- 範囲が広すぎる。どこを捨てていいのか分からない
- 全部で何問出て、何問取れば受かるんだ
- 応用能力って何のことだ。普通の問題と何が違う
- 得意な科目で点を稼いで逃げ切れないのか
- 過去問は何年分やればいいのか
- 市販の問題集と、公表されている問題はどっちを使うんだ
- 施工の分野が担当外で、単語からして読めない
- 平日は現場で潰れる。土日だけで間に合うのか
- 今からで間に合う時期なのか、来年に回すべきか
- 一次だけ先に受かっておく意味はあるのか
上記の様な悩みを解決します。
1級建築施工管理技士の第一次検定対策は、広い範囲を全部やり切るための計画ではなく、合格基準から逆算して分野を仕分ける作業です。第一次検定には全体で60%以上という基準に加えて、施工管理法(応用能力)でも60%以上という基準があり、得意な法規で点を稼いで応用能力を捨てる、という逃げ切り方が成立しません。今回は出題の構成・2つの合格基準・応用能力の問われ方・過去問の使い方といった基本を押さえた上で、講座サイトや合格体験記では「とにかく過去問を回す」で終わりがちな、分野ごとに取る・仕分ける・捨てるをどう決めるかまで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、2級のときの感覚のまま1級に向かおうとしている方にも読み進めやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
一次検定対策は、実際に解く60問の側から組み立てる
「範囲が広すぎる。どこを捨てていいのか分からない」と「全部で何問出て、何問取れば受かるんだ」は、順番が入れ替わっているだけで同じ質問です。取りに行く問題数が決まらないうちは、外してよい範囲も決まりません。最初に開くのは参考書の目次ではなく、出題数と合格基準の側になります。
令和8年度の第一次検定は、出題が72問で、解答するのが60問です。合格基準は検定の別ごとに示されています。
| 判定の区分 | 合格基準 |
|---|---|
| 第一次検定(全体) | 得点が60%以上 |
| 第一次検定(施工管理法(応用能力)) | 得点が60%以上 |
| 第二次検定 | 得点が60%以上 |
出典:一般財団法人建設業振興基金「令和8年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引(旧受検資格用)」
この基準には但し書きが添えられています。「次の基準以上の者を合格としますが、試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性があります」。60%は動かない数字として置かれているわけではなく、その年の実施状況によって変わりうる線として示されています。なお令和8年度に確定した基準は、100点換算で60.0点、施工管理法(応用能力)は10問中6問以上でした(出典:同基金「令和8年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 実施結果」。確定基準は検定の実施後に公表されるもので、受検の手引には載りません)。
問題数に直すと像がはっきりします。解答する60問のうち、全体の線は36問。応用能力は10問のうち6問で、これが全体とは別に判定されます。ここで押さえておきたいのが、2つの線が並列ではなく入れ子になっているという点です。応用能力の10問は、全体の60問の中に含まれています。つまり応用能力の出来は、全体の得点にも二重に効いてきます。
- 出題は72問、解答するのは60問。全体の線は36問にあたる
- 施工管理法(応用能力)は10問中6問。全体の36問とは別に判定される
- 応用能力で6問を確保できた場合、残る50問で必要になるのは30問
- 全体で36問に届いていても、応用能力が5問以下なら基準を満たさない
- 基準そのものが実施状況で動きうるので、36問ちょうどを目標線にしない
最後の項目は、対策の設計にそのまま影響します。36問を目標にすると、基準が動いた瞬間に余白がゼロになります。基準の数字と、自分が置く目標の数字は別物として扱うほうが安全です。
第一次検定はどういう試験か|4つの検定科目と午前午後の2部制
「応用能力って何のことだ。普通の問題と何が違う」という疑問は、検定科目の一覧を見ると位置関係で分かります。応用能力は独立した4つ目の科目のような扱いではなく、施工管理法という科目の中で、知識とは別に置かれている枠です。
| 検定科目 | 知識・能力 | 解答形式 |
|---|---|---|
| 建築学等 | 知識 | 四肢択一 |
