避雷器(SPD)とは?避雷針との違い、接地線の太さ、メーカーなど

  • 接地線(SPD)ってなに?
  • 役割は?
  • 避雷針の違いって?
  • 接地線の太さは?
  • メーカーはどこ?

上記の様な悩みを解決します。

電気設備を施工するなら雷については考える必要があり、避雷器(SPD)は電気機器を守る上で重要な機器です。基礎知識について理解しておきましょう。

この記事では避雷器(SPD)とは?といったところから、役割、避雷針との違い、接地線の太さ、メーカーなどについて解説していきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

避雷器(SPD)とは?役割について解説する

避雷器(SPD)とは、結論「雷から電気機器を保護する機器のこと」です。

まず、電気設備において大切なのが電気であるのはいうまでもありません。落雷も電気ですよね。よって、落雷の影響で電気機器に異常が発生する場合があります。

例えば、雷が木に落ちた場合について考えましょう。

木に雷が落ちるなら、電気機器には関係ないのでは?と思いますよね。

結論関係ありまして、雷が落ちたポイントだけでなく、雷が落ちたポイントの周辺に大きな電圧と電流が発生します。これを雷サージと呼びます。

つまり、落雷が発生した木の周辺にある電気機器にも影響があるということです。

雷サージが発生し、その電気が電路に接続されている機器に入り込むと機器が壊れます。

100Vの照明器具に200Vを送電すると照明器具は大きな電気に耐えられず、壊れますよね。同様に、機器に設定されている定格電流を大きく上回る電気が入ると、機器は壊れます。

避雷器(SPD)は落雷により雷サージから、電気機器が壊れるのを防ぐのが役割です。

 

避雷針設備と避雷器(SPD)の違い

避雷針設備と避雷器(SPD)との違いは、結論「建物を守るか?電気機器を守るか?」の違いです。

「何から守るか?」つまり雷から何かしらを守るという意味では同様ですが、守る対象が異なります。避雷針設備は建物を守って避雷器は電気機器を守ります。

避雷針設備は、雷を適切な位置へと誘導する設備とも言えます。

雷がところかまわず落ちていたら、人に当たるかもしれませんし、空調機に落ちるかもしれませんし、ソーラーパネルに落ちるかもしれません。被害総額は恐ろしいことになります。

そこで避雷針設備を施工し、雷を誘導し、適切な電路で逃がすことにより建物を落雷から守ります。

対して避雷器(SPD)の対象は限定的です。

避雷器(SPD)は「電気機器」を守りますから、人を守るわけでも、ソーラーパネルを守る訳ではありません。役割分担がされているということです。

避雷器(SPD)と避雷針の両方を建物に組み込むことで、落雷の被害を小さく収めることが可能です。

 

避雷器(SPD)の接地線サイズ(太さ)

避雷器(SPD)の接地線サイズ(太さ)は、結論「5.5mm2以上」です。

まず避雷器(SPD)の設置工事は「A種接地工事」に分類されます。A種接地工事において、基本的に接地線のサイズは直径2.6mm以上と規定されています。

実際の法規を見てみましょう。

電気設備技術基準の第37条高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器には、A種接地工事を施すこと。

ただし、高圧架空電線路に施設する避雷器(第1項の規定により施設するものを除く。)のA種接地工事を日本電気技術規格委員会規格 JESC E2018(2015)「高圧架空電線路に施設する避雷器の接地工事」の「2.技術的規定」により施設する場合の接地抵抗値は、第17条第1項第一号の規定によらないことができる。(関連省令第10条、第11条)

電気設備技術基準の第17条第17条 A種接地工事は、次の各号によること。

一 接地抵抗値は、10Ω以下であること。

二 接地線は、次に適合するものであること。

イ 故障の際に流れる電流を安全に通じることができるものであること。

ロ ハに規定する場合を除き、引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径2.6mm以上の軟銅線であること。

ハ 移動して使用する電気機械器具の金属製外箱等に接地工事を施す場合において可とう性を必要とする部分は、3種クロロプレンキャブタイヤケーブル、3種クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブル、3種耐燃性エチレンゴムキャブタイヤケーブル、4種クロロプレンキャブタイヤケーブル若しくは4種クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブルの1心又は多心キャブタイヤケーブルの遮へいその他の金属体であって、断面積が8mm2以上のものであること。

直径2.6mm以上ということは、半径1.3mm以上ということです。

「1.3×1.3×3.14=5.3066」ですので、5.3mm2以上で一番近い接地線として5.5mm2の接地線が採用されます。以上が根拠です。

ちなみに「5.5mm2」以上ですので、必要があれば5.5mm2よりも太い接地線を使う場合があります。

 

避雷器(SPD)を制作しているメーカー

避雷器(SPD)を制作しているメーカー

  • 横河電機
  • 音羽電気工業
  • サンコーシヤ
  • 東洋計器
  • 富士電機テクニカ
  • 昭電
  • オメガエンジニアリング

 

避雷器(SPD)に関する情報まとめ

避雷器(SPD)に関する情報まとめ

  • 接地線(SPD)とは:雷から電気機器を保護する機器のこと
  • 避雷針の違い:建物を守るか?電気機器を守るか?の違い
  • 接地線の太さ:5.5mm2以上
  • メーカー:横河電機、音羽電気工業、サンコーシヤ、東洋計器

以上が避雷器(SPD)に関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

避雷器は雷保護の設備であり、似たようなもので避雷針設備があります。類する情報ですので、知識として合わせて抑えておきましょう。

下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!