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職長再教育とは?対象、頻度、時間、内容、講習機関、料金など

  • 職長再教育ってなに?
  • 誰が対象なの?
  • どれくらいの頻度で受けるの?
  • 受講時間はどれくらい?
  • どんな内容を勉強するの?
  • 受けないとどうなる?

上記の様な悩みを解決します。

「職長再教育」は職長教育を一度受けた人が、概ね5年ごとに能力をアップデートするための再教育です。労働安全衛生法第60条の2に基づく「能力向上教育」として位置づけられ、法令改正・新技術・最新の災害事例を学び直す機会になります。「職長教育は受けたから一生有効でしょ」と勘違いされがちですが、現場では「再教育済」を入場要件にする元請が増えていて、受けていないと現場に入れないケースも出てきています。今回はこの職長再教育について、対象・頻度・内容・講習機関・未受講リスクまで一通り整理してみます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

職長再教育とは?

職長再教育とは、結論「職長教育(または職長・安全衛生責任者教育)を修了した人が、概ね5年ごとに労働安全衛生法第60条の2の規定に基づく能力向上教育として受講する再教育」のことです。

正式名称は「職長等に対する能力向上教育(再教育)」。労働安全衛生法第60条の2第1項で「事業者は、危険有害業務に従事する者に対して安全又は衛生のための能力向上教育を行うよう努めなければならない」と定められており、通達(平成3年1月21日付基発第39号、令和5年改正)で「5年ごと、または機械設備等に大きな変更があった時」に実施することが推奨されています。

→ ざっくり、職長教育の「アップデート版」で、5年に1度くらいのペースで法令と現場知識を入れ直す機会、というのが職長再教育の位置づけです。

根拠法令と能力向上教育の3区分

根拠法令は労働安全衛生法第60条の2(能力向上教育の努力義務)、平成3年基発第39号(能力向上教育に関する指針)、令和5年6月の改正(職長教育・再教育のカリキュラム見直し)の3本柱。労働安全衛生法上の能力向上教育は3種類あって、新たに当該業務に従事する時の「初任時教育」、概ね5年ごとの「定期教育」(職長再教育はここ)、機械設備等に大きな変更があった時の「随時教育」、という整理になっています。

「努力義務」の意味と実務上の重み

職長再教育は「義務」ではなく「努めなければならない」という努力義務で、違反しても直接の罰則はありません。ただし、労災発生時の事業者責任で過失を問われやすく、元請から「未受講者は現場入場不可」と指導されるケースが増えているため、実務上は事実上の義務に近づいているのが現状です。初回の職長教育(労働安全衛生法第60条)は法定義務で罰則あり、一度受講したら生涯有効ですが、「概ね5年ごとの再教育」が推奨されています。

主な目的と受講する人

職長再教育の目的は、法令改正の周知(労働安全衛生法・関係通達のアップデート)、新技術・新工法への対応(ICT施工・新材料への適応)、最新の災害事例の共有、管理スキルの再確認、意識のリフレッシュ(マンネリ化の防止)、というあたりに整理されます。受講対象としては、5年以上前に職長教育を修了した職長・現場リーダー、管理職になって安全管理から少し離れた人、異動で再び現場に戻った人、元請からの再教育要請を受けた人、災害発生事業所の関係者、というのが典型例です。

職長教育自体の知識や、安全衛生協議会・安全パトロールとの関係も合わせて押さえておくと、安全管理体制の全体像が見えてきます。

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職長再教育の対象者

職長再教育は、対象業種・対象者が法令で定められています。「自分が対象かどうか」を正確に判断することが第一歩です。

労働安全衛生法第60条が定める対象業種

職長教育の対象業種は、建設業、製造業(食料品製造業、新聞・出版業など一部除く)、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業、の6業種です。建設業はほぼすべての作業が対象になるため、現場で部下を指揮する立場の人は職長教育を受講し、5年ごとに再教育を受けることになります。

「職長」の定義と対象職位

職長とは「作業員を直接指揮監督する者」を指し、班長・組長・係長・現場監督・主任など名称は問わず、元請の社員でも下請の職長でも対象、作業員10名未満の小規模班でも対象、というのが法令上の整理です。対象になる代表的な職位は、施工管理者・現場代理人(施工業者の作業員を指揮する立場)、専門工事業者の職長・主任(とび職長、鉄筋工長、電気工事の主任など)、班長・組長、将来職長を任される若手リーダー、というあたりです。

