トランジスタとは?仕組み、記号、特性、向きなどを解説

  • トランジスタってなに?
  • 仕組みについて知りたい
  • 記号は?
  • 特性はどんな風になってるの?
  • 使い方は?
  • 向きは?
  • 等価回路について知りたい

上記のような悩みを解決します。

今やトランジスタはほとんどの家電製品に組み込まれています。電気に関わる仕事をするなら必要最低限の知識は抑えておく必要があります。

この記事ではトランジスタとはなにか?といったところから、仕組み、記号、特性、使い方、向き、等価回路について解説していきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

トランジスタとは?

トランジスタとは、結論「入力した信号を大きくする素子」です。

基本的に信号は波打っていますよね。この波の大きさ(振幅)を大きくするのがトランジスタになります。トランジスタの登場により、あらゆる家電製品が小さくなったんです。

以前はトランジスタの役割を真空管が果たしていました。

説明するまでもなく真空管とは「管」ですから、それなりの大きさがあります。大きさがあるということは組み込まれる電気機器を持ち運ぶのが不便になるということです。

例えば、スマートフォンに真空管を入れなければならなくなったら、だいぶ大きなスマートフォンになりますよね。持ち運びに不便ですから、全然スマートではありません。対して、トランジスタは電子素子ですので非常に小さいです。

トランジスタ程度の大きさなら持ち運びは用意ですよね。

このようにトランジスタは家電の小型化に対して非常に貢献しています。

ある程度の大きさの電気を送る際、出力側でもある程度の大きさを確保しなければなりません。トランジスタがあれば出力側の電気は小さく抑え、トランジスタで大きくするということが可能になったんです。

具体的には下記のようなものにトランジスタが使用されています。

トランジスタが使われている電気機器

  • マイク
  • パソコン
  • iPhone
  • iPad
  • カメラ
  • その他家電

 

トランジスタの仕組み

トランジスタの仕組みは、上図に示す通りです。

まず、トランジスタには3つの端子があります。「ベース」と「コレクタ」と「エミッタ」の3つな訳ですが、この内「ベース」が起点なんです。

ベースに電気が流れると、コレクタにもエミッタにも電気が流れます。ベースの電気を遮断すると、コレクタにもエミッタにも電気が流れなくなるといった格好です。

「スイッチング作用」と呼んだりしますが、ベースに電気を流すか否かで電気をスイッチングすることが可能です。

ベースはよく蛇口に例えられます。

蛇口をひねれば水が出てきますよね。同様にベースに電気を流せば、電気が出力されるといったイメージです。

もう少し詳細に解説すると、トランジスタには「npn型」と「pnp型」があります。

半導体にはn型半導体とp型半導体があり、それぞれをどんな順番で接続するか?の違いです。基本的に電気はp型半導体からn型半導体へと流れますから、組み合わせによって電気の流れが変わります。

電気の流れが変わるということは、接続先が変わるということです。

npn型の場合は+に、pnp型の場合はーへと接続されます。

日本ではnpn型のトランジスタが多いです。対してpnp型はヨーロッパなどで使用されることが多いので、基本的考えなくてもいいかなと思います。

 

トランジスタの記号

トランジスタの記号は上図に示す通りです。

繰り返しになりますが「ベース」と「エミッタ」と「コレクタ」があります。ちなみに、ベースとエミッタとコレクタの意味合いは下記になります。

ベース・エミッタ・コレクタの意味

  • ベース:base→起点
  • エミッタ:emitter→送る
  • コレクタ:collector→集める

ベースが起点となり、コレクタで集めてエミッタで送ります。

まずベースに電気が流れるか否かで回路を制御します。基本的な出力はエミッタで行います。コレクタは微弱であり、増幅される側の電気です。

コレクタで集めたものを増幅し、エミッタで出力(送る)といった流れになります。

ちなみに、矢印は電気が流れる方向でして、npn型かpnp型によって異なります。

 

トランジスタの特性

トランジスタの特性は、上図に示す通りです。

横軸がコレクタとエミッタ間の電圧、縦軸がコレクタの電流になります。

かける電圧に対して、電流が大幅に増加してる部分がありますよね。これが適切にトランジスタが作用して信号が増幅されている部分です。

ただ、ある一点を境に電流の増加は止まっているのが分かると思います。

飽和電圧と言いまして、電流の増幅率が下がるポイントです。トランジスタも無限に電気を大きくすることができる訳ではありませんので、飽和します。飽和すると増幅率はある程度頭打ちという訳です。

 

トランジスタの向き

トランジスタの向きは上図に示す通りです。

パネルに対してそれぞれの足を差し込んでいく形になります。エミッタ、コレクタ、ベースそれぞれを繋ぎ間違えてしまうと適切に回路が機能しないので注意しましょう。

逆に、電子回路を組んだ時、適切に回路が機能しない場合はトランジスタの向きが間違っている可能性があります。

トランジスタの頭の黒い部分は、文字が書いてある面と書いてない面があります。

文字が書いてある面を上にした時、左からエミッタ、コレクタ、ベースですので向きを間違えないようにしましょう。書いてある文字だったり記号だったりはトランジスタによって内容が異なるので一概には言えない部分もあります。

 

トランジスタに関する情報のまとめ

トランジスタに関する情報のまとめ

  • トランジスタとは:入力した信号を大きくする素子
  • トランジスタの仕組み:npn型の順もしくはpnp型の順
  • トランジスタの記号:上図参照
  • トランジスタの特性:上図参照
  • トランジスタの向き:文字面を上にして、左からECB

以上がトランジスタに関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

似たような素子としてはダイオードやサイリスタなどが挙げられます。同様に半導体であり、数多くの電気機器に使用されています。抑えておいて損はありません。

下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは。