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透水性舗装とは?排水性との違い、構造、施工方法、注意点など

  • 透水性舗装って結局なに?
  • 排水性舗装と何が違うの?
  • どこに使われてる?
  • どれくらい水を通すの?
  • 施工の流れは?
  • 注意点ってある?

上記の様な悩みを解決します。

透水性舗装は近年、環境対策の流れで採用機会が急増している舗装工法です。施工管理として「ただのアスファルトと同じ」と認識していると、施工現場で大失敗するポテンシャルがある工法。しっかり違いを押さえておきましょう。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

透水性舗装とは?

透水性舗装とは、結論「舗装の表面から路盤・路床まで雨水を浸透させて、地下に水を逃がす舗装のこと」です。

「とうすいせいほそう」と読みます。アスファルト舗装やコンクリート舗装は、雨水を表面で受けて側溝に流す「不透水性」が前提でした。一方、透水性舗装は雨水を舗装の中を通って地中に浸透させる仕組みで、ヒートアイランド対策・洪水対策・地下水涵養のために開発されました。

透水性舗装が選ばれる主な理由

  • 雨水の路面排水量を減らす(都市型水害対策)
  • 地下水位の維持・地盤沈下抑制
  • 路面の温度上昇を抑える(ヒートアイランド対策)
  • 雨天時の水たまりを減らし、滑り抵抗を確保
  • 環境負荷の低減(環境配慮型舗装)

特に国交省・自治体が発注する公共工事では、駐車場・歩道・公園・小規模道路で透水性舗装が標準採用されるケースが増えてきています。

透水係数

透水性舗装の水を通す能力は透水係数で表されます。一般的な透水性アスファルト舗装の透水係数は1×10⁻²cm/s以上が標準。これは1秒に0.01cmの速度で水が舗装を通り抜ける性能。実用的には1時間に36mmの降雨であれば、舗装内で吸収して地中に浸透できる計算になります。

透水性舗装と排水性舗装の違い

混同されやすいのが「排水性舗装」。両者の違いを整理します。

観点 透水性舗装 排水性舗装
雨水の処理 路盤・路床まで浸透 表層内を流れて側溝へ
路盤の透水性 透水性必須 不透水でOK
側溝の必要性 不要(または最小限) 必要(路肩排水)
主な採用箇所 歩道・駐車場・公園 高速道路・幹線道路
主目的 浸透・温度抑制 雨天時の走行性能向上
透水係数 1×10⁻²cm/s以上 同等以上だが排水方向が違う
路盤 砕石を浸透層として配置 通常の舗装路盤

透水性舗装は「水を地下に逃がす」

舗装の上から下までずっと水が通り抜ける構造。路盤・路床まで透水性で、最終的に地中に水が浸透します。

排水性舗装は「水を表層内で横に流す」

表層は透水性のあるアスファルト混合物ですが、その下には不透水の中間層があり、表層を流れる雨水は側溝に排出される構造。高速道路でよく使われるのは、雨天時のハイドロプレーニング防止と走行音低減が目的。

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なぜ違いが大切か

施工要領が根本的に違うので、図面に「透水性舗装」と書いてあるのを「ただの透水アスファルトを敷けばOK」と勘違いすると、路盤の構造が違って雨水が地中に浸透しない事態になります。設計図と特記仕様書を必ず確認すること。

透水性舗装のメリット・デメリット

採用判断のためにメリット・デメリットを整理します。

メリット

  1. 雨水流出量を減らす: 都市型集中豪雨で側溝・下水処理が追いつかない事態を緩和
  2. ヒートアイランド対策: 路面温度を10〜15℃下げる効果(蒸発冷却)
  3. 滑り抵抗の確保: 雨天時の水たまり防止で歩行・運転の安全性向上
  4. 地下水涵養: 都市部で減少した地下水位を回復
  5. 景観性: カラー透水性舗装で意匠性を出せる
  6. CO2削減: 雨水処理エネルギーの削減(間接的な環境負荷低減)

デメリット

  1. コストが高い: 通常のアスファルト舗装より15〜30%程度高い
  2. 耐久性が低い: 通常舗装の耐用年数が10〜20年に対し、透水性舗装は8〜12年程度
  3. 目詰まり: 砂・落ち葉・タイヤカスで透水機能が低下。定期的なクリーニングが必要
  4. 重量物に弱い: 大型車両が頻繁に通る道路には不向き
  5. 凍結融解への弱さ: 寒冷地では水が凍結して舗装を破壊するリスク
  6. 路盤の制約: 路床が粘土質で水を吸わない地盤では機能しない

目詰まり対策が肝心

透水性舗装の最大の弱点が目詰まり。施工時に綺麗だった透水機能が、5年経つとほぼゼロになっているケースもあります。毎年の高圧洗浄バキューム清掃が必要で、メンテナンス費用を含めて経済性を判断するのが大事。

