2級造園施工管理技士、経験記述は無くなり次の準備に集中できる

  • 2級造園施工管理技士の経験記述、例文は何本用意すればいい?
  • ネットで拾った例文を丸暗記して、それで大丈夫なのかな
  • 自分の工事で書くなら、工程管理と品質管理のどっちを選ぶ?
  • そもそも第二次検定って、いまはどんな問題が出るの?
  • 「工事数量表」って聞き慣れない。何が書いてある表なの?
  • 手元の参考書に載っている経験記述の対策、まだ使える?
  • 過去問を探しているのに、古い年度が全然見つからない
  • 全部必須って本当?苦手な分野を捨てる作戦は使えないの?
  • 合格率はどのくらいで、何点取れば受かるの?
  • 次の試験日と申込の時期を、公式でどう確認すればいい?

上記の様な悩みを解決します。

2級造園施工管理技士の経験記述は、長いあいだ第二次検定の山場として扱われてきた設問ですが、実はこの形式、令和6年度から出題されていません。全国建設研修センターが令和6年2月に見直しを告知し、令和7年度の第二次検定は全員に共通の条件が問題側から与えられる形に変わっています。ところが検索して出てくる解説には令和5年度以前の形式のままのものが少なくなく、更新日が新しい記事でも中身は旧形式、ということが起こっているんですよね。今回は何がどう変わったのか、いま実際に出ている問題はどんな形かという基本を押さえた上で、旧形式との違い、練習の切り替え先、古い過去問が手に入らない理由、合格率と日程まで、公表されている一次資料の範囲だけで整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、制度の変更を追いきれていない方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

令和6年度から、経験記述の問題は「とりやめ」になった

2級造園施工管理技士の経験記述は、結論から言うと令和6年度以降の造園施工管理技術検定では出題されていません。これは推測ではなく、試験を実施している全国建設研修センターが自ら告知している内容です。

告知の名称は「令和6年度以降の造園施工管理技術検定試験問題の見直しについて」で、令和6年2月26日付、発出は造園・区画整理試験部です。この中で「受検者の経験に基づく解答を求める設問に関し、自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から、令和5年度まで出題していた【現場で経験した主な造園工事のうち、施工管理において「工程管理」又は「品質管理」上の課題があった工事を1つ選び、その工事について各設問に答える問題】はとりやめる。また、問題は全て必須問題とし、選択問題とはしない。」と書かれています。「見直し」でも「変更を検討」でもなく、「とりやめる」という言い切りの表現が使われているのがポイントです。

この一文から読み取れる変更点は、次の3つです。

  • 自分が経験した工事について答えさせる設問そのものを取りやめること
  • 取りやめの理由が、自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点にあること
  • 出題を全て必須問題とし、選択問題を置かないこと

3つ目は見落とされやすいところですが、実務的な影響は小さくありません。必須問題だけになるということは、苦手な分野を丸ごと避けて別の設問で点を稼ぐという組み立てが成り立たなくなるということです。経験記述の廃止だけに目がいくと、この点を見落とします。

理由として告知が挙げているのは「自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点」の一点だけです。ここから先、たとえば採点の負担や受検者数の推移といった話を足したくなりますが、告知に書かれていない以上は推測でしかないので、この記事では踏み込みません。僕は制度の話ほど、公表されている文言の外側に出ないことが大事だと思っています。

もうひとつ、情報の届き方の問題もあります。試験の実施機関が出す告知は、ニュースのように何度も流れてくるものではありません。一度公表されて公式サイトに置かれるだけなので、受検を考え始めた人が検索したときには、旧形式を前提にした解説のほうが先に目に入るという状況が起こります。告知そのものを読んでいれば数分で確認できる話が、伝わらないまま残ってしまうわけです。

なお、受検資格や試験の全体像そのものは、この見直しで変わったわけではありません。資格の位置づけから確認したい方は、全体像をこちらで整理しています。

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いま出るのは、工事数量表と工事に係る条件に基づく2問

では、経験記述の代わりに何が出ているのか。ここは令和7年度の実物を見るのが一番確実です。全国建設研修センターが公表している「令和7年度 2級造園施工管理技術検定 第二次検定試験問題」を開くと、冒頭の注意書きに「2.試験問題は,全て必須です。全て解答してください。」と明記されています。告知どおり、選択問題が無い構成になっているわけです。

