- 施工体制台帳ってなに?
- どうやって書けばいいの?
- 添付書類はどんなものがあるの?
- 様式、フォーマットが欲しい
- 提出期限って?
- 保管期間はどれくらい?
上記のような悩みを解決します。
着工するには施工体制台帳を作成しなければなりません。
工事を始めるのに必ず必要な書類になりますので、知識は抑えておきましょう!
この記事をまとめている僕は、建設業TOP10に入る会社で施工管理をしていました。実際の現場で学んだことを元に記事をまとめるので、それなりに信憑性のある記事になるかなと思います。
施工体制台帳とは?
施工体制台帳とは、結論「施工体制を明確にする書類全般のこと」です。
まず大前提として、工事を一つの会社だけで施工することは少ないです。大抵の場合、元請けや一次受け、二次受けや三次受けが存在します。
となると、発注者からしたら、どの業者がどの工事をするのか?がよく分からなくなりますよね。どの業者がどの工事をするのか?を明確にするのが、施工体制台帳です。
細かい話をすると、施工体制台帳の意味は広く、定義が分かりにくいものになります。
加えて「施工体制を明確にする書類全般のこと」も施工体制台帳と呼ぶんです。
具体的には、下記のような書類一式を施工体制台帳と定義します。
施工体制台帳一式
- 再下請負業者編成表
- 再下請負通知書
- 施工体制台帳作成建設工事の通知
- 施工体制台帳作成建設工事の掲示
- 工事請負基本契約書
- 監理技術者の任命
- 送り出し教育資料
- 新規入場者教育資料
施工体制台帳の書き方
建設業の許可
まずは元請けである会社の「建設業許可」に関する情報を記載します。
建設業の許可に記載する情報
- 施工に必要な許可業種
- 許可番号
- 許可(更新)年月日
建設業許可に関しては5年毎に更新が必要です。もし期限が切れてしまっている場合には、更新の手続きが必要ですので、注意しましょう。
工事内容
工事内容に記載する情報
- 工事件名
- 工事内容
- 発注者の名前(組織名)
- 発注者の住所
- 工期
- 契約日
契約営業所
契約営業所に記載する情報
- 名称:会社名+〇〇部(施工部とか)
- 住所:会社の住所
- 元請け契約と下請け契約:元請けに記載して、下請けの欄には「同上」でオーケー
監督員情報
監督員情報に記載する情報
- 監督員名:現場で一番偉い人
- 現場代理人:現場代理人の名前
- 主任技術者:現場代理人の名前でもOK(違う人でもオーケー)
- 権限:工事請負基本契約約款第○条記載の通り
- 専門技術者:空欄でもオーケー
外国人建設労働者と技能実習生
まずここの項目は「元請けに外国人がいるか?いないか?」の話です。
下請けに外国人労働者がいたとしても、元請けに外国人がいなければ「無」になります。間違えやすいので注意しましょう。
また、技能実習生と建設労働者の違いは「期限付きか?否か?」です。
技能実習生は期限付きで「数年後に帰国することを前提として」雇用されています。対して建設労働者は「日本でずっと働くことを前提として」雇用されているんです。
健康保険等の加入状況
健康保険等の加入状況に記載する情報
- 保険加入の有無:会社として保険に入っているか
- →健康保険:加入
- →厚生年金保険:加入
- →雇用保険:加入
- →→各保険番号も記入すること
下請負人に関する事項
請負人に関する事項に記載する情報
- 会社名:会社名を記載
- 代表者名:社長の名前を記載
- 住所、電話番号:会社の住所と電話番号を記載
- 工事名称及び工事内容:その下請けが担当する業務内容も記載する
- 工期と契約日:それぞれ記入
下請負人の建設業許可
下請負人の建設業許可に記載する情報
- 施工に必要な許可業種
- 許可番号
- 許可(更新)年月日
(下請負人の施工体制)
下請負人の施工体制に記載する情報
- 現場代理人名:下請負業者の現場代理人
- 主任技術者名と資格:現場代理人と同じ名前でOK
- 安全衛生責任者:現場代理人と同じ名前でOK
- 安全衛生推進者名:現場代理人とは違う人
- 雇用管理責任者名:代表取締役の名前でOK
- 専門技術者名:空欄でOK
- 登録基幹技能者名・種類:空欄でOK
- 外国人関係:先ほどと同様の考え方で記入
施工体制台帳の添付書類
施工体制台帳作成建設工事の通知
色々と書かれていますが、要するに「下請けが新たな下請けに仕事を発注する際の対応について」の記載です。
建設業では3次受けや4次受けはよくあります。
先ほどは元請けと1次受けの話でしたが、1次受けが2次受けに対して発注する際は『再下請負通知書の作成と提出をしてくださいね』という内容が書かれているのが、施工体制台帳作成建設工事の通知です。
またこれを同様に、2次受けが3次受けに発注する際も、3次受けが4次受けに発注する際も、再下請負通知書が必要です。
施工体制台帳作成建設工事の掲示
これも先ほどの「施工体制台帳作成建設工事の通知」と内容は同じです。
下請負業者編成表
下請負業者編成表とは、結論「施工体制を視覚的に分かりやすくしたもの」です。
一番上に元請けがきて、その下に一次受けが来る。その一次受けの下にどんな業者があるのか?というのを見やすくした書類です。
下請け業者が増えてくると施工体制が不明瞭になりがちです。そこで作成されるのが、下請負業者編成表という話です。
下請負業者編成表に記載する情報
- 会社名
- 安全衛生責任者
- 主任技術者
- 専門技術者
- 担当工事内容
- 工期
施工体制台帳の様式
施工体制台帳の様式は国土交通省のホームページからダウンロード可能です。
まず大前提として、施工体制台帳には様式があります。
新規入場者教育資料とか送り出し教育資料とかは会社によって異なりますが、施工体制台帳に関しては、どの現場も共通ですので覚えておいてください。
>>>国土交通省のホームページ
施工体制台帳の提出期限
施工体制台帳の提出期限は、結論「着工前」です。
当たり前といえば当たり前ですよね。例えば、施工体制に不備があったとして、着工した後に不備を修正しようと思っても大変ですから。
着工する前にお客様へ提出し、チェックを貰い、必要があれば修正しなければなりません。
ちなみに、施工体制台帳は契約が終わってからの作成です。つまり「契約→施工体制台帳の作成→着工」という流れになります。
現場によっては施工体制台帳が正確にで揃う前に着工するところもあるみたいですが、基本的にあまりよろしくはありません。
工事が始まると、仕事が無限にあるので、手が回らなくなります。
施工体制台帳の保管期間
施工体制台帳は、工事が完了してから5年間が保管期間です。
工事が終了したらすぐにポイする訳にはいきません。
例えば、工事が竣工したから3年後に設備事故が発生したとしましょう。『この施工は誰がやったんだ!』といった話になった時、施工体制台帳が無ければ、責任の所在が分かりません。
他の書類も共通ですが、捨ててはいけない書類が建設業には多数あります。
施工体制台帳に関する情報まとめ
施工体制台帳に関する情報まとめ
- 施工体制台帳とは:施工体制を明確にする書類全般のこと
- 施工体制台帳の書き方:上章参照
- 施工体制台帳の添付書類:施工体制台帳作成建設工事の通知、掲示、下請負業者編成表
- 施工体制台帳の様式:国土交通省のホームページ
- 施工体制台帳の提出期限:着工前
- 施工体制台帳の保管期間:工事が完了してから5年間
以上が施工体制台帳に関する情報のまとめです。
一通り施工体制台帳の基礎知識は網羅できたと思います。
施工体制台帳以外にも、着工前に必要な書類はいくつかあります。他の書類でも知らない書類があったら下記記事を参考にしてみてください。
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