ケレンとは?意味、種類、1〜4種の違い、施工方法、注意点など

  • ケレンって結局なんの作業?
  • 1種・2種・3種・4種の違いは?
  • どの程度の錆を落とせばいい?
  • 工具は何を使う?
  • 塗装の前に必ず必要なの?
  • 工程と費用感は?

上記の様な悩みを解決します。

ケレンは、塗装の前に行う下地処理の中でも最重要工程です。鉄骨塗装・配管塗装・既存塗膜の補修など、塗装が絡むすべての工事に登場します。施工管理として塗装工事を担当すると「ケレン1種で頼む」「2種で十分」のような会話が飛び交うので、種類の違いと使い分けを押さえておかないと話に入れません。1〜4種の判別基準と施工方法を整理しておくと、塗装業者・設計事務所・施主すべてに通用する施工管理になれます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

ケレンとは?

ケレンとは、結論「塗装する前の鉄部・金属部に付着した錆・旧塗膜・汚れを除去し、塗料の付着性を確保する下地処理作業のこと」です。

語源はオランダ語「clean(クレーン)」が訛ったもので、現場では「ケレンする」「ケレンを入れる」のように動詞・名詞両方で使われます。塗装の品質は「塗料の良し悪し」ではなく「下地処理の良し悪し」で決まる、と言われるほど重要な工程で、ケレンが不十分だと塗膜の剥離・早期劣化に直結します。

主な対象は次のとおりです。

  • 鉄骨・鉄部の新規塗装前下地処理
  • 既存塗装の塗り替え(旧塗膜除去)
  • 配管・設備機器の塗装前処理
  • 橋梁・タンク・プラントの大規模塗装

塗装下地処理の全体像はこちらが詳しいです。

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僕の感覚だと、ケレンは「地味で軽視されがちだが、塗膜の寿命を実質的に決める」工程です。塗料のグレードを上げてもケレンが不十分なら長持ちしないので、種類の選定と施工確認が施工管理の見せ所になります。

ケレンの種類(1種・2種・3種・4種の違い)

ケレンは JIS Z 0310・国土交通省「鋼道路橋塗装・防食便覧」などの基準で、1種〜4種の4段階に分類されています。

種別 処理レベル 主な工法 対象
1種ケレン 完全除去(白色まで) ブラスト処理 重防食塗装、橋梁、新設鋼構造物
2種ケレン 旧塗膜・錆をほぼ除去 動力工具(ディスクサンダー等) 大規模塗替え、健全部以外
3種ケレン 浮いた塗膜・錆のみ除去 動力工具+手工具 一般的な塗替え、健全部はそのまま
4種ケレン 軽い汚れの除去 手工具(紙やすり等) 健全な塗膜上の塗り重ね

1〜4種の判別基準

種別の選定は、既存塗膜の状態(錆・剥離の程度)で決まります。

  • 1種:全面に錆・剥離があり、すべて除去して素地まで戻す必要がある場合
  • 2種:広範囲に旧塗膜・錆があるが、素地まで戻さなくてよい場合
  • 3種:部分的に劣化があり、健全部は残して局所処理する場合
  • 4種:塗膜は健全で、軽い汚れを取って塗り重ねる場合

工法の違い

種別 標準工法
1種 サンドブラスト・ショットブラスト
2種 ディスクサンダー・電動ワイヤブラシ
3種 スクレーパー・ワイヤブラシ・サンドペーパー
4種 手工具・ウェス清掃

鉄骨塗装全体の整理はこちら。

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僕としては、現場で「ケレン1種」と聞いたら「これは本格的なブラスト処理が必要な現場」、「3種」なら「動力+手工具で部分処理」と即イメージできるようにしておくと、塗装業者との打合せでスムーズです。

ケレンの施工方法

1種ケレン(ブラスト処理)

ブラスト処理は、研磨材(鉄粉・砂・ガラスビーズ等)を圧縮空気で吹き付けて、錆・旧塗膜を完全除去する工法です。

種類 研磨材 特徴
サンドブラスト 伝統的、粉塵が多い
ショットブラスト 鋼球 工場で多用、品質が安定
グリッドブラスト 鋼の角張った粒 粗面を作りやすい

ブラスト処理は工場で行うのが標準で、現場ブラストは粉塵対策・養生が大変です。新設鋼構造物の重防食塗装で採用されるのが一般的です。

2種ケレン(動力工具処理)

電動ディスクサンダー・電動ワイヤブラシで広範囲の錆・旧塗膜を除去します。1種ほどの完全除去はできませんが、現場で広範囲を処理できる効率の良い工法です。

3種ケレン(部分処理)

健全な塗膜は残し、浮き・剥がれ・錆のある部分のみを処理します。動力工具と手工具を組合せて使い、塗膜の健全部と劣化部の境界を見極めながら作業します。一般的な塗り替え工事で最も多く採用される種別です。

4種ケレン(軽処理)