| 施工管理法(施工計画・工程管理・品質管理・安全管理) | 知識 | 四肢択一 |
| 施工管理法(応用能力) | 能力 | 五肢択一 |
| 法規 | 知識 | 四肢択一 |
出典:一般財団法人建設業振興基金「令和8年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引(旧受検資格用)」
4つのうち3つが四肢択一で、応用能力だけが五肢択一です。解答はマークシート方式で、法令等は令和8年1月1日に有効なものが出題の基準になります。年度をまたいだ古い教材で法令まわりを固めるときは、この基準日を意識しておきたいところです。
試験時間は午前が10:15から12:45まで、午後が14:15から16:15まで。試験地は札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄の10か所です。
- 検定科目は建築学等・施工管理法(知識)・施工管理法(応用能力)・法規の4つ
- 四肢択一が3科目、五肢択一が応用能力の1枠だけという構成になっている
- 解答はマークシート方式で、法令等は令和8年1月1日に有効なものが基準になる
- 第一次検定の受検資格は試験実施年度に満19歳以上となる者で、実務経験は要件に入っていない
- 受検手数料は12,300円(消費税非課税)
4番目の受検資格は、令和6年度の改正で変わった部分です。実務経験の年数を気にして受検を先送りしていた人にとっては、前提から変わっています。
受検区分ごとの条件はこちらで確認できます。

合格率は難易度の目盛りであって、対策の起点ではない
第一次検定の合格率は年度によって振れます。
| 年度 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 42,826人 | 19,993人 | 機関は合格率を明記していない |
| 令和7年度 | 41,812人 | 20,294人 | 48.5% |
| 令和6年度 | 37,651人 | 13,624人 | 36.2% |
| 令和5年度 | 24,078人 | 10,017人 | 41.6% |
| 令和4年度 | 27,253人 | 12,755人 | 46.8% |
出典:一般財団法人建設業振興基金の公表資料
令和8年度は受検者数と合格者数だけが公表されていて、合格率の数字そのものは示されていません。割り算をすれば出ますが、機関が出していない数字なので、ここでは受検者数と合格者数のまま置いておきます。
見てのとおり36.2%から48.5%まで幅があります。この振れ幅を見て「今年は難しい年かもしれない」と身構えても、対策の中身は1つも決まりません。合格基準は上位から人数を区切る書き方ではなく、基準以上の者を合格とする書き方で示されています。他の受検者が何問取ったかは、自分が何問取りに行くかの材料にはならない、というのが個人的な整理です。
合格率の推移と難易度の位置づけはこちらで整理しています。

選べる問題と選べない問題を分けると、外せる範囲が数で出てくる
「施工の分野が担当外で、単語からして読めない」という状態は、担当が固定されている人ほど起きます。ここで知りたいのは「その分野を丸ごと捨てられるのか」でしょう。答えは、検定問題の表紙に書かれている解答指定の中にあります。
令和8年度の第一次検定は、問題番号のブロックごとに解答する数が決められています。
| 区分 | 問題番号 | 出題 | 解答 |
|---|---|---|---|
| 午前 | No.1〜6 | 6問 | 6問(全問) |
| 午前 | No.7〜15 | 9問 | 6問(選択) |
| 午前 | No.16〜20 | 5問 | 5問(全問) |
| 午前 | No.21〜30 | 10問 | 7問(選択) |
| 午前 | No.31〜40 | 10問 | 8問(選択) |
| 午前 | No.41〜44 | 4問 | 4問(全問) |
| 午後 | No.45〜50 | 6問 | 6問(全問) |
| 午後 | No.51〜60 | 10問 | 10問(全問・五肢択一) |
| 午後 | No.61〜72 | 12問 | 8問(選択) |
出典:令和8年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 検定問題の表紙
午前は44問出題で36問解答、午後は28問出題で24問解答。合わせて72問出題の60問解答です。
ここを読み替えると、対策の地図が出てきます。全問解答のブロックを足すと31問。選択のあるブロックは41問出題されて29問解答するので、解答しなくてよいのは12問です。72問のうち約17%。この12問が、制度が用意している「捨ててよい範囲」の全量ということになります。
外せるのはブロックの中だけで、持ち越しはできない
12問という総量だけ見ると余裕がありそうですが、内訳を見ると事情が変わります。9問から6問を選ぶブロックで外せるのは3問、10問から7問なら3問、10問から8問なら2問、12問から8問なら4問。この上限はブロックごとに閉じていて、あるブロックで全問解いたからといって、別のブロックで余分に外せるようにはなりません。
だから「施工の分野を丸ごと捨てる」という発想は、そもそも制度の側で成立しません。担当外の分野があっても、外せるのはそのブロックの中で最大2問から4問まで。5問読めなければ、上限4問のブロックなら1問、上限2問のブロックなら3問を、読めないまま解答することになります。捨てる範囲を分野名で決めようとすると、この上限に必ずぶつかります。
多めに塗ると減点される
もうひとつ、選択問題には見落としやすい条件が付いています。指定数を超えて解答すると減点されます。「どれを選ぶか迷ったから、両方マークして当たっているほうを拾ってもらう」という保険が効かないということです。
これは当日の話に見えて、対策の話でもあります。選ぶという作業そのものが得点計算の一部に組み込まれているので、練習の段階から「解く問題を決めてから解く」形にしておかないと、本番で解答数を数える手間が余分に発生します。
- 全問解答のブロックは31問。分野の得意不得意にかかわらず、ここは全部解く
- 選択のあるブロックは41問出題の29問解答。外せるのは合計12問だけ
- 外せる上限はブロックごとに3問・3問・2問・4問。ブロックをまたいだ融通はできない
- 指定数を超えて解答すると減点される。迷って多めにマークするのは損になる
- どのブロックにどの分野が並ぶかは、公表されている検定問題を番号順に読めば分かる
最後の項目が、対策の初日にやることに直結します。公表されている検定問題を1年度ぶん開いて、自分が読めない問題の番号を書き出す。それをブロックごとに数える。3問しか外せないブロックに読めない問題が5問並んでいたら、そこは「捨てる」ではなく「2問だけ拾えるようにする」という課題に変わります。分野名で悩んでいたものが、番号と問数の話に変換されます。
担当外の分野を独学で埋めるときの教材の考え方はこちらが詳しいです。

五肢択一の10問には選択の余地がない|応用能力を先に確保する
応用能力が他の設問と違う点は3つあります。解答形式が五肢択一であること、10問すべてに解答すること、そして合格基準が独立して置かれていることです。表を見ると、午後のNo.51〜60の10問がこれにあたり、この枠だけ選択の指定がありません。
「得意な科目で点を稼いで逃げ切れないのか」という発想は、全体の基準に対しては正しく働きます。全体の36問は科目を問わない合計なので、得意な範囲で上積みすれば、苦手な範囲の取りこぼしを埋められます。ところが応用能力の6問は、その10問の中でしか作れません。他の50問をどれだけ積み上げても、応用能力の基準にはまったく振り替えられない。逃げ切りが成立しないのは、得点の配り方が下手だからではなく、判定の仕組みがそうなっているからです。
四肢と五肢では、消去法の残り方が違う
四肢択一で明らかにおかしい肢を2つ落とせれば、残りは2択です。同じ2つを落としても、五肢択一では3択のまま残ります。手応えとしては同じ「半分まで絞れた」でも、正解に当たる確率は50%と33%で開きます。四肢の設問と同じ感覚で解いていると、絞れているつもりで落とす設問が増えます。
しかもこの10問には逃げ場がありません。四肢択一の側には選択のあるブロックが含まれていて、読めない設問を外す余地が残っていますが、応用能力にはその余地がない。同じ1問でも、外したときの重さが違います。
毎回同じところで詰まるなら、記録の分け方から見直す
「苦手すぎて毎回同じところで詰まる」という状態で厄介なのは、詰まっていること自体には気づいているのに、それが合格判定にどう効いているかが見えない点です。過去問の正答率を全体の1本で記録していると、70%取れていても、その中身が知識科目に偏っていることに気づけません。応用能力が5問のままでも、数字の上では順調に見えてしまいます。
記録を2本に分けると、この見落としが消えます。応用能力の正答数と、それ以外の正答数。この2つを別の欄に書くだけで、いま自分がどちらの基準に引っかかっているかが毎回はっきりします。
順番の話もしておきます。応用能力で8問取れる状態を作れば、残り50問で必要な正解は28問まで下がります。50問で56%です。逆に応用能力が6問ぎりぎりだと、残り50問で30問、つまり60%が必要になります。応用能力は「基準を満たすかどうか」だけの枠ではなく、他の50問の負荷を決める調整弁でもあるということです。ここを先に固めるほうが、全体としては楽になります。
- No.51〜60の10問が施工管理法(応用能力)。五肢択一で、10問すべてに解答する
- 選択の指定がないので、苦手でも設問を外して逃げる形が取れない
- 合格基準は10問中6問。全体の36問とは別に判定される
- 応用能力を8問まで伸ばすと、残り50問で必要な正解は28問まで下がる
- 過去問の正答数は、応用能力とそれ以外に分けて記録する
過去問の回し方|公表された検定問題と正答肢番号を軸にする
「過去問だけでいいのか、演習書も要るのか」「何年分やればいいのか」「市販の問題集と公表されている問題はどっちを使うんだ」。この3つは別々の悩みに見えて、公表制度の話に行き着きます。
公表には期限があり、1年で入れ替わる
検定問題等の公表について、公表期間は試験日の翌営業日午前9時から1年間、公表方法は財団のWEBサイトと定められています。そして、それ以外の期間は公表しないとされています。第一次検定について公表されるのは、検定問題と正答肢番号の両方です。
つまり、いつでも取りに行ける資料ではありません。公表されているのは1年ぶんで、次の試験が終われば入れ替わります。「何年分やればいいのか」という数え方をする前に、そもそも公表経路で手に入るのは1年ぶんだという前提を置く必要があります。年数を積み上げたいなら、公表分とは別の経路が必要になる、という話に変わります。
第二次検定については、検定問題とマークシート設問の正答肢番号のみが公表され、解答形式が記述の設問は正答が公表されません。第一次と第二次で、答え合わせのしやすさが制度的に違うということです。
公表分と市販の問題集は、役割が違う
公表されているのは検定問題と正答肢番号であって、解説ではありません。なぜその肢なのかは自分で調べる必要があります。一方で、出題した側が示した正答であるという点はここにしかない価値です。
予備校等が発表する模範解答について、機関は「本財団とは全く関係ありません」としています。手元の解答例と公表された正答肢番号が食い違ったときに、どちらを基準にするかは、この一文で決まります。
役割で切り分けると迷いが減ります。正答の確認は公表された正答肢番号で行う。理由の説明は市販の解説書や自分で調べた一次資料から取る。この二段構えにしておけば、「どっちを使うのか」という問いは「両方を別の目的で使う」に置き換わります。
独学で行けるかどうかも、この点で判断がつきます。第一次検定は、出題した側の正答肢番号で自分の解答を検証できる試験です。答え合わせを他人に頼らずに閉じられるので、外部にお金を払う理由があるとすれば、それは正誤の判定ではなく、時間の圧縮や進め方の設計といった別の部分になります。参考書を何冊買うかという問いも、揃える冊数ではなく「読めない設問の番号を埋められる本が手元にあるか」に置き換えたほうが決めやすくなります。
同じ問題は出ないという前提での回し方
「過去問と同じ問題は出ないと聞いた」というのは、回し方の設計としては正しい警戒です。実務として押さえておきたいのは、正答肢番号を覚えてしまった時点で、その設問は実力測定の材料ではなくなるという点です。2周目以降に丸が付いても、それが知識なのか記憶なのか区別できません。
2周目からは判定の仕方を変えます。選択肢を見ずに、その設問が何を問うているかを言えるか。誤りの肢がなぜ誤りなのかを説明できるか。ここまでできれば、同じ論点が別の言い回しで出てきても対応できます。逆にここが言えないなら、正答を覚えているだけの状態です。
記録は年度単位ではなくブロック単位で残す
過去問を年度単位で「今回は何点」と記録しても、次に何をすればいいかは出てきません。表紙のブロックごとに正答数を並べると、次の一手が自動的に決まります。
全問解答のブロックで落としているなら、逃げ場がないので直接埋めるしかありません。選択のあるブロックで落としているなら、そのブロックで外せる上限と比べます。10問から8問を選ぶブロックで2問しか落としていないなら、その2問は外せる範囲に収まっているので、いま埋める必要はありません。同じ「2問落とした」でも、対処がまったく違います。
これが、対策における「捨てる範囲」の実体です。分野名の一覧ではなく、ブロック番号と問数の表として持つ。この形にしておくと、試験が近づいて時間が足りなくなったときにも、削る対象が最初から表の上で決まっています。
- 公表は試験日の翌営業日午前9時から1年間。それ以外の期間は公表されない
- 第一次検定は検定問題と正答肢番号が公表される。解説は付かない
