- 第一種電気工事士って、第二種と何が違うの?
- 高圧の工事ができるって、自分の現場に関係ある?
- 受験資格っているの?誰でも受けられる?
- 合格しても免状がもらえないって本当?
- 免状に必要な「実務経験3年」って何が認められるの?
- 試験が年2回になった・CBTって聞いたけど?
- 難易度は第二種からどれくらい上がる?
- 独学で受かる?勉強時間はどれくらい?
- 技能試験って、働きながら練習できる?
- 取ったら資格手当や年収はどう変わる?
上記の様な悩みを解決します。
第一種電気工事士は、第二種を取った人が次に目指す定番のステップアップ資格です。ただ、ネットの解説は資格スクールや求人サイトのものが多く、「合格率」と「勉強法」で話が終わりがちで、肝心の「合格しても免状はすぐ出ない」「現場で実際どう効くか」が抜け落ちています。今回は受験資格・試験内容・難易度・勉強法といった基本を押さえた上で、電気施工管理を経験した目線で「免状交付の実務経験の中身」「現場で1種が要る場面」「資格マップの中での位置」まで整理しました。
なるべく実務に即してまとめていくので、これから受験を考えている方の判断材料になればと思います。
それではいってみましょう!
第一種電気工事士とは?
第一種電気工事士とは、結論「第二種が扱える低圧の範囲に加えて、高圧(自家用電気工作物)の電気工事まで従事できるようになる、第二種の上位の国家資格」です。具体的には、ビルや工場、店舗などにあるキュービクル(高圧受電設備)のような6,600Vで受電する設備の工事に携われるようになります。
第二種電気工事士が一般住宅や小規模店舗の低圧(600V以下)が守備範囲なのに対して、第一種は高圧側に踏み込めるのが決定的な違いです。街中の自家用電気工作物の多くは高圧受電なので、扱える仕事の幅が一気に広がります。高圧受電設備そのものの中身はこちらが詳しいです。

僕の感覚だと、第二種は「電気工事の世界の入口」、第一種は「現場で一人前として高圧まで任される証明」というイメージで捉えると分かりやすいです。電気施工管理の立場でも、1種を持っているかどうかで現場で任される範囲と説得力が変わってくる、実用度の高い資格だと感じます。
第一種電気工事士の受験資格と免状交付
ここが第一種で一番つまずきやすいポイントです。結論から言うと「試験は誰でも受けられるが、合格しても実務経験がないと免状はもらえない」という二段構えになっています。受験資格に年齢や経験の制限はなく、未経験でも受験そのものは可能です。
注意が必要なのは免状交付の条件です。第一種電気工事士の免状を受けるには、電気工事に関する一定の実務経験が必要で、この点が第二種(合格すれば誰でも免状交付)と大きく異なります。
- 受験:年齢・実務経験の制限なし、誰でも受験できる
- 免状交付:所定の実務経験が必要(原則3年以上、制度改正で短縮されている)
- 実務経験:電気工事の作業に従事した期間がカウントされる
- 試験合格には有効期限がない(先に合格しておき、経験を積んで後から申請も可能)
- 最新の交付条件は都道府県や試験センターで必ず確認する
つまり「試験合格=すぐ1種として働ける」ではなく、合格と免状交付は別物だということです。なお、免状取得前でも、認定電気工事従事者の認定を受ければ自家用の低圧部分など一部の作業に従事できる道もあります。

正直なところ、ここを知らずに「合格したのに何で1種の仕事ができないの?」と戸惑う人は多いです。実務だと、先に学科・技能だけ通しておいて、現場で経験を積みながら免状申請に備える、という順番がむしろ王道だと思います。
第一種電気工事士の試験内容
第一種電気工事士の試験は、結論「学科試験(筆記またはCBT方式)と技能試験(実技)の2段階」で、両方に合格して初めて試験突破となります。令和6年度(2024年度)からは、これまで年1回だった試験が上期・下期の年2回実施に変わり、学科はCBT方式も選べるようになりました。
試験の概要を整理すると次の通りです。
- 学科試験:全50問の4択マークシート、試験時間140分、60点(30問)以上で合格
- 技能試験:事前公表される候補問題(例年10問前後)から1問が出題、試験時間60分
- 受験手数料:ネット申込10,900円、書面申込11,300円(いずれも目安)
- 学科の出題:基礎理論・配線設計・施工方法・検査・法令・配線図など
- 技能の判定:欠陥がなければ合格(結線ミスや被覆の傷が命取り)
技能試験は時間がシビアで、複線図を素早く正確に描けるかが勝負を分けます。複線図の書き方はこちらで補強できます。

