- 透水性舗装って雨水を地中に浸透させるやつ?
- 排水性舗装と何が違う?
- 構造はどうなっている?
- 透水性アスファルトと透水性コンクリート、どっち?
- 目詰まりが心配なんだけど対策は?
- 公共工事で指定される条件は?
上記の様な悩みを解決します。
透水性舗装は、雨水を路面から地中に直接浸透させる舗装で、ゲリラ豪雨対策・ヒートアイランド緩和・グリーンインフラの観点から近年採用が増えています。土木・外構の施工管理として担当すると、排水性舗装との違いを聞かれて詰まる場面が多い分野でもあります。構造・施工・維持管理を整理しておくと、設計事務所・公共発注者・施主すべてに通用する提案ができるようになります。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
透水性舗装とは?
透水性舗装とは、結論「雨水を路面から舗装体内部を経由して下層の路床まで浸透させ、最終的に地中に還元する構造の舗装」のことです。
通常のアスファルト・コンクリート舗装は表面を不透水(雨水を流す)に設計しますが、透水性舗装は内部を多孔質構造にして雨水を通します。歩道・駐車場・公園・小規模なアクセス道路などで採用が広がっており、近年は次の3つの観点から注目されています。
- ゲリラ豪雨対策:道路の浸水・冠水を抑制
- ヒートアイランド対策:路面温度を低減
- グリーンインフラ:地下水涵養・植生保護
通常のアスファルト舗装はこちらが詳しいです。

通常のコンクリート舗装はこちら。

僕の感覚だと、透水性舗装は「単に雨水を抜く舗装」というより、地球環境負荷を抑える方向の社会的要請を受けた舗装と理解すると、設計事務所・公共発注者の意図が掴みやすいです。SDGs・グリーンインフラの文脈で指定されるケースも増えています。
透水性舗装と排水性舗装の違い
混同されやすい2つの舗装の違いを整理します。
| 項目 | 透水性舗装 | 排水性舗装 |
|---|---|---|
| 雨水の処理経路 | 路面 → 舗装体内部 → 路床 → 地中 | 路面 → 舗装内部 → 不透水層 → 路側の排水溝 |
| 路床の役割 | 浸透させる | 不透水で雨水を遮断 |
| 主な用途 | 歩道・駐車場・公園・小規模道路 | 高速道路・幹線道路(車道) |
| 目的 | 地下水涵養・冠水抑制 | 雨天時のすべり防止・スプラッシュ抑制 |
| 構造 | 全層が透水性 | 表層のみ透水、基層以下は不透水 |
排水性舗装は「車道の安全性確保」が主目的で、雨水を舗装内部に通しても最終的には側溝に流して下水へ排出します。一方、透水性舗装は「雨水を地中に還元する」のが目的で、雨水が下水道に流れる量そのものを減らします。
排水勾配との関係はこちら。

雨水排水全体の設計はこちら。

僕としては、設計事務所・発注者から「透水性で」と指定されたときに「排水性ではなく透水性ですよね」と一度確認する習慣を付けると、誤発注によるトラブルを避けられます。文字面が似ているうえに、層構造が違うので、最初の打合せで意識合わせするのが重要です。
透水性舗装の構造と材料
標準的な層構造
透水性舗装は、上から下まですべての層が透水性能を持ちます。
| 層 | 厚み目安 | 材料 |
|---|---|---|
| 透水性表層 | 3〜5cm | 透水性アスファルト混合物または透水性コンクリート |
| 透水性基層 | 5〜10cm | 開粒度アスファルト混合物 |
| 透水性路盤 | 15〜30cm | 単粒度砕石・再生砕石 |
| 路床 | – | 透水性能を持つ土質(CBR管理) |
路盤の役割はこちらが詳しいです。

路床の話はこちら。
主な材料種類
- 透水性アスファルト混合物:開粒度の骨材を使用、空隙率15〜25%
- 透水性コンクリート(ポーラスコンクリート):水セメント比を調整し空隙率15〜30%を確保
- 透水性インターロッキングブロック:歩道・公園で多用、目地と本体の両方で透水
骨材の話はこちら。

透水係数の目安
透水性能は透水係数(cm/s)で評価され、用途で目標値が変わります。
- 歩道:1 × 10⁻² cm/s 以上
- 駐車場:1 × 10⁻² cm/s 以上
- 軽車道:1 × 10⁻³ cm/s 以上
これは「1秒間に1cmまたは0.1cmの雨水が地中に浸透する性能」を意味します。新設時はこの値を満たしますが、目詰まりで経年的に低下するのが課題です。
透水性舗装の施工方法と用途
主な施工手順
- 路床の整地・転圧(CBR・含水率の管理)
- 透水性路盤の敷均し・転圧
- 透水性基層の敷均し・転圧
- 透水性表層の敷均し・転圧
- 養生・舗装の透水試験
- 完成検査
排水工との接続はこちら。

