- 路盤って舗装のどこにある?
- 上層・下層って何が違うの?
- 駐車場と道路で厚さは違う?
- 何で転圧する?
- 試験は何をする?
- 路床との違いは?
上記の様な悩みを解決します。
路盤は、舗装構造で表層の下を支える中核の層です。施工管理者として「この用途で何mm厚の路盤を、何で転圧するか」を即決できるかどうかで、舗装業者との打ち合わせの質が変わります。路盤の手抜きは1〜2年後に表層のひび割れ・沈下として現れるので、地味だけど後で効く工種です。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
路盤とは?
路盤とは、結論「舗装の表層・基層を支え、路床の支持力を補完する砕石または安定処理土の層」のことです。
英語では「Base Course」(上層路盤)または「Subbase」(下層路盤)。
舗装構造での位置
舗装の標準層構成(上から順):
- 表層(アスファルト or コンクリート)
- 基層(アスファルト舗装の場合)
- 上層路盤 ← ここ
- 下層路盤 ← ここ
- 路床(自然地盤 or 改良地盤)
つまり「表層と路床のサンドイッチ」の中身が路盤です。
路盤の役割
- 表層からの交通荷重を路床に分散して伝達
- 路床の含水比変動を防ぐ保護層
- 寒冷地での凍上抑制層
- 透水性を活かした排水層
「舗装の屋台骨」として、見えないけれど舗装寿命を支える最重要層です。
舗装全体の話はこちら。
上層・下層路盤の役割分担
施工管理者として押さえるべきは、上層路盤と下層路盤がそれぞれ違う役割を持っていることです。
上層・下層路盤の比較
| 項目 | 上層路盤 | 下層路盤 |
|---|---|---|
| 位置 | 路盤の上半分 | 路盤の下半分 |
| 役割 | 表層直下の支持 | 路床保護+支持力補完 |
| 厚さ | 10〜15cm | 15〜30cm |
| 材料 | 粒度調整砕石(M-30、M-40) | クラッシャラン(C-40) |
| 品質要求 | 高い(CBR 30%以上) | 中(CBR 20%以上) |
| 締固め度 | 95%以上 | 90%以上 |
「上層は仕上げ材、下層は土台材」という違いを覚えておけば、設計図書の路盤厚指定の意味がわかります。
砕石の話はこちら。

用途別の層厚決定
路盤の合計厚さは用途(交通量・荷重)で大きく変わります。これが施工管理者として実務的に押さえる数値です。
用途別の路盤厚の目安
| 用途 | 上層路盤 | 下層路盤 | 路盤合計 |
|---|---|---|---|
| 高速道路 | 15cm | 30cm | 45cm |
| 一般国道 | 12cm | 20〜25cm | 32〜37cm |
| 県道・市道 | 10〜12cm | 15〜20cm | 25〜32cm |
| 住宅地道路 | 8〜10cm | 10〜15cm | 18〜25cm |
| 駐車場(普通車) | 10cm | 15cm | 25cm |
| 駐車場(大型車) | 15cm | 25cm | 40cm |
| 歩道 | 5〜10cm | 10cm | 15〜20cm |
判断軸
- 大型車が頻繁に通る → 高速道路レベル(合計40cm以上)
- 普通車が中心 → 住宅地レベル(合計20cm前後)
- 歩行のみ → 歩道レベル(合計15cm程度)
「普通車駐車場で15cm」と「大型車駐車場で15cm」では、5年後の沈下が全く違います。「普通車だから薄くていい」と思っていたら、業者の搬入車(4tダンプ)が頻繁に通って沈下したというトラブルが多発しています。
駐車場で見落としがちなのが「搬入時の重車両」。日常使用は普通車でも、設備機器搬入で4t車・10t車が通るなら、路盤厚を1段階上げるべきです。
転圧の品質確認
路盤の品質は転圧の良否で決まると言っても過言ではありません。
転圧の標準仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 1層あたり層厚 | 15〜30cm |
| 転圧機械(重い順) | マカダムローラー+振動ローラー+タイヤローラー |
| 転圧回数 | 振動ローラーで4〜6往復 |
| 締固め度(D値) | 上層路盤95%、下層路盤90% |
| 平坦性 | 3mプロフィルメーターで±5mm以内 |
現場での転圧確認手順
- 1層撒き出し後、振動ローラーで縦4往復+横2往復
- タイヤローラーで仕上げ転圧
- 砂置換法 or RI試験で密度測定
- 設計仕様(D値)を満たしていれば次層へ
- 不足なら追加転圧
主な品質試験
- CBR試験:支持力試験(路盤完了後)
- K値試験(平板載荷試験):地盤反力係数
- 密度試験(砂置換法・RI法):締固め度
CBR値の話は路床記事でも触れています。
施工管理の落とし穴
路盤工事で施工管理者が遭遇する具体的な落とし穴を整理します。
1. 雨天時の作業継続
雨で含水比が上がった砕石を転圧しても、水分が多すぎて締まらない。降雨後は1〜2日乾燥を待つか、湿気を吸い切れない場合は入れ替えが必要です。
2. 路盤厚の確認不足
設計図書の路盤厚を完成後に実測しないことが多発。1層撒き出し後・転圧後の高さを実測して記録するのが、後の検査・トラブル時の証拠になります。
3. 転圧機械の選定ミス
狭小現場でタイヤローラーが入らないから手動振動コンパクタで済ませた、というケースがあります。これだと転圧密度が出ないので、ハンディタンパー併用+層厚を10cm以下に絞る、などの対応が必要。
4. 路盤面の平坦性不足
路盤の凸凹をそのまま放置すると、表層厚さに不均一が出て、薄い部分から早期にひび割れが発生します。3mプロフィルメーターで全面平坦性をチェックすべき。
5. 排水処理の不備
路盤は透水性のある砕石なので、水が抜ける構造になっています。これを活かさず側溝への水の流れを作らないと、路盤内に水が滞留して凍上・支持力低下を起こします。
6. 駐車場での搬入車両との取り合い
完成した駐車場に重車両が入って沈下するケース。引き渡し時に「想定使用重量」を施主と合意しておくのが、後々のクレーム防止策です。
私が以前、戸建住宅の駐車場舗装で業者が転圧回数を3往復で済ませたのを発見し、規定の4〜6往復に追加転圧させたことがあります。転圧回数は外から見えないので、施工中の現場立会いで確認しないと、業者の手抜きを防げません。
路盤に関する情報まとめ
- 路盤とは:舗装の表層と路床の中間層。砕石または安定処理土
- 上層・下層:上層は粒度調整砕石(M-30)、下層はクラッシャラン(C-40)
- 用途別の層厚:高速45cm、住宅地18〜25cm、普通車駐車場25cm、大型車駐車場40cm
- 「搬入車両」を見落とさない:日常用途と一時的な重車両の両方を考慮
- 転圧仕様:層厚15〜30cm、振動ローラー4〜6往復、上層95%・下層90%
- 施工管理の落とし穴:雨天時/層厚未確認/機械選定ミス/平坦性/排水/搬入車両
路盤は「業者がやる工種」ではなく、舗装寿命を決める最重要工種です。完成後に表層から路盤の品質は見えないので、施工中の転圧回数・層厚・含水比の現場立会いが施工管理者の勝負どころです。
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