続いて本文に入ると、必須である旨の但し書きに続けて2つの問題が並びます。原本の記載は次のとおりです。

  • 2問の前に置かれた但し書き:「※ 問題1,問題2は必須問題です。全て解答してください。」
  • 問題1(施工管理):「次の〔工事数量表〕及び〔工事に係る条件〕に基づく造園工事の施工管理に関する以下の設問(1)〜(4)について答えなさい。」
  • 問題2(安全管理):「次に示す〔工事数量表〕及び〔工事に係る条件〕に基づく造園工事の安全管理に関する以下の設問(1)〜(3)について答えなさい。」

つまり、問題1が施工管理、問題2が安全管理という二本立てで、どちらも工事数量表と工事に係る条件という共通の資料が先に与えられ、そこから設問に答える形です。経験記述のように「あなたが経験した工事を1つ選び」から始まるのではなく、答えるべき工事の条件が問題側から提示されます。

設問の数も原本のとおりで、問題1が(1)から(4)までの4つ、問題2が(1)から(3)までの3つです。どちらも工事数量表と工事に係る条件という同じ種類の資料を土台にしていて、問題1で施工管理の側面を、問題2で安全管理の側面を問う組み立てになっています。1つの工事条件を2つの角度から見る、と捉えると全体像がつかみやすいと思います。

この違いは、準備のしかたを根本から変えます。旧形式では自分の現場の記憶が答案の材料でしたが、いまの形式では試験当日に初めて見る資料が材料です。読み取りの精度がそのまま得点に直結する作りになっています。

もう一点、条件が問題側から与えられるということは、答案の前提が全受検者で揃うということでもあります。旧形式では、選んだ工事の規模や課題の重さが人によって違い、書きやすい工事を持っている人と持っていない人の差が出る余地がありました。いまの形式では、全員が同じ数量表と同じ条件を読むところから始まります。有利不利の出どころが「どんな現場にいたか」から「その場で条件をどれだけ正確に読めるか」に移った、と言い換えてもいいと思います。

答案の書き方そのものについては、令和8年度の受検の手引に「(4) 試験の内容 次の検定科目の範囲とし、記述式による筆記試験を行います。」とあり、第二次検定が記述式であることは変わっていません。手引の同じページには検定科目が施工管理法と示され、求められる力として「1.主任技術者として,造園工事の施工の管理を適確に行うために必要な知識を有すること。2.主任技術者として,工事の目的物に所要の強度,外観等を得るために必要な措置を適切に行うことができる応用能力を有すること。3.主任技術者として,設計図書に基づいて工事現場における施工計画を適切に作成すること,又は施工計画を実施することができる応用能力を有すること。」の3点が挙げられています。設計図書に基づいて施工計画を組み立てる力が正面から問われる、という設計思想は、いまの出題形式とよく噛み合っています。

令和5年度までは、工程管理か品質管理から1つ選ぶ形式だった

比較のために、旧形式がどういうものだったかを確認しておきます。ここも先ほどの見直し告知が、取りやめる対象を具体的に書いてくれているので、その文言をそのまま読むのが正確です。

告知が挙げている旧形式は「現場で経験した主な造園工事のうち、施工管理において「工程管理」又は「品質管理」上の課題があった工事を1つ選び、その工事について各設問に答える問題」です。要素に分けると、次のようになります。

  • 現場で経験した主な造園工事の中から、答案に使う工事を自分で1つ選ぶ
  • その工事に、工程管理または品質管理の課題があったことが前提になる
  • 選んだ工事について、各設問に答えていく

一般に経験記述と呼ばれてきたのは、この形式のことです。工事名や工期、自分の立場を書き、そこで起きた課題と取った対応を記述する。受検者ごとに答案の材料が違うので、事前に自分の工事を棚卸しし、書き慣れておくことが対策の中心でした。市販の参考書やネット上の解説が例文を並べていたのも、この形式が前提だったからです。

告知は続けて「また、問題は全て必須問題とし、選択問題とはしない。」と書いています。ここから、経験記述の有無だけでなく、必須と選択の扱いも同時に整理されたことが読み取れます。

