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技術提案書とは?書き方、VE提案、評価項目、雛形のポイントなど

  • 技術提案書ってどんな書類?
  • どうやって書けばいいの?
  • VE提案との違いは?
  • 評価項目はどこを見られるの?
  • 雛形ってあるの?
  • 施工管理は何をするの?

上記の様な悩みを解決します。

技術提案書は公共工事の総合評価方式入札や民間工事のコンペで頻繁に出てくる書類で、ここの出来栄えで受注の可否が決まることもあります。「ただ書けばいい」ではなく「発注者の評価ロジックを意識して書く」のが肝で、施工管理として現場経験を活かすチャンスでもあります。営業や技術部門が主導する書類というイメージが強いですが、実は施工管理の現場感覚が無いと「机上の理論で実現性ゼロの提案」になってしまうので、現場経験者の関与が品質を決める書類です。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

技術提案書とは?

技術提案書とは、結論「発注者が求める品質・工期・安全・環境などの課題に対し、施工者として具体的な技術的アプローチを文書化して提示する書類」のことです。

英語ではTechnical Proposalと呼ばれ、公共工事の総合評価方式入札・プロポーザル方式・民間工事のコンペティションなどで提出が求められます。「価格だけでは判断できない技術力を評価する仕組み」の中核となる書類で、価格以外の要素で受注を勝ち取るための主戦場、というのが位置づけです。

→ ざっくり、「価格競争だけで決まらない世界」のためのプレゼン書類が技術提案書、というイメージです。

主な提出シーン

技術提案書が求められる代表的な場面は、公共工事の総合評価方式入札(価格+技術評価で落札者を決定)、設計プロポーザル(設計内容の提案で受注を決める方式)、民間工事のコンペティション、特定の難工事・大型工事、VE提案制度(契約後に施工者から技術提案で発注者にメリット提示)、というあたりです。

評価されるテーマ

技術提案で評価されるテーマは大きく6つに整理できます。

  • 品質向上(材料・施工方法の工夫)
  • 工期短縮(プレキャスト化・並行作業など)
  • 安全対策(高所・地下・狭隘部での独自工法)
  • 環境配慮(騒音・振動・廃棄物・CO2削減)
  • コスト削減(VE提案・代替材料など)
  • 地域配慮(近隣対策・交通対応・地元雇用)

技術提案書の本質

技術提案書は「発注者の困りごとに技術で答える」書類です。「うちの会社はこんなに技術力があります」という自社アピールではなく、「発注者が抱える課題を、私たちはこう解決します」という発注者目線の書類でなければ評価されません。ここを取り違えると、どれだけ書き込んでも点が取れない、というのが技術提案書の難しさです。

技術提案書・施工計画書・施工要領書の使い分け

書類体系の中での位置づけも整理しておきます。技術提案書は受注前に提案する書類(評価対象)、施工計画書は受注後に施工方針を整理する書類、施工要領書は個別の施工方法を詳細化した書類、という関係です。技術提案書で書いた内容は契約後に履行責任が発生するため、安易な提案・できないことの提案はNGで、実現性のある内容を書くことが鉄則になります。

施工計画書や施工要領書との違いも合わせて押さえておくと、書類体系の全体像がクリアになります。

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技術提案書の構成と書き方

技術提案書には「決まった様式」がない場合と「発注者指定様式」がある場合があります。いずれにしても「読み手(発注者)が評価しやすい構成」にするのが基本です。

標準的な構成

技術提案書の標準的な構成は、表紙(工事名・提案者名・日付)、目次、基本方針(工事の課題認識と全体方針)、個別技術提案(テーマごとに具体的な提案)、添付資料(図面・写真・データ・実績証明)、というオーソドックスな組み立てです。

書き方のセオリー

書き方の王道は次の通りです。発注者の課題を冒頭で明確に書く(「この工事は〇〇という課題があります」)、提案内容は1ページ1テーマで複数の提案を1ページに詰めない、5W1Hで具体的に書く、効果を数値で表現する(工期短縮30日、騒音5dB低減など)、図・写真を入れて視覚的に分かりやすく、実績を添える(類似工事での成功事例)、というのがコツです。

個別提案は「提案項目(テーマを1行で)→ 発注者の課題(解決したい問題を1〜2文で)→ 提案内容(具体的な技術・方法を文章+図で)→ 期待される効果(定量的・定性的効果)→ 実現性の根拠(類似工事実績・特許・資格)→ 施工上の留意事項(リスクと対応策)」というフォーマットでまとめると読みやすくなります。