「職長・安全衛生責任者教育」修了者も対象

建設業では職長教育と安全衛生責任者教育を同時に受ける「職長・安全衛生責任者教育(14時間)」が一般的で、この修了者も再教育の対象です。職長は作業の指揮監督者(労働安全衛生法第60条)、安全衛生責任者は請負人としての安全衛生連絡担当(労働安全衛生法第16条)と根拠法令は異なりますが、建設業では一人で両方の役割を兼ねるのが普通です。

再教育を受けなくてもよいケースと「再受講が必要」の判断基準

再教育を受けなくてもよいのは、現職を離れて管理業務専任になった人(実質職長業務がない)、職長教育を修了していない人(そもそも対象外)、職長教育の有資格者だが現場業務をしていない人、というあたり。「再受講が必要」と判断される基準は、前回受講から5年以上経過(通達上の標準的な目安)、法令改正があった時(直近では令和5年6月の通達改正)、重大な事故が発生した時(事業所として再教育を実施)、元請からの要請(現場入場の要件として)、の4つです。

元請からの要請が増えている背景

元請が再教育を要件化する動きが強まっている背景には、コンプライアンス強化(労災発生時の責任範囲の明確化)、大手ゼネコンの方針として安全教育を「教育の更新」として運用、発注者からの要望(公共工事の安全管理体制の厳格化)、再教育済の証明書を現場入場の必須書類にする動き、といった流れがあります。

職長と主任技術者の違い

職長と混同されやすいのが「主任技術者」ですが、主任技術者は建設業法上の技術者、職長は労働安全衛生法上の作業指揮者、と根拠法令も役割も異なります。主任技術者の役割と建設業許可の関係も合わせて押さえておくと、現場の役割分担が明確になります。

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職長再教育の内容と時間

職長再教育のカリキュラムは通達で定められており、学習内容と時間が標準化されています。

標準カリキュラム(合計約4.5時間)

科目 時間
安全衛生関係法令の改正等 0.5時間
最近における労働災害の動向 0.5時間
作業方法の決定及び労働者の配置に関すること 1.0時間
労働者に対する指導及び監督の方法 1.0時間
危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置 1.0時間
異常時における措置 0.5時間

※令和5年改正で内容が一部見直されています。受講時はカリキュラムの最新版を確認してください。

各科目の中身

「安全衛生関係法令の改正等」(0.5時間)では、労働安全衛生法・規則の改正点、建設業労働災害防止規程の更新、関連通達・ガイドライン、労働基準法の改正影響(働き方改革・時間外労働規制)を学びます。「最近における労働災害の動向」(0.5時間)は、建設業の労災発生状況(死亡災害・重大災害の統計)、業種別・作業別の災害分析(墜落・転落、機械災害など)、最新の重大災害事例、再発防止策、を扱います。

「作業方法の決定及び労働者の配置」(1.0時間)は、作業計画の立て方(手順書・施工要領書の活用)、適正な配置(技能・経験・体力を考慮)、新技術への対応(ICT施工・新工法)、多能工・外国人労働者の活用、というテーマ。「労働者に対する指導及び監督の方法」(1.0時間)は、OJTの進め方、コミュニケーションスキル(若手・外国人とのやり取り)、指示の出し方(曖昧さを排除した伝達)、動機付け(作業員のやる気を引き出す方法)、というマネジメント寄りの内容です。

「危険性・有害性等の調査と措置」(1.0時間)は、リスクアセスメントの基本(危険源の特定→評価→対策)、KY活動の実践、有害物質の管理(化学物質、粉じん、騒音)、リスクアセスメントの記録方法、を学びます。「異常時における措置」(0.5時間)は、災害発生時の対応(救急処置、関係機関への連絡)、災害調査の進め方(4M分析、なぜなぜ分析)、再発防止計画の立案、危機管理シナリオ(地震・台風・火災時の初動)、を扱います。