- 予備校等が出す模範解答について、機関は本財団とは関係がないとしている
- 正答肢番号を覚えた設問は、その時点で実力測定の材料ではなくなる
- 記録は年度単位ではなくブロック単位。選択のあるブロックかどうかで対処が変わる
- ブロックの区切り方は年度によって変わりうるので、使う年度の表紙を毎回確認する
平日と休日の時間の作り方|令和8年度の日程から数える
「平日は現場で潰れる。土日だけで間に合うのか」という問いに、必要時間の数字で答えるのは難しいところです。必要量は担当分野や現在地で変わりますし、捻出できる時間の形も人によって違います。一方で日付は全員に共通なので、こちらから数えるほうが計画は壊れにくくなります。
| 出来事 | 日付 |
|---|---|
| 申請受付 | 2月13日(金)〜2月27日(金) |
| 第一次検定のみの申請 | 2月13日(金)〜4月7日(火) |
| 第一次検定 | 7月19日(日) |
| 合格発表 | 8月25日(火) |
出典:一般財団法人建設業振興基金「令和8年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引(旧受検資格用)」
今年に間に合うかどうかは、勉強量ではなく申請期限で決まる
「今からで間に合う時期なのか、来年に回すべきか」を判断する材料は、進捗ではなく日付の側にあります。申請受付は2月13日から2月27日まで。第一次検定のみの申請だけは4月7日まで受け付けられています。ここを過ぎてしまえば、どれだけ仕上がっていても今年度は受けられません。
裏を返せば、期限内に申請さえ済ませておけば、7月19日までの時間の使い方は自分の裁量です。判断を先送りして申請を逃すより、先に申請して7月までの形を後から決めるほうが、選択肢は多く残ります。
当日の時間は、解答数ではなく出題数で割る
「試験当日、時間が足りなくなるのが怖い」という不安には、割り算で見当がつきます。午前は10:15から12:45までの150分。ここで44問が出題され、36問に解答します。午後は14:15から16:15までの120分で、28問出題の24問解答です。
解答数で割ると午前は1問あたり約4.2分、午後は5.0分になります。ところが選択のあるブロックは、読まないと選べません。実際に目を通す対象は出題数の側なので、出題数で割り直すと午前は約3.4分、午後は約4.3分になります。1問あたり40秒から50秒の差です。この差を計算に入れていないと、選ぶ作業の時間がまるごと不足します。
午前のほうが1問あたりの時間が短いことも、あらかじめ知っておく価値があります。時間に余裕がある前提で午前を組み立てると、選択のあるブロックが3つ並ぶ午前で削られます。
- 令和8年度は第一次検定のみの申請が4月7日まで。判断の期限は勉強量ではなく申請日にある
- 対策の初日は、公表されている検定問題を開いて表紙の解答指定を書き写すところから始める
- 続けて施工管理法(応用能力)の10問だけを解き、合格基準の6問に届いているかを確かめる
- 読めない設問の番号を書き出し、ブロックごとに何問あるかを数える
- 休日に通しで解くときは、午前150分・午後120分の区切りをそのまま再現する
平日にまとまった時間が取れない場合でも、番号を絞った復習は細切れの時間で成立します。ブロック単位で記録を持っていれば、「今日はNo.21〜30のブロックだけ」という切り出し方ができるので、通勤中や現場の待ち時間でも手を付けられます。時間の総量を先に悩むより、切り出せる単位を先に作っておくほうが実務的です。
必要な時間量の考え方はこちらで扱っています。

日程と申請の全体像はこちらにまとめています。

第一次検定だけ先に取るという選び方と、第二次へのつなぎ方
「一次だけ先に受かっておく意味はあるのか」という問いには、制度の側から答えが出ます。令和3年度以降の第一次検定合格は生涯有効な資格となり、国家資格として施工管理技士補の称号が付与されます。第一次検定の合格者は、国土交通省へ交付申請することで『1級技術検定(第一次検定)合格証明書』が交付されます。
一度きりの通過点ではなく、それ自体が資格として残るということです。受検の手引には、第二次検定の受検資格としての期限の定めは記載されていません。「一次に受かってから何年以内に二次を受けないと無効になるのか」という心配は、手引の記載を見るかぎり出てこない種類の話です。
実務経験が足りなくても第一次は受けられる
「実務経験が足りないけど一次は受けられるのか」という点は、令和6年度の改正で整理されました。第一次検定の受検資格は試験実施年度に満19歳以上となる者で、実務経験は要件に入っていません。第一次を先に通しておいて、実務経験を積みながら第二次に向かうという順番が取れます。