→ 1ページの構成は「課題→解決策→効果→根拠」の4段構え、と覚えておけばだいたいの場面で通用します。

読み手目線の文章のコツ

読み手目線で書くコツは、結論ファースト(何を提案するかを最初に書く)、専門用語は控えめ(発注者は技術者でないことも多い)、1文40〜50文字以内で長文を避ける、箇条書きで要点を整理、太字・下線・色分けで強調を使い分ける、というあたり。

やってはいけないこと

技術提案書でやってはいけないのは、「がんばります」「全力で取り組みます」だけの精神論、数字のない曖昧な提案、発注者の課題を無視した自社PR、実現性のない夢物語、誤字・脱字の多い書類、添付資料が冗長で本論を見失う構成、というあたりです。

様式と提出形式の確認

様式は指定様式ありの場合(ページ数・字数まで厳密に従う)と、指定様式なしの場合(A4でわかりやすい体裁を意識)に分かれます。提出形式は紙提出か電子提出か、何部提出か、を確認します。技術提案書は書類の作りそのものが評価されるので、フォント・行間・余白まで気を配る必要があります。

施工計画書・施工体制台帳の知識も技術提案書の充実度に直結します。

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VE提案と技術提案書の違い

技術提案書と「VE提案(Value Engineering)」は混同されがちですが、目的・タイミング・評価軸が違うので区別しておきましょう。

VE提案の基本

VEはValue Engineering(価値工学)の略で、コストパフォーマンスを上げる提案、つまり機能を維持しながらコスト削減、または同コストで機能向上を目指す提案手法です。VEには入札時VE(契約前に発注者が認める仕様変更を提案・落札者決定の評価対象)と契約後VE(契約後に施工者から発注者にコスト削減・工期短縮提案)の2種類があります。

技術提案書とVE提案の違い

両者の違いを表で整理すると次のようになります。

項目 技術提案書 VE提案
目的 技術力評価 コスト・価値最適化
タイミング 入札時 入札時または契約後
主な評価軸 技術内容・実現性 経済性・代替性
提案範囲 工法・品質・工期・安全等 コスト削減・代替材料が中心
評価加点 入札時の総合評価で加点 入札時VEは加点・契約後は分配制

→ 技術提案書は「技術力で勝負」、VE提案は「コストパフォーマンスで勝負」というのが大きな違いです。

入札時VEと契約後VE

入札時VEは、入札時に指定された範囲内で仕様変更を提案し、提案が認められれば変更後の仕様で施工、総合評価方式の中で加点要素として扱われます。発注者の財産(設計図書)を改変することになるので慎重さが必要です。契約後VEは、発注者が認めればコスト削減を実現し、削減額の分配(一般に施工者50%・発注者50%など)を行うスキーム。国土交通省直轄工事ではVE提案制度が定着していて、施工管理として現場で気づいたVE提案を出すのが基本です。

技術提案にもVE要素が含まれる

技術提案書の中にVE的要素が含まれることも多くて、「この材料を使えば〇万円コスト削減できる」「こちらの工法なら工期が短縮できる」といった価値工学的アプローチが技術提案として評価されるパターンも普通にあります。

VE提案の注意点

VE提案を出すうえでの注意点は、発注者の意図を尊重(設計者の意図を変えすぎない)、品質確保が大前提(コスト削減だけを追求しない)、法令・基準遵守(仕様変更が法令違反にならないか確認)、施工性の確保(現場で実際に作れる提案か)、というあたり。過度なVE提案は、「安い材料に変えれば〇〇円削減」だけで品質低下、発注者・設計者の意図を無視した変更提案、工期短縮を強調しすぎて安全管理が手薄、検査の合格基準を満たさない代替工法、といったトラブルを招きます。

→ 「VE提案は受注獲得のテクニック」ではなく「発注者の利益のための提案」という心構えが大事ですね。

技術提案や施工計画と関連して、検査体制や品質管理の知識も合わせて押さえておくと提案の説得力が上がります。

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技術提案書の評価項目と加点される提案

公共工事の総合評価方式では技術提案書の評価項目と配点が明確に定められています。「どこを評価されるのか」を理解して書くのが採点アップのコツです。

国土交通省直轄工事の標準的な評価項目

標準的な評価項目は、企業の施工能力(類似工事実績・優良工事表彰)、技術者の能力(資格・経験・継続教育)、施工計画(工程・品質・安全・環境への配慮)、個別技術提案(工事固有の課題への解決策)、配置予定技術者(監理技術者の経験・実績)、地域貢献度(地元雇用・近隣対策)、の6項目が代表的です。

「総合評価値」の計算式

総合評価値は概ね「(標準点 + 加算点)÷ 入札価格」で計算されます。標準点は基準を満たした業者に与えられる点(例:100点)、加算点は技術提案による加算(例:0〜30点)、価格点は入札価格による評価で、価格と技術の合算で総合評価値が決まる、という構造です。

評価される技術提案の特徴

評価される提案には共通点があります。発注者の困りごとを正確に捉えている、具体的・定量的に効果を示せている、実現可能性が高い(実績や根拠がある)、オリジナリティがある(差別化できている)、書類の作りが丁寧(誤字なし・図表が分かりやすい)、というあたりです。

テーマ別の評価される提案例としては、工期短縮(プレキャスト化、夜間施工、複線作業、新技術導入)、品質向上(高強度コンクリート、特殊工法、検査の追加)、安全対策(仮設工法の改善、無人化・遠隔化、ICT活用)、環境配慮(低騒音機械、再生資材、CO2削減、廃棄物削減)、近隣対策(搬入計画、通学路対応、夜間騒音抑制)、DX・新技術活用(BIM、ICT建機、ドローン、3D計測)、というのが定番ジャンルです。

「加点されにくい」提案の特徴

逆に点が伸びない提案は、抽象的な精神論だけ、当たり前の安全対策(KY・新規入場者教育のみ)、数値化されていない曖昧な効果、自社のPRが中心で発注者目線がない、提案内容と工事の規模・課題が合わない、というパターンが多いです。

評価点を上げるためのコツ

発注者が公開している過去の評価事例の研究、国土交通省の「総合評価方式」マニュアルの読み込み、類似工事の落札情報の分析、自社の強みと工事の課題の照合、というのが地道だけど効果のある攻め方です。書類の見栄えでも差がつきます。A3見開きで1テーマ完結のビジュアル提案が好まれ、CGや3Dイメージで分かりやすく、表・グラフで効果を可視化、写真は鮮明・大きく類似工事の実績写真を効果的に、というのが定番テクニックです。

監理技術者の評価

配置予定技術者の経験(類似工事の経験・実績)、保有資格(1級施工管理技士・技術士・優良工事表彰など)、継続教育(CPD)、というのも評価の対象になります。技術者の経歴が直接点になるので、提案書作成時には誰を配置予定とするかの選定も重要なポイントです。

監理技術者・主任技術者の役割は技術提案書の評価点に直結するので、関連記事も合わせて参考にしてください。

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技術提案書の雛形と作成のポイント

技術提案書は「ゼロから作る」のは大変なので、社内に雛形(テンプレート)を整備しておくのが現実的です。雛形のポイントと作成時の注意点を整理します。

雛形の基本構成

A3版・A4版の雛形は、表紙(工事名・受注予定者・代表技術者・日付)、目次(提案の全体像が一目でわかる)、基本方針(工事の重点課題と全体アプローチ)、個別提案ページ(1テーマ1ページが原則)、添付資料(会社概要・実績一覧・技術者経歴)、という構成にしておくのが定番です。1ページ完結の個別提案フォーマットは、見出し(提案テーマを1行で)、左半分(発注者の課題と提案内容を文章中心で)、右半分(提案を視覚化した図・写真・グラフ)、下部(期待される効果と実現の根拠)、というレイアウトが評価されやすい形です。

雛形に入れておくべき要素

雛形に組み込んでおくべき要素は、会社のロゴ・カラー(ブランディング統一)、標準フォント・行間設定(見やすい体裁)、共通の図表フォーマット(効果を定量化するグラフ枠)、過去の優良提案集(類似工事での参考事例)、提出前のチェックリスト、というあたりです。

作成時のチェックリスト

作成時に確認すべき項目を整理しておきます。

  • 発注者の入札公告・要求事項を全て読み込んだか
  • 評価項目・配点を理解しているか
  • 工事の特徴的な課題を正しく把握しているか
  • 個別提案ごとに5W1Hが明確か
  • 効果は定量的に数値化されているか
  • 実現性の根拠(実績・特許)が示されているか
  • 図表・写真は鮮明で分かりやすいか
  • 誤字・脱字がないか(複数人でクロスチェック)
  • ページ数・様式は指示通りか
  • 提出期限に余裕を持って完成しているか