健全な塗膜の表面の汚れを取り、塗り重ねの付着性を確保する程度の処理です。ナイロンブラシ・サンドペーパー・ウェス清掃などの軽い手工具で対応します。

タッチアップ補修との関係はこちら。

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僕の感覚だと、3種ケレンで一番気を遣うのが「劣化部の境界判定」で、ここを甘くすると塗り重ね後に旧塗膜から剥離が起きます。塗装業者と一緒に境界を確認する時間を作るのが品質確保のコツです。

ケレンの注意点と検査ポイント

安全面の注意点

  • 粉塵対策:マスク・防塵眼鏡・換気の徹底
  • 騒音対策:動力工具使用時の近隣配慮
  • 火災対策:可燃物の近くではブラスト・動力工具を避ける
  • 高所作業対策:足場の安全確認、墜落防止

品質面の注意点

  • 鉄骨表面の温度・湿度(高温・高湿時は錆が再発しやすい)
  • ケレン後すぐに錆止め塗装を行う(4時間以内が目安)
  • 処理面の油分・水分の除去
  • 鋭角部・隅角部・継手部は丁寧に処理

塗装膜厚の管理基準はこちらが参考になります。

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検査ポイント

ケレン後の検査では次を確認します。

  • 処理レベルが指定種別に達しているか(写真・目視)
  • 錆・旧塗膜の残存有無
  • 油分・水分の除去状態
  • 隅角部・継手部の処理状況
  • 次工程(錆止め塗装)との連続性

各塗装の特徴はこちらも参考に。

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僕としては、ケレン検査は「ケレン直後の写真記録」が後の引渡し・補修時に最大の証拠になるので、種別ごとに代表箇所の写真を必ず残す習慣を付けるのが大事だと感じます。

ケレンに関する情報まとめ

  • ケレンとは:塗装前に鉄部の錆・旧塗膜・汚れを除去する下地処理作業
  • 種類:1種(ブラスト完全除去)/2種(動力工具で広範囲)/3種(部分処理)/4種(軽処理)
  • 判別基準:既存塗膜の劣化程度で選定
  • 標準工法:1種=ブラスト/2種=ディスクサンダー/3種=動力+手工具/4種=手工具
  • 安全注意点:粉塵/騒音/火災/高所
  • 品質注意点:温湿度/4時間以内に錆止め/隅角部の丁寧処理
  • 検査ポイント:処理レベル/残存錆/油分水分/隅角部/写真記録
  • ケレン後の塗装:錆止め→中塗→上塗の標準工程に進む

以上がケレンに関する情報のまとめです。

ケレンは「塗装の品質は下地処理で決まる」という塗装業界の鉄則の中心にある工程です。1〜4種の違い、選定基準、施工方法、検査ポイントの4点を押さえておくと、塗装業者・設計事務所・施主との打合せで詰まらず、塗膜の長寿命化まで責任を持てる施工管理になれます。「ケレンの種別と検査写真を残す」を習慣にするのが、塗装トラブルを防ぐ最大の防御策です。

ケレンに関するよくある質問

Q1:ケレン1種と4種ではどちらの方が手間がかかりますか?

1種が圧倒的に手間がかかります。1種はブラスト処理で素地まで完全除去する重作業で、専用機械・養生・粉塵対策が必要です。4種は健全な塗膜の表面を軽く処理するだけで、手工具で対応できる軽作業です。コストも1種が4種の数倍〜十倍以上になります。

Q2:3種ケレンと4種ケレンの境界は何で判断しますか?

既存塗膜の劣化状態で判断します。塗膜に浮き・剥がれ・錆が部分的にある場合は3種(劣化部のみ除去)、塗膜は健全で表面の汚れ程度なら4種(軽清掃のみ)と判定します。判断が難しい場合は3種を選んでおく方が安全側で、塗装業者と一緒に現場で確認するのが基本です。

Q3:ケレンが不十分だとどんな問題が起きますか?

塗膜の早期剥離・膨れ・錆の再発が代表的な問題です。錆や旧塗膜の上に新しい塗料を塗っても密着性が出ないので、数年で塗膜が剥がれる・浮く・気泡が出るといった現象が起きます。結果として塗装をやり直しになり、本来のコストの数倍の出費に繋がります。「塗装の品質は下地処理で決まる」のはこの理由です。

Q4:ケレン後すぐに塗装しないとダメですか?

理想は4時間以内、最大でも8時間以内に錆止め塗装を行うのが標準です。鉄部はケレン直後から空気中の水分で再度錆び始めるので、処理後の時間が空くほど再ケレンが必要になります。雨天・高湿度時はさらに早く錆が出るので、ケレン作業と塗装作業を連続して計画するのが基本です。

Q5:ケレンの費用はどれくらいかかりますか?

種別と面積で大きく変わりますが、目安として1種は1㎡あたり2,000〜5,000円、3種は500〜1,500円程度です。1種はブラスト機械の搬入・養生・産廃処理を含めると現場規模で数百万円〜のコストになります。4種は手工具中心なので比較的安価です。塗装工事全体の見積もりでは、ケレンの種別選定がコストの大きな要素になります。

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