→ 教育時間の半分以上が「現場のリスクと事故対応」に充てられている、というのがカリキュラムの重心です。

学習形態と修了証

学習形態は、集合研修(従来の対面講習・1日コース)、オンライン研修(Zoom等の同時双方向・コロナ禍以降普及)、eラーニング(自分のペースで受講可能・一部承認制)、企業内集合研修(自社で講師を呼んで集合実施)、と複数の選択肢があります。受講完了で講習機関から修了証が発行され、会社の安全衛生管理記録に保管、写しを元請への提出書類として現場入場時に提出、通達上は5年ごとに繰り返し受講推奨、という運用になります。

自社実施の場合は、講師の要件(労働安全コンサルタント、または同等の知識経験)、教材(認定団体の教材または同等のもの)、記録の保管(受講者名簿、教材、出席記録)、会社規程への位置づけ(安全衛生管理規程に明記)、が要件になります。

KY活動やTBM-KYとの関係も押さえておくと、再教育の実務的活用が見えてきます。

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職長再教育の受講方法と講習機関

職長再教育を実際に受けるルートと、講習機関の選び方を整理します。

主な受講ルート

代表的な受講ルートは、民間講習機関の集合研修、建設業労働災害防止協会(建災防)の支部講習、労働基準協会の講習、オンライン講習、企業内集合研修、の5つです。

民間講習機関の集合研修は、対面で1日(4.5時間)の集中講習、費用は6,000〜12,000円程度、質問しやすく受講者同士のネットワーク作りができる反面、日程・場所の制約と移動時間がデメリットになります。

建設業労働災害防止協会(建災防)は建設業に特化した安全衛生団体で、全国の支部で職長教育・再教育を実施、建設業向けにカリキュラムが最適化されており、費用は5,000〜10,000円程度。建設会社の多くが第一選択にしているところです。

労働基準協会は各都道府県の労働基準協会連合会が運営し、労働基準法・安全衛生法の専門講習機関として製造業・建設業の両方に対応、費用は6,000〜10,000円程度です。

オンライン講習には、Zoom・Teamsなどの同時双方向型(通達上の集合教育として認められる)と、eラーニング型(一部条件下で認められる)があり、通勤・出張不要で受講できるメリットの一方、通信トラブルや集中力の維持がデメリット。費用は4,000〜10,000円程度です。

企業内集合研修は自社で講師を呼んで集合実施する形式で、費用効率が高く自社の事例を盛り込めるのがメリット。大手ゼネコン・専門工事会社の本社で多用されます。

講習機関選びのポイント

選定時のチェックポイントは、建設業向けにカリキュラムが最適化されているか、令和5年改正に対応した最新カリキュラムか、講師の質(実務経験のある講師か)、修了証の信頼性(元請に通用するか)、受講形態(対面・オンラインの選択肢)、費用と日程、の6点です。

受講申込の流れと持ち物

受講申込は、講習機関の選定 → 日程・会場の確認 → 申込書の記入(受講者情報、職長教育修了の有無) → 受講料の振込 → 受講当日(本人確認書類、修了証旧版持参) → 修了証の受領(当日または後日郵送)、という流れです。持ち物は、本人確認書類(運転免許証など)、筆記用具、以前の職長教育修了証(コピー可、講習機関による)、受講票、昼食(昼休憩がある場合)、というあたり。

オンライン受講の場合は、顔出し必須(本人確認のため)、ログイン・通信トラブル対策(予備回線の準備)、カメラ・マイクの動作確認、静かな環境の確保、画面共有・チャット参加(双方向性が要件)、に気をつけます。

令和5年改正以降の対応と継続学習

令和5年6月の通達改正でカリキュラム見直しがあり、各講習機関が新カリキュラムへ対応中です。最新カリキュラムを採用しているかを確認することが重要です。修了後の継続的な学習としては、年に数回の社内安全研修、災害事例研究会、年次の安全衛生大会、1級施工管理技士などの資格取得によるレベルアップ、というのが定番の流れになります。

施工管理体系図や安全衛生協議会との連動も押さえておきましょう。

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職長再教育を受けないリスク

職長再教育は「努力義務」ですが、未受講のリスクは年々大きくなっています。

法的リスクと現場入場のリスク

直接の罰則はありませんが、労災発生時の事業者責任で過失が認定されやすくなる、行政指導(労基署・労働局からの指導対象)、重大災害発生時の刑事事件化(未受講が量刑判断材料に)、というのが法的リスクの中身です。現場入場のリスクとしては、元請による入場制限(未受講者は現場に入れない)、大手ゼネコン主導の規制強化(「再教育済」が必須要件)、公共工事での要件化、というのが現実的に効いてきます。