ひとつ断っておくと、この記事では令和6年度に実際どんな問題が出たかには触れません。後述するとおり試験問題の公表には期間が定められていて、令和6年度の原本を確認できていないからです。書けるのは「令和6年度から見直しが適用された」ことと「令和7年度の実物がこうなっている」ことの2つで、その間を推測で埋めることはしません。

「品質管理の経験記述」を練習していた人は、何に切り替えるか

すでに自分の工事を棚卸しして、品質管理や工程管理の記述を書き溜めていた方もいると思います。その手間が無駄だったかというと、そうとも言い切れません。自分の現場で何が課題になり、どう手を打ったかを言語化した経験は、設問が求める記述の骨格づくりにそのまま効きます。ただし、準備の中身は入れ替える必要があります。

切り替えの方向は、次の4つに整理できます。

  • 自分の工事を選んで書く練習から、与えられた工事数量表と工事に係る条件を読み取る練習へ
  • 例文の暗記から、問題文の条件と設問の対応関係を素早く掴む訓練へ
  • 得意分野に寄せる作戦から、問題1の施工管理と問題2の安全管理を両方仕上げる方針へ
  • 工事名や工期を思い出す作業から、設計図書に基づいて施工計画を組み立てる考え方の整理へ

具体的な練習に落とすなら、順番はこうなります。まず直近年度の問題を開いて、工事数量表と工事に係る条件を先に読み、そこに何がどういう粒度で書かれているかを掴む。次に設問を1つずつ見て、その設問が資料のどの部分と対応しているかを線で結ぶ。最後に、その対応関係を踏まえて自分の言葉で答えを書き、資料に書かれていない前提を勝手に足していないかを見直す。この3ステップを回すほうが、例文を増やすより現行の形式に噛み合います。

3つ目は特に効きます。令和7年度の試験問題に「2.試験問題は,全て必須です。全て解答してください。」とあるとおり、いまの第二次検定に選択問題はありません。安全管理が苦手だから施工管理で取り返す、という組み立ては使えない前提で準備することになります。

「経験記述が無くなったから楽になった」と書いてある解説も見かけますが、僕はそこは慎重に見ています。採点基準は公表されていませんし、合格基準は令和8年度の受検の手引で「・第二次検定 得点が60%以上」と示されているだけで、設問ごとの配点は分かりません。楽になったかどうかは判断材料が無く、確実に言えるのは準備の中身が変わったということだけです。

その意味で、いま時間を使う先は「自分の工事をどう語るか」ではなく「初めて見る資料をどう読み、設問にどう対応させるか」に移っています。ここを早めに切り替えられるかどうかが、旧形式の情報に引っ張られたままの人との差になります。

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経験記述が要らなくなった分、これからは数量表の読み取りと記述の型を固める番です。独学サポート事務局の施工管理技士向けの受験対策講座で、いまどんな内容を扱っているか確認してみてください。

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過去問は1年で消える

「令和6年度の過去問を探しているのに見つからない」という状態は、探し方が悪いわけではありません。公表そのものに期限が設けられているからです。

令和8年度の2級造園施工管理技術検定 受検の手引には、試験問題の公表について「公表期間:試験翌日から1年間」と記載されています。試験の翌日に公表され、1年経つと取り下げられるということなので、常に閲覧できるのは直近の年度分だけということになります。何年も分をさかのぼって原本を並べる、という使い方は最初から想定されていません。

この仕組みを踏まえると、過去問を扱うときの手順はこうなります。

  • 公式で閲覧できる直近年度の問題を、まず原本で確認する
  • 手元の参考書やネットの解説が、どの年度の形式を前提に書かれているかを確認する
  • 経験記述を前提にした解説は、旧形式の資料として切り分けて扱う
  • 形式の判断に迷ったら、見直し告知と直近年度の問題に戻って突き合わせる

公表期間が1年ということは、裏を返せば「いま公式で読める問題が、いつでも最新の1年分だけ」ということです。数年分をまとめて手元に置きたいなら、自分で毎年ダウンロードして保存していくしかありません。逆に、どこかで見つけた古い年度の問題文は、公式から取得したものなのか、誰かが書き写したものなのかが判別しづらくなります。年度と出どころが分からない問題文は、教材として使う前に一度立ち止まったほうが安全です。