施工上の注意点
- 路床の透水性能を確保(粘性土が多いと透水しない)
- 締固めすぎると空隙率が下がり透水性能が落ちる
- 雨天時の施工は基本的に避ける(材料分離リスク)
- 開粒度の混合物は転圧温度・回数の管理が標準舗装と異なる
主な用途
| 用途 | 採用率 |
|---|---|
| 歩道 | 高(公共・民間ともに採用増) |
| 公園・広場 | 高 |
| 駐車場(軽自動車・乗用車) | 中 |
| 公共駐車場 | 中 |
| 一般道路(軽車道) | 中 |
| 高速道路・幹線道路 | 低(排水性が主流) |
僕の感覚だと、透水性舗装は「歩道・公園」がメインで、その次に「公共駐車場・小規模アクセス道路」という順番で広がっています。高速道路・幹線道路では排水性舗装が主流のままで、両者は別の用途と理解しておくのが分かりやすいです。
液状化リスクとの関連はこちらも参考に。

透水性舗装のメリット・デメリットと維持管理
メリット
- 雨水を地中に浸透させて路面冠水を抑制
- ヒートアイランド緩和(夏季路面温度の低減)
- 騒音低減(タイヤと路面の摩擦音を吸収)
- 地下水涵養・グリーンインフラへの貢献
- 雨天時のすべり抑制
デメリット
- 経年で目詰まりが発生し透水性能が低下
- 維持管理費が通常舗装より高い(目詰まり清掃が必要)
- 強度面で重交通には不向き
- 凍結地域では凍害リスク
- 初期コストが通常舗装よりやや高い
目詰まり対策(維持管理)
目詰まりは透水性舗装の最大の課題で、放置すると本来の機能を発揮できなくなります。標準的な対策は次のとおりです。
- 高圧洗浄機による定期清掃(半年〜1年に1回)
- 専用の路面清掃車(バキューム式)の活用
- 周辺の土砂流入を抑える排水溝・縁石の設置
- 落葉が多い場所では落葉清掃の頻度を上げる
僕としては、透水性舗装は「施工して終わり」ではなく「維持管理が前提の舗装」と割り切ったほうが、引渡し後のクレームを避けられます。施主・管理者に「年に1回は高圧洗浄」を引渡し時に明示するのが基本姿勢として大事だと感じます。
透水性舗装に関する情報まとめ
- 透水性舗装とは:雨水を路面から地中まで浸透させる多孔質構造の舗装
- 排水性舗装との違い:透水性は地中還元、排水性は側溝排出(雨水を下水に流す)
- 構造:表層/基層/路盤すべてが透水性、路床まで雨水が到達
- 材料:透水性アスファルト・透水性コンクリート・透水性インターロッキング
- 透水係数:歩道で1×10⁻² cm/s以上が目安
- 用途:歩道・公園・公共駐車場が主流、高速道路は排水性が主
- メリット:冠水抑制・ヒートアイランド緩和・地下水涵養
- デメリット:目詰まり・維持管理コスト・強度面の制約
- 維持管理:高圧洗浄を半年〜1年に1回が標準
以上が透水性舗装に関する情報のまとめです。
透水性舗装は、ゲリラ豪雨対策・グリーンインフラの観点から採用が広がっている注目素材です。排水性舗装との違い、構造、材料、目詰まり対策の4点を押さえておくと、公共発注者・設計事務所・施主との打合せで詰まらず、引渡し後の維持管理まで含めた提案ができる施工管理になれます。「施工して終わりではなく、維持管理が前提」と理解しておくのが、透水性舗装と長く付き合う基本姿勢です。
透水性舗装に関するよくある質問
Q1:透水性舗装と排水性舗装はどう違いますか?
透水性舗装は雨水を路面から地中まで浸透させて地下水に還元、排水性舗装は表層を透水性にして雨水を内部から側溝に逃がし下水道に排出する、という違いです。透水性は「地中還元」が目的、排水性は「車道のすべり抑制」が目的です。文字面が似ていますが、用途と構造が違うので混同しないよう注意が必要です。
Q2:透水性舗装はどんな場所に使われますか?
歩道・公園・広場・公共駐車場・小規模アクセス道路が主な用途です。高速道路・幹線道路など重交通の車道では、強度面と耐久性の観点から排水性舗装が主流で、透水性舗装は通常採用されません。住宅地の前面道路や公共施設の駐車場などで採用が増えています。
Q3:透水性舗装はどのくらいで目詰まりしますか?
立地・交通量・周辺環境で大きく変わりますが、一般的に施工後3〜5年で透水性能が初期の半分程度に低下するケースが報告されています。土砂流入が多い場所・落葉が多い場所では低下が早く、定期的な高圧洗浄を行わないと本来の機能を発揮できなくなります。
Q4:透水性舗装の維持管理費はどれくらいかかりますか?
清掃方法と頻度で大きく変わりますが、年1回の高圧洗浄で1㎡あたり数百円〜千円程度が目安です。通常舗装は基本的に維持管理費が掛からないので、ライフサイクルコストでは透水性舗装の方が高くなる傾向があります。導入時は施主に維持管理費を明示しておくのが基本姿勢です。
Q5:透水性舗装は凍結地域でも使えますか?
凍結地域では凍害リスクがあるため、採用は慎重に判断します。空隙に含まれた水分が凍結・融解を繰り返すと、舗装体の劣化が早く進む可能性があります。凍結地域で採用する場合は、耐凍害性の高い透水性コンクリートや、凍結深度を考慮した路床設計が必要です。雪国の発注者と協議のうえで判断するのが安全です。
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