ただし移行期の条件が1つあります。旧受検資格による第二次検定の申請は令和10年度までの経過措置とされていて、令和11年度以降は廃止されます。旧受検資格で第二次に向かうつもりなら、この期限は先に確認しておきたいところです。
実務経験の数え方はこちらにまとめています。

第二次のことを今から考えるべきか
第二次検定の合格率は、令和7年度が39.0%、令和6年度が40.8%、令和5年度が45.5%、令和4年度が45.2%です。第一次より低い水準で推移しています。
この数字を見て「二次のほうが大変なら今から準備を」と考えたくなりますが、第一次に受からなければ第二次はありません。第一次の対策時間を削って第二次に回す判断は、順番として合いません。いま押さえておくのは日程と、第二次の記述式は正答が公表されないという性質の2点で十分だと思います。第二次の中身に手を付けるのは、第一次の目処が立ってからでも遅くありません。
落ちたときに何が足りなかったかは、自分で切り分けられる
「落ちたときに何が足りなかったのか分かるのか」という不安は、第一次検定に関しては公表制度が解消してくれます。検定問題と正答肢番号が公表されるので、自分の解答を突き合わせれば、全体の36問に届かなかったのか、応用能力の6問に届かなかったのかまで切り分けられます。翌年に何を厚くするかが、感覚ではなく数字で決まります。
ただし公表は1年で終わります。自己採点を後回しにしていると、いちばん精度の高い材料が手元から消えます。結果がどうであれ、受けた年のうちに突き合わせを済ませておくのが現場目線での正解です。
- 令和3年度以降の第一次検定合格は生涯有効な資格で、施工管理技士補の称号が付与される
- 合格者は国土交通省へ交付申請することで、第一次検定の合格証明書が交付される
- 第一次の受検資格は満19歳以上で、実務経験は要件になっていない
- 旧受検資格による第二次検定の申請は令和10年度までの経過措置で、令和11年度以降は廃止される
発表の日程と確認方法はこちらで扱っています。

※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
【PR】その「捨てる判断」、合っているか確かめる相手はいますか
第一次検定は、試験日の翌営業日から一定期間、検定問題と正答肢番号が公表されます。一次のうちは、どの分野で落としたのかを自分で確かめられます。ただ、その手前で止まっている人が多いところです。
- 応用能力を後回しにしたまま、範囲を均等に回してしまっている
- 過去問の正誤は出せても、次にどの分野へ時間を戻すかを決めきれない
- 第二次検定の記述式は正答が公表されないので、自己採点そのものができない
第一次検定に合格すると1級建築施工管理技士補になり、翌年度以降は第二次検定から受検できます。自己採点が効かない第二次に進む前に、学習の進め方を一度見直しておく価値はあります。
1級建築施工管理技士の一次検定対策に関する情報まとめ
- 逆算の起点:出題72問・解答60問。全体の線は36問、施工管理法(応用能力)は10問中6問で、2つが同時に条件になる
- 試験の形:検定科目は4つで、応用能力だけが五肢択一。受検資格は試験実施年度に満19歳以上で実務経験は不要
- 捨てる範囲:全問解答が31問、外せるのは12問だけ。上限はブロックごとに閉じていて、分野を丸ごと捨てる余地はない
- 応用能力:No.51〜60の10問は全問解答で逃げ場がない。8問取れれば残り50問の必要数が28問まで下がる
- 過去問:公表は翌営業日から1年間で入れ替わる。正答肢番号で答え合わせ、解説は別経路。記録はブロック単位で残す
- 時間の作り方:判断期限は申請日で、第一次のみなら4月7日まで。当日は解答数ではなく出題数で割って配分する
- 一次だけ先に取る:合格は生涯有効で施工管理技士補の称号が付く。手引に第二次の受検資格としての期限の定めはない
以上が1級建築施工管理技士の一次検定対策に関する情報のまとめです。
対策の形を決めるのに、まだ教材を買う必要はありません。公表されている検定問題を1年度ぶん開いて、表紙の解答指定を書き写し、No.51〜60の10問だけを解く。ここまでで、自分が外してよい問題数と、いま応用能力で何問取れるのかという2つの数字が手元に出ます。分野名で悩んでいた「どこを捨てるか」が、ブロック番号と問数の話に変わるはずです。施工計画を立てる前にまず数量を拾うのと、順番としては同じことをしているだけだと僕は捉えています。
あわせて読むなら、第一次と第二次を通した勉強の進め方を扱った次の1本です。

