熱感知器とは?設置基準、種類、温度、煙感知器との違いなど

  • 熱感知器とは?
  • 煙感知器との違いって?
  • 種類はどんなものがあるの?
  • 設置基準は?
  • 発報する温度は?
  • 記号について知りたい

上記の様な悩みを解決します。

熱感知器は煙感知器同様、現場にて多く使用されています。また、種類もいくつかあり、それぞれ動作原理が異なります。基礎知識について理解しておきましょう。

この記事では熱感知器とは?といったところから、煙感知器との違い、種類、設置基準、発報する温度、記号について解説していきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

熱感知器とは

熱感知器とは、結論「熱で火災を感知する機器のこと」です。

火災が発生した時、建物利用者の安全を確保しなければなりません。

その為にやるべきことはいくつかありますが、まずは火災を感知しなければ意味が無いですよね。熱感知器は「熱」によって火災を感知します。

火災を感知し、ケーブルや盤を経由し、様々な場所へと信号を送る役割です。

人命に直結する部分ですので、防災設備の中でも重要な機器であると言えまます。

 

熱感知器と煙感知器との違い

熱感知器と煙感知器の違いは「熱で感知するか?煙で感知するか?」です。

館内で多いのが煙感知器です。火災が発生したら煙が発生しますよね。この煙を感知するのが煙感知器な訳ですが「火災以外の煙も感知してしまう」という欠点を持ちます。

例えば、喫煙ルームなんかが分かりやすいと思います。

喫煙ルームに煙感知器を設置してしまうと、火災が発生していないのに発報してしまいます。これでは建物利用者の利便性を確保できません。

よって、この様な場合は熱感知器を設置します。

熱感知器ならば煙は関係ありません。熱感知器は熱で感知しますので、誤発報を防ぎます。

 

熱感知器の種類

熱感知器の種類

  • 定温式スポット型感知器
  • 差動式スポット型感知器
それぞれについて詳しく解説していきます。

定温式スポット型感知器

定温式スポッチ型感知器とは、結論「一定の温度に達した時に発報する感知器のこと」です。

規定の温度をあらかじめ決め、その部屋が規定の温度に達した時に発報します。

例えば、規定の温度を65度に設定したとしましょう。普通に生活していて、部屋の温度が65度に達することはありません。ただ火災が発生した時は65度を超えます。この様にして火災を感知します。

ただ欠点として「感知が遅い」という点が挙げられます。

先の例で言うなら「室内温度が65度になるまで発報しない」とも言えます。

火災が発生して、室温がいきなり65度になる訳ではありません。徐々に徐々に上昇し、65度に達します。感知のスピードが遅いということは、その他防災設備の動きが遅くなるということです。

建物利用者の安全を確保する為に、定温式スポット型感知器ではなく差動式スポット型感知器が採用されることがあります。

 

差動式スポット型感知器

差動式スポット型感知器は、結論「温度上昇率で火災を感知する機器のこと」です。

先ほどの定温式スポット型感知器は一定の温度に達するまで発報しなかったのに対し、差動式では一定の温度に達しなくても発報します。

つまり、室内温度が急に変化した時に発報するのが差動式スポット型感知器です。

普通に生活していて、室内温度が急に上昇することはありません。料理をしたとしても、その温度上昇率はたかが知れています。

火災が発生した時、室内の温度は急上昇します。これを感知するのが差動式スポット型感知器です。施工実績も多く、広く採用されています。

 

熱感知器の設置基準

熱感知器の設置基準

  • 壁から400mm
  • 吹き出し口から1500mm

煙感知器が壁から600mmなのに対し、熱感知器の設置基準は400mmとなっています。間違えやすい部分ですので、注意しましょう。

また、吹き出し口から1500mm離す決まりがあります。

もし条件を満たせない場合は、感知器の移設が必要です。合わせて配線も引かなければなりませんので、更新工事を行う際は事前に現場調査が必要です。

小部屋なんかでは上記条件の両方を満たすことができない場合がありますが、その場合は吹き出し口から離す方が優先されます。

 

熱感知器が発報する温度

熱感知器が発報する温度は「約65度」です。

定温式スポット型感知器の場合になります。根拠は「火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令」です。

法令で決められている部分ですので、気になる方は元の文献を確認してみてください。

>>>>>火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令

 

熱感知器の記号

熱感知器の記号は上図です。

正確に言えば熱感知器には様々な種類がありますから、他にも記号はあります。ただ基本的なフォルムは上図と考えてください。

具体例を挙げると、上の記号の下に150という数字がついたり、Eのマークが付いたりします。

150と数字が付いていれば感知温度が150度で、Eのマークが付いていれば防爆型の感知器です。他にも種類がありますので、気になる方は調べてみましょう。

 

熱感知器に関する情報まとめ

熱感知器に関する情報まとめ

  • 熱感知器とは:熱で火災を感知する機器のこと
  • 煙感知器との違い:熱で感知するか?煙で感知するか?
  • 種類:定温式スポット型感知器、差動式スポット型感知器
  • 設置基準:壁から400mm、吹き出し口から1500mm
  • 発報する温度:65度
  • 記号:上図参照

以上が熱感知器に関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

熱感知器と類似した機器で煙感知器があります。設置基準や記号が微妙に異なったりします。現場で多く使用されている感知器ですので、合わせて知識として抑えておきましょう。

下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!