- AutoCAD LTと通常版の違いって、結局何?
- LTは3Dが使えないの?
- 2D図面しかやらないから、安いLTでいい?
- LTって今も買えるの?終了したって聞いたけど
- 通常版との価格差はどれくらい
- ツールセットって何のこと?
- LTでdwgファイルは開ける?互換性は
- 学生は無料で使えるって本当?
- 会社は通常版だけど自分はLTでも大丈夫?
- LTが終わったら何に乗り換えればいい
上記の様な悩みを解決します。
AutoCAD LTは長らく「2D専用の廉価版AutoCAD」として、施工図や設備図を描く現場で広く使われてきました。ところが近年は販売状況が変わり、「LTと通常版の違い」だけでなく「そもそもLTは今も買えるのか」まで気になる人が増えています。今回は機能・価格・ライセンスの違いといった基本を押さえた上で、LTの提供終了の現状や、2D中心の施工管理・建築の現場で何を選ぶべきかまで、現場目線で整理しました。
なるべく分かりやすくまとめていくので、自分に合ったCAD選びの判断材料になる内容かなと思います。それではいってみましょう!
なお、価格やライセンス形態は変わりやすいので、契約前には必ずAutodesk公式で最新情報を確認してください。
AutoCAD LTとは?通常版との違いを一言で
AutoCAD LTとは、結論「Autodesk社のAutoCADから3D機能などを省き、2D作図に特化させた廉価版」のことです。フル機能の通常版AutoCADが2Dと3Dの両方に対応するのに対し、LTは2D図面の作成に絞ることで、安く使えるようにした製品でした。
両者の位置づけをざっくり整理すると、次のようになります。
- 通常版AutoCAD:2D+3D対応の汎用CAD。モデリングや自動化まで幅広く使える
- AutoCAD LT:2D作図に特化した廉価版。3Dや高度な自動化は非対応
- 共通点:どちらもdwg形式が標準で、2D作図の基本操作はほぼ同じ
- 重要な前提:LTは新規販売が終了しており、現在は新たに契約できない
過去形で書いているのは、後述のとおりAutoCAD LTが新規販売を終了しているためです。まずは「LT=2D専用の安い版」という違いを押さえつつ、今から使う人は現行のプランを選ぶ必要がある、という点を頭に入れておいてください。
AutoCAD LTと通常版AutoCADの機能の違い
機能面の一番の違いは、やはり3Dの有無です。2D作図に関しては両者ほぼ同じですが、それ以外の高度な機能で差がつきます。
| 機能 | 通常版AutoCAD | AutoCAD LT |
|---|---|---|
| 2D作図・編集 | 対応 | 対応 |
| 3Dモデリング・レンダリング | 対応 | 非対応 |
| パラメトリック拘束 | 対応 | 一部制限 |
| ツールセット(業種別機能) | 上位プランで付属 | 非対応 |
| API・カスタマイズ(自動化) | 対応 | 制限あり |
| dwg互換性 | あり | あり |
2D図面を描くだけなら、正直LTでも通常版でも使い勝手はほとんど変わりません。差が出るのは、3Dモデルを作りたい、業種別のツールセットで作業を効率化したい、プログラムで作図を自動化したい、といった一歩進んだ使い方をする場面です。
現場目線で言えば、施工図・設備図・電気図といった2D図面が中心の実務なら、機能的にはLT相当で十分まかなえます。逆に、意匠の3D検討やBIM連携まで踏み込むなら通常版の3D機能が効いてきます。自分の業務が2D止まりか、3Dまで使うかが、選ぶ際の一番の分かれ目です。
AutoCAD LTと通常版の価格・ライセンスの違い
かつてLTが選ばれた最大の理由は価格でした。ただ、2021年前後の料金改定でこの前提が大きく変わっています。現在の通常版AutoCADは、以前のLTに近い価格帯まで下がっています。
- 現行AutoCAD:おおよそ年額7万円台〜(2D・3D機能を一通り搭載)
- AutoCAD Plus:おおよそ年額23万円台〜(業種別ツールセット付きの上位プラン)
- ライセンス形態:サブスクリプション(月額・年額)が基本。買い切りの永久ライセンスは提供なし
- 学生・教職員:教育機関向けプランで無償利用が可能(商用利用は不可)
