジ、ベース
鋼管・角パイプ 構造柱、手すり
異形鉄筋・丸鋼 鉄筋コンクリート

これら全部に「材質はSS400なのかSN490Bなのか」がセットで指定されます。例えば「H-588×300×SS400」「H-588×300×SN490B」のような書き方。形状と材質、両方を読めるようになるのが第一歩。

用途別の使い分け

設計者が鋼材を選ぶ時の典型的な考え方を、現場目線で整理。

主要構造(大梁・柱)

  • 第一選択:SN490B / SN400B
  • 高層・超高層:SN490C
  • 旧来の物件:SS400も使われていた時代があるが、現代の新築ではほぼSN材

二次部材(ブレース・小梁・小柱)

  • SS400、SN400Aなど

仮設・補強・金物

  • SS400が定番。コスト・流通量で圧倒的に強い

鉄筋

  • 鉄筋は別系統規格(JIS G 3112、SD295A/SD345/SD390など)
  • スターラップ筋・あばら筋(https://seko-kanri.com/starlap-abara/)も鉄筋種別で指定

屋外・腐食環境

  • SUS304が一般的
  • 沿岸・海塩・薬品はSUS316以上

溶接が多い構造物(橋梁、機械架台)

  • SM材

ミルシートの読み方(鋼材種別の確認)

施工管理として、鋼材を受け入れた時に確認するのがミルシート(試験成績書)。具体的にチェックするポイント。

1. 鋼材記号

「SS400」「SN490B」「SM490A」のように、図面で指定された鋼種記号と一致しているか。これが第一関門。

2. 化学成分

C(炭素)、Mn(マンガン)、P(りん)、S(硫黄)、Si(ケイ素)が主要項目。SN材なら、PとSの上限が規格で決まっているので、その範囲内かを確認。

3. 機械的性質

  • 降伏点(YP):規格値以上
  • 引張強さ(TS):規格値の範囲内
  • 伸び(EL):規格値以上
  • 衝撃値(シャルピー、必要な場合のみ)

4. 製造番号・ロット番号

現場で受け入れた鋼材と、ミルシートの製造番号が一致しているかを確認。番号が違うと「他のロットの試験成績書を流用」されている可能性があり、要差し戻し。

5. 厚さ別の規格値の確認

降伏点や引張強さは、板厚で規格値が変わります。例えばSN490Bで、板厚16mm以下と16mm超で降伏点の規格値が違う。受領した鋼材の板厚に対する規格値を見る。

ミルシート全般の話はミルシートの解説を参照。

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鋼材の種類に関する情報まとめ

  • 鋼材の種類とは:化学成分・用途・規格で分類された鉄系金属材料の総称
  • 主要4系統:SS(一般用)/SM(溶接用)/SN(建築構造用)/SUS(ステンレス)
  • 炭素含有量:軟鋼(〜0.3%)/中炭素(〜0.6%)/高炭素(0.6%以上)。建築は軟鋼中心
  • 形状分類:H鋼、I形鋼、Lアングル、Cチャン、平鋼、鋼板、鋼管など
  • 用途別:主要構造はSN材/二次部材はSS/屋外はSUS/橋梁はSM
  • ミルシート確認:鋼材記号、化学成分、機械的性質、ロット番号、板厚別規格値

以上が鋼材の種類に関する情報のまとめです。

「鉄」と一括りにせず、SS/SM/SN/SUSをきちんと見分けて発注・検収できる施工管理は、設計者・鉄骨業者・検査機関のいずれにも強い説得力で話せるようになります。図面の特記仕様書を毎回キチッと読む習慣だけで、鋼材種別の現場ミスはほぼ防げるので、まずはそこから。一通り基礎知識は理解できたと思います。

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