- ターンバックルってなに?
- どこで使うの?
- ブレースとセット?
- どんな種類があるの?
- サイズ規格は?
- 施工で気をつけることは?
上記の様な悩みを解決します。
「ターンバックル」は、ブレース(筋交い)の張力調整で使われる、長さ調整ができる金物。鉄骨造の現場では必ず登場するので、施工管理として種類と使い方を整理しておきましょう。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
ターンバックルとは?
ターンバックルとは、結論「両端に右ねじと左ねじが切られていて、回転させることで長さを調整できる金物」のことです。
英語で「Turnbuckle」。日本語の正式名称は「枠式ターンバックル」「枠付ターンバックル」など。
ターンバックルの基本特性
- 中央のフレーム(枠)を回転させると長さが伸縮
- 両端のねじが逆方向(一方は右ねじ、他方は左ねじ)
- 回す方向で伸びる/縮むを選択可能
- ブレース・ロッド・ワイヤー張力の調整に使用
- JIS A 5540で規格化
「ねじを使った長さ調整器」と覚えれば概ね理解できます。
ターンバックルの主な種類
形状・用途で複数の種類があります。
1. 形状による分類
ターンバックルの主な形状
- オーケー型(オープン型):枠が開いた形状、視認性◎
- パイプ型(クローズ型):パイプ型の枠、強度◎
- ストレート型:丸棒・パイプ式、軽量化
- JIS型:JIS A 5540準拠の建築標準型
国内の建築鉄骨ではJIS A 5540準拠のオーケー型・パイプ型が圧倒的にスタンダード。
2. 端部金具による分類
ターンバックルの両端の金具
- アイ型(環状):ピン接合用
- フック型(鉤状):簡易接合
- クレビス型(U字):ピン接合用、強度◎
- 両ねじ型:ロッドに直接接続
建築のブレース用途では、両ねじ型 or クレビス型が一般的。
ブレースの話はこちら。

ターンバックルのサイズ規格
JIS A 5540で規格化された建築用ターンバックル。
JIS A 5540のターンバックルのサイズ(呼び)
| 呼び | ねじ径 | 引張強度の目安 |
|---|---|---|
| M16 | 16mm | 100kN程度 |
| M20 | 20mm | 160kN程度 |
| M24 | 24mm | 230kN程度 |
| M30 | 30mm | 360kN程度 |
| M36 | 36mm | 520kN程度 |
| M42 | 42mm | 720kN程度 |
ねじ径が大きいほど耐力が上がる素直な関係。ブレース径と同じか、それより太いターンバックルを選定するのが鉄則です。
ブレースとの関係
ターンバックルが最も活躍するのがブレース(筋交い)の張力調整。
ブレースの仕組み
ブレースは鉄骨造の水平剛性を確保する斜め材。地震や風による水平力に対して、引張で抵抗します。
ブレースの基本はこちら。

ブレースの張力調整が必要な理由
ブレースは取り付け時にゆるんだ状態で施工されることが多く、そのまま放置すると:
たるんだブレースの問題
- 地震力が加わるまで実質機能しない
- 水平変形が大きくなる
- 美観的にもだらしない
これをターンバックルを回して張力を与えることで、設計通りの剛性を実現します。
張力管理の方法
ブレース張力管理の手法
- トルクレンチでターンバックル本体の回転トルク管理
- 張力測定器(弦楽器のチューナー的に音で測る方式もあり)
- 目視確認:たわみがなくなる程度に締める
過剰な張力はブレース・梁・柱に余分な応力を生じるので、施工要領書通りの張力で締めるのが正解。
ターンバックルの使い方
代表的な使い方の手順を整理します。
1. ブレース取付
ブレース両端をガセットプレートに仮止め。
スプライスプレートやガセットプレートの話はこちら。

2. ターンバックル仮挿入
ブレース中間にターンバックルを挿入し、両端のねじを軽く締める。
3. ターンバックル枠の回転
枠を回転させて、ブレースに張力を与える。回す方向で伸びる/縮むが切り替わる。
4. 張力管理
トルクレンチや張力計で設計指定値まで張る。
5. ロックナット締め
緩み防止のため、両端のロックナット(ダブルナット)を締めて固定。
6. 検査記録
張力値・ロックナット締付状況の写真記録。
ターンバックルの素材
主な素材を整理します。
| 素材 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| SS400 | 一般用、安価 | 一般建築 |
| SCM435(クロムモリブデン鋼) | 高強度 | 重要構造 |
| ステンレス(SUS304) | 防錆◎ | 屋外、沿岸 |
| 亜鉛メッキ鋼 | 防錆+コスト中 | 屋外建築 |
SS400ベースのターンバックルが最も普及。屋外露出は亜鉛メッキ or ステンレスが標準。
SS400についてはこちら。

施工管理として押さえるターンバックルのポイント
現場でターンバックルを管理する際のチェックリスト。
ターンバックル施工管理のチェック項目
- 設計図書での品種・呼び径の確認
- JIS A 5540準拠品の使用確認
- ブレースとの適合性:耐力一致
- 張力管理の方法・指定値
- ロックナット(ダブルナット)の確実な締付
- 錆止め塗装・タッチアップ:屋外露出時
- 緩み防止の最終確認:マーキング推奨
- 施工記録:張力値、写真
「ロックナットの締付忘れ」は意外と多いミス。締め忘れると経年でターンバックルが緩んで落下事故につながることもあります。マーキング線を入れて、緩んだら一目で分かる工夫をする現場もあります。
タッチアップで補修塗装の話はこちら。

屋外用は「ステンレス/溶融亜鉛メッキ」一択
屋外鉄骨架台のブレース調整でよくあるトラブルが、「ターンバックルが固くて回らない」現象。原因は雨ざらしで錆が固着して、ねじが噛んで動かなくなっていること。屋外設置用は最初からSUS304以上のステンレス製、または溶融亜鉛メッキ品を選定するのが鉄則。普通の黒皮や電気亜鉛メッキ品を屋外使用すると、メンテ時に交換することすら困難になり、最悪はガス切断で破壊するハメに。「屋外=ステンレス/溶融亜鉛メッキ」を発注時のチェック項目に入れておくのが安全です。
ターンバックルに関する情報まとめ
- ターンバックルとは:両端に逆向きねじを持つ、長さ調整可能な金物
- 形状種類:オーケー型/パイプ型/ストレート型
- 端部金具:アイ型/フック型/クレビス型/両ねじ型
- サイズ規格:JIS A 5540でM16〜M42
- 主な用途:ブレース張力調整/ロッド張力調整/ワイヤー調整
- 素材:SS400/SCM435/SUS304/亜鉛メッキ
- 使い方の手順:ブレース取付→挿入→枠回転→張力管理→ロックナット締付
- 施工管理の勘所:呼び径確認/JIS準拠/張力指定値/ダブルナット締付/錆止め
以上がターンバックルに関する情報のまとめです。
一通りターンバックルの基礎知識は理解できたと思います。「ブレースの張力調整器、ロックナットの締付忘れに注意」という2点を押さえておけば、現場での運用は概ねOKですね。
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