かつてのLTが年額6万円台だったことを踏まえると、今の通常版AutoCADが7万円台からというのは、以前ほど大きな価格差ではありません。つまり「安いから2DだけのLT」という選択の意味が薄れ、少しの差額で3Dも使える通常版を選べるようになった、というのが現在の構図です。
サブスクリプション形式のため、使い続ける限り費用が発生する点は変わりません。学生や教職員は教育機関向けプランで無償利用できるので、学習目的ならまずこちらを検討するのがおすすめです。学生版の条件や申請は、こちらが参考になります。

AutoCAD LTは今も使える?販売終了の現状
ここが多くの人の気になるところですが、AutoCAD LTは新規販売が終了しています。これから新たにLTを契約することはできず、今からAutoCADを使いたい場合は現行のプランを選ぶことになります。
現状を整理すると、次のようになります。
- 新規契約:AutoCAD LTは新規購入不可。現在の中心は通常版AutoCADとAutoCAD Plusの2プラン
- 既存ユーザー:すでにLTを契約している場合は、サブスクリプションの更新で使い続けられるのが一般的
- これから使う人:3Dを使わなくても、現行の通常版AutoCADを契約することになる
- 最新情報:終了時期や移行条件は変わることがあるため、Autodesk公式での確認が必須
「2Dしか使わないのにLTが選べない」と感じるかもしれませんが、前述のとおり通常版の価格が下がっているため、実害はそれほど大きくありません。既存のLTユーザーは慌てて乗り換える必要はなく、更新して使い続けつつ、次回の見直しタイミングで現行プランや代替ソフトを検討する、という進め方が現実的です。
施工管理・建築の現場でのCADの選び方
ここは他のCAD比較記事があまり踏み込まない部分ですが、2D図面が中心の施工管理・建築の現場では、選択肢はAutoCADだけではありません。用途とコストで冷静に選ぶのがおすすめです。
- 会社の標準がAutoCADなら通常版:関係者とdwgでやり取りするなら互換性重視で合わせる
- 個人・小規模で2Dだけなら無料のJw_cad:国産で無料、日本の建築実務に強い
- 低コストで互換性も欲しいならIJCAD:AutoCAD互換をうたい、永久ライセンスも選べる
- 3DやBIM連携まで見据えるなら通常版AutoCAD:将来の拡張性を優先する
判断の軸はシンプルで、「関係者と何のファイルでやり取りするか」と「2Dで足りるか3Dまで要るか」の2つです。周囲がAutoCAD(dwg)で回っているなら、互換性のトラブルを避けるためにAutoCADに合わせるのが無難です。一方、自分だけで2D図面を描くなら、無料のJw_cadで十分まかなえる場面も多いです。国産2D CADの代表格であるJw_cadについては、こちらで詳しく解説しています。

現場目線で言えば、施工図や設備図の多くは2Dで完結するので、機能過剰なプランに高い費用をかける必要はありません。ただし、図面の受け渡しでdwg互換が崩れると手戻りが大きいので、そこだけは妥協せず、周囲の環境に合わせて選ぶのが実務的な正解だと思います。
AutoCAD LTと通常版の違いでよくある質問
最後に、AutoCAD LTと通常版の違いについてよく出る疑問をまとめておきます。
- Q. 2Dしか使わないならLTで十分だった?:はい、2D作図なら機能的にはLTで十分でした。ただ現在は新規契約できず、通常版を選ぶことになります
- Q. LTでdwgは扱える?:扱えます。LTも通常版もdwgが標準形式なので、ファイルのやり取りは基本問題ありません
- Q. 通常版は高い?:以前より価格が下がり、かつてのLTに近い水準です。3Dも使えることを考えると割高感は小さくなっています
- Q. 学生は無料で使える?:教育機関向けプランで無償利用が可能です。商用利用はできない点だけ注意しましょう
- Q. 無料で試せる?:新規ユーザー向けに期間限定の無料体験版が用意されています。導入前に操作感を確かめられます
AutoCAD LTと通常版の違いは、突き詰めれば「3Dと高度な機能の有無」です。ただ今から選ぶなら、LTは新規契約できないため、2D中心なら現行AutoCADか無料のJw_cad、互換性重視ならIJCAD、と用途で選ぶのが現実的です。まずは自分の業務が2Dで足りるか、周囲と何のファイルでやり取りするかを整理してみてください。