現場目線で言えば、学科は知識、技能は「制限時間内に欠陥ゼロで仕上げる段取り力」を問われる試験です。日頃から配線作業をしている人ほど技能は有利ですが、油断するとケアレスミスで落ちるので、時間配分の練習は欠かせません。
第一種電気工事士の難易度と合格率
第一種電気工事士の難易度は、結論「国家資格の中では中間〜やや難しいレベルで、第二種より一段上がるが、対策すれば十分狙える」位置づけです。過去6年ほどの平均で、学科試験の合格率は約56%、技能試験は約63%となっています。
第二種との難易度の差を整理すると、次のような要因があります。
- 合格率:学科で第二種より約5%、技能で約7%低い
- 出題:複素数やベクトルを使う計算、発電・送配電、高圧機器など内容が専門的
- ターゲット層:第二種より電気工事従事者向けで、受験者の本気度も高い
- 免状条件:実務経験が必要な分、取得までのハードルが高い
学科と技能の両方を一発で通す「ストレート合格」で見ると、合格率はおおむね3割台に落ちます。とはいえ、出題は第二種の延長線上にあるものが多く、奇問が並ぶわけではありません。個人的には、難しいというより「勉強したかどうかの差がそのまま出る」素直な試験だと感じます。
第一種電気工事士の勉強法
第一種電気工事士の勉強法は、結論「学科は過去問の反復、技能は候補問題の手を動かした練習」の二本柱で、独学でも十分合格を狙えます。必要な勉強時間の目安は、学科で30〜100時間、技能で10時間以上とされ、もともとの知識量で幅が出ます。
効率よく進めるためのポイントは次の通りです。
- 学科は約8割が暗記問題なので、暗記科目を軸に固める
- 過去問を繰り返し解き、似た問題の出題パターンに慣れる
- 計算問題は捨てすぎず、頻出パターンだけは確実に取る
- 技能は候補問題を2〜3周、実際に結線して施工する
- 欠陥の判断基準を理解し、当日のケアレスミスを潰す
技能試験では工具の使い勝手が時間短縮に直結します。電線の被覆剥きにストリッパーを使う人が大半で、工具選びも対策のうちです。基本の腰道具はこちらが参考になります。

僕としては、働きながら受けるなら「学科は通勤などのスキマで過去問、技能は休日にまとめて候補問題を施工」というリズムが現実的だと思います。技能は知識より反復が物を言うので、本番までに最低2周、できれば3周は手を動かしておくと安心です。
施工管理目線で見る第一種電気工事士の価値
ここがこの記事の本題です。結論から言うと、第一種電気工事士は「施工管理にとっても、現場の理解と説得力を底上げしてくれる資格」です。電気施工管理は必ずしも自分で工事をしないものの、高圧の知識があるかどうかで職人や元請との会話の質が変わります。
施工管理のキャリアの中で1種がどう効くかを整理すると、次のような場面があります。
- キュービクルや受変電設備のある現場で、工事内容を正しく把握できる
- 職人や協力会社と高圧側の話を対等にできる
- 自家用電気工作物の保安・点検の前提知識が身につく
- 資格手当が付く会社が多く、年収アップにつながりやすい
- 電験三種や施工管理技士へ進む土台になる
キュービクルが何かを押さえておくと、現場での会話がぐっと具体的になります。

資格の順番に迷う人も多いですが、電気の現場でまず手が動く資格として1種を取り、その後に管理側の資格へ進む流れが王道です。1級電気工事施工管理技士の勉強法はこちらが参考になります。

現場目線で言えば、1種は「工事ができる証明」、施工管理技士は「現場を仕切る証明」、電験は「設備を保安する証明」と役割が違います。電気のキャリアを長く考えるなら、1種を早めに通しておくと、その後のどの方向へも進みやすくなると感じます。
第一種電気工事士に関する情報まとめ
最後に、この記事の要点を整理します。
- 第一種は第二種の上位資格で、高圧(自家用電気工作物)に従事できる
- 受験は誰でも可能だが、免状交付には実務経験(原則3年以上)が必要
- 試験は学科+技能の2段階で、令和6年度から年2回・CBT対応に
- 難易度は第二種より一段上だが、過去問と候補問題の対策で十分狙える
- 施工管理にとっても現場理解と説得力、キャリアの土台になる
第一種電気工事士は「合格して終わり」ではなく、免状交付とその後の現場・キャリアまで見て初めて価値が分かる資格です。最後に、検索でよくある疑問にも触れておきます。
第一種電気工事士は実務経験なしで受験できますか?
試験そのものは実務経験なしで誰でも受験できます。ただし、合格後に免状の交付を受けるには電気工事に関する実務経験(原則3年以上)が必要です。先に試験だけ合格しておき、経験を積んでから免状を申請することも可能です。
第一種電気工事士は独学で合格できますか?
独学でも十分合格を狙えます。学科は過去問の反復、技能は候補問題を実際に結線して練習するのが基本です。技能試験は材料や工具を自分でそろえる必要があるので、その準備だけは早めにしておくと安心です。
第一種電気工事士を取ると年収はどれくらい上がりますか?
会社や地域によりますが、資格手当が付くケースが多く、第二種より高い手当が設定されていることが一般的です。求人情報では第一種電気工事士の平均年収を550万円前後とする例もありますが、勤務先や経験で差が出るため、あくまで目安として捉えてください。