過去問という言葉には「たくさん解けば解くほど良い」という響きがありますが、制度が変わった直後は事情が違います。手に入る古い問題ほど旧形式である可能性が高く、量をこなすほど旧形式の型が身についてしまうという逆転が起きます。

過去問の探し方や年度ごとの扱いについては、別記事でも整理しています。

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古い年度の問題が見つからないこと自体は、不便ではありますが不利ではありません。全受検者にとって条件は同じで、公表されている直近年度が最も確度の高い教材になります。

令和7年度の合格率と、令和8年度の日程

最後に、数字と日程を押さえておきます。まず合格率です。全国建設研修センターが公表した令和7年度2級第二次検定の合格者の発表によると、令和7年度の2級造園施工管理技術検定 第二次検定は、受検者2,300人に対して合格者1,160人、合格率50.4パーセントでした。同じ資料に載っている同日実施の他区分は、2級管工事が受検7,552人・合格3,776人で50.0パーセント、2級電気通信工事が受検2,324人・合格1,468人で63.2パーセントです。造園の第二次検定は、おおむね2人に1人が通る水準にあると分かります。

合格基準についても、この資料に「合格基準…得点が60%以上を合格とする。」と記載があります。令和8年度の受検の手引にも「(5) 合格基準 以下の基準以上の者を合格とします。ただし,試験の実施状況等を踏まえ変更する可能性があります。・第二次検定 得点が60%以上」とあり、変更の可能性という但し書きが付いています。6割という数字は目安として使えますが、確定した不変の基準として扱わないのが正確な読み方です。

この50.4パーセントという数字は、第二次検定という1つの試験だけを取り出した合格率である点に注意が必要です。第一次検定の結果や、受検を思い立ってから資格を手にするまでの全体の通過率とは別の数字です。合格率を見るときは、どの年度の、どの級の、どちらの検定の数字なのかをセットで確認しておくと、他資格や他区分と比べるときに誤りません。

日程は、国土交通省が令和7年12月18日付で公表した令和8年度の実施に関する資料に載っています。令和8年度の2級第二次検定に関する日付は、次のとおりです。

  • 試験日:令和8年11月15日(日)
  • 申込受付期間:令和8年7月14日(火)から7月28日(火)まで
  • 合格発表:令和9年3月3日(水)

年度ごとの日程は国土交通省の公表資料と受検の手引で示されるので、受ける年度が決まったらその年度の資料を必ず自分で確認してください。申込受付期間は2週間ほどで、締切までの余裕はそれほどありません。

2級造園施工管理技士の経験記述に関する情報まとめ

  • 経験記述の扱い:令和6年2月26日付の見直し告知で、経験に基づく解答を求める設問は「とりやめる」と明示された
  • いまの出題形式:令和7年度は問題1が施工管理、問題2が安全管理で、いずれも工事数量表と工事に係る条件に基づく。全て必須
  • 旧形式:令和5年度までは、経験した造園工事から1つ選び、工程管理か品質管理の課題について答える形だった
  • 準備の切り替え:自分の工事の棚卸しから、与えられた条件の読み取りへ。必須問題なので苦手分野を捨てる作戦は使えない
  • 過去問:試験問題の公表期間は試験翌日から1年間。古い年度の原本は手に入らず、旧形式の解説が残りやすい
  • 数字と日程:令和7年度の2級第二次検定(造園)は受検2,300人・合格1,160人で50.4パーセント。合格基準は得点60パーセント以上(変更の可能性あり)

以上が2級造園施工管理技士の経験記述に関する情報のまとめです。

この設問について調べ始めた時点では、例文をどれだけ集めるかが悩みの中心だったと思います。ところが実際には、集めるべき対象がもう出題されていないという話でした。ここで方向を変えられれば、その先の時間は工事数量表の読み取りと、設問に対応させる記述の型づくりにそのまま使えます。制度が変わった直後は、情報の新しさより出どころで判断するのが安全だというのが、僕の考えです。迷ったら実施機関の告知と直近年度の問題に戻る。この2つを起点にしておけば、旧形式の解説に時間を取られることはなくなるはずです。

合格発表の時期と確認方法は、こちらで整理しています。

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