契約・保険・経営面のリスク

下請契約の見直し(再教育未受講で発注見送り)、協力会・組合からの除外、損害賠償リスク(労災発生時の元請からの求償)、というのが契約上のリスク。保険・補償面では、労災保険の不利益(再教育未受講が過失要因に)、業務上過失致死傷罪の量刑要素、建設業労災年金特別加入の問題、というリスクがあります。会社経営面でも、コンプライアンス違反、採用面のマイナス、行政処分との連動、CSR・SDGsの観点での投資家・顧客評価への影響、と影響が広がります。

労災事故発生時の具体的リスク

実際に災害が発生した場合、「職長再教育を実施していたか」が事業者の安全配慮義務の評価ポイントになります。書類送検(再教育未実施が過失要素に)、業務上過失致死傷罪(禁錮刑の可能性)、両罰規定(法人としての罰金刑)、損害賠償訴訟(遺族・被災者からの民事訴訟)、CSR・社会的信用の失墜、と影響が広範に及びます。安全配慮義務違反の判例傾向としては、裁判所が「事業者が能力向上教育を実施していたか」を評価し、未実施・形骸化は過失と認定される傾向があり、5年以上未受講の状態は要注意というのが実態です。

未受講リスクを下げる対策と受講のタイミング

リスク低減策は、会社で年次計画を立てる(誰がいつ受講するか)、新人入社時のフロー(職長教育→5年後再教育の予定)、エクセル・労務システムでのリマインド、受講記録の保管(5年以上保管が安全)、元請とのコミュニケーション(要件の事前確認)、というあたり。受講タイミングは、前回受講から5年経過時、法令改正があった時(令和5年6月のような大改正後)、異動で職長業務に戻った時、元請から要請された時、重大災害が発生した時、の5パターンです。

事業者・個人それぞれが押さえるべきこと

事業者として実施すべきことは、対象者リストの作成(職長教育修了者の一覧)、受講履歴の管理(いつ誰が受講したか)、受講計画の策定(年度計画として位置づけ)、講習機関との関係構築、未受講者への個別フォロー、というあたり。個人としては、自分の受講履歴を把握(修了証の保管)、5年経過の自覚(自分から会社に申し出る)、法令改正の情報収集、複数業務での再教育(建設+電気など兼業の場合)、を心がけます。

新規入場者教育や送り出し教育とも連動するので、安全衛生教育全体を体系的に押さえておきましょう。

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職長再教育に関する情報まとめ

  • 職長再教育とは:職長教育修了者が概ね5年ごとに受ける能力向上教育
  • 法的位置づけ:労働安全衛生法第60条の2(努力義務)
  • 対象:建設業など法定6業種で部下を指揮する職長・現場監督
  • 頻度:概ね5年ごと、法令改正時、機械設備変更時
  • 時間:標準4.5時間(令和5年改正に準拠)
  • 内容:法令改正、災害動向、作業方法、指導監督、リスクアセス、異常時対応
  • 講習機関:建災防、労働基準協会、民間講習機関
  • 費用:5,000〜12,000円程度
  • 受講形態:対面、オンライン、eラーニング、企業内集合
  • 未受講リスク:法的責任、現場入場制限、契約リスク、労災時の過失認定

以上が職長再教育に関する情報のまとめです。

職長再教育は「努力義務」だからといって軽視できる時代ではありません。元請の入場制限・発注者の要件化・労災時の責任認定といったリスクが年々大きくなっており、「5年経ったら受け直す」が現場のスタンダードになっています。令和5年6月の通達改正でカリキュラムも更新されたため、前回受講から5年以上経つ職長は早めに再受講しておくのが賢明です。自分のキャリアを守るためにも、現場の安全を守るためにも、職長再教育は手堅く受けておきましょう。安全衛生教育の継続は、施工管理者として最も基本的な専門性の維持なので、雑にせず丁寧に向き合いたい領域ですね。

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