社内レビュー体制

社内レビューは、技術担当(技術内容の正確性)、営業担当(発注者目線の確認)、施工管理経験者(現場での実現性)、役員レビュー(会社としての方針確認)、印刷・製本担当(体裁・見栄え)、という多角的なチェック体制で進めるのが理想です。特に施工管理経験者のレビューは必須で、「これ本当にできるの?」のチェックが品質を決めます。過去の現場で「うまくいったこと」「失敗したこと」を提案に活かす視点が、机上の理論と現場のギャップを埋める鍵になります。

外注・情報セキュリティ

技術提案書をコンサル会社・専門業者に外注するケースもあり、1工事あたり数十万円〜数百万円かかることも。自社のオリジナリティを失わないよう、社内主導+外部支援が理想です。情報セキュリティ面では、技術提案書は機密情報の塊なので、電子データの管理(社外への流出防止)、印刷物の管理(シュレッダー処理・社外持ち出し管理)を徹底します。

施工要領書・施工計画書の雛形と並行して、技術提案書の雛形も社内で育てていくと、業務効率と提案品質が同時に上がります。

施工管理として技術提案書に関わるポイント

技術提案書は営業・技術部門が主導することが多いですが、施工管理の関わりは想像以上に大きいです。

施工管理が関わる主な場面

施工管理が技術提案書に関わるのは、入札前の現地調査(現場を見て課題を抽出)、過去の類似工事の実績整理(自分の現場経験を提案に反映)、個別提案の実現性確認(「現場でこれは実現可能か」のジャッジ)、施工方法の検討(技術部門と一緒にアイデア出し)、写真・データの提供(過去現場の証拠資料)、見積根拠の確認(提案実現のためのコスト試算)、というシーンです。

施工管理目線のチェックリスト

施工管理として技術提案書をチェックするときの観点は、提案内容は実際の現場で本当に実現できるか、施工性は十分に検討されているか(手順・必要な機材・人数)、安全管理は適切に組み込まれているか、検査・品質確認は容易な提案か、施工管理の負担は過大になっていないか、追加コスト・追加工期が発生しないか、の6点です。

現場経験を活かしたVE提案のヒント

VE提案のネタは現場経験の中に眠っています。過去の現場で「もっと効率的にやれたな」と感じた経験、協力会社からのアイデア(職人さんが言っていた工夫)、失敗事例から学んだ教訓(「次回はこうする」というアイデア)、新製品・新技術の試用経験(実証済みの効果)、というあたりから提案の種を拾えます。

契約後の技術提案書の扱い

技術提案書の内容は契約書に組み込まれ、提案した内容は履行責任が発生します。施工計画書に技術提案書の内容を反映し、施工要領書で詳細を詰める、という連動で実行に移します。技術提案書通りに施工しないと、契約違反として指摘される、発注者からの信頼喪失、次回入札時に評価が下がる、書類検査での減点、というリスクがあります。提案内容を変える場合は発注者と協議のうえ承認を取るのが鉄則です。

現場で意識していること

施工管理として技術提案書を見るとき、「自分が現場代理人として、これを職人さんと一緒にやれるか?」という視点で必ずチェックします。机上で良さそうな提案も、現場では「無理筋」ということが意外に多いので、実現性を等身大で評価する役割は施工管理の仕事です。

→ 技術提案書の品質は会社の競争力に直結するので、現場経験者として積極的に関与していく価値は十分にあります。

現場代理人や監理技術者の役割と合わせて理解しておくと、技術提案書での自分の立ち位置がクリアになります。

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技術提案書に関する情報まとめ

  • 技術提案書とは:発注者の課題に技術的アプローチを提示する書類
  • 構成:表紙・目次・基本方針・個別提案・添付資料
  • 書き方の基本:発注者目線、結論ファースト、定量的効果、図表重視
  • VE提案との違い:技術提案は技術力評価、VEはコスト・価値最適化
  • 評価項目:施工能力・技術者能力・施工計画・個別提案・地域貢献
  • 加点される提案:定量的・実現可能・オリジナリティ・丁寧な書類
  • 雛形:1テーマ1ページ、5W1H、図表で視覚化
  • 施工管理の役割:実現性確認、現場経験の反映、契約後の履行確保

以上が技術提案書に関する情報のまとめです。

技術提案書は「机上の作文」ではなく「現場で実現できる解決策の提示」でなければ評価されません。施工管理としては「現場で本当にできるかをジャッジする立場」として、技術提案書の品質確保に積極的に関わるのが王道。発注者の課題→具体的な提案→定量的効果→実現の根拠という4段構えで提案を組み立てれば、評価される技術提案書になります。受注後は提案内容を施工計画書・施工要領書に展開して、確実な履行に繋げていきましょう。

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