透水性舗装の構造と材料

透水性舗装の標準的な構造を表層から順番に見ていきます。

厚み 材料 役割
表層 4〜5cm 透水性アスファルト混合物 走行・歩行面、初期の水浸透
基層 5〜10cm 透水性アスファルト or 砕石 二次的な浸透層
路盤 15〜30cm 単粒度砕石 主要な浸透・貯留層
路床 既設地盤 浸透性の良い土砂 最終的な水の浸透先

1. 表層(透水性アスファルト混合物)

透水性舗装の見える部分。粒度の粗い骨材を多めに配合し、空隙率20〜25%程度に調整したアスファルト混合物を使用。通常のアスファルト混合物の空隙率3〜5%と比べて格段に高い。

2. 基層

表層の下のクッション層。透水性アスファルトを使う場合と、砕石を直接敷く場合があります。基層を省略する仕様もあり、設計者の判断による。

3. 路盤(透水性路盤)

透水性舗装の主役といえる層。空隙率が大きい単粒度砕石(30〜40mm程度)を敷き詰めて、雨水を貯留する空間を確保します。設計時は降雨強度・浸透時間から路盤厚を計算します。

4. 路床

路盤の下の地盤。路床が粘土質や水を吸わない地盤だと、せっかく路盤に貯留した水の行き場がなくなり、機能不全を起こす。施工前にN値測定や透水試験で路床の透水性を確認するのが必須。

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カラー透水性舗装

意匠性を出すために、表層に着色した骨材を使ったり、樹脂系のバインダで透水性を確保したカラー舗装も人気。歩道・公園・駐車場・自転車道で採用が多く、機能と意匠を両立できます。

透水性コンクリート

アスファルトではなくコンクリートで透水性を実現する工法。空隙率の大きい多孔質コンクリートで、駐車場や歩道で採用されます。アスファルトより耐久性が高く、メンテナンスサイクルが長くなる利点があります。

透水性舗装の施工と注意点

実際の施工フローと注意点を整理します。

施工フロー

  1. 既設アスファルト撤去(改修の場合)
  2. 路床整正と路床透水試験
  3. 路盤砕石の敷きならし・転圧
  4. 基層の透水性アスファルト舗設・転圧
  5. 表層の透水性アスファルト舗設・転圧
  6. 試験(透水試験・現場密度試験)
  7. 引渡し

1. 路床の透水性確認

最も重要な工程が路床の透水性確認。設計時に「ここは粘土質だから透水機能を発揮しない」と分かっていれば、別途排水管を布設する設計に切り替える必要があります。
https://seko-kanri.com/boring-chousa/

2. 路盤砕石の選定

単粒度砕石を使うのが標準ですが、粒度が小さすぎると目詰まりしやすく、大きすぎると表層の支持力が弱くなります。設計仕様書の粒度を厳密に守ること。

3. 転圧管理

通常アスファルト舗装では「がっちり転圧」が基本ですが、透水性舗装は過剰転圧で空隙が潰れると透水機能を失います。転圧回数・転圧機の重量を仕様書通りに守ることが必須。

4. 透水試験

施工後に現場透水試験で性能を確認します。標準的にはダブルリング浸透試験現場透水試験機で透水係数を測定し、設計値(1×10⁻²cm/s以上等)を満たしていることを確認。

5. 養生期間と通行止め

施工後の養生期間は通常24〜48時間。早期に車両通行を始めると空隙が潰れる原因になります。歩行者だけなら12時間程度で開放可能なケースも。

6. 雨天時の施工は避ける

透水性アスファルトの施工は降雨に弱く、施工中に雨が降ると混合物の品質が低下します。天気予報を見て施工日を確保するのが基本。

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7. メンテナンス計画

引渡し後の清掃計画を仕様書として残すこと。「年1回の高圧洗浄」「3年に1回のバキューム清掃」など、メンテナンス頻度を明示しておくと、発注者が機能維持できます。

8. 重量物の通行制限

設計で歩道・駐車場用と規定されている透水性舗装に大型トラックを乗り入れると、舗装が破壊されます。引渡し後の使用条件を発注者に伝え、サインを表示するなどの注意喚起を行うのが現実的な対策。

透水性舗装に関する情報まとめ

  • 透水性舗装とは: 表面から路床まで雨水を浸透させる舗装
  • 排水性舗装との違い: 透水性=地下浸透、排水性=表層内を横流
  • メリット: 雨水流出抑制・ヒートアイランド対策・滑り抵抗・地下水涵養
  • デメリット: 高コスト・低耐久・目詰まり・重量物に弱い
  • 構造: 表層(透水性アスファルト) – 基層 – 路盤(単粒度砕石) – 路床
  • 施工注意点: 路床透水性確認・転圧管理・透水試験・メンテナンス計画

以上が透水性舗装に関する情報のまとめです。

透水性舗装は環境対策の流れで採用機会が増えている工法ですが、「ただのアスファルトじゃない」専用の施工要領があり、路床透水性・転圧管理・メンテナンス計画など、施工管理として押さえるべきポイントが多いです。発注者の意図(雨水処理か温度抑制か)を理解した上で、仕様書通りに施工し、引渡し後のメンテナンス計画まで含めて完結させることが、機能を維持